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β-ラクトグロブリン・α-ラクトアルブミンのカルボキシル基修飾蛋白質およびトリプシン消化による生成ペプチドの静菌性について-香川大学学術情報リポジトリ

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(1)

β−ラクトグロブリン・α−ラクトアルブミンの

カルポキシル基修飾蛋白質およびトリプシ∵/消化

による生成ペプチドの静菌性について

官辺 豊紀,北畠 正直,植田 和代

ONTHE ANTIBACTERIALPROPERTY OF CARBOXYL RESIDUE−MODIFIED

β−LACTOGLOBULINANDMODIFIEDα−LACTALBUMIN,

AND OF PEPTIDES PRODUCED BYTRYPSIN

DIGESTION OF PROTEINS

ToyokiMIYABE,MasanaoKITABATAXEandKazuyoUEDA

Sllmmary l)Antibacter・ialpropertyofcarboxylresidu?S−mOdi鎖edβ−1actoglobulin(COOH・mβ1g)andmodifiedα−1actalbumin (COOH−mαia)wasmarkedlystronga占comparedwiththatofotheramino,indol,andglユanidylr・esidues−mOdified proteins,tOmici・ObalgrowthofStr・・L2CtjおandStz・WqgeneS.Modifiedproteinsaddedtoacultureofmi1kserum pr・Otein−freesterilizedwheyareO.7%asproteinconcentration”Percentofmodificationisabout12to48forcar−

boxylresidueandabout61to90forotheraminoacidresidues

2)Antibacterialpropertyoftr・ypSindigestionproductsofβ1gandα1a,Whichwerefractionatedbyion−eXChange ChromatographyusingDowらx50W・Ⅹ2,tOmicrobalgrow仁hofStz・PytqeZ2eSWaSStudied.Antibacterialproperty Offr・aCtionpeptideobtainedfromdigeStionproductswasnotstrongshowingaboutone−fourth畠SCdmpar占dwith thatofCOOH−rnβ1gandCOOH−mα1a 3)ThecauseofinhibitoryeffectofCOOH−mβ1g,COOH−mα1a,anddigeStionpeptidestomicrobalgTOWthwas

PreSumedtobeduetothatfreeaminorIeSidueofmodifiedproteinsordigeStionpeptidewasassociatedbyionic

bondwithproteininbacteriamembraneBecauseofsmal1molecularweightofpeptide,hoYeVer,thiscomplexwith peptidewasnotstrongforanaCtivityofpreventingatr・anSPOrtaCtivityofbacteria 1)カルポキシル基修飾β−ラクトグロブリンおよび修飾α−ラクトアルブミンほ,ぶれ血eとねおよびβか・・朋e刀eβ に対して静菌力が強かったが,アミノ基,インドール基,グアニジル基を修飾した蛋白質は余り静菌効果は認めら れなかった。修飾蛋白質の添加濃度は07%,修飾率は,カルポキシル基約12∼48%,その他のアミノ酸残基泰雄1∼測 %である。培養液として乳清蛋白質除去殺菌乳清を使用した。 2)β−ラクトグロブリンおよびα−ラクトアルブミンをトリプシン∵/で消化(30分,2時間)して,イオン交換樹 脂Dowex50W−X2で消化物をゲル濾過して得た分画ペプチドのStt・,PytqeneSに対する静菌カについて調べた結 果,各分画ペプチドの静菌効果は弱かった。ニソピリン反応の強い分画ペプチドは,他の分画ペプチドに比べてやや 静菌効果があったが,カルポキンル基修飾β1gおよび修飾α1aの約4分の1の強さであった。

3)カルポキンル基修飾β1gおよび修飾α1aの静菌作用ほ,修飾によって露出した遊離のアミノ基が細菌膜の蛋

白質と結合することに起因するが,トリプシン消化による分画ペプチドのアミ/基の静菌効果が弱いのは,ペプチド の分子最が小さいため,細菌を包囲する力が弱く,細菌膜の能動輸送を阻止する力が弱いためであると推定された。

(2)

