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egfr(ml/min/1.73 m2 ) が標準体形に補正してある意義は何か? 小柄な体格の方は体格なりの小さな GFR で十分なのに 体表面積未補正値を用いると腎機能を過小評価して分類されてしまうことを防ぐためです かつては日本人の体表面積は 1.49m 2 が用いられていましたが 国際的に 1

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ある県の病院薬剤師会の問い合わせに対してお答えしました(2015 年 5 月)

腎臓病に関する

熊本大学薬学部附属育薬フロンティアセンター・臨床薬理学分野 平田純生 腎機能検査値は複数あるが、それらの活用法のコツ、複数の検査値の総合的な判断方法 ・腎機能低下を示す指標と使い分けについて知りたい。 ・腎機能をモニタリングするにあたって注目すべき検査値について ・腎機能評価方法の特徴(各評価方法を臨床応用する場合の留意点など) イヌリンクリアランス(実測GFR)、クレアチンクリアランス(実測Ccr)、

Cockcroft and Gault 式、GFR 推算式(eGFR 式)

痩せた患者でなければ体表面積未補正eGFR(mL/min)が簡便かつ有用だが、痩せた患者 で血清Cr 値が低すぎて腎機能を評価することが困難な症例には実測 CCr かシスタチン C の 測定が勧められます。要約すると以下のようになります。 1) 血清クレアチニン値は腎機能の指標であるだけでなく、筋肉量の指標でもある。そのため、腎機 能がよくて血清クレアチニン値が低いのか?栄養状態が悪くて血清クレアチニン値が低いの か?についての判断は患者の体格を薬剤師自身の目で見て観察する必要がある。 2) 体表面積補正 eGFR(mL/min/1.73m2)は CKD の重症度診断のための指標であり、薬物投与設 計に用いる場合には体表面積未補正 eGFR(mL/min)を用いる。 3) 肥満患者では腎機能を過大評価してしまうのが Cockcroft-Gault 式による推算 CCr の欠点である が、理想体重を代入することによって対処できる。また推算 CCr は若年者で高く、高齢者で低く 推算される特徴がある。 4) 軽度腎機能低下時や小児には血清 Cr 値よりも鋭敏なシスタチン C を用いた eGFR が有用であ る。

腎機能の評価について

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eGFR(mL/min/1.73 ㎡)が標準体形に補正してある意義は何か? 小柄な体格の方は体格なりの小さな GFR で十分なのに、体表面積未補正値を用いると腎機能 を過小評価して分類されてしまうことを防ぐためです。かつては日本人の体表面積は 1.49m2 が用いられていましたが、国際的に 1.73m2が用いられるようになったため、1.73m2が採用さ れたのだと思います。一般的な日本の入院患者さんを想定すると 1.49m2の方が妥当かもしれ ません。 体表面積補正値である eGFR(mL/min/1.73m2)を用いると、もしもさまざまな患者さんが同 じ体型だったならということを想定した場合、適切な CKD の診断指標になる、あるいは CKD の重症度分類ができるためです。逆に体表面積未補正 eGFR(mL/min)を CKD の診断指標に 用いると、小柄な体格の方は体格なりの小さな GFR で十分なのに、体表面積未補正値を用い ると CKD と診断されがちになるためです。また大柄な患者では逆に腎機能を過大評価してし まいます。 もっとわかりやすくするため例を挙げてみましょう。 190cm、110kg、30 歳、血清 Cr 値 1.01mg/dL の男性プロ野球選手 A さん(肥満体型ではあり ません) 145cm、39kg、30 歳、血清 Cr 値 0.7mg/dL の女性アイドル歌手 B さん

A さんの eGFR 補正値は 73.1mL/min/1.73m2であり、eGFR 未補正値は 100.4mL/min になりま す。

B さんの eGFR 補正値は 79.8mL/min/1.73m2であり、eGFR 未補正値は 58.0mL/min になります。 では、B さんの eGFR 未補正値は 58.0mL/min になり、60mL/min<GFR となるため B さんは 30 歳という若さでありながら CKD でしょうか?(図 2) 答えは「否」です。B さんは小柄な大人であるため、腎機能が 60mL/min 未満であっても体格 なりの機能はあり、病気とは考えられません。ただし薬物の排泄機能は低いため、体が小さ い分、腎排泄性薬物の投与量は減量する必要があります。 ですから CKD の診断指標には eGFR 補正値(mL/min/1.73m2)を用い、薬物投与設計には eGFR 未補正値(mL/min)を用いる必要があるのです。 ・シスタチンC を腎機能評価に使用する上での注意点が知りたい。 ・シスタチンC は薬剤投与量を決める時の腎機能評価に使用できるか? ・各種腎機能を評価する指標(血清クレアチニン値、シスタチン C など)の正確性の比較に ついて知りたい。

