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<論文>改正商法の論理と制度会計上の問題

著者

菅原 計

著者別名

Sugawara Kei

雑誌名

経営論集

20

ページ

1-25

発行年

1982-09-20

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00008368/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

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改 正 商 法 の 論 理 と 制 度 会 計 上 の 問 題

菅  原 計 1。 はじめに2. 商法会計の論理 (1) 商法改正の必要性 (2) 開示制度の充実 (3) 商法の論理3. 制度会計における引当金の問題 (1) 法論理と会計論理 (2) 特定引当金の解釈 (3) 改正後の引当金問題 庄 むすび 1 1. は じ め に  昭和56 年6 月3 日に ,商 法 お よび 監査特 例法 の部分 改正 法案 が国 会で可 決 成 立 し, 同年6 月9 日公 布 ,昭 和57 年10 月1 日か ら施 行 され るこ とに なった。 商 法施行に 伴い , 「企業 会 計原 則」 が昭 和57 年4 月20 日付 で一 部 修正され , なお同年4 月24 日,商 法計 算書 類 の様 式を 規定 す る法務 省 令「 株式 会社 の貸 借対 照表 ,損益 計 算書 及び 附 属 明細書に 関 す る規則」( 法務省令第25号)が一 部 修正 され,「 大会 社 の監査 報 告書に 関 す る規 則」(法務省令第26号)>「大 会 社 の株主総 会 の 招集通 知に添 付す べき 参考 書類 等に 関す る規則」( 法務省令第27 号)が新 たに規 定 され た。  昭和49 年 の商 法 改正 に より,証 券取 引 法監 査が 商法監 査に も導入 され, 監 査 制度 の強化 が図 られ たが , さ らに ,昭 和56 年 度 の商法 改正に より商法監査 制度 が一 層強化 され, 法規 制に よる会 社 の計 算・公開 制度 の充実 , 懸案 とな っていた取 締役 会 の機能 と形 骸 化 し てい る株主 総 会 の正 常化, 会社 の社会的 責 任を 自主的 に 監視 す る監 査 役 の権 限 と責 任 強化, お よび 株式 制度 の改善 な

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ど, 可成 り大 幅に 改善 され るに至 った ‰  し か し,株 主総 会 ,取 締 役会お よび 監査役 の機 構的 改 善 は商 法に よる当然 の法 規制 枠 と して 乱 会社 の計算 ・公開 制度 に 関し て は, 制 度会 計上 の重 要 な問 題 であ る。 今 回 の商 法 改正に 伴 って, 制度会 計上 次 の よ うな 問題 点を指 摘 す るこ とが で ぎ よ う。  ①  商 法上 , 損 益計 算に 関す る基 本規定 が条文 化 さ れ なか った こ と。  ③  商法 上 の形 式原 則 が, 会計上 の実 質的原 則に まで 影 響を与 え ること の 弊害。  ③  公正 な会 計慣 行 とは何 か, またそ れはい かに 形 成 さ れ るかに つい て, 再 び論 議 す る必 要 かお るこ と。      十

そ もそ も制 度 会計 とは ,法 制度会計(legal financial accounting)を 指 し, 我 が 国 の場 合 に は, 「証 取法 会計 ,商法 会計お よび 税務 会計 とい う三 つ の領 域を 含 む もので あ る。 これ ら三 領 域におけ る共 通 の 目的 は , 『正 しい 』利 益 の計 算 とい うこ とに あ るが ,各法 の 課題 が異な ること か ら ,各 制度 会計に お い て 異な る 効果 が もた らされ る。 ……  こ れら三 つ の制 度 会計 の基 礎には 『公 正な る会 計 慣行 』が予 定 され てい る。 … …そ れ ゆ え ,三 つ の制度会 計 は『公 正な る会計 慣行 』に 対 し補 完・規制的 関 係に 立つ も のとい って よい 呪 」  各 々 の法 会 計は ,法 目的又 は法理 念 の相違 か ら利 益 概 念 が異 な り,異 な る 計 算 制度を 生 か こ とに な るが,い ず れの法 会計 も「公 正 な る会計 慣行 」を 前 提 に 成立 してい る。 従 って ,制度 会計 の本質 的 課題 は , こ の「公 正 な る会計 慣 行 」を 定 着 させ るた め のGAAP (generally accepted accounting principles) 又 は, GAAS (generally accepted accounting standards)を 形 成す るとと も に ,各 法 の規 制枠 の問題 点を 明 らかに し, もって真 の法 目的 達成 のた めに矛 盾 的形 式 規 制枠 とな ってい る点を是 正 す るこ とに あ る。  さ らに , 制 度会 計 の問 題 は国 内法 のみに とどま らず , 国際 的 会計 制度 とも 関 連 七て く る。 何 故 なら ,会 計対 象 た る企業 経営 活動 は ます ます 国際的に な り,連 結 財務 諸 表 の会計 監査人 に よる監査 もい き おい 国際的 規模に よる監査 態 勢を 必 要 とす るに 至 ってい るか らであ る。 かか る国 際的 な会計 基準 統一 の 動 き の中 で, 我 が国 の会計 制度 の在 り方 ,国 際会計 制 度 の統 一的 方 向性に対 す る 我 が国 の対 処 の方法等 ,解 決 しなけ れば な らない 制 度 会 計 の諸問 題は山

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改正商法の論理と制度会計上の問題  3 積 み さ れ てい る。  か か る 状 況 の も と に おけ る 今 回 の商 法 改 正 は , 会 社 の 自 主 的 監 視 体 制 の強 北 を 旗 印 に ,公 開 (disclosure) 制 度 の充 実 を 意 図 し てい る。 こ の 場 合 , 問 題 と な る のは , 「 公 正 な 会 計 慣 行 」 と は 何 であ り, そ れ を 定 着 さ せ る た め に は ど うす る か とい う こ と 懲あ る。 こ の問 題 は , 当 面 ,一 般 に 「 公 正 妥 当 な 会 計 処 理 を 要 約 し た も の」 と 考 え ら れ て い る 「 企業 会 計 原 則 」 と の 関 連 で 考 え な 廿 れ ば な らな い3 )。 注 1) 昭和56年度商法改正の法目的と,その実質的効果に関する問題点については, 拙稿「改正商法の目的 とその実質的効果」『北見大学論集』第7 号を参照された い。2 ) 武田隆二稿『会計学辞典』神戸大学会計学研究室編,707頁。3 ) 「企業会計原則」は,その前文において,「企業会計の実務の中に慣習として 発達したもののなかから,一般に公正妥当と認められたところを要約したもので あって,必ずしも法令によって強制されないで 乱 すべての企業がその会計を処 理するに当って従わなければならない基準である。」と自ら明言してい る低 「公 正な会計 置行」とい う点からは,いくつかの自己矛盾点が見られる。この点に関 しては,拙稿「制度会計におけ る『実現』の積極的意義」『北見大学論集』第4  号, 72∼76頁を参照されたい。 2. 商 法 会 計 の論 理    (D 商法改正 の必要性  我 が 国 商 法 は , ド イ ツ商 法 に 基 づ き 明 治32 年 制 定 さ れ た が , そ の 後GHQ の も とに ア メ リ カ 会 社 法 の影 響 を 受 け て , 昭 和25 年 に 相 当 部 分 が 改 正 さ れた 。 しか し , 会 社 の 計 算 規 定 に つ い て は , 旧 ドイ ツ商 法 の 財 産 法 の 経 理 体 系 が 残 っ て い た た め , 昭 和37 年 に 計 算 規 定 の 全面 改 正 が 行 わ れ , 取 得 原 価 主 義 に 基 づ く損 益 法 原 理 が 採 用 さ れ る こ と に な っ た 。  こ の よ うに 数 次 の 改 正 を 経 て , 近 代 法 の法 理 念に 基 づ く 商 法 体 系 が 整 備 さ れ た が ,法 が 期 待 す る 株 主 総 会 , 取 締 役会 お よび 監 査 役 の機 能 が 適 正 に 作 用 せ ず , 昭 和40 年 に は , 特 殊 製 鋼 業 界大 手 の 山 陽 特 殊 製 鋼 お よび サ ソ ウ ェ ー ブ の 粉 飾 決 算 に よ る 倒 産 事 件 が 発 生 し , こ れを 契 機 と し て , 取 締 役 の業 務 執 行 IIl お よび 監 査 制 度 に 関 す る 法 規 制 の検 討 が 開 始 さ れ る こ と に な っ たら