香川大学農学部学術報告 第37巻 第2号(1986) 150 緒 R 牛乳の加熱殺菌・冷蔵の設備の充実した先進国は別として,生乳を直接,飲用する1部の発展途上国において,人 体に無害な生化学的静菌・抗菌性物質が生乳の保存のために使用されるようになれば食品衛生的見地からみて有意義 なことである。また,生乳で子年や子豚を飼育する際に使用しても下痢の防止に役立つ。古く生乳の自己殺菌作用と 呼ばれた時期に,佐々木ら(l)の報告があるが,わら国では余り研究報告ほみられない。最近,生乳の抗微生物活性物 質について報告されたReiter(2)や梅本(3)の総説がある。これたよると,12種類があり,特異的なものとして,免疫 グロブリン,リンパ球,体細胞,補体および免疫グロブリン,非特異的なものとして,乳汁リゾチーム,ラクトフェ リソ,ラクトパ⊥オキンダーゼ,β−リジン,乳汁アグルチニン,プロパ・−ジン,コシグルチン,ビタミンB12およ び葉酸結合蛋白質などが挙げられている。官辺ら(4)は,前報で,β−ラクトグロプリン(β1g)とα−ラクトアルブ ミン(α1a)の側鎖Rのカルポキンル基を化学修飾して,アミノ基を遊離させた修飾蛋白質の静菌性を調べた結果, Str・・hctjbおよびStz・”朋eneSに対して,顕著な静菌力を示し且つ菌体のtRNAの塩基組成に異常を惹き起させ ることを認めた。 本研究でほ,β1gおよびα1aを化学修飾して遊離させたポリペプチ=鎖の側鎖Rの遊離アミノ基とトリプシン酵 素による分解生成物であるペプチイの遊離アミノ塞がぶか.月憫餌eぶに対してどのような静菌性の相異があるかにつ いで比較検討したので報告する。 実 験 方 法 1.β−ラクトゲロブリン・α−ラクトアルブミンの分灘精製と純度の検定 供試乳はホルスタイン種約300頭の混合生乳を用いた。遠心脱脂した脱脂乳のカゼインをpH4…6の等零点法で沈 澱させ,5℃で一慮夜放置後,3,000Ⅰpm,10分間遠心して除去し,上澄液のホェーを得た。このホェt−を用いて,

Aschaffenburgら(56)の方法によって分離精製した。β1gとα1aの純度の検定は,ポリアクリルアミドゲルの電気泳動m

と超遠心分析(8)によった。電気泳動ほ,ゲル用試薬として,トリス,TEMD,アクリルアミト\BIS,リボフラ ビン,槽用緩衝液用試乗として,グリンソ,トリス,過硫酸アンモニウムを用いた。泳動条件ほ200′∼声00V,3mA /本,泳動時間は約120分。ゲルはア享ドブラック10Bで染色し,7%酢酸で脱色した。超遠心分析用の試料として, βlg15mgを0り8%塩化ナトリウム溶液15m如こ溶解,αla15mgを0一01Mイミダゾl−ル・塩酸緩衝液(pH7.1)1.5m錮こ 溶解したものを用いた。嘩遠心は,室温で60,000rpm,144分間回転させ,24分勧こ写真を撮影し,沈降定数St, S20Wを求めた。 2い蛋白質の化学修飾(9−11) 1)カルポキンル基の修飾:蛋白質(β1g,α1a)300mgを冷メタノ・−ル中に懸濁し,これに濃塩酸を加えて塩 酸濃度を0い1Nとし,25℃で16∼96時間保った後,多品の水冷水で東釈して反応を止めた。過剰の酸とメタノールは, 0.001N塩酸で透析して除いた。透析後,凍結乾燥した。反応時間を変えることによって,蛋白質の修飾率を変えた。 修飾率は酸・アルカリ滴定法によった。すなわち,修飾蛋白質5∼25mgを水10m如こ溶解し,フェノールフクレインを 指示薬として,001N苛性ソーダ溶液で滴定した。

2)アミノ基の修飾:10%濃度の蛋白質(β1g,α1a)試料に等容畳の飽和酢酸ナトリウム溶液を加えて,氷

浴中で冷却し,これに無水酢酸を0℃で1時間のうち,5回に分けて加えた。この試薬の添加量は,蛋白質溶液と等 容量である。反応処理後,透析して凍結乾燥した。無水酢酸の添加量を変えて修飾率を変えた。修飾率はエソヒドリ ン反応によって求めた。すなわち,修飾蛋白質2Omg/鵬の試料を常法により,くえん酸緩衝液,ニ∵/ヒドリン溶液, ノアン化カリ溶液の一億量を加えて,15分間煮沸し,60%アルコ・−ル溶液を少孟加えて発色させ,570nmの吸光度 を測定した。 3)グアニジル基(アルギニン)の修飾:蛋白質(β1g,αla)300mgと同量の1,2−シクロヘキサンジオン を100舶の水に溶解し,これにトリメチルアミこ/溶液を加えて,pHllとした。この反応液を室温で暗所に10∼43時 間放置後,透析して凍結乾燥した。反応時間を変えて修飾率を変えた。修飾率は坂口反応によって求めた。0・5∼25 mg/ndの濃度の修飾蛋白質溶液5m如こ0.1%ナフトTル溶液とNaOBr溶液を加えて発色させ,500nmの吸光度を測

