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Academic year: 2021

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125 2013.01 材料 DMFC向けPtRuナノ粒子触媒

1

ポータブル電源として期待されている

DMFC

Direct Methanol Fuel Cell

:直接メタノール形燃

料電池)に用いられる高活性な

PtRu

(白金ルテニ ウム)ナノ粒子触媒を開発した。

DMFC

で用いられる

PtRu

触媒は貴金属である ため,できる限り少ない量で高い触媒活性を示す ことが望まれる。今回開発した

PtRu

触媒では, 単位質量当たりの反応面積を増大させるため,非 金属元素である

P

(リン)を合成時に微量添加す ることによって粒子成長を抑制し,

PtRu

の粒子 径を従来の

4 nm

から

2 nm

まで微細化している。 また,電気化学的な手法を用いて粒子最表面の

PtRu

組成を測定し,これを

Pt

Ru = 7

3

から

5

5

に適正化することで,最終的に

PtRu

使用量を

60%

削減した。 今後は,

DMFC

への適用と製品化を進めると ともに,この技術を他分野に展開していく。 リチウムイオン電池用過充電抑制剤

2

スマートフォンなどの携帯機器の高性能化に伴 い,リチウムイオン電池の高容量化が必須となっ ている。それと同時に,より安全性の高いリチウ ムイオン電池の開発が求められており,中でも過 充電抑制技術が重要になっている。それらのニー ズに応えるため,新しい過充電抑制剤を開発した。 これは,分子内に芳香族を含む高分子であり, 通常は電解液に溶解した状態で存在する。正極の

Materials

材料

世界的な省エネルギー社会,高度情報化社会への移行に伴い,次世代電池やデバイス向け高機能材料への期待が高まっている。 日立グループはナノ粒子から高分子,分離膜,金属材料など広い領域の先端材料の開発で,さまざまな社会インフラ分野に貢献している。 環境に配慮したリサイクル可能な製品に向けた機能性部材や複合材料,形成プロセス, 評価・解析などの材料基盤技術の開発を推進していく。 被膜形成前 被膜形成後 高分子 X X 芳香族 過充電抑制剤 (電解液に溶解) 電解液 正極 e Li+ Li+ e 過充電 高抵抗被膜 正極(過充電) X X カップ リング DMFC発電素子 PtRu粒子の表面組成評価 15 nm カーボン担体 PtRu触媒の電子顕微鏡写真 PtRuナノ粒子 電位(V) 電流 ( A ) 0.10 Ru Pt 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 0.08 0.06 0.04 0.02 0.00 高分子型過充電抑制剤のコンセプト 2 DMFC向けPtRuナノ粒子触媒と表面組成評価 1

(2)

126 Components & Materials 電位が高くなると芳香族どうしがカップリングし て固体になり,正極表面に高抵抗被膜を形成する ことで過充電を抑制する。電気化学評価の結果,

5 V

程度の過充電領域で高抵抗被膜を形成するこ とを確認した。また,電池による過充電試験をし たところ,開発品を添加した電池は熱暴走が見ら れず,過充電を抑制することが確認された。 今後は,寿命特性などの改善を図り,リチウム イオン電池の安全性向上に貢献していく。 水素分離膜用Nb合金

3

水素エネルギー社会において必要とされる水素 を高純度化する材料として,水素を選択的に透過 する特殊な合金材料である水素分離膜が注目され ている。現在,水素分離膜には高価な

Pd

(パラジ ウム)合金が使われているが,水素利用を促進す るため,より安価な合金が求められている。 今回,北見工業大学で開発された水素分離膜用 の

Nb

(ニオブ)基合金に着目し,特性と製造性の 改良に取り組んだ。その結果,組成の調整と合金 組織の均一微細化により,既存の

Pd

合金とほぼ 同等の水素透過性能を発現することを確認した。 今後はさらなる特性向上とともに,

2015

年の 量産に向けたプロセス検討を行っていく。 (日立金属株式会社) パワーデバイス向け GaN自立基板・エピタキシャル結晶

4

近年,省エネルギー化の観点からパワーデバイ スへの関心が高まっており,その革新的な特性向 上の手段として,ワイドギャップ半導体が注目さ れている。 今回,パワーデバイス向けに