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商法 監 査制 度におけ る種々 の問題 点 が 各 界 より指 摘 され ,そ れを受 け て法 制 審議 会 商法 部 会は,昭 和41 年11 月に 審 議を 開 始 し,昭 和44 年7 月「 株式 会 社 監査 制度 改正 要 綱案」 を まとめ , 閣議 決定 , 国 会 での審 議及 び可 決を 経 て。 昭 和49 年 改正 商法 が発 布さ れた が, オイ ル シ ョ ック後 の大型 倒産 は ます ます 増大 の一 途を 辿 る。  昭 和49 年5 月倒産 の 日本熱学 工業( 負債総額520億円),昭 和49 年9 月倒産 の 阪 本紡 績( 負債総額622億円), 昭 和50 年8 月 倒産 の興 人( 負債総額1,487億円), 昭 和50 年9 月倒産 の照 国海 運( 負債総額430億円),昭 和51 年11 月倒産 の東 洋バ ルブ( 負債総額882億円),昭 和52 年5 月 倒産 の日勢 海 運( 負債総額350億円), 昭 和52 年8 月 倒産 の流通 海運( 負債総額338億円),昭 和53 年2 月倒産 の永大産業。 ( 負債総額1,900億円), と負 債総 額大 型 傾 向 は続 ぐ) 。 また , 昭和54 年 の林紡 績( 負債総額591億円),大 長崎 建設( 負債総額306億円) の倒産 ,翌年 昭和55 年 の 北 商( 負債総額450億円), 大 竹紙業( 負債総額407億円) の倒産 は まだ記 憶に 新 し し柚  こ れ ら の大型 倒 産 と航 空機を 巡 る疑 惑 事 件 が, さ らに商 法 の抜 本的 改正 の 必 要 性 へ と動 き ,今回 の商法 改正 とな っ て 現れ た。 このこ とは, 粉飾 決算に よる大型 倒産に対 し,監 査制 度 の強化 お よび 公 開 制度 の充 実に より防 止で き るとい う法へ の社 会的 期 待 と,法 の側 か ら の法 規制 の必 要 性 の認 識 が合致 し た も のと言え る。 (2 ) 開示制度の充実  今回 の商法 改正 に より,営業 報告 書 の記 載 事項 が 明定 さ れ,9 項 目の開示 事項 のほ か, 「そ の他会社 の状 況に 関す る重 要 な事項 を 記載 しなけ ればな ら ない 。」(計算書類規則第45条) とし, 附 属 明細 書 の開示 事項 も従来 の6 項 目か ら, 11 項 目と増大 され てい る(計算書類規則第47条)。  これ ら の商法 開示 制度 の充 実 乱  財 務 諸表 開示 制 度(financial statements・disclosure system) か ら言え ば , 証 券 取 引法 に よる開 示 制 度と商 法に よる開丿 示 制 度 が 複合 し,制度的 に重 複す る とい う問 題 かお る。  こ の点 につい て中島省 吾教 授 は, 「証 券 取 引法に 屯とづ く有価証 券報 告書 の開示 機 能 は,今 日 の日本 では 相当 の成 果を あげ てい る。 同 報告書 の閲 覧 の 機 会 は一 応 保証 され てい るし,そ の 印刷市 販 も軌道 に 粟 って い る ‰ 」と,証

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改正商法の論理と制度会計上の問題  5 券 取引法 と商法 に よる開示 制 度は 重 複すべ きでない と主張 す る。 こ の考 え方 は ,会計 監査 ・公 開 制度 の本来的 在 り方 から見 れば正論 であ る。   しか 七な が ら, そ れで は証 取 法 監査制度 のみで,我 が 国 の会 社は そ の社会 的 責 任を十 分果 す こ とが可 能 であ ろ うか。 否む しろ ,証取 法 監 査 へり 問題 ,disclosure の質 と量 の問題 , 情報 提供 会社 のdisclosure 比対 する 意識 と利 用 者側 の認 識 の問 題 ,監 査証 明にあ た る会計 監査人 の資 質 の問 題 ,会 社 の社 会的 責仕等 の諸問 題 が具 体的 に 明 らかにな うたた め, 商法 改 正 が施 行 された のであ る。 もし, 証 取法 監査 制度 が ,「公正 な会 計 贋行」 の も とに 確 立 して い た ならば ,今回 の商法 改 正は な か った筈 であ る。  山 陽特 殊 製鋼 の 倒産に 見 られ る よ うに ,7 年 間に わた っ て 粉飾 が 続げ られ, 同 社 の会計 監査 人 だ った 公認会 計士 は, 7 年 間粉 飾経理 を 知 っ てい なが ら適 正 意見を表 明 して いた とい うヶ − ス もあ る。 「公 認会 計士 は , 被監 査会 社 の 経 営 者 と監査契 約 を 結び ,経営 者 に 監査 報告書を 提 出 し, 経 営 者 か ら監査 報 酬 を受 取 るの で ,時 に は経営 者 のた めに 監査を実施 してい る よ うに 錯覚 す る こ とがあ るか もしれ ない呪 」しか し, この ような監査 人は , 社会 的 制 度 とし て の監査 制度に対 す る認 識を 著 し く欠如 した も のであ り, また 証取 法 監査制 度 に対す る社会 的 信 頼性 の基 盤を 根底か ら覆す ものと言わ なけ れば な らない。 米 国と 日本 にお け る証 取法 監 査制 度に対 す る社 会的 意識 , 監査 人 お よび当

局 の対処 の方 法に つ い て大 き な差 異を 感 じる例と して, Lockheed AircraftTrial Case を 挙げ る こ とが でき る。 我 が国 では , 政府 高 官 の贈 収賄 事 件 と

し 七裁判が 継 続し, 丸 紅 ・全 日空 ル ート の解 明が問 題に さ れ てい るが , この 問 題 が我が国 に先 立 ってSEC (Securities Exchange Commission )が 摘 発 し,

米 国議会 の「多 国籍 委 員会 で と りあ げ ら れた のは ,外 国 高 官へ の贈賄 そ の も の が問題 では な く, か か る費 用 支 出や 原 価算入 が,財 務 諸表を 粉 飾に 導 くと と もに,正 当 な るべ き 会計 報 告やそ の開示 が不 当 な かの とな り ,株主 そ の他 = の利 害関 係者 の利 益 を 侵害 す ることに な る5)。」とい う理 由 に よる。   と ころ が,我 が 国に おい ては ,丸 紅及び全 日空 の財務 諸 表開 示 に おけ る不 適 正 ,会 社 の責 任 お よび監 査報 告書 におけ る監査人 の責任 につ い ては ,何 ら ノ社 会的に公 表 さ れ てい ない 。岩 村一 夫 教授 の次 の警 告は , 我 が 国 の制度会計 上 傾聴に値 す る。 「わ が 国で は, 幸か不 幸か ,SEC のよ うな 独立的 監視機 ヘ構 が,会社に対 し て も監 査人 に対 して も欠げ てい る。 これ に安 住 して会計原

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則 の 通 俗 的 解 釈 で 終 始 し , 利 用 者 に 虚 偽 と 誤 導 の 監 査 報 告 の 提 供 を 持 続 し た と し た ら , 公 認 会 計 士 は 払 拭 の で き な い 信 頼 喪 失 の 罪 を 負 わ な け れ ば な ら な い で あ ろ う6) 。」  証 券 取 引 法 に よ る 監 査 お よ び 公 開 制 度 に 対 し て , 公 正 なdisclosure の 観 点 か ら , 強 力 に 監 視 す る 機 関 た るSEC の よ う な 機 関 の 存 在 し な い 我 が 国 に お い て , 取 締 役 に よ る 財 務 諸 表 の 虚 偽 記 載 , 粉 飾 , 倒 産 と い う 社 会 的 に 極 め て 影 響 力 の 強 い 企 業 犯 罪 に 対 し , 抑 制 あ る い は 防 止 す る た め の 唯 一 の 方 法 は , 法 に よ る 規 制 で あ り , 商 法 規 制 に よ っ て 取 締 役 会 の 強 化 , 監 査 役 に よ る 会 計 お よ び 業 務 監 査 の 強 化 , ま た 公 認 会 計 上 監 査 の 導 入 を 通 し て , 会 社 自 身 に よ る 自 主 的 監 査 機 能 の 強 化 を 図 る 以 外 に な い 。  米 国 に お い て は, 会 社 法 に よ る 計 算 規 定 は な く ,実 質 的 会 計 計 算 規 定 に つ い て はFASB が 担 当 し, SEC はRegulation s-x 等 の 表 示 原 則 に 基 づ き , も っ ぱ ら 公 正 な 開 示 制 度 の 観 点 か ら 企 業 及 び 会 計 監 査 人 の 監 視 を 担 当 し て い る 。John c. Burton は ,SEC の 執 行 理 念 に つ い て 次 の よ う に 意 義 づ け る 。 「 証 券 取 引 委 員 会 (SEC ) の 執 行 プ ロ グ ラ ム は , 委 員 会 が 資 本 市 場 り 改 善 お よ び 不 正 防 止 と い う 目 的 に 向 っ て , 社 会 を 方 向 づ け る 重 要 な 手 段 な の で あ る7) 。ニ SEC の 監 視 対 象 範 囲 は , 会 社 の 不 正 経 理 お よ び 財 務 諸 表 の 虚 偽 記 載 は 言 う に 及 ば ず , 会 計 監 査 人 に よ る 監 査 報 告 書 の 適 ・ 不 適 と い う 内 容 調 査 に も 及 ぶ 。  し か 乱  調 査 , 摘 発 , 処 分 の 概 要 が, SEC のAccounting SeriesRelease

に 記 載 さ れ て 公 表 さ れ る 。 不 適 監 査 の 件 数 の 数 , 不 適 監 査 の 期 間 の 長 さ (1968 ∼1972 ) に お い で , 広 範 なSEC の 摘 発 お よ び 処 分 が 行 わ れ た こ と で 有 名 なPMM (Peat Marwick Mitchel & Co ・)case もASR No. 173 で 公 表 さ れ て い る ‰     ㎜■      ■       ■       ■ SEC の か か る 摘 発 及 び 処 分 は , 摘 発 そ れ 自 体 が 目 的 な の で は な く , そ れ に よ っ て 情 報 公 開 と い うdisclosure system に 対 す る 社 会 的 信 頼 性 を 確 保 す る の が 目 的 で あ る 。 「 故 に , 職 業 会 計 人 に 関 す る 実 施 プ ロ グ ラ ム も 宜 だ , 専 門 的 な 監 査 実 施 の 改 善 を 促 進 さ せ る た め , 委 員 会 の 広 範 な 努 力 の 重 要 な 部 分 と な る 。 職 業 会 計 人 の , よ り 高 度 の 監 査 実 施 基 準 を 強 調 す る こ と に よ っ て , 投 資 大 衆 に 対 す る よ り 信 頼 度 の 高 い , よ り 意 義 の あ る 財 務 情 報 が 保 証 さ れ る 。 か か る 財 務 情 報 が , 健 全 な 投 資 意 思 決 定 の た め の 分 析 的 手 順 の 基 礎 と な る の で あ る9 ‰ 」      