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定した。 4)インドール基(トリプトファン)の修飾:蛋白質(β1g,α1a)035gを緩衝液200血けこ溶解し,これに 0.01MN−プロムコ/、ク酸イミドを0.4m史宛,撹拝しながら加え,30秒後,その都度,吸光度を測定した。吸光度が一 定になるまで反応させた。反応処理後,透析して凍結乾燥した。緩衝液として,0.1M酢酸緩衝液(pH2.82),り ん酸緩衝液(pH4小80),りん酸緩衝液(pH691)を用い,緩衝液のpHを変えることにより修飾率を変えた。修 飾率の求め方:吸光度差をトリプトファンの分子吸光係数5,500で割り,その商に経験的ファクタ・−1jlを乗じて 酸化されたトリプトファンのモル濃度を求めた。この値を蛋白質濃度で割り,蛋白質1モル中の酸化トリプトファン のモル濃度を求めた。ただし,β1gおよびα1aの分子量は,それぞれ18,000および16,000とし,蛋白質1モル中に含 まれるトリプトファンは2.0・モルおよび5.3・モルとした。 3.細菌抑制試験の使用菌と培地の調製 細菌培地の調製や接種の操作は,すべて綿種付乾熱滅菌試験管を使用し,無菌箱中で無菌的に行ちた。 aノ)使用 菌‥g加胴即eβ肋ガ声4および蝕血e出点を使用したo b)使用培地 ‥ 標準寒天培地(馳・朋即eぶ の培養および平面培養用)の成分組成(%)は,酵母エキス0.25,ペプトン05,ブドウ糖0.1,寒天1.5(pH7.1 土0‖1)o BCP添加標準寒天培地(βか.血三日塵の平面培養用)の成分組成(%)ほ,酵母エキスQ25,、ペプトン0ほ, ブドウ糖0い1,寒天1い5,BCPO.005。 C)リトマス乳清培地(ぶれ血e出ぉの培養用)の調製:脱脂乳に等容 の水を加え,40∼50℃に温め,希塩酸を滴下してカゼインを凝固させ,これを濾過した濾液をNム2CO。溶液でリト マスを指示薬として中和し,1時間殺菌後,再び濾過し,リトマス液を2%加えて紫色とした。 d)乳清蛋白質除 去殺菌乳清の調製 ‥ 生乳を遠心脱脂して得た脱脂乳100m銅こ1%レンニソ(Sigma社製)2.8m&を加え,40℃,pH 6・3の条件で20分間作用させ,カゼイ■ンを凝固させた。これを濾過し,カゼインを除去して乳清を得た。この乳清を さらに100℃,15分間加熱して,乳清蛋白質を凝固させ,10,000T・pm,20分間遠心後,吸引濾過して,乳清蛋白質を 除去した。得られた乳清蛋白質除去乳清を pH7.0に調節し,フトートクレ1−プで,120℃,30分間殺菌した。 e) スターターの調製:乳清蛋白質除去殺菌乳滑を試験管に・5m史採り,前記培地で培養した菌の1白金耳を接種し,37 ℃,24時間培養した。この培養液を乳清蛋白質除去殺菌乳清10m粧こ対して,1%容接種し,37℃,24時間培養してス タ・−タ・−とした。 4各種アミノ酸残基修飾蛋白質の細菌抑制試験 乳清蛋白質除去殺菌乳清5m曳を試験管に採り,これにカルポキシル基,アミノ基,インドール基,グアニジル基の 各種アミノ酸残基を化学修飾した修飾β1gおよび修飾α1aを各々5・−35mgの範囲(蛋白質濃度として,0…1∼0,.ケ%) を添加した。これにメタ・一夕ー0,5%容を加えて,37℃,8時間培養した。培養後,滅菌生理的食塩水で適当な濃度 に希釈した。この希釈液1m旦を滅菌シャレーに移し,予め殺菌し且つ43γ45℃に保温した培地を流し込んだ。希釈は 2段階とし,1希釈につき,2枚の平板を使用した。β伽胴e乃eβは重層培東とした。37℃,48時間(土3時間) 培養し,集落数を算出した。平均集落数に希釈培数を乗じた数値を対数値で表わした。 5,.トリプシンによる乳清蛋白質(βlg,αla)の分解 1)トリプシン溶液の調製:50mgのトリプシ∵/結晶(メルク製)を水25舶に溶解し,防腐剤として,トルエン2 滴を加えた。 2)乳清蛋白質試料の調製:240mgの乳清蛋白質(β1g,αla)を水10m如こ採り,0.2N苛性ソpIダでpH8.0と して試料とした。 3)トリプシソによる乳清蛋白質の分解:乳清蛋白質溶液10舶(蛋白質濃度として2い4%)にトリプ、シソ溶液1 舶を加え,振とう器で振とうしながら,31℃で,30分間および2時間反応させた。反応後,50∼55℃の温湯に5∼6 分間浸してトリプシソを失宿さ・せ,冷蔵庫に1時保存した。 6.イオン交換樹脂によるトリプシン分解生成物の分画 Dowex50W−Ⅹ2をカラム(2×150cm)に充填し,2∼3日放置後,使用した。02N酢酸ナトリウム緩衝液を 用いた。前記のトリプシン分解物を試料とし,室温(18℃)で流速50m史/hの速さで,5m旦のフラクションを100本