シスタチン C について

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クレアチニン(Cr)は骨格筋でクレアチンの代謝によって産生されます。したがって栄養 不良、サルコペニア、protein energy wasting (PEW)、重症筋疾患などで筋肉量が少ないと Cr 合 成が低下します。そのため、これらの患者では血清 Cr 値を基にした腎機能推算式を用いると 腎機能を過大評価する恐れがあります。またこれらの筋肉量の少ない症例では血清 Cr 値が腎 機能の悪化に伴って速やかに上昇しません。 それに対し血清シスタチン C 濃度測定の利点は、血清 Cr 値に比し、軽度の腎機能の低下に反 応して血清シスタチン C の濃度が上昇することです。しかも筋肉量や性別、食事などの影響 を受けにくく、小児でも高齢者でも軽度腎機能低下症例の腎機能を正確に予測できます。蛋 白結合せず糸球体濾過され、尿細管で再吸収されますが、アミノ酸に分解されるため血中に は戻りません。分析方法によって測定値にばらつきがあるのが問題でしたが、近年、国際的 な標準物質(ERM-DA471/IFCC)により測定が標準化したことによって、軽度腎機能低下を感 度よく見分けることが可能になりました。ただし欠点として末期腎不全では濃度上昇が頭打 ちになり精度が劣る、甲状腺機能の変化に伴い血清シスタチン C 濃度も変化し、ステロイド・ シクロスポリンなどの薬剤により影響を受けるなどの問題があります。血清シスタチン C 濃 度による eGFR は Cr による eGFR に比し、死亡リスク、透析導入リスクとの相関性が高くな ることが報告されています。また予測精度が高いことも報告されており、高齢者の場合、血 清シスタチン C 濃度と血清 Cr 値を同時測定し、まず eGFRcys を算出します。しかし血清シス タチン C 濃度は 3 か月に 1 回しか測定できないため、その後は血清 Cr 値の変化を基に eGFR の変化を予測します。 ちなみに 日本人の GFR cys 推算式(mL/min/1.73m2 )={104×シスタチン C-1.019×0.996Age×0.929 (if female)}-8 体表面積補正をしない eGFRcys=eGFRcys×(体表面積/1.73) 痩せた高齢者の腎機能の評価法 ・低栄養、ADL 低下時の腎機能評価の考え方、具体例について ・高齢、低栄養、寝たきり等でクレアチニンから計算したクレアチニンクリアランスが使 用できない場合の腎機能の考え方について知りたい。クレアチニンが●●以下だと評価に 使えない等々 ・高齢者(特に女性)のクレアチニンについてどれくらい信頼していいのか。 ・患者の腎機能を正確に見積もるにはどうすれば良いか。例えば、バンコマイシンのTDM を行う際、血清クレアチニン値が0.6 以下の数字の場合、0.6 に補正してシミュレーション を行っているが、この補正により算出された投与量をそのまま提案してよいものか。 ・超高齢者での腎機能の考え方について、特徴や観ると良い点等 ・高齢やるい痩患者の腎機能評価方法と薬物投与時の注意点 血清Cr 値が 0.6mg/dL 未満の症例では Cr 値に基づいた腎機能予測式は床得ないと考えて ください。最も良いのは実測のCCr 測定でそれに 0.715 倍して GFR として評価します。そ