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改正商法の論理と制度会計上の問題 7 SEC の よ うな 強力な 監視機 関 のな い我 が 国に おい ては ,SEC の 目的 たる 信 頼性 の高 い開 示制 度を 定 着 させ るために は , 会社0 自主的 監視 機能 の強化 と公認会 計 士 制度 の充実 を 図る以 外に ない。 今 回 の改正 商法 の目的 乱 実 は こ の点 に あ っ た と言 うこ とがで き る。多 目的 情報利 用者 のニ ーズと,会社 の 社 会的 責 仕 を 明確に す るた めに ,情報 量 の形 式的 拡 大を もっ て開示 制 度 の充 実 を意 図 した 改正 商法に対 して, cost-benefit analysis 及びusefulness と

い う観点 か ら開 示 制度 の充実 を 図 るべき であ った とい う経 団 連 の主張 もあ る。 すな わ ち , 「 ディスク ロ ージ ャーが利 用者に い かに 利 用さ れ てい るかを 知 ることは, ①財 務成果 の測定 機能 , ②情 報 の提 供手 段 お よび そ の有 用性 ,を 判断す る うえ に きわ めて重 要 であ る。 残 念 なが ら ,我 が 国 では利 用 者 の意見 は まった くまた はほ とん ど聞か れない 。 会社 に 備 え置 く ことが義 務づけ られ てい る附 属 明 細書を会 社に 見に くる株主 はほ とん どい ない 。 製造 原 価明細表 の有用性に も問 題 かお る。 また ,利 用者 のニ ーズ もない こと か ら証 券アナ リ ス トが発 達 し てお らず, した がっ て一般投 資家に 対 す る第二 次 情報 も有効に ワークし てい ない の であ る10)。」  確かに , 我 が 国の現状を 見 れば ,企業 側 の作成 す る膨 大 な有 価証 券報告書 が,現 実 の利 用者 に どれほ ど利 用さ れてい る のか とい う問 題 かお るか もしれ ない。 しか しな が ら, もしかか る事実 か お ると す れば ,そ れは企業 側 の社 会 的責任 の意識 (information sender's responsibility), または 意思 決定行動 の

た めに 企業 財務 情 報を 積 極的に利 用す る とい う利 用者 側 の 意識 (informationreceiver's consciousness ), あ るい はそ れ らを 結 合 す る信 頼度 の高い 情報開 示

の社会 的 制度 と しての確立(reliable information disclosure system) のいずれ か また はそ のすべ てに な んらか の問 題あ るい は欠 陥 か お る もの と言わざ るを え ない。 cost-benefit analysis に よる企業 側 のdisclosure に対 す る消 極論に対 し,次 の よ うな反 論か お る。 「企業 は存 在す るこ と自 体 で社 会的 責任 (裁判 所による製造物責任 の認定などその代表例)が発生 し てい る。 デ ィス クロ ―ジ ャ ーは, そ う した責 任を 持つ企業 が,経営 内 容を 公開 す る ことに よっ て,責 任 の一端を 果 してい ると考 え る のが妥当 であ る11‰」 Disclosure system は , 企業 の組織 活動 シ ス テ ム と利 害関 係 者の意思決 定 シ ステ ムを, Information を 媒 介に 結 合 させ るsystem と して理解す る

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ことができる。 従って,情報価値は,利害関係者の効果的意思決定に どれほ ど貢献 したかに よって測定される12)。かかる価値貢献分析から,情報の質と 量が決定されるべき ものであ るが,最初 のdisclosure は会計責 任(account-ability) の解除要件として発生した ものであり,しだいに社会的責仕(socialresponsib 山ty) が強調されるに至る。 企業 の社会的責任力頌 るほ ど, disclosure の拡大化 傾向を生み, それは また社会の制度的要請 の 支配を受けて展開される。 Norton M. Bedford は, 開示情報の質的・量的拡大の必要性は, 認知(perception), 記号化(symbolizing), 分析(analysis)と伝達(communication) とい う4 段階に おけ る科学的方法論に よって決定されるが,そ の根底には社 会的価値観の変化,社会的目標の変化を認識することが必要であ ることを強 調する。「社会が変化していること,一 世紀に もわたる社会の変化が,会計 に対 して本質的 な影響を与え ているとい うことを認識する必要 かおる。 たと え, disclosure の調整が社会変化 の認識を必要として 乱 5 年又は10 年 と い う短期間でかかる変化は感知 されるものでぱないが,社会及び会計が依拠 している基礎を理解す ることは必要であ るJ 。」  このように,社会制度的観点 から言えば,今回 の商法改正に よる公開制度 の拡大は,極めて強い社会的要請に よったものとい う理解もまた可能であ る。 (3 ) 商法の論理  商法 は,商業 帳 簿(accounting books)の包括 規定 と して ,「商人 ハ営業上 ノ財産 及損益 ノ状 況 ヲ明カ ニ ス ル為 会計 帳簿及貸 借対照 表 ヲ作 ル コ ト ヲ 要 ス」(商法第32条第1 項) とし , 会 社 の計 算に おい ては , 貸借対 照 表 ,損益 計 算書 ,営業 報 告書 ,利 益 の処 分又 は損 失 め処 理に 関す る議 案お よび 附属 明細 書を 作 り, 取 締役会 の承認 を 経 て(商法第281条), 監査 役0 監査を 受 け なげ れ ば な らない(商法第281条 ノ3)。 さ らに 大 会社に あ っては, 監査役 監 査 の他に会 計 監査人 の監査を 受 け なけ れば な らず (監査特例法第2 条), 監 査を受 げ た計 算 書 類は株主 総 会に おい て報 告 ・承 認を受 け なけ れば な らない (商法第283条 第1 項)。ニなお , 株主総 会に おい て 承認を 得 た貸 借対 照 表(大会社にあっては損 益計算書を含む(監査特例法第16条第2 項))は ,遅 滞な く公 告し なけ れば な らな い (商法第283条第3 項)。      ⊃

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改正商法の論理と制度会計上の問題  9 新 商 法 は , さ らに 営 業 報 告 書 及 び 附 属 明 細 書 の開 示 事 項 を 列 挙 す る と と も に , 会 社 の 状 況 に 関 す る 重 要 な 事 項 は 必 ず 記 載 し なけ れ ば な ら な い (計算書 類規則第45 条・46 条・47条) と 規 定 す る 。 こ の よ 引 こ, 今 回 の 改 正 法 が形 式 的disclosure 拡 大 の 規 定 を 設 け た こ とは , 社 会 的 要 請 と 商 法 の論 理 が 或 る 意 味 で 合 致 し た か らに 他 な ら な い 。 そ こ で , 商 法 の論 理 と は い か な る も の で あ るか を 検 討 す る 必 要 か お る 。  近 代 会 社 の 典 型 的 形 態 で あ る 株 式 会 社 は , 社 員 の 間 接 有限 責 任 を 前 提 と す る 物 的 会 社 で あ り, 法 的 に 人 格 が 与 え ら れ た も の で あ る (商 法第54 条第1 項)。 法 人 格 が 付 与 さ れ た 主 体 た る株 式 会 社 は , 「 会 社 自 体 が 権 利 能 力 を 有 し , 会 社 代 表 者 の な した 行 為 の 結 果 は 当 然 に 会 社 に 帰 属( 行為 能力) す る と と もに , 会 社 財 産 は 社 員 の共 有 財 産 で は な く て 会 社 自身 の 所 有 に 属 す る1 ‰ 」  こ の よ うに , 会 社 を 会 社 の 代 表 者 (代表取締役) お よ び 社 員 ( 株主) か ら 独 立 した も の と 捉 え る こ とに よっ て , 会 社 を 巡 る 法 律 関 係 は 極 度 に 単 純 化 さ れ る こ と に な る 。 し か し , 会 社 の法 律 行 為 を 現 実 に 執 行 す る の は , 自 然 人 で あ る会 社 の 代 表 者 であ る。 そ こ で 法 は ,「 取 締 役 ハ 株 主 総 会 二於 テ 之 ヲ選 任 ス」 ( 商法第254 条 第1 項) る こ と と し , 「 会 社 卜取 締 役 ト ノ 間 ノ関 帳 ハ委 任 二関 ス ル 規定 二 従 フ 」(商 法第254 条第3 項) も の と し た 。  した が っ て ,受 任 者 た る取 締 役 は , 「 善 良 ナ ル 管 理 者 ノ 注 意 ヲ以 テ 委 任 事 務 ヲ処 理 」 (民 法第644 条) しな け れ ば な ら ず , 「受 任 者 ハ 委 任 者 ノ請 求 アル ト キ ハ 何 時 ニ テ モ 委 任 事 務 処 理 ノ状 況 ヲ報 告 」 (民法第645 条) し な付 れ ば な ら ない と い う民 法 規 定 が 準 用 さ れ る。 委 任 契 約 の要 件 は , 「 当 事 者 ノ一 方 力 法 律行 為 ヲ為 ス コ ト ヲ相 手 方 二 委 託 シ 相 手 方 力 之 ヲ承 諾 ス ル ニ因 リ テ効 カ ヲ 生 ス」 (民 法第643 条) と い う 個 人 法 上 の 法 律 関 係 で あ る が , 取 締 役 と 会 社 の 関 係 も実 は 個 人 法 上 の法 律関 係 であ る とい う。 「 こ の 関 係 は , 株 主 総 会 に お い て選 任 さ れ た 者 に 対 し て , 代 表 機 関 が 任 用 契 約 の 中 込 を し , そ れ に 対 し承 諾 が あ っ た 時 に 成 立 す る 。 こ の 契 約 は 委 任 契 約 と 準 委 任 契 約 の 併 合 契 約 であ る 。 な ぜ な ら 取 締 役 の職 務 に は ,法 律 行 為 の み な らず 事 実 行 為 の処 理 も含 ま れ る か ら で あ る1 ‰ 」    〉  現 実 の 会 社 経 営 に あ た っ て , 取 締 役 は 広 範 な 事 実 行 為 を し な け れ ば な ら ず , モ の 行 為 は 民 法 上 の委 任 契 約 に 限 定 さ れ る も の で は な い 。 そ こ で 商 法 は 。 「 商 行 為 ノ受 任 者 ハ 委 任 ノ本 旨 土反 セ サ ル 範 囲 内 二 於 テ 委 任 ヲ受 ケ サ ル 行 為