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香川大学農学部学術報告 第37巻 第2号(1986) 152 採取した。各フラクン≡王ンの試料ほ,280nmの吸光度およびニンヒドリン反応により発色させ,570nmの吸光度を それぞれ測定した。 実 験 結 果 1.β−ラクトゲロブリン・α一ラクトアルブミンの純度の検定 生乳より分離精製したβ1gおよびα1aは,ポリアクリルアミドゲル電気泳動により,単一バンドが得られた。β1g の移動度はRfO.13,αlaO.35であった。また,超遠心分析によって,沈降定数を測定した結果,βlg2l64S,α1a l78Sであった。超遠心によるンエリーレン図形も単一ゼ・−クを示し,両蛋白質ともに純粋あることが確められた0

2各種アミノ酸妓基を修飾したβ−ラクトゲロブリン・α−ラクトアルブミンの静菌力試験

β1g才ざよびα1aのポリペプチド鎖の側鎖Rのうち,イオン結合に関係のあるアミノ酸残基,すなわちカルポキン ル鼠 ア、ミノ基,インドール基,グアニジル基を化学修飾した。この修飾β1gおよび修飾α1aのぶ加血,出よおよび Stz・.胴eneSに対する静菌力についで比較検討した結果はTablelに示した。これら修飾蛋白質の添加量は,乳 清蛋白質除去殺菌乳活に対して07%である。この結果の通り,’カルポキンル基修飾β1gおよびカルポキシル基修飾 α1aだけが顕著に静菌カがあった。カルポキシル基以外のアミノ酸残基を化学修飾した修飾β1gおよび修飾α1a/ほ, 修飾率を高くしても静菌力は全くないか,僅かであった。イントール基を修飾β1gと修飾α1aがぶか・血dお「に対し て,グアニジル基を修飾した修飾β1gがβか・且F曙飢eぶに対して僅かり静菌力があることが認められた。

TablelAntibacterialpropertyofmodifiedβ」actoglobulin and α−1achalbuminin which some aminoicacidresidueswer・eblocked

β−1actoglobulin Modifiedamino α−lactalbumin

Modified amino

acid Iesidues s.lactis S.pyogenes acid residues s.1actis S.pyogenes

:II‡ carboxy11

25.0% + 48,2% + 122% +++ 344% ++++ ++++ ++++ Carboxyl Amimo,855% Amino,798% Indol,897% ± Guanidyl,61.8% Indol,790% 土 土 Guanidyl,86.5% Unmodified + + Unmodified

Antibacterialproperty:++++ strong,+ somewhat effective,± faintlyeffective,−−ineffective; Modified proteines(07% as prOteinconcentration)wereindividuallyaddedto 5 mlofmi1kserum

protein−free sterilized whey and activated starter(05%)of bacteriawasinoculated,afterwhichit was cultivatedat37℃for 8 hoursThe culture was dilutedwith a ster・ile,physiologicalsaIine and grownat37℃ for48hours by aplate culture

また,カルポキンル基修飾β1gは,5む.血頭短およびgか月間餌e5の両菌に対して顕著な静菌力を示したが, カルポキンル基修飾α1aは,ぶか.月γ曙即eぶに対してのみ顕著な静菌力を示した。ぶか..血紙料に対しては余り静菌力 を示さなかった。カルポキシル基の修飾率ほ,他のアミノ酸残基に比べで小さかったにも拘わらず静菌力は大であっ た。カルポキンル基の修飾率は,約12∼48%,アミノ基,イントール基,グアニジル基の修飾率は,約62∼90%であ る。未修飾蛋白質では,β1gだけが僅かに.静菌力があった。