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れとともにシスタチンC を測定してそれによる eGFR により評価するのもいいですが、保険 上の問題により3 か月に 1 回しか測定できません。上記の方法が用いられない時で低栄養、 ADL 低下時の腎機能評価には血清 Cr 値が 0.6mg/dL 未満の症例に対して、0.6 を代入する方 法も予測性が高いといわれていますが、体格と活動度をよく見て判断してください。痩せて いても元気で働いている方はある程度筋肉があるでしょうが、痩せていて長期臥床の方は筋 肉量が少ない、これらを基に0.6 を入れてよいかを判断しましょう。 カルボプラチン投与量を考えるとき、血清クレアチニン、クレアチニンクリアランス実測値、eGFR の どれで計算するべきか。 通常では多少の予測精度が低下しても、臨床的に大きく影響することはありませんが、カル ボプラチンを含め、一般的に抗がん薬はハイリスク薬ですが、投与量が少ないと抗がん薬の 効果が十分発揮できません。またちょっとした過量投与でも血小板減少などの重篤な副作用 を引き起こすことがあります。可能な限り eGFR よりも GFR 実測値、Cockcroft 式によって求 められた CCr よりも実測 CCr で体表面積未補正値を用いてください。GFR 実測値がベストで すが、煩雑なためイヌリンクリアラン スはあまり臨床では用いられていま せん。その場合、実測 CCr を用いると きには血清 Cr 値に 0.2 を加えた値で計 算してください。 解説:Calvert 式は非常に単純に投与量 =AUC/CL の式を修飾したものです。 同じ投与量であっても CL が低いと AUC が高くなり、CL が高いと AUC が高くなると考えるとわかりやすい です(図 7)。 図 7.投与量=CLtotal×AUC Calvert 式 投与量(mg)=目標 AUC(mg/mL・min)×[GFR(mL/min)+25] カルボプラチンの常用量は 300~400mg/m2ですが、尿中未変化体排泄率が約 80%ですので、 腎機能正常者であれば GFR100mL/min+非腎 CL25mL/min=125mL/min がカルボプラチンクリア ランスになります。 つまり糸球体濾過によって腎排泄されるカルボプラチンの場合、総クリアランス{腎機能 (GFR)+非腎クリアランス}と AUC が相関し、AUC は薬物の曝露量を反映しますから、一 般的に抗がん薬の投与設計に体表面積を用いますが、カルボプラチンは GFR を用いた投与設 計の方が抗がん効果を反映します。実は Calvert 式の GFR はイヌリンクリアランスではなく、 51 Cr-EDTA をトレーサーとして持続静注し、一定の血中濃度を維持したうえで採血・採尿を施 行し、クリアランスを求める古典的な GFR 測定法が用いられていますが、ほぼイヌリンクリ

有効域

血 漿 中 濃 度 時間 有効域 AUC(min・mg/L)

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アランスに等しいと考えてよいでしょう。 実測 CCr 測定法 CCr=尿量(mL/min だが通常は 1 日尿量)×尿中 Cr 濃度(mg/mL)/血清 Cr 濃度(mg/dL) 実測 CCr では 0.715 倍して GFR として評価することが可能です。 実測 GFR 測定法 GFR=尿量(mL/min)×尿中イヌリン濃度(mg/mL)/血清イヌリン濃度(mg/dL) Cr は尿細管で分泌されることから、CCr は GFR より高い値を取ります。そのため Calvert の式に GFR の代用として CCr を代入すると過剰投与になる危険性があります。ところが実際 には欧米では GFR ではなく CCr が用いられていました。欧米では GFR の測定が容易でない ため GFR の代わりに Jaffe 法によって測定された CCr が用いられていたのですが、Jaffe 法で は尿中 Cr 値は酵素法と同じ値ですが、血清値は 0.2mg/dL 程度高く測定されるため、CCr より 20~30%低い値に近似します。ということは Jaffe 法による実測 CCr は GFR に近似するため、 Calvert 式の GFR の代わりに CCr を代入しても構わない。つまり CCr と GFR の差は欧米では 無視できたのです。 ところが日本で Cr 測定に用いられる酵素法は 1990 年代半ばには正確な Cr 測定法として普 及しましたが、血清値のみ 20~30%程度 Jaffe 法に比べ低く(正確に)測定されるため、推算 CCr が高く見積もられ、そのまま Calvert 式に代入すると、投与量過多から血小板減少症など の重篤な副作用が起こりやすくなることが問題になっていました。

米国でも Jaffe 法から IDMS(isotope dilution mass spectrometry)法という正確に血清 Cr 値が 測定できるようになってから、カルボプラチン中毒が起こるようになったため、NIH:(National Institutes of Health)が 2010 年 10 月 8 日に下記のように注意喚起しています (http://www.fda.gov/AboutFDA/CentersOffices/OfficeofMedicalProductsandTobacco/CDER/ucm22 8974.htm, 2015 年 5 月 26 日閲覧)。 ① GFR が 125mL/min を越えないこと、つまりカルボプラチン CL の最大値は 150mL/min とする。 ② カルボプラチンの投与量は目標とする AUC に基づいた最大投与量とする つまり、米国では正確に血清 Cr 値が測定できるようになったため、新しいガイドラインとして GFR が 150mL/min を超えるような症例には 150mL/min を最大値とし、目標 AUC による投与量を以下の表 のように固定しました。 腎 機 能 を 正 確に評価するのに最もよいのは、蓄尿による実測腎機能検査です。その中でも GFR(イヌリ ンクリアランス)がベストですが、実臨床では煩雑なためあまり使われていません。 そのため血清 Cr 測定結果に 0.2mg/dL を加えて計算すると実測 CCr 値も正確なことが明ら