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ヲ為 ス コト ヲ得」(商法第505条) と, 純 粋な委 任契 約で は ない ことを 規定 す る。 ところ が, 会社 法上 ,取 締 役の商 行為は すべ て会社 の行為 と見 倣され る か ら,特に 取 締役 の責 任を 明 らかに し なけ ればな らない 。 そ め趣 旨 で,「 取 締 役ハ法令及 定 款 ノ定 並 二総 会 ノ決 議 ヲ遵守 シ会社 ノ為 忠実 二其 ノ職 務 ヲ遂 行 スル義務 ヲ負 フ」(商法第254条 ノ3)とい う規定を おい た もの と解 され る。 こ の ように 解 す ると, 善管 注 意義 務 と忠実義 務を 同義 と解 す るこ とはて な ない。 もち ろ ん,取 締役に 善 管注 意義 務が 課さ れてい る こと は否 定 できない が,そ の上 更に 忠実 義 務 が課 され てお り, こ の両義 務 は 異質 な ものと解す る 必要 かお る。 星 川長 七教 授 は ,同義 と解す る通説に対 し て, 継受 法解 釈 の原 則か ら次 の よ うに 反 論 す る。 「 わ が商法 が英 米法に な ら って取 締役 会中心 の 執行機 関体 制を と っだ こ とに よっ て,会 社 と取 締役 との間に 信任的 法 律関 係= を 生ず るに い た っ。てい る。 こ こに い う信 任的法 律関 係 とは , 継続 的・ 包括的 関係に おい て他 人 のた めに 事務を 処 理 する地 位に おか れ る者に 関 し ,信任 と 信頼を法 律上 の基 礎 とす る関 係であ っ て,委 任関係 とは そ の 淵 源を 異に す る 法律関 係であ る。 そ し て こ の法 律関 係に おい て受 信 者に 課 せ ら れる義 務は 忠 実 義務 であ る16)。」  取 締役 と会 社 と の間 の信 任的 法 律関係 は, 忠実義 務 の もとに , 取 締役 の競 業 避 止義 務(商法第264条), 取 締役会社 間 の取 引・利益 相反 取引 の制限(商法 第265条), また違 法 配当 , 利 益 供 与, 金 銭 の貸 付け 等に よ り会社に 損害を与 え たと き の賠 償責 任(商法第266条) 等 の規定 が位置づけ られ る のであ って , 単 なる善 管注 意義 務 の規 定 内に すべ て が包含 され ると考 え る こ とはで きない。 取 締 役の 忠実 義 務 は, こ の よ うに 信任的 法 律関係に 基 づい てい る と解す れ ば,そ れは また 換言 す れば ,信義 誠実 の原則 がそ の前提 にあ る とtヽうこ とが でき る。 会社 法上 ,取 締役 が法 令及 び定 款並 びに 総 会 の決 議を 遵 守 し,会 社 の為に 忠実に そ の職 務を 遂 行 してい る か否 かを 監督 す る機 関 は取 締 役会であ り(商法第260 条第1 項), そ れを 承 認す る機 関は定時 株 主総 会 であ る(商法第283 条)。問 題 は, 取 締役 及び 監 査役 の責 任解除 の要 件で あ る が, 旧商 法は 第284 条 で, 計 算 書 類 が株 主総 会 で承認 さ れた後2 年 内に , 別 段 の決議 がない こと と不 正行 為 が ない こ とを 条 件に 解除 され た もの とみ なす とい う規 定があ ったが ,今 回 の 改正 で こ の第284 条 が 削除 さ れた。 こ の ことに よりj 株主は 計 算書類 承認 後特に 期間 的 制限 な くレ 取 締役 の責任 追 及 がで き るこ とに な っ

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改正商法の論理と制度会計上の問題  11 だ。  計 算書 類に は, 貸 借対照 表 , 損益 計 算書 , 営業 報告 書, 利益 の処 分又 は 損失 の処 理に 関す る議 案 が 含 まれ るか ら, 株主総 会に お い ては , 取 締役 のiaccountability とresponsibility の双 方が 解除 対 象 要件 とな る。 そ の上, 定時 総 会で 承認を受 け た 貸 借対照 表 は遅 滞な く公 告 しなけ れ ばな ら ず(商法 第283条第3 項),計算 書 類(附属明細書を含む)と 監査 報告書 は ,定時総 会 の会 日の2 週間前 より本店に は5 年 間 , 支 店に は3 年 間 備置い て(商法第282条第1 項), 株主及 び債権 者 の 閲覧に 供 しなけ れば な らない(商法第282 条第2 項) と規定 す る。  した が って,商 法 のdisclosure の 目的は , 計算 書類 の株主 総会 で の承認 。 株主 及び 債権 者に よる 計算 書 類 の閲覧 , 広 く一 般 大 衆へ の公 告を通 し て,取 締役,取 締役 会及び 監 査役 ・会 計 監査 人 の責 任を , 各機 関 の 自主 的 監視 体制 の充 実・ 強化を もって 図ろ うとす る ことにあ る。 倉 洋康一 郎教 授は ,今回 の 商 法改正に よるdisclosure 拡 大 の意義 を 次 の ように 述 べ る。 「企業 の自主 的 監視体 制 の充 実 とい う観点 か らい えば ,経営 担当 者の業 務 執行行為 に つい ての取 締役会 内部に おけ る セル フ・ コン ト ロ ール の ほかに ,そ れに対 す る 監 査 役お よび 株主(株主総会)の コン トロ ール 機関 と して の 機 能 の蘇 生 ・拡大 を はか らなげ れば な らない が ,そ のために は ,そ れ らの者に 対 す る経営 情 報 の開 示 が必須 の条 件 とな るわけ で あ る し, また企業 の社会 的 責任 の一 環 とし て, ひろ く会社 の利 害関 係人 の利 益 保 護を は か ると い う観点 か らいえば , そ のために 必要 な情 報があ らか じめ 公 開 され ていなけ れば な らない か ら で あ る17)。」  従 来 か ら, 企業 内容 開示 制 度 と言 えば ,証 券取 引 法に よるdisclosure を 意 味し てい た が,証 取法 の 目的 は , 「有 価証 券 の発 行及 び売買 そ の他 の取 引 を公 正な ら しめ, 且 つ 有価証 券 の流 通を 円滑 な ら しめる こ と」(証券取引法第1 条)であ る。そ の点 , 企業 の社 会 的責 任 お よび 自主 的 監視機 能 の充実 を 目 的 とす る商 法 の開示 制 度 と証取 法に よる開 示 制度 とを 同一 次元で論 じる こと は必 ず し も適 切 とは言 え ない。  一 般に , 商法 は債 権 者保 護を 目的 とし てお り,証 券取 引法 は株主 保 護を 目 的 としてい る と言わ れ る。 しか し,証 券 取引 法は商 法 の特 別 法であ り, 相 互 に対 立 す る ような関 係に は ない。 しか 乱 商法 が保 護し よ うとす る対 象 は 債

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権者に限定されるもので もない。商法は商行為を行うすべての商人に適用さ れ,またすべての営利企業に適用される。 まさに,国民経済的 観点から国家 的 法秩序 の定立と維持をモの使命としているものであ る18)。  今後,開示 制度の統一化を 目標に論議されると思われるが,証取法開 示制 度 がすでに存在 し,証取法 のもとで公認会計士に よる監査制度が存在してい たに もかかわらず,昭和49年の商法改正で,商法監査上公認会計士 監査が導 入 され,さらに昭和56年の商法改正で,商法に よる開示情報の充実を意図せ ざるを得なかった我が国の特殊事情,および法に対す る社会的要請が強かっ たことは,十分認識しなけ ればならない。そして,そ こに商法の論理を見い く出すことができ よう。 注 1) 並 木俊守 『改正 商法・特例法詳解』中央 経済社,昭和56 年 ,3 ∼6 頁。2 ) 坂本藤良 『現 代経営 者の意識と行動』 日本総合 教育 機構, 昭和54 年,448 頁。3 ) 中島 省吾「 計算・公開規定改正 の審議経過と今後の課題」『会計 』第121 巻第3  号, 31頁 。4 ) 日本公認会計士協会編『粉飾決算 』第1 法規,昭和51 年,1 ∼2 頁 。5 ) 岩 村一夫 『SEC の処分実態 』財 政詳 報社,昭和51 年,41 頁 。 句  同 書,42 頁 。7

)John C. Burton, “SEC Enforcement and Proffessional Accountants : Philosophy, Objectives and Approach, ’ The Development of SEC Account- ing,

(Addison-Wesley , 1981)p. 240.8 ) 岩 村一夫 ,前掲書,41 ∼42 頁。9 ) John C..Burton, op. cit。p. 241.10