3カルポキシル基修飾β−ラクトゲロブリン・8「−ラクトアルブミンの静菌力試験

カルポキシル基修飾蛋白質の蛋白質濃度および修飾率とβか.血d蕗およびβか胴餌eβに対する静菌力との関係 について試験した結果はFig“1の通りである。乳清蛋白質除去殺菌乳活に加えた修飾蛋白質の濃度は0∼0小7%,修 飾率は,カルポキンル基修飾βlgが12.2%と44%,カルポキンル基修飾α1aが333%と42‖1%である。 未修飾β1gは,ぶか.血c£メよおよび馳・明朗e5の両菌に対して僅かに静菌力があったが,未修飾α1aの静菌作 用はなく,蛋白質濃度を0‖2%以上にすると,細菌数が却って増加した。カルポキンル基修飾蛋白質ほ,ぶか・血dお に対してよりもβか月匹瞥即e5に対して静菌力が大であった。修飾β1gおよび修飾α1aのぶむ二風間即eぶに対する

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静菌作用は,蛋白質濃度04%以上で顕著に大となり,修倒β1gのぶか・血虎由に対する静菌作用峠,蛋白質濃度0“6

%以上で顕著に大となった。修飾α1aの飴血虎ねに対する静菌力は余り強くなかった0また,修飾率は高くなる毯

静菌力も大となった。このことは修飾蛋白質のカルポキシル基の化学修飾が細菌に対する生育抑制と密接な関係があ

ることを示唆する。修飾蛋白質の静菌作用は,カルポキンル基の化学修飾によって露出したアミノ基が,細菌膜の蛋

白質のカルポキ・ンル基とイオン結合し,細菌の能動輸送を阻害することが原因であると推定された0

0 0 0 7 00 9 0 0 0 7 ︵‖0 9 雇\l已コOU一書しじち雲MO﹂ 召\苫nOU−雲JヱU月明O﹂ 0.4 0.6(%) 0 ̄▼ 0.2 0.4 06(%)

Protein concentration Protein concentration

of unmodifiedβ1gandCOOH−mβlg ofunmodifiedα1aandCOOH−mα1a

Antibacterialpropertyfor Strbctjb

;.__._.._.“_トー

0 0 0 4 5 6 ↓∈\苫nOU︼吋lJ莞じぷ叫O﹂ 一∈\苫nOU叫雲J曇じ雲叫O﹂ 0 0.2 0.4 06(%) ▼ 0 0.2 0、4 06(%) Protein concentr・ation Protein concentration ofunmodifiedβlg and COOH−mβ1g ofunmOdifiedα1aandCOOH∼mα1a

Antibacterialproperty for Str脚哲eneS

Fig1.Antibacter・ialpropertyofmodifiedβlLlactogloulinandmodifiedα−

lactalbumininwhichcarboxylresidueswereblocked

(●)unmodi負edβ1gorunmodifiedα1a,(○,×)COOH−mβ1gorCOOH− mα1a:Per・CentOfmodification:[A]COOH−mβ1g,(a)12.2,(b)34,4; [B]COOH−mα1a,(a)33」3,(b)42・11r Carboxylresidues一rnOdifiedpro− teinswer・eShownbyasignofCOOH−mβ1gorCOOH−mα1a”Seean

experimentalmethodofTablelinwhichthebacteriacultivationwas

donebysameprocedure

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154 香川大学農学部学術報告 第37巻 第2号(1986) 4い乳清蛋白質のトリプシン消化物の分画 β−ラクトグロプリンおよびα一ラクトアルブミンをトリプシンで消化した消化物をイオン交換樹脂Dowex50W ̄

Ⅹ2でゲル濾過して分画した結果は,Fig。2,3に示した通りである。消化ペプチドのベンゼン核をもったアミノ酸

すなわち,チロシソ,トリプトファン,フユニー′しァラニソを280nmの波長で測定し,一方・アミノ基をもったア

ミノ酸をニンヒドリソ反応で発色し,570nmの波長で測定した。Ⅰが消化時間30分,Ⅰが消化時間2時間である。

β−ラクトグロブリンをトリプシ∵/で消化した場合,消化ペプチドのピ1−クは,消化時間30分,2時間ともにフラク

ショソ恥29∼50の同じ位置㈱にメインのピークが現われた。しかし,消化時間2時間でほ,メインのピ・−クがやや

減少し,フラクンヨン恥50以上でティリングを描いた。ニンヒトリン反応の570nmの波長では,メインのピ・一グが

やや増加し,・フラクション恥50∼60に小さなピ・−−クが新しく現われた。これは,酵素による消化が更にやや進行し

−●こ ∴ ●●‥⊥_...