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かにされております。 血清 Cr 値を基にした腎機能予測式の正確性は明らかに劣っています。しかし蓄尿できない 場合にはこれらをより上手に活用せざるを得ません。 CCr 推算式(Cockcroft-Gault 法) eCCr=体重(kg)×[140-年齢]×0.85(女性の場合)/[72×血清 Cr(mg/dL)] 日本の検査値では身長・体重によって体表面積補正値(mL/min/1.73m2)を用いていることが 多く、その場合には体表面積補正を外す必要があります。また Cockcroft-Gault 式による推算 CCr は GFR より高値になるので若年者の場合、0.789 倍し、GFR として評価する、あるいは 血清 Cr 値に 0.2 を加えた値で計算するなども有用かもしれませんが名古屋大学医学部附属病 院化学療法部の安藤雄一先生の報告によると後者の血清 Cr 値に 0.2 を加えた値がより正確な ことが明らかになっています。Cockcroft-Gault 法の特性から、肥満患者にそのまま用いるとさ らに過量投与になることも理解しておきましょう。 eGFR を CCr の代用とすることは可能か?代用できない場合は、特にどんな時か? この場合のCCr は Cockcroft 式のことでしょうか?それであれば eGFR(mL/min)の方が優 れています。添付文書にはCCr で記載されていますが、米国では Cr の測定に Jaffe 法を使っ ていたため、CCr と GFR は近似しています。したがって腎機能のステージ分類でも eGFR (mL/min/1.73m2)と CCr(mL/min/1.73m2 )で差はありません。また薬物投与量も eGFR(mL/min) と CCr(mL/min)で差はありません。したがって CCr と記載していても GFR と同じことなの です。そして最近の日本の添付文書でも新規血糖降下薬である SGLT2 阻害薬のイプラグリフ ロジン L-プロリン(スーグラⓇ)の添付文書では腎機能として eGFR(mL/min/1.73m2)が使 われています。 ただし eGFR が使われていることは、測定法の違いなどによる混乱がなくなると思われるも のの、薬物の投与量に関しての mg/日の記載に体表面積補正値(mL/min/1.73m2)が用いられ ているのはやはり問題であり(mg/kg, mg/m2の記載なら mL/min/1.73m2 のほうがよい)、未補 正値(mL/min)を使うべきです。 日本の Cr 測定は酵素法という、より優れた方法を用いているので、Jaffe 法のように血清 Cr 値を 20~30%増しに測定されることがないことが、薬物投与設計の考え方をより複雑にし ています。添付文書の記載は米国にならって CCr で記載されていますが、治験データが欧米 で得られている薬物が多いため(血清 Cr 値を Jaffe 法で測定していたため)、GFR と置き換え ても今までの薬物に関しては問題ありません。ただし米国では最近、IDMS(isotope dilution mass spectrometry)法により正確に血清 Cr 値が測定できるようになり、ハイリスク薬である 抗がん薬のカルボプラチンの副作用が日本と同様に増えることを危惧した NIH:(National Institutes of Health)が注意喚起をしています。

eGFR と CCr の違い

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ということは今後は Jaffe 法で測定している国のデータと、酵素法で測定している我が国も、 GFR で記載法を統一したほうが投与設計はより正確になるはずです。ダビガトラン、カルボ プラチン、ティーエスワンⓇなどの腎排泄性のハイリスク薬では CCr と GFR のわずかな差が 重篤な副作用の原因になりかねないため、今後のわが国の添付文書未補正値の GFR で記載す べきです。 またバンコマイシンの解析ソフトに入力する腎機能がCCr であれば Cockcroft 式を使うべ きです。ただしCockcroft 式は問題がありましたね。そうです、身長が考慮されていないため 肥満者では理想体重を入力しないといけないことです。 eGFR とクレアチニンクリアランスの値が大きく乖離している患者をたまに見かけます。原因 は何なのか、また、このような場合、薬剤の投与量はどちらを参考にすればよいでしょうか。