) 窪 内義 正「 商法 と証券取引法上 の開示制度 の一元化につい て」汀 企業会計』第 34巻第5 号,38 頁 。11

) 吉 村光威「利 用・分析 の視点 からの有価証券報告 書の問題 点」『企業会計 』第 34巻第5 号,29 頁 。12

) 拙稿 目青報会 計理論 と行動科学」『北見大学論集』第1 号,62 ∼63 頁ノ13

)Norton M. Bedford, Extensions in Accounting Disclosure, (Prentice-Hall,  1973 )p. 8.14 ) 今井宏稿 『基 本法 コンソ ン タ ール』会社法I, 日本評論社,昭和57 年 ,5 頁 。15 ) 星川 長七稿,同書,216 頁。16 ) 同書, 217頁 。17 ) 倉洋康一 郎「附 属明細書」『企業会計』第34 巻第6 号,30 頁 。18 ) 忠佐 市『企業会計法 の論理 』税務経理協会,昭和52 年, 170∼171頁 。

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改正商法の論理と制度会計上の問題  13 3. 制 度 会 計 に お け る引 当 金 の 問 題    (1 ) 法論理 と会計論理  制 度 会 計 上 , 引 当 金 が 問 題 と さ れ る のは , 商 法 会 計 と税 務 会 計 の領 域 で あ , 引 税 務 会 計 の領 域 に お い て は , 引 当 設 定 で き る項 目 が 限 定 さ れ てい る 点 , お よび 繰 入 限 度 額 が 設 け ら れ て い る点 が 企 業 会 計 上 問 題 と な る が , 商法 会 計 上 の 引 当 金 に つ い て は , 引 当 金 の 概 念 , 範 囲 お よび 計 上 区 分 に つ い て , 種 々 の解 釈 が 可 能 と な る た め 従 来 か ら問 題 と な っ て い た 。  租 税 法 律 主 義 に 基 づ く 税 法 の性 格 と 異 な り , 商 法 の計 算 規 定 は 公 正 な 会 計 慣 行 を 尊 重 す る 。 問 題 は , 商 法 の 「 商業 帳 簿 ノ 作 成 二 関 ス ル 規 定 ノ解 釈 二 什 テ ハ 公 正 ナ ル 会 計 贋行 ヲ 斟 酌 ス ベ シ 」 ( 商法第32条第2 項) で い う 「 公 正 な る 会 計 直行 」 と は 何 か で あ る。 法 例 第1 条 は , 商 事 適 用 法 規 に つ い て 次 の よ う に 規 定 す る。 「 商 事 二 関 シ 本 法 二規 定 ナ キ モ ノニ 付 テ ハ 商 慣 習 法 ヲ適 用 シ 商 慣 習 法 ナ キ ト キ ハ 民 法 ヲ適 用 ス」( 商法第1 条)。こ の 規 定 か ら 類 推 す るに ,商 法 は 商 慣 習 法 の うち 法 理 に 適 う も のを 国 家 法 秩 序 体 系 の も とに 条 文 化 し た も ので あ り , 条 文 解 釈 に お い て も 商 慣 習 法 が 尊 重 さ れ る こ と は 言 う ま で もな い 。 「公 正 な る 会 計 直行 」 乱 単 な る 慣 行 を 指 す もの で は な く , そ れ ば 商 慣 習 法 的 慣 行 で な け れ ば な らな い と と もに , 「 公 正 」 が 付 与 さ れ て い な け れ ば な らな い。 し か も 商 法 が 公 正 な る 会 計 直行 と 認 め る た め に は , 法 理 に 適 っ て い る 二 と が 要 求 さ れ るo  複 雑 な る 経 済 事 象 を , 記 録 ・ 計 算 ・ 整 理 し ,financial statements と し て情 報 開 示 す る 会 計 乱  処 理 に 関 す る多 く のconventions か ら 成 る。 そ の 中 か ら 基 本 的conventions が 帰 納 的 に 抽 出 さ れ 制 度 的 公 準 が 形 成 さ れ るI)。 や が て , 制 度 的 に 一 般 に 公 正 妥 当 な 処 理 と し て 容 認 さ れ た 会 計 処 理 の 原 則く (accounting principles ) お よ び 会 計 基 準 (accounting standards ) が 形 成 さ れ

るが , 「一 般 に 公 正 妥 当 と 認 め ら れ る」 た め に は , 単 な る 会 計 慣 習 そ の も の で は な く, そ こ に 論 理 的 妥 当 性 の 裏 付 け が 必 要 と な る。 そ 印 論 理 的 思 考 枠 は 演 絆 体系 に よ り2), 理 論 的 公 準 → 当 為 的 原 則 → 当 為 的 基 準 た る 会 計 論 理 体 系 に 合 致 す る こ と が要 求 さ れ る 。  こ の よ うに 見 て く る と , 商 法 の 「公 正 な る 会 計 直 行 」 と 企 業 会 計 上 の 「 一 般 に 公 正 妥 当 と認 め ら れ る 会 計 処 理 の 基 準 」(GAAS ) と は 一 致 し て い い 筈 で あ る。 し か し な が ら , 現 実 の 制 度 会 計 に お い ては 必 ず し も一 致 しな い 。 そ の・

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理 由は, 法論 理 と会計論 理 の差 異, 解釈上 の差 異 , 適用上 の差 異 ,お よびそ の時々 の社会 経済 上 の変 動等 ,種 々 の原 因を 挙げ るこ とが でき るが ,健全 な 会 計制 度 の確 立 とい う共 通 目標に 向 っ て,法 会 計 と企 業 会計 は 相互 補 完の関 係 に なけ ればな ら ない。 法 目的 と会 計 目的 の違 い,又 は論 理的 前提 の違い か ら , 両者 が 完全に 一 致す るこ とは ないに して 乱 少な く と も不 一 致 点に おけ る問 題点 を 明確に しなが ら,少 しで も不一 致点 を 解 消 し, 健全 な会計 制度確 立 へと邁 進す るこ とが ,制 度会計に 課さ れた主 要 な研 究領 域 の 目的 であ る。 か か る観点 か ら, 引当 金に 関す る問 題を検 討 して みたい。 法制 度会 計上 ,法 は 国家的 秩序を もっ て規 制 す るこ とを 目的 とす るた め, 少 なか らず会計 の測定 ・表示 に 影響 力を有 し,そ れ が健全 な会 計制 度を 侵蝕 してい る場合 があ る。 しか し,実 定法 と し て条 文 化 され てい る限 り,そ こに は 法論 理 もし くは法 体系 の論理 があ る筈であ る。 した がっ て,法 会 計 と企業 会 計 の差 異 原因を 明確に す るに は ,先ず 論 理差 異 の類型 か ら検 討 しなげ れば な らない 。 差 異類型 は 次 の よ うに 分 類さ れ る。  (D  法 論理 と会 計論 理 が 明確に 異 なる場 合。  ② 法 論 理は 明確 であ る が,会 計論 理 が 明確で ない 場合 。  ③  会 計論 理は 明確 であ る が, 法論 理 か明確 で ない場 合 。  ④  法 論理 と会 計論 理 が共に 明 確で ない が, 制 度 とし て定 着す る実 務 基盤 があ る 場 合。  制 度会 計上(特に商法との関連において), ④に該 当 す る場 合に は ,法論 理お よび 会計論 理い ず れ も当該処 理に 関 して否 定 す る積 極的論 理を 有 しない わけ で あ るか ら,実 務 慣 行を 尊重す るこ とに な る。 こ れに該 当 す る 例と して低価 基 準を 挙げ るこ と がで き る。 ③に 該当 す る場 合 は,法 論 理 が会計 論 理を 否定 す るだけ の理論を 有 してい ない か ら,会 計論 理 がそ の ま ま法論理 として通 用 す る。 こ れに 該 当 す る ものと しては ,収 益 お よび費 用 の認 識 ・測定 ・表示を 挙げ るこ とがで きる。 ②に 該 当 す る場 合は , 会 計 の論 理(logic)が早急に必 要 と され る。 会計 の論 理 が明確に な れば , ③の ケ ースか ① の ケ ースへの 移行 が 可能 とな るか らであ る。法 論 理 との相 対 性 か ら, ③のヶ −スに な る場 合に は そ れ がそ の まま法論 理 と して通 用 し,健 全な 会 計制 度に 一歩 前 進す るこ と に な る。 ①のヶ − スに 該 当 す る場 合に は ,制 度会 計上 差 異 は差 異と して認 め なけ ればな らな い。 た だ ①のヶ −スに おい て 乱 長期 的に 見 て公 正な 会計 基