∈ ⊂: ⊂⊃ の hl ◆J くづ 〔〕 ○ 01 20 30 40 50 60 70 80 90 100 Fraction 2.0 ∈ ⊂; ⊂⊃ の NlO +J 〔〕 0 0 20 30 40 50 60 70 80 70 100 Fraction†ぬ Fig2”FractionationofdigeStionproductbyion−eXChangechromatogr・aphy Whenβ−1actoglobulinwasdigeStedbytrypsin (○)ODat280nm,(●)ODat570nm,byninhydrinreaction;This Showsabsorbanceinsuccessivefraction(5mi)ofeffluentfollowing gelfiltrationofdigestionproductsbytrypslnat18OConacolumn (2×150cm)ofI)owex50W・Ⅹ2:B11蝕r,0.2Nnatriumacetatesolution Trypsindigestionwasdoneasfo1lows:OnemlofO.2%trypsin(Merck Col)wasaddedto2h4%proteinsolution(pH8.0)anditsproteinsam・ Plewasdigestedfor30min[Ⅰ]and2hours【ⅠⅠ】

(7)

て,消化ペプチドのアミノ基が増加したことを意味するd蛋白質の酵素分解では部分的な限定分解が起る0酵素の種 掛こよって,水解されるペプチドが異るが,トリプ㌢ンの場合,切断の位置は−tyrサ,,pheす,一tyr十,−met寸 である。静菌力試験忙ほ,Ⅰの30分消化のA画分とⅠの2時間消化のA画分を採取して用いた。α−ラクトアルブミ ンをトリプシ∵/で消化した場合,280nmの波長の消化時間30分(Ⅰ)の消化ペプチドほ,フラクショソMO∼70にメ インピークが現われ,恥30∼37に小さなピークが現われた。570nmの波長(りの消化ペプチドでは,N迫0∼4q,恥 48∼60,恥73∼95の3箇所にビT−クが現われた。静菌力試験には,280nmと570nmのピークの共通性を考えて,㈲ 軌のの分画ペプチドを採取して用いた。280nmの波長の消化時間2時間(Ⅰ)の消化ペプチドでは,フラクショ ン恥28∼48にメインピークが現われ,570nmでは,恥29∼42,恥74∼100の2箇所にピークが現われた○ フラクシ ョン恥28∼43㈱と恥73∼10胱)の分画ペプチドを静菌力試験に用いた○ ∈ ;= ⊂⊃ 弐01 ・lJ 亡弓 〔⊃ 0 0 20 30 40 50 60 70 80 90 100 Fraction NQ

Fig”3・Fractionationofdigestionproductbyion−eXChangechromatography

whenα−lactalbuminwasdige$tedbytrypsln

(○)ODat280nm,OP)ODat570nm,byninhydrinreaction:Anex−

PerimentalmethodisthesameaswritteninFigl2

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156 香川大学農学部学術報嘗 第37巻 第2号(1986) 5.乳清茸自質のトリプシン消化による分画ペプチドの静菌力試験 β−ラクトグロブリンおよびα−ラクトアルブミンのトリプシン消化物の分画ペプチド(A,B,C)を用いて,ぶか 胴eneSに対する静菌力試験を行った結果は,Fig.4およびTable2に示した通りである。消化物の分画ペプ チドの濃度は,0∼0け5%である。β−ラクトグロブリンの消化物の分画ペプチド㈱の場合,05%ペプチド濃度の bacterialcount/mlの減少度は,30分消化で,0.25,2時消化で0.30であり,共に静菌力の強さは士で,静菌効果ほ 僅かであった。30分消化に比べると,2時間消化の方ほ静菌力ほ僅かに強かった。α−ラクトアルブミンの消化物の 分画ペプチド(A,B,C)では,消化時間30分,2時間のA,B分画ペプチド共に,bacterialcount/mlの減少 は,OL19∼0.35(土)程度で,これも静菌力は僅かであった。しかしC分画ペプチドでは,消化時間30分,2時間 共に,bacterialcount/mlの減少はOl47∼0」53(+)で静菌力は幾分,強いことが認められキ0静菌力ほ消化時間 30分より2時間の方が僅かに強かった。要するに,α−ラクトアルブミンの消化物の分画ペプチドA,B,Cのうち, 570nm波長の分画ペプチドCは,エソヒドリン反応の強い分画区分であることから,消化ペプチドのアミノ基が静 菌力に関係していることを示唆するものである。しかし,消化物の分画ペプチドほ,分子題が小さいので,β−ラク トグロブリンやα−ラクトゥルブミソのカルポキンル基修飾をした修飾蛋白質に比べて静薗力は小さかった。 5 川 −E\luコOU 召\盲nOU一望Jどじ澄切O﹂ 5 0 7 7 叫何てU︺Uぷ叫O﹂ 5 ︵b 0 0.25 0.5(%) Peptide concentration Of fraction afer・trypSin digestion Of β−1actoglobulin