推算 CCr の単位は mL/min であり、eGFR の単位は mL/min/1.73m2であるため、同等には扱 えません。CG 式は薬物投与設計に使えますが、計算式に必要なデータは血清 Cr 値、年齢、 体重、性別だけです。身長が考慮されていないため、肥満患者では理想体重を用いる必要が あります。また腎機能が加齢による影響を受けやすい、つまり若年者では高く(GFR よりも CCr が高いのは当たり前ですからこれは問題ありません)、後期高齢者では低い(CG 式では 1 年に約 1mL/min ずつ低下しますが、実は平均的な日本人の腎機能は加齢によってそんなには 低下しないことが分かっています)という特性を持っていることを理解する必要があります。 でないと若年者では腎機能を過大評価してしまうので、0.789 倍して GFR として評価する必 要があります。高齢者では腎機能を過小評価しがちですが、実際には入退院を繰り返す高齢 者は、健康で入院しない高齢者と異なり腎機能が低下していることが多いと考えられます。 このような脆弱な患者さんには CG 式の方が適していると言えるかもしれません。 eGFR(mL/min/1.73m2)算出に必要なデータは CG 式に比しさらに少なく、血清 Cr 値、年齢、 性別だけです。体重も入っていないということは、体が大きい人でも小さい人でも同じ腎機 能に推算されるため、薬物投与設計には使えないことが理解できます。このように体格補正 されていないため、薬物投与設計では eGFR(mL/min)を用いるべきなのです。この式は肥満 の影響も受けないため CG 式よりも正確度が高いですが、痩せた高齢者では CG 式以上に高く 推算されることが欠点です。 ・新規薬剤について腎機能低下時の減量の目安を知りたいとき、活用できる書籍HP 等を 教えて欲しい 添付文書上に減量基準が数値として示されているものはよいのですが、具体的な基準値が示 されていないものはどうすればよいか。 ・腎機能に応じた用法用量を考える際に、添付文書やCKD 診療ガイドに記載がない薬剤の調

腎機能に応じた薬物投与設計

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節方法 ・添付文書に腎機能低下時の投与量が具体的に記載のない場合の投与量の判断のしかた ・添付文書から、薬物が腎排泄型か肝排泄型かはっきりしない場合、何から判断すればよ いか。 ・腎機能が低下した患者に対する、薬物提案のアプローチ方法について。(例えば、肝代謝薬 剤に変更することや用量の設定などの具体例があれば教えて頂きたい) ・腎機能が低下した場合には腎排泄薬剤の減量や中止等を医師に提案しようとする場合、ど の程度低下すれば医師に提案してもよいでしょうか。何か大まかな基準等はありますか? ・腎機能障害患者で投薬に気を付けるべき代表的な薬について ・腎機能低下患者への各種薬剤使用について知りたい(降圧薬、抗癌剤、造影剤) ・腎機能に注意が必要な医薬品は多くあるが、特に腎機能低下に注意しなければ医薬品には どのようなものがあるか。 白鷺病院薬剤科の会員制 HP は非常に信頼性が高いです。この内容が本になったのが「透析患 者への投薬ガイドブック」です。この本では★の数によって危険度を示しています。腎機能障害患者 で投薬に気を付けるべき代表的な薬は★★★で表されています。日本腎臓病薬物療法学会の HP は全薬品を見るには学会員にならねばなりませんが、腎機能障害患者で投薬に気を付けるべ き代表的な薬ばかりを集めた「腎機能低下時に最も注意が必要な薬剤投与量一覧(約 200 種)」は どなたでもご覧になれます。また学会員にはすべての薬剤(約 1400 種)の動態パラメータまで載った 医薬集を 2 年に 1 回配布します。2015 年の 12 月には初の医薬品集が学会員に配布されます。 CKD 診療ガイドはNG です。我々が十分な校正する時間を与えられないまま発行されたのが CKD 診療ガイドです。新薬が出ても間違いがあっても改定されていません。日本腎臓病薬物療法学 会の HP の表は 40 回以上も改定されていますので、これだけでも信頼性の差がお分かりになるはず です。 腎障害のある患者への抗菌薬投与について、サンフォード感染症治療ガイドでは腎機能別 の用量にかなり開きがあるように思います。(例えば、クレアチニンクリアランスが 10~ 50mL/分の場合、セフタジジムは 12~24 時間ごとに 2g と記載されています。12 時間ごとに 投与するのと、24 時間ごとに投与するのでは、かなり差があるように思います。このような 場合では、投与量・投与間隔はどのように決定するのがよいでしょうか。 セフタジジムのようなβラクタム系抗菌薬で怖いのはアレルギーです。用量は多くても問題 になりません(もったいないですが)ので、生死を分けるような重症患者には私ならやや大 目の投与を提案します。ただし腎機能正常者に比べれば当然減量します。セフタジジムの半 減期は1~2 時間と短いですが、腎排泄性のため重度腎機能低下で 7 時間、末期腎不全患者で