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改正商法の論理と制度会計上の問題  15 準 の も とに 公 正 な る 会 計L 貫行 と し て の定 着 が 認 め ら れ れ ば , 慣 習 法 を 尊 重 す る 法 の立 場 か ら 言 っ て ,実 定 法 上 是 認 せ ざ る を 得 な い こ と は 言 う まで も な い 。 制 度 会 計 上 , 現 時 点 に おけ る 引 当 金 の 問 題 は , 表 示 上 ① に 該 当 し , 認 識 ・測 定 に 関 し て は ②に 該 当 す る。 故 に , 早 急 に 会 計 論 理 を 明 確 に し , ③ の ヶ − ス か ① の ヶ − スに 移 行 さ せ る 必 要 が あ ろ う。 (2 ) 特定引当金の解釈  商法上,引当金に 関する条文は第287 条ノ2 だけであ る。この規定は,昭 和37年の商法改正に より導入されたものであ るが,導入当時には引当金に対 する明確な商法論理があったわけではなく,むしろ会計論理に裏付け られた 引当金を商法が是 認したにすぎない。 ところが,商法第287 条 ノ2 の「特定 ノ支出又 ハ損失 二備フル為 二引当金 ヲ貸借対照表 ノ負債 ノ部 二計上スルトキ ハ其 ノ目的 ヲ貸借対照表 二於テ明カニスルコトヲ要ス」 とい う条文が,いか なる範囲の引当金を指すものかについて,広狭二義の解釈を生かことになっ た。広義に解す ると,利益留保性引当金が商法第287 条 ノ2 の引当金に含ま れ,狭義に解す ると,負債性引当金のみが商法第287 条 ノ2 の引当 金に該当 す ることになる。学理解釈上,当然ながら狭義説が正当 性を有する。  しかし,条文中,利益留保性引当金又は負債性引当金なる用語が使われて い ない ことから,「特定」の支出又は損失に備え ることが明示されていれば, 違 法とはならない とい う実務解釈から,商法会計実務上広義 説がとられ,種 種の利益留保性引当金が商法第287条 ノ2 の引当金 として計上されるに至る。 会計論理上, 引当金は損益 計算原理から 生まれるものであり, 用語上 も 「負債性」とい うよりむ しろ「費用性」 引当金とい った方が適切であ る。利 益留保性引当金は,当期の収益に対応すべき価値犠牲たる費用に該当せず, 利益処分として設定すべきものである。利益処分として処 理されるべきもの が,負債性引当金と同 格に処理・計上される場合には,設定額に相当する分 か当期利益の減少となって現れ,正しい損益計算上 の利益概念を破壊するこ とになる。経営実務上は,便利な利益操作の用具として歓迎され ようが,会 計論理として是認されるべきではない。  故に会計論理から言えば,商法第287 条ノ2 の引当金規定におい て,条文 上利益留保性引当金が含 まれないことを 明定すべきことが要請される。昭和

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49 年 の 商 法 改 正 に お い て , 商 法 第287 条 ノ2 の 引 当 金 規 定 が 修 正 さ れ な か っ た た め , 「 企 業 会 計 原 則 」 が 明 文 を も っ て 引 当 金 に 関 す る 公 正 な 会 計 処 理 を 提 言 す る こ と と な っ た 。 昭 和49 年 の 修 正 「 企 業 会 計 原 則 」 は , 負 債 性 引 当 金 の 概 念 に つ い て 次 の よ う に 規 定 し た 。 「 将 来 に お い て 特 定 の 費 用 ( 又 は 収 益 の 控 除 ) た る 支 出 が 確 実 に 起 る と 予 想 さ れ , 当 該 支 出 の 原 因 と な る 事 実 が 当 期 に お い て 既 に 存 在 し て お り , 当 該 支 出 の 金 額 を 合 理 的 に 見 積 る こ と が で き る 場 合 に は , そ の 年 度 の  ・〃・〃 ㎜I     ■   ■    I   甲  ●-●       I 収 益 の 負 担 に 属 す る 金 額 を 負 債 性 引 当 金 と し て 計 上 し , 特 定 引 当 金 と 区 別 し な け れ ば な ら な い 。」 ( 注 解 注18 )。 な お , 「 負 債 性 引 当 金 以 外 の 引 当 金 の 残 高 に つ い て は , 貸 借 対 照 表 の 負 債 の 部 に 特 定 引 当 金 の 部 を 設 け て 記 載 す る 。」 ( 注 解 注14 ) と 規 定 し た た め √ 商 法 第287 条 ノ2 の 引 当 金 は 広 義 説 で も 狭 義 説 で も な く , 負 債 性 引 当 金 以 外 の 引 当 金 ( 特 定 引 当 金 ) を 指 し , 利 益 留 保 性 引 当 金 の み が 該 当 す る こ と に な っ た 。 そ の 上 , 特 定 引 当 金 は 任 意 に 設 定 す る こ と は で き な く , 法 令 に よ っ て そ の 計 上 が 認 め ら れ て い る 場 合 の み 設 定 可 能 と な り , 借 方 繰 入 額 は 税 引 前 当 期 純 利 益 か ら の 処 分 と し て 表 示 す る こ と に な っ た ( 注 解 注14 )。  こ の 「 企 業 会 計 原 則 」 の 規 定 に よ り , 制 度 会 計 上 , 任 意 の 利 益 留 保 性 引 当 金 を 排 除 す る こ と が 可 能 に な り , 健 全 な 引 当 金 会 計 制 度 が 定 着 す る か に 見 え た 。 し か し , 会 計 論 理 か ら 見 れ ば 若 干 の 問 題 点 が 存 在 す る 。 第1 に , 租 税 特 別 措 置 法 上 , 利 益 処 分 方 式 と 損 金 経 理 方 式 の い ず れ の 処 理 も 認 め ら れ て い る 準 備 金 が , 何 故 「 特 定 引 当 金 の 部 土 に 計 上 さ れ る の か , 第2 に , 特 定 引 当 金 は 利 益 留 保 性 引 当 金 で あ る が , そ の 借 方 繰 入 額 は , 当 期 利 益 の 前 に 計 上 す る た め , 利 益 処 分 と は な ら ず , 当 期 利 益 を 圧 縮 す る こ と に な る こ と で あ る 。  会 計 論 理 か ら 言 え ば , 特 定 引 当 金 の 部 を 貸 借 対 照 表 負 債 の 部 か ら 削 除 す る と と も に , 利 益 留 保 性 引 当 金 は そ の 性 格 か ら 言 っ て , 利 益 処 分 に よ る 積 立 金 に 類 似 す る も の で あ る か ら , 資 本 の 部 に 記 載 す る こ と が 望 ま し い 。 そ の た め に は , 商 法 第287 条 ノ2 の 引 当 金 に 利 益 留 保 性 引 当 金 が 含 ま れ な い こ と を 条 文 上 明 示 す る 必 要 が あ る 。 し か し , 昭 和49 年 の 修 正 「 企 業 会 計 原 則 」 が , 負 債 性 引 当 金 に 関 す る 公 正 妥 当 な 処 理 基 準 を 明 示 し た こ と に よ り , こ の 処 理 が 制 度 会 計 上 定 着 し 「 公 正 な る 会 計 慣 行 」 と な る こ と が 期 待 さ れ た 。  と こ ろ が , 監 査 実 務 上 , 明 ら か に 「 企 業 会 計 原 則 」 に 違 反 す る 取 扱 い が 行

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改 正 商 法 の論 理 と 制 度 会 計 上 の問 題  17  わ れ て い た 。 昭 和50 年3 月25 日 付 の 公 認 会 計 士 協 会 会 長 通 牒 は , 特 定 引 当 金  の 要 件 の 一 つ と し て 次 の も の を 挙 げ る 。 丁 負 債 性 引 当 金 と な る も の を 除 き ,  次 の 要 件 を 充 足 し て 引 当 金 と し て 計 上 し た も の は , 監 査 上 で は , 商 法 第287  条 ノ2 に 規 定 す る 引 当 金 と し て 取 扱 う 。   ①  特 定 引 当 金 と し て 計 上 が 認 め ら れ る た め に は , 以 下 の 諸 要 件 が , 満 た  さ れ な け れ ば な ら な い 。   a. 将 来 に お い て 特 定 の 支 出 ま た は 損 失 が 確 実 に 起 る こ と が 予 想 さ れ る こ と 。   b. 当 該 支 出 ま た は 損 失 の 原 因 と な る 事 実 が , 当 期 ま た は 当 期 前 に 既 に  存 在 し て い る こ と○        ダ    c. 当 該 支 出 ま た は 損 失 の 金 額 を 合 理 的 に 見 積 る こ と が で き る こ と 。ゴ  ( 調49 第66, 昭 和50 ・ 3 ・25 )。   こ の 監 査 上 の 取 扱 い は , 任 意 の 損 矢 比 引 当 金 の 計 上 を 商 法 第287 条 ノ2(7>  引 当 金 と し て 認 め た も の で あ る 力乳  こ れ は 明 ら か に 「 企 業 会 計 原 則 」 注 解 庄 14 に 違 反 す る 。 公 正 な る 会 計 慣 行 を 擁 護 し , そ の 定 着 に 努 力 し な げ れ ば な ら な い 公 認 会 計 士 監 査 に お い て , か か る 取 扱 い が な さ れ た こ と は 遺 憾 と 言 わ な  け れ ば な ら な い 。 そ の 結 果 , 有 価 証 券 報 告 書 上 , 特 別 法 令 に よ っ て 認 め ら れ  た 引 当 金 で も な く , ま た 税 法 上 も 認 め ら れ て い な い 引 当 金 が , 特 定 引 当 金 の  部 に 見 ら れ る よ う に な る 。 例 え ば , 武 田 薬 品 工 業 の ス モ ン 訴 訟 填 補 引 当 金 ,  ト ヨ タ 自 動 車 工 業 の ト ヨ タ 財 団 引 当 金 で あ る ‰   し か し な が ら , こ れ ら の 問 題 も 商 法 第287 条 ノ2O 改 正 に よ り , 利 益 留 保 性 引 当 金 ( 損 失 性 引 当 金 ) を 除 外 す る こ と が 明 確 に さ れ れ ば , 特 定 引 当 金 の 部  が 貸 借 対 照 表 負 債 の 部 か ら 姿 を 消 す こ と に な り 一 挙 に 解 決 す る と 思 わ れ た 。  そ し て , 昭 和56 年 の 商 法 改 正 で , 商 法 第287 条 ノ2 は 次 の よ う に 修 正 さ れ た 。 「 特 定 ノ 支 出 又 ハ 損 失 二 備 フ ル 為 ノ 引 当 金 ハ 其 ノ 営 業 年 度 ノ 費 用 又 パ 損 失 ト 為 ス コ ト ツ 相 当 ト ス ル 額 二 限 り 之 ヲ 貸 借 対 照 表 ノ 負 債 ノ 部 二 計 上 ス ル コ ト ヲ 得 」。   こ の 改 正 条 文 は , 次 の2 点 が 問 題 と な る 。 第1 は , 損 失 比 引 当 金 を 認 め て  い る こ と , 第2 は , 計 上 す る か 否 か は 任 意 で あ る こ と で あ る 。 確 か に , 期 間  損 益 計 算 上 の 引 当 金 の 意 義 に つ い て は 明 文 化 さ れ た が , 損 失 に 名 を 借 り た 利  益 留 保 性 引 当 金 計 上 の 歯 止 め に は な ら な い 。 し か し , 立 法 当 局 者 は , こ の 改