GaN

(窒化ガリウ ム)自立基板とエピタキシャル結晶を開発した。

独自の

VAS

Void-assisted Separation

)法を用いて

低転位欠陥化を実現し,理論限界に近いダイオー ド動作を実証している。従来のシリコンデバイス を大きく上回る高耐圧・低温抵抗のパワーデバイ ス開発に好適である。 すでにサンプル出荷を開始しており,今後,拡 販を進めていく予定である。 (日立電線株式会社) EN規格適合車両用電線 POLYENEX

5

欧州規格〔

EN

European Norm

)規格〕に適合 したハロゲンフリー車両用電線

POLYENEX

を開 発した。 制御用と動力用があり,制御用は被覆厚さが薄 く(

0.3 mm

程度)軽量でありながら,耐摩耗など 高い機械的強度を有している。動力用には架橋ポ 高純度水素 不純物(CO, CO2など) 混合ガス 水素分離膜 H2 水素分離膜用Nb合金箔(左)と水素分離膜の利用模式図(右) 3 パワーデバイス向けGaN自立基板 4

(3)

127 2013.01 材料 製品群 EN規格番号 EN50306-2 EN50306-3,4 EN50264-3-1 EN50264-3-2 0.5∼2.5 mm2 0.5∼2.5 mm2 1.0∼300 mm2 1.5∼300 mm2 2.5∼300 mm2 1.5∼50 mm2 0.18∼0.28 mm 0.18∼0.28 mm 0.6∼2.0 mm 2.0∼2.6 mm 2.6∼3.4 mm 0.7∼1.0 mm 300/500 V 導体サイズ 構造 絶縁体厚さ 電圧 300/500 V 0.6/1 kV 1.8/3 kV 3.6/6 kV 0.6/1 kV 制御用 動力用 従来品 (通常銅箔) Rz : 1.5∼2.5 m Rz : 1.5∼2.5 m 従来のサブトラクティブ工法: L/S=30/30 mμ μ μ μ 開発品のセミアディティブ工法: L/S=10/10 m 配線の微細化(電子機器の小型化に貢献) 開発品の微細配線形成性 注 : 略語説明 L(Line), S(Space) 開発品のめっき銅引き剥がし強さ めっ き 銅 引 き 剥 が し 強 さ( kN/m ) 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 開発品 (プライマ付き銅箔) EN規格適合車両用電線POLYENEXのラインアップ 5 プライマ付き銅箔の配線板上の微細配線形成(左)とめっき銅密着性(右) 6 レオレフィン系材料を採用し,耐油性・耐燃料性 と耐寒性(−

40

℃)を実現した。また,

EN

規格 は難燃性や低発煙性,低毒性など,人体への影響 に配慮した火災安全性を要求するが,ポリマーと 難燃剤の組み合わせや量を検討し,電気・機械特 性との両立に成功した。 今後は,さらに高い耐熱性能を有した

EN

規格 適合シリコーン電線をラインアップに加え,幅広 いニーズに応えていく。 (日立電線株式会社) セミアディティブ工法対応 微細配線形成用銅箔

6

近年の電子機器の小型化や薄型化に伴い,パッ ケージ基板には,高剛性で微細配線化を達成する 材料が求められている。従来,ガラスクロス入り 基材は高剛性であるが,配線形成に銅箔(はく) をエッチングするサブトラクティブ工法を用いる ため,微細配線化には限界があった。 これに対し,今回,めっき銅および絶縁樹脂と の密着性に優れたプライマ付き銅箔を開発した。 ガラスクロス入り基材と組み合わせて用いると, めっき銅によって配線を形成するセミアディティ ブ工法が対応可能になり,高剛性と微細配線化を 両立するパッケージ基板を製造できる。 今後は,国内外に広く展開していく予定である。 (日立化成株式会社)

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