は14 時間に延長しますので、腎機能によって 12~24 時間で time above MIC をほぼ 100%

にすることは可能です。またサンフォードはクレアチニンクリアランスが 10~50mL/分とい

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り良い答えが得られるかもしれません。

・RIFLE criteria や AKIN criteria など AKI ステージ別での薬物投与設計の介入方法につい て知りたい。

・血清クレアチニンが一時的に上昇していると考えられる患者での薬剤の投与量をどう考え るか知りたい(24hrCcr 等の評価項目がない場合)

・一時的な腎機能悪化患者への薬剤投与量の調節はどのように考えればよいか。

今はRIFLE criteria や AKIN criteria のどちらも使いません。より新しい KDIGO の AKI ス テージ分類がメジャーです。AKI ステージ分類は Cr の上昇、GFR の低下、尿量の減少など を考慮することによる重症度分類であり腎機能の変化を具体的に示していませんので、AKI ステージ分類別に薬物投与設計することはできません。eGFR などの推算値は変動しやすいで すので、腎機能の評価には使わず、血清Cr 値をこまめに測定しますが、Cr も速やかに変動 してくれませんので、Cr の変化によって AKI が改善方向に向かっているのか、あるいは悪化 しているのかを判断できます。正確な薬物投与設計は実測CCr などによって行うしかありま せん。 AKI バイオマーカーとしての NGAL の有用性と臨床での使用方法について AKI の早期発見には古典的な尿細管障害マーカーである NAG, β2MG, α1MG よりも L-FABP, NGAL, KIM-1 が非常に早期に鋭敏に上昇するため AKI の早期診断に有用とされて

います。しかし皆さんは尿細管障害マーカーとして確立している NAG, β2MG, α1MG を 測定していますでしょうか?それもやっていないのに、新規バイオマーカーを測定して、得 られたデータを解釈できるでしょうか?AKI について臨床研究をする予定があればこのよう なバイオマーカーを測定すれば研究デザインとしてはよくなりますが、一般臨床で使えるほ ど豊富なデータがそろっているわけではありません。ただしCystatin C のように非常に使い やすいものもありますし、先生方の熱意があればこのようなバイオマーカーについての英語 論文を読み漁り、十分理解したうえで積極的に測定して素晴らしい臨床研究を試みていただ きたいと思います。 ST 合剤などは見かけ上血清クレアチニン値が上昇し、腎機能が悪化したように見えるが、こ のような見かけ上腎機能が悪化していることを見分ける方法等あれば知りたい ST 合剤中のトリメトプリム、シメチジン、コビシスタットはクレアチニンの尿細管分泌を抑

薬剤性腎障害について

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えます。GFR と CCr の差はこの尿細管分泌の差ですから腎機能正常者では 0.2 から 0.3(最 大30%程度)上がっているだけだと考えられます。この時の本当の腎機能を調べるにはシス タチンC を測定し eGFR を計算するか畜尿による実測 GFR を測定します。ST 合剤やシメチ ジン投与時の実測CCr は 0.715 をかけないでください。ほぼ GFR に近い値ですから薬物投 与設計にはCCr より理想的になるかもしれません。 添付文書上に、「重度腎障害には禁忌」等の腎障害の程度により禁忌や減量等の記述がありま すが、腎障害の程度は何を基準に判断すればよいですか。 ・添付文書の慎重投与や禁忌として記載されている「腎障害のある患者」の解釈について知 りたい。 CKD ステージ分類では高度腎機能低下(stage G4)を GFR<30mL/min/1.73m2、中等度腎機 能低下(stage G3)を 30≦GFR<60mL/min/1.73m2、軽度腎機能低下(stage G2)を 60≦GFR <90mL/min/1.73m2としています。また 15mL/min/1.73m2<GFR(stage G5)を末期腎不全と表 しています。