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正に より,「利益留保性引当 金は,負債の部に計上することはできないこと にされた‰ 」と説明す る。  もし, 改正条文(第287条ノ2 )が, 利益留保性引当金を完全に除外したと 解 することが可能であ れば,昭和49年 の「企業会計原則」修正で問題とな っ た特定引当金は,貸借対照表負債の部から完全に姿を消すことにな る。 とこ ろが,昭和57年t 月20 日に「企業会計原則」が修正されたた め,問題は一向 に解決しないばかりか,損失匪引当金に名を借りた利益留保性引当金が堂々 と引当金の座を獲得することにな り,当面の会計監査上も難しい問題を残寸 こ とになった。 (3 ) 改 正 後 の 引 当 金 問 題  引 当 金 の 表 示 に 関 し て 旧 商 法 計 算 書 類 規 則 第33 条 第1 項 は , 「 商 法 第287 条 ノ2 に 規 定 す る 引 当 金 は , 特 定 引 当 金 の 部 に 記 載 し な け れ ば な ら な い 」 と し て い た が , そ れ は 旧 商 法 第287 条 ノ2 の 引 当 金 が 利 益 留 保 性 引 当 金 で あ る た め , 「 企 業 会 計 原 則 」 と の 調 整 上 負 債 性 引 当 金 と 区 別 す る た め , 丁 特 定 引 当 金 の 部 」 を 設 け た も の で あ る 。 改 正 商 法 は 第287 条 ノ2 の 修 正 に よ り 利 益 留 保 性 引 当 金 を 排 除 し た わ け で あ る か ら , 当 然 引 当 金 の 部 は な く な る 筈 で あ る 。 に も か か わ ら ず , 新 商 法 計 算 書 類 規 則 第33 条 は , 丁 商 法 第287 条 ノ2 に 規 定 す る 引 当 金 は , 第25 条 の 規 定 に か か わ ら ず , 負 債 の 部 に 別 に 引 当 金 の 部 を 設 け て 記 載 す る こ と が で き る 。」 ( 新 計 算 書 類 規m 第33 条 第1 項 ) と し , そ の 引 当 金 は , 「 計 上 の 目 的 を 示 す 適 当 な 名 称 を 付 し て 記 載 し な け れ ば な ら な い 。」 ( 新 計 算 書 類 規 則 第33 条 第2 項 ) と し , さ ら に 「 第1 項 の 引 当 金 で , 引 当 金 の 部 に 記 載 し な い も の に つ い て は , 商 法 第287 条 ノ2 に 規 定 す る 引 当 金 で あ る こ と を 注 記 し な け れ ば な ら な い 。」 ( 新 計 算 書 類 規 則 第33 条 第3 項 ) と す る 。 結 局 , 表 示 上 は , 「 特 定 引 当 金 の 部 」 が 「 引 当 金 力 部 」 に 名 称 変 更 さ れ た だ 廿 で あ る 。   dl      。  .I       ・         。1  1 1      ’  こ の こ と は , 会 計 論 理 と 商 法 論 理 と の 間 に 明 確 な 胆 隨 か お る も の と 言 わ な げ れ ば な ら な い 。 そ れ は 利 益 留 保 性 の 問 題 で は な く , た と え 負 債 性 引 当 金 で あ っ て 乱 商 法 上 は 「 負 債 の 部 」 に 計 上 す べ き 引 当 金 と 「 引 当 金 の 部 」 に 計 上 す べ き 引 当 金 と を 区 別 し て い る よ つ ま り , 財 産 法 的 計 算 思 考 の 根 強 い 法 論 丿理 か ら い え ば , 「 商 法 の 貸 借 対 照 表 の 負 債 の 部 に は , 法 律 上 の 債 務 を す べ て

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改正商法の論理と制度会計上の問題  19 記 載 し な け れ ば な ら な い と と もに , 法 律 上 の 債 務 以 外 の も のを 記 載 す るこ と は で き な い 町 とい う基 本 原 則 か お る。         十  引 当 金 に つ い て 乱 法 的 債 務 度 のあ る 引 当 金 は 当 然 な が ら 「負 債 の 部 」 に 計 上 し な け れ ば な らず , 法 的 債 務 性 の な い 引 当 金 は 「 負 債 の 部 」 に 計 上 で き な い 。 し か し な が ら , 引 当 金 会 計 慣 行 は , 債 務 性 の 有 無 か ら 生 じ た も の で は な く , 期 間 損 益 計 算 上 の 適 正 な 期 間 利 益 の 測 定 か ら 生 ま れ た も の であ る。 商 法 上 も か か る 会 計 慣 行 を 無 視 す る こ と が で き ず , 会 計 上 の引 当 金 で 法 的 債 務 性 のな い 引 当 金 分 乱 負 債 の 部 に 計 上 す る こ と が で き る 旨 の 規 定 を 置 く こ と に な っ た 。 そ れ が , 昭 和37 年 の 商 法 改 正 で 導 入 さ れ た 第287 条 ノ2 の 規定 で あ る。  か か る 法 論 理 に よ れ ば , 旧 商 法 第287 条 ノ2 の 引 当 金 は , 「一 般 会 計 皿行 で 認 め ら れ て い る負 債 性 引 当 金 よ り広 い も の で は な く, 価 格 変 動 準 備 金 力 よ うな も の は こ の 引 当 金 に 入 ら な い 門 とい う こ と に な る 。 し か も こ の 法 思 考 は , 昭 和56 年 商 法 改 正 に も一 貫 し て 採 用 さ れ て い る。  こ0 よ うに 見 て く る と , 昭 和49 年 修 正 「 企 業 会 計 原 則 」 注 解 注14 に よ り , 特 定 引当 金 の 部 に 租 税 特 別 措 置 法 上 の 価 格 変 動 準 備 金 等 が 記 載 さ れ て い た こ とは , 商 法 第287 条 ノ2 の 引 当 金 規 定 に 違 反 し た も の と 言 わ なけ れ ば な ら な い 。 故 に , 昭 和56 年 の 商 法 改 正 に よ り , 価 格 変 動 準 備 金 の よ うな 利 益 留保 性 引 当 金 を 除 外 す る 旨 の条 文 改 正 が 行 わ れ た こ と は 当 然 の こ と と言 え る。 法 制 審 議 会 商 法 部 会 及 び 法 務 省 が , ( 引 当 金 の 部 を 設 け る こ と に 反 対 頃あ る7)」 とい う企 業 会 計 審 議 会 の 意 見 表 明を 受 入 れ な か った の は , 負 債 に 対 す る 明 確 な 法 論 理 に 反 し たか ら に 他 な ら な い 。 稲 葉 威 雄 氏 は ,法 の負 債 概 念 を 次 の よ うに 論 述 す る。 「法 律 上 の 債 務 性 の な い 負 債 は , 法 律的 に は 擬 制 負 債 であ り , 現 在0 と こ ろ 債 権 者 の い な い も の で あ る6 また 清 算 の際 に は , 清 算 の対 象 と な らな い こ と( た とえば修繕引当金) もあ り う る (継 続企業 を前提としていて 乱 商 法上は企業価値 の清算 とい う事態が起こ りうることを 常に念 頭にお く必要 があ る)o こ れ を 区 別 す る こ と は , 相 当 の理 由か お る8)。」  か か る引 当 金 に 対 す る 法 規 制 に 対 し て , 適 正 な 期 間 損 益 計 算 原 理 か ら , 引 当 金0 概 念 ・認 識 ・ 測 定 を 明 ら か に す る と と も に , 公 正 な 会 計 慣 行 を 定 着 さ せ るた め の 明 確 な 基 準を 提 示 す べ き で あ っ た 。 引 当 金 は , 適 正 な 期 間 利 益 算 定 上 ,当 期 の 費 用 とし て 認 識 さ れ る べ き も め で あ る。 す な わ ち , 期 間 収 益 と