0 0。25 05(%)

Peptide concentration Of fraction afer trypsin digestion of α−1actalbumin Fig.4.Antibacterialpropertyofdigestionproductsofβ一1actoglobulinand α−1actalbuminbytrypsin,Whichwasfractionatedbyion・eXChangechro− matograPhy,tOmicrobalgrowthofStr.朋eneS [Ⅰ]FractionAofdigeStionofβ−1actoglobulinl[II]FractionsA,B,and Cofdigestionproductofα−1actalbumin:TimeoftrypsindigeStion; FractionA(−○−,30min,−−●・−,2hr),FractionB(−○−−,30min, −−○一・,2hr),FractionC(一口T,30min,−−□=,2hr)

Table2.Antibacterialproperty ofdigestion pr・Oduct by trypsin,Which was fractionated byion−eXChangechromatography,tOmicrobalgrowthofStr pyogenes

β−lactoglobulin Diff α−lactalbumin Diff Fraction

Ofdigestion

prOduct 0 0.25 05 Decrease of (Protein,%) bacteria 0 025 05 Decr・eaSe Of (Proteinト%) bacteria (Logbacterialcount/mi) (Log bacterialcount/mi) 019(土) 030(土) 047(+) 027(±) 030(土) 725 704 6−98 725 708 695 7 25 7 15 7 06 7 25 7 02 6 95 725 6,87 678 7 25 7 13 7 02 7 25 6 90 6 90 7.25 6.82 6.72 A B C A B C Timeoftrypsin digestion

(9)

考 察 牛乳中の抗微生物活性物質には12種板がある。β−リジンは嘩透過性の損傷,免疫グロブリン(IgMまたはIgG) は,特異抗体による補体媒介瞳殺菌で赤血球表層の膜蛋白質(抗原)にIgMまたはIgGが結合し,これに補体と呼 ばれる多数の蛋白質が結合し,赤血球が溶かされる補体妹介性溶血作用である。初乳はグラム陽性菌に対して殺菌活 性を示さない(tZ ̄14)。これは初乳中た90%の高い含有率で含まれるIgGlが補体妖介殺菌作用を低下きせるためである。 補体を含む常乳または子年の血清を含む生理的食塩水で初乳を希釈すると,大腸菌に対して殺菌活性を示すようにな る(1㌔ ラクトフェリンは,大腸菌0)tRNAに異常なクロマトグラムを惹き起し㈹,、ラクトパ1−オキシダーゼ(LP) は,ラクチエン2(L2)と同じもので,乳酸球菌の代謝によって生成するH202によって,牛乳中のキノン化合物が 酸化され この酸化物貿が菌の生育を阻止することが推定されたぃn。その後,乳酸球菌の生育阻止因子として,チオ ン7ンイオ:/(SCN−)が見出されている(1増。このSCN−ほ,もともと含硫化合物の代謝産物として,牛乳中に僅 かに存在しているが,乳牛の消化管内では,牧草の分解により,CN ̄が多運生成し,rhodanaseによって下毒化さ