実は添付文書に記載されている重度(高度)腎障害、中等度腎障害、軽度腎障害の腎機能 分類は薬品ごとに異なり、統一されているわけではありません。多くの場合、重度で CCr< 30mL/min、中等度で 30≦CCr<60mL/min、軽度を 60≦CCr<90mL/min とすることが多いです。 これは CKD のステージ分類と一致しています。ちなみに添付文書上では GFR ではなく CCr で記載されることがほとんどですが、ほとんどの医薬品の治験が欧米で行われている現状で は CCr≒GFR と考えて構いません。なぜならわが国の血清 Cr 値は正確な酵素法によって測定 されており、欧米の血清 Cr 値は 0.2mg/dL 高めに測定される Jaffe 法(この方法では血清に含 まれるピルビン酸、アスコルビン酸などにも反応するため、やや高値になる)によって測定 されているためです。尿中 Cr 濃度は酵素法と同じ値で血清 Cr 値のみ 20~30%高めの値にな っているため、実測 CCr を測定するための以下の式は 実測 CCr(mL/min)=尿中 Cr 濃度(mg/dL)×尿量(L/日)/血清 Cr 濃度(mg/dL) 健常成年男子で酵素法で測定すれば 80mg/dL×1.5L/日/1.0 mg/dL =120mL/min ただし Jaffe 法では血清 Cr 値のみ 0.2mg/dL 高く測定されるため、蓄尿による実測 CCr=GFR の 1.2~1.3 倍=(尿中 Cr 濃度×尿量/分)/(血清 Cr 濃度×1.2~1.3 倍)になるため、Jaffe 法で は蓄尿による実測 CCr≒GFR になります。 80mg/dL×1.5L/日/(1.0+0.2) mg/dL/dL=100mL/min≒GFR したがって、ほとんどの添付文書の記載で CCr になっていても GFR として扱っても構いま せん。ただし新しい薬物で日本でのみ治験された薬物に関しては、添付文書に GFR で記載さ れていれば他の添付文書と同様に扱ってよいですが、CCr で記載されている場合の正常値は

添付文書上の重度腎障害って何?

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100mL/min ではなく 120~130 mL/min と 1.2~1.3 倍にするべきです。 一部の医薬品では上記のように分類されていない場合があり、「重度腎障害」を「高度腎障 害」と表しているものも多いです。ちなみに 10mL/min<GFR または CCr あるいは 15mL/min <GFR または CCr を末期腎不全と表すことが多いです。 ・救急病棟で急性に腎機能が低下することがありますが、腎機能低下時に投与量調節が必要 な薬のうち、急性の場合に調節が必要な薬はどのような種類の薬でしょうか。 例えば、ザンタックやファモチジン等について減量を確認すると、医師に「今は蘇生後で一 時的に下がっているだけなので数日で戻ってくるからこのままで大丈夫です」と言われる場 合がありますが、数日~1 週間程度の腎機能低下でも、そのときの投与量は減量等調節する必 要があるかどうか、理由も教えていただきたいです(医師に根拠を説明しないと聞き入れてく れにくいため)。 (ザンタック・ファモチジン以外の薬についても教えていただきたいです) PubMed を使い、短期間で起こった死亡症例などの論文を探してください。もし見つかれ ばAbstract をコピーして渡し「腎機能が低下しているときに減量をしなかったためにこのよ うな死亡症例が報告されています」と言えばその時は怒ったり、反論したりすることがあり ますが数日で変更されたり、以降、変な処方をやめてくれます。大学病院の医師は英語の原 著論文を持っていくと信頼してもらえることが多かったです。ただしこのような報告がなく、 数日間の投与では致死性の副作用が起こっていないようであれば精神錯乱、汎血球減少など を詳細にモニタリングをしましょう。もしもそれによって副作用が発症したなら直ちに投与 を中止し採血をしてもらい、もう 1 点、血中濃度が測定可能なくらいの濃度になるよう十分 時間を空けて)採血してもらい血清を-80℃のディープフリーザーに保管しておきましょう。 そして販売メーカーに有害事象が出たのでという理由で血中濃度測定を依頼してください。 そしてその値が異常高値であれば学会に報告し、症例報告の論文を書きましょう。 ・先生の病院勤務時代を知らない人が多いので、研究・発表を始められたきっかけや思いを 少しだけでも話していただけたらと思います。 2015 年の腎臓病薬物療法学会(10 月 17,18 日に仙台)の理事長講演でこのことについて生 まれて初めて講演します。「僕がダメ薬剤師から脱皮できた理由(わけ)」というテーマです。 きっかけは病棟に行けるようになって薬剤師の仕事が天職と思い夢中になって仕事をしたこ とです。またこの時に田中一彦先生というメンター(師匠)にお会いすることができたのも 大きなきっかけです。 ・腎機能低下患者にVCM を投与した際に、投与後から腎機能がますます低下してしまった。 TDM を行いながら数日間 VCM 投与を継続した。このように VCM 投与による腎機能の低下 が継続する場合、TDM のみで投与量の計算を行ってよいのか。