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期 間費用 を認 識 ・確定 す るた めに は ,明 確な 期間認 識 ・確定 基 準 を必要 とし。 そ の要 件は , 客観性 , 確定 性, 経 済的実質 性 とい う分 析視点 を 通 し て構成 さ れ る9≒ か か る期 間費用 認 識 ・確定 基準に合致し た も のが , 引当 金 とし て始 めて 計上可 能 とな る。  もし , 商法 と の調 整上 ,利 益留 保性 引当 金 計上 の排除を 真 剣 に考 え るな ら,。 「企業 会 計原 則」 は注 解 注14 の削除 のみで十分 であ った 筈 であ る。 ところが 。 昭和57 年4 月 修正 の「企業 会 計原 則」 は, 注解注14 を 削 除し , さ らに 注解 注18 を 次 の よ うに修 正し た。 「 将来 の特定 の費 用又 は損 失 であ っ て,そ の発生 が当 期以 前 の事 象 に 起 因し , 発生 の可能性 が 高く,か つ, そ の金 額を 合理的 に 見 積 るこ とが で き る場 合 には ,当 期 の負 担に 属す る金額 を当 期 の費 用又 は 損失 とし て引 当 金 に繰 入 れ,当 該 引当金 の残 高を 貸 借対照 表 の負 債 の部又 は 資産 の部に記 載 す る もの とす るo ' 発生 の可能性 の低い 偶 発 事象 に 係る費 用 又 は損失 につ い ては ,引 当金 を 計上す るこ とはで き ない 。」(新企業会計原則 注解注18)。  こ の文 言で問 題 とな るのは次 の点 であ る。  ① 特定 の費用 だけ でな く損 失 も含 む こ と。  ③ 当 期以 前 の事象 起 因 も含 まれる こと。  ③  現実 の発生 まで 積立が 可 能 であ るこ と。  ④  発生 の可 能性 が 低 くない こ とを条 件に, 偶発 損失 引当 金を 設定 す るこ とがで き るこ と。  これ らの諸点 につ い て, 「負 債 性引当 金等に 係 る企業 会 計原 則 注解 の修正 に関 す る解釈 指針 」 は, 概 念を 拡 大し た ものでは な く,文 意を 明 確 にし た も のであ るとし て次 の よ うに説 明す る。  特定 の損失 につい て, 「修正 前 の注解 では,負 債性 引当 金 の計 上 範 囲 を 『特定 の費 用(又は収益の控除)た る支出 』とし てい るが , 『特定 の費用 』に は 『特定 の損 失 』(例・債務保証損失引当金及び損害補償損失引当金の繰入対象と なる損失) も含 まれ る ので, そ の文 意を 明確にす るた め, こ れを 『特定 の費 用又 は損失 』に 修正 し た。」(解釈指針一①)とし ,偶発損 失 引当 金 につい ては> ■。 「修正 前 の注解 で は, 『偶 発 損失 につ い てこれを 計上す るこ とは で きTない 』 とし てい るが , これ は偶 発損 失 の引当 計上を すべ て否定 し てい る ものではな ぐ, 発生 の可 能性 が低 い 場 合 の引当 計上を 禁止し てい るも のであ る。 こ の趣

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改正商法の論理と制度会計上の問題  21 旨 を 明ら か に す る た め , 『 発 生 の 可 詣 陸 の低 い 偶 発 事 象 に 係 る 費 用 又 は 損 失 肥 つ い て は ,引 当 金 を 計 上 す る こ と は で き な い 』 と 修 正 し た 。」( 解釈指針一 ④) と 説 明す る 。  な お , 注 解 注14 の 削 除 の 理 由 と し て , 「今 回 の 商 法 改 正 に よ り , い わ ゆ る 利 益 留 保 性 の 引 当 金 の 計 上 は す べ て排 除 さ れ た の で , も は や こ の よ うな 注 解 を 存 置 す る 必 要 性 は 認 め ら れ な く な っ た 。」( 解釈指針二)とし な が ら , 従 来 利 ]益 留 保 性引 当 金 と し て 「 特 定 引 当 金 の 部 」 に 計 上 し て い た 租 税 特 別 措 置 法 上 の 準 備 金 で 乱 「 そ の 実 態 が 修 正 後 の 企業 会 計 原 則 注 解 注18 に 定 め る 引 当 金 々こ該 当 す る と認 め ら れ る も の に つ い て は , 損 金 処 理 方 式 に よ り負 債 の 部 に 計 上 す るこ とが 妥 当 で あ る。」(解 釈指針二(1)) と 説 明 す るが , こ れ は 明 ら か に 論 理 矛盾 で あ る。   「解 釈 指 針」 の 説 明 か ら , 新 「 企 業 会 計 原 則 」 に お け る引 当 金 は , 従 来 の 負 債 性 引 当 金 の 概 念 を 明 ら か に 拡 大 し て お り , い わ ゆ る 損 失 陸 引 当 金 ( 実は 利益留保性引当金) が 注 解 注18 の 引 当 金 に 含 ま れ る こ とが 明 示 さ れ て い る。 そ うな る と , 商 事 貸 借 対 照 表 負 債 の部 に は , 債 務 性 の あ る 引 当 金 が 計 上 さ れ , 引 当 金 の 部 に は , 債 務 性 の な い 引 当 金 ( 例・修繕引当金) と , 債 務 比の な い 損 失 性 引当 金 (例・公務保証 損失引当 金,損害 補償損失引当金等) が 計 上 さ れ る こ と に な り , 「 引 当 金 の 部 」 は 従 来 の 「 特 定 引 当 金 の部 」 よ り多 く の 引 当 金 が し設 定 可 能 と な る。  こ の損 矢 比引 当 金 に つ い て , 商 法 第287 条 ノ2 が 規 制 す る こ とは 不 可 能 で あ る。 何 故 な ら , 「 其 ノ 営 業 年 度 ノ費 用 又 ハ 損 失 ト 為 ス コ ト ヲ相 当 ト ス ル 額 ニ限 リ」 と い う条 文 は , 当 該 相 当 の 要 件 を 明示 し た も の で は な い か ら であ る 。 法 とし て は , 会 計 論 理 と そ れ に 基 づ く 「公 正 な る 会 計 慨行 」 に 委 ね て い る こ と に な る。  引 当 金 に 関 す る今 回 の 修 正 下企 業 会 計 原 則 」 は , 少 な く て も論 理 一 貫 性 に 欠 け た こ と は 確 か で あ る 。 引 当 金 の 本 質 に つ い て , 高 松 和 男 教 授 は 次 の よ う ヽに 述 べ る。 「 何 よ り も ま ず 引 当 金 の 本 質 は , 企 業 の 損 益 計 算 を そ の 目的 とす る 動 的 会 計 理 論 に よっ て 規 定 さ れ な け れ ば な ら な い とい う こ と で あ る 。 す な わ ち , 引 当 金 は当 期 の 費 用 の 見 越 計 上 の 結 果 とし て 設 け ら れ る も の で あ って , そ の引当 金 が 正 当 で あ る か 否 か は , そ の 期 間 費 用 が 合 理 的 で あ る か 否 か に よ っ て決 定 さ れ る1O‰」         ニ

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特 に偶 発損 失 引当 金 は, 将来確実 に 起 るか 否か が明 ら か でない ものであ るi か ら, こ れを 当期 の費 用 とし て計上す るこ とは,当 期 利益 を 圧縮 す るこ とに な り,会 計論 理 上適 正 な期間 利益を もた らす もの では ない 。 将来 確 実に 起る ことが 予 想さ れ る故 に ,事前 見積 が可 能とな り引当 金 とし て是認 さ れ るこ と に な るか らで あ る。 A. c. Littleton 乱 事 前見 積のた めに は客観 的 事象 の生 起に よる確認 か 必 要 であ る こ とを 強 調す る。 「後 日の 確認 が,事 前 見 積(estimated. charges) と実質的 に 異 な るこ とが 判明し た とき は,そ の見積 方 法が 問題 とさ れる。 見 積 と後 日 の実 際(reality ) との差 異が 増大す れば ,そ の時 は事前 見 積が不充 分 な報 告 とし て廃 止 され なけ ればな らない。 他 方, 他 の会 計 状態 におい て , か か る実 験的 処理 に よって,実 際 の事 前見積 が 客観的 事 象 に よ り確認さ れ るっ 事実 とな り うる こ とが 明確に な れば,貸 倒 れに対 す る技 法が ,費 用 事実 とし て当 期 処理 が 認 めら れ るもの とし て, 他 の引当金(provisions)設 定 に も適用 可 能な 合理的 基盤 とな りえ よ う。し かし な がら, こ の処 理 は単 な る 偶 発 性 (mere contingencies) を 理 由に , 当期 費用 とし て借 方記 入 に より準 備金を設 定 す る とい う程 度に まで拡大 す べきで はないu )。」  こ の偶発 損 失 引当 金是認 の根拠 は,最近 の国 際会 計 基 準(IAS )第10 号の 「 偶発 事象 及 び後 発事 象」,FASB statement 第5 号 の「 偶 発事 象会 計」,1980 年2 月EC 第4 号指 令 に よる西 ドイ ツ会 社法 の 引当 金 改 訂 の方向性,ま た フ ラン ス の新 プ ラン(Plan Comptable General)の改 訂等 に 見 出さ れ,国 際ユ

会計 の一 つ の方 向性 とし て位 置づけ ることが でき る とい う評価 もあ る1‰  し かし な が ら,問 題 は 我が国 の実 務会 計上多 くの損 失性 引当 金 が生 まれ, か か る任意 性 引当 金 の処理 に より, 可成 りの利 益操 作 を可 能 にし , 粉飾あ る い は逆 粉飾 の用 具 とな りか ねない 。そ のこ とに より, 健全 な 会計 制 度の基盤 が崩 さ れる とす れ ば, 制度 会計 上 ゆ ゆし き問題 と なろ う。 Kenneth MacNeal は,reserve (引当金)とい う勘定 は ,負 債 勘定 と評 価 勘定 及 び処 分 済剰 余 金 勘定 の三 つに 分類 され る とし ,「 偶 発 \±, 自家 保険 , 減債 基金又 は現 在的 債 務 の存在し ない 目的 のた め のreserves は,処 分済剰 余金 勘定 とな り, 企業 の純資 産 価値 の一 部 とし て表示 さ れ るべ きであ る1列

と述 べ るノMacNeal は, 当時 の貸借対 照表 上, 貸 方 にreserve section (引当金の部) を 設 け , こ こに 評 価性引当 金 ,負債 性 引当 金 お よび 利益 留保性

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