れ,SCN−の濃度が高くなることが見出されている(19。また,LPほ培地中のロイノン,グルタミン乳リジンな

どのアミノ酸やグルコ・−スの菌への取り込みを抑制し,菌体膜の能動輸送を阻害するαα。 細菌の細胞壁如の基本構造は,ペプチドグリカンで,N−アセチルムラミこ/酸とN−アセチソレグルコ・−サミンがβ −1,4結合によって交互しているグリカン鎖の縦糸とムラミン酸の間をペプチドが架橋している横糸とから成り立 っている。この横糸にほ,D−アミノ酸の含量が多く,グラム陽性菌では,酸性多糖,グリコリピド,蛋白質から成 る複合多糖体を形成している。ペプチドグリカンは,ペプチド(D−Ala−D−Glu7−L−Lysα一D−Ala)のD−Ala−COOH とL−Lys∈−NH2の間をペンタグリンンが架橋し,IJ−LysとL−Alaが関与している。 もともと蛋白質分子の形態を保持している結合様式にイオ:/結合,水素結合,Vander Waal,s結合,共石結合 (一S−S一結合)がある。本実験において,β−ラクトグロブリンおよびα−ラクトアルブミンのポリペプチド鎖の 側鎖Rのカルポキシル基を化学修飾した場合,カルポキンル基はイオ・ン結合と水素結合に関係があるので,これらの 結合が破壊される。イオ∵/結合の破壊ではアミノ基が露出して遊離状態となる。水素結合では,チロンンなどの水酸 基との結合が破壊されて,水酸基が露出した状態となる。蛋白質のポリペプチド鎖の側鎖Rの水酸基は,カルポキシ ル基の他に,ヒスチジンのイミダゾーール核やトリプトファンのインドール核の窒素とも水素結合する。しかし,本実 験(Tablel参照).において,インドール基を修飾した修飾蛋白質は,静菌力が弱かったので,水酸基は恐らく静 菌作用に余り関与しないものと判断された。 カルポキンル基修飾β1gおよびカルポキンル基修飾α1aの静菌作用の原因は,これら修飾蛋白質の側鎖Rの露出 したアミノ基が,細胞壁膜のペプチト、グリカンのペプチトヰのグルタミン酸などのカルポキシル基とイオン結合によ って会合し,菌体膜の能動輸送を阻害することに因るものと推定された。 しかし,これら乳活蛋白質をトリプンンで消化したペプチイほ,アミノ基を多量含有する分画区分のペプチドでも, 未修飾β1gの静菌力と同じ程度で,余り静菌効果はなかったので,分子量の大きなポリペプチド鎖の露出アミノ基 でないと静菌効果は現われないことがわかった。恐らくカルポキンル基修飾蛋白質の場合は,細胞壁膜とイオン結合 して,菌体を包囲するためであろう。 引 用 文 献 (1)佐々木林治郎,莱飯原∴崇昭:農化 29,865 (1955) (2)Reiter・,B∴Jヱねノてァ点eβ,45,131(1978) (3)梅本弥一部:酪農科研,30,A31(1981) (4)官辺豊紀,植田和代,延岡綾乃:日栄養・食糧誌 (投稿中)

(5)Aschaffenburg,R・andDrewy,L:Bjbchem・J,

65,273(1957) (6)津郷友吉,山内邦男:牛乳の化学,27(1975), 地球社(東京) (7)電気泳動学会編:電気泳動実験法,241(1967), 文光掌(東京) (8)藤田博,河原一男:化学増刊28,新しい生物物理 化学研究法(上),97(1967),文光堂(東京). (9)日本生化学会:生化学実験講座1,タンパク質の 化学Ⅳ一化学修飾とペプチド合成−,10∼86 (1977),東京化学同人(東京) (10)安藤銚郎,今堀和友,伊勢村寿三,早石修:タ∵/ バク化学3一高次構造一,2∼29(1973),共立 出版(東京).

(10)

香川大学農学部学術報告 第37巻 第2号(1986) 158 さ2,503(197針 (17)Wright,R“C」andTr・amer・,J。:J上ねjiyRes.,25, 104(1958) (18)Reiter,Bく,Pickering,A”,Oram,JD.リandPope, GいS∴JG錯.必d℃触)Jソ39,Ⅹii(1963) (19)Vertnen,A.Ⅰ.±Expezjbnta,17,241(1964) (20)Marsbdl,Ⅴ.M.andReiter,B,:凸りe.ぶoc.G錯 必加肋ノ・・,Voll・ⅠⅠⅠ,109(197¢) (21)小山卓美:水島昭二,三浦謹一・郎編,細菌の解剖, 7(1979),講談社サイェンティフィツク(東京). (1985年10月31日受理) (11)MeanS,G。.E.andFeeney,RE。:ChemicalM二odifi− CationofProteins(TranslatedbyS。Ishii)244, (1974),鱒irokawaBookCo・(Tokyo) (12)Caroll,E.J.andJain,E。C”:Am.J・Vet▲・Resリ, 30,112$(1969) (13)Bul1en,JlJ・,Roger,H.,J.andLeigh,L.:BzltMed Jソ1,69(1972) (14)Wilson,MR∴Lmmunolqgy,23,947(1972) (15)Reiter,BいandBrock,J”H”:1mmunpkw28,71 (1975) (16)Grif6th,ElandHumphry,J.:EuzT.].Bibchem,

参照

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