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VCM による腎障害を疑う前に BUN/Cr の値を見たことがあるでしょうか?通常、BUN/Cr 比は10 程度ですが重症感染症では 20 を超えることが多々あり、これは脱水が疑われます。 つまり腎虚血によって腎機能が悪化していることを示します。この時にはまず輸液をすれば 腎機能が多くの場合改善しますが、そのままVCM を投与すると VCM 腎症だと考える感染症 専門医が多いのは非常に大きな問題です。この時に尿・血清を採取し、尿中Na 排泄分画(FENa) を測定し、1%未満であれば腎前性腎障害がありますので、それに対し輸液など適切な処置を 行うべきです。ただしVCM 投与は当然、早目に投与すべきではあります。 VCM は尿中排泄率が高いために軽度腎障害でも血中濃度はすぐに上昇します。FENaのよ うな腎前性AKI の診断なしに VCM 腎症と誤った判断が多いのが現状です。VCM 投与による 腎機能の低下が継続する場合、TDM のみで投与量の計算をせざるを得ませんが、心不全がな い限り虚血に対する輸液をしっかりやっておかないと腎機能はどんどん悪くなります。でも これはVCM のせいではなく虚血のせいです。感染症で発熱すると食欲がなくなり、体重減少 はつきものです。ただし1~2 日で 3~6kg の体重減少がある、BUN/Cr 比が上昇している、腋 下が乾燥している、口腔内が乾燥している、皮膚の張り(スキンツルゴール:高齢者では額 をつまむことで判別できる)がない場合には、感染症による発熱による不感蒸泄の亢進があ り、高齢者では口渇感を訴えないことも多いです。脱水を疑いまず輸液をしていただくよう 提言しましょう。そして診断をはっきりさせたいならFENaを測定しましょう。FENaが感度・ 特異度ともに高いですが利尿薬投与患者ではFEureaを用いましょう。 Na 排泄分画 (FE Na,%) 尿浸透圧 (mOsm/kgH2O) 尿中 Na 濃度 (mEq/L) 尿 Cr/血清 Cr比 尿素排泄分画 (FE urea,%) BUN/Cr 腎前性 <1 >500 <20 >40 <35 約 10 腎 性 >2 <350 >40 <20 >50 >20 ・糖尿病性腎症の薬物治療 ・腎不全患者の薬物動態の特徴について ・薬剤の尿中排泄率の値についての基本的な考え方 ・腎機能低下時に抗菌薬の減量提案等で重篤な副作用を回避できたような症例があれば聞い てみたい。 ・糖尿病性腎症時のインスリンの投与量とHbA1c 値の見方について ・腎機能低下のある循環器疾患患者に対する薬物療法の考え方 ・腎不全時の栄養療法・輸液療法(電解質補正)について知りたい。

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上記のテーマで講演可能です。いつか呼んでいただければお話しましょう。今回は症例検討 ですが、これは受け身で聞くだけの講演より多くの知識、考え方を習得ができます。 ・腎障害時の減量基準はどのように算出されているのか。 私の本「透析患者の投薬ガイドブック」「腎不全と薬の使い方Q&A」「腎疾患の服薬指導Q&A」 「腎臓病薬物療法専門・認定薬剤師テキスト」などに書いています。読んで勉強していただければ 幸いです。 ・透析患者に対する抗MRSA 薬の用法用量と投与のタイミングについて教えて欲しい。 ・透析中に注意すべき薬物療法(投与量・投与間隔) 私の本「透析患者の投薬ガイドブック」に書いています。読んで勉強していただければ幸い です。 もうそろそろ平田のパワーも限界に近くなりました。下記の質問には遠慮させていただきます。なお腎 機能の評価法を正確に勉強したい方には「ここが知りたい慢性腎臓病(CKD)薬物療法の疑問点― 原則と例外で極める適正使用」医薬ジャーナル, 2015(5184 円)が最適です。

参照

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