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いわゆるBright病に属する若干の主要疾患の形態学的連関性について(其の二)

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(1)

1〔綜

説〕

(翻謹醗響欝錆)

いわゆるBright病に属する若干の主要疾患

の形態学的連関性について(其の二)

東京女子医科大学病理学教室

教 授 松 本

マツ モト

タケ 四 シ

(受付昭和32年11月12目)

ロウ

H 高血圧腎

ここに高血圧腎と総称するものは,当初特別な 腎病変をもたない人に高.血圧がつづき,その経過 の間に段々と病変を呈してくるような腎という意 味である。 ただこう定義すると「高血圧」の指標をどうとるか がただちに問題となる。筆者はBelli)の行ったような 数字華押の設定(50才以しでは150/90以上,40才以下 では140/90以上)よりPickering2)の弾力的観方に賛 成したい。それは「高血圧」という厳格な境界はもう け難く,わゆる正常との間には漸次的な移行がある。 だから血圧が「高過ぎる」かどうかは,それぞれの例 の事情に従って考慮すべきだ,という趣旨の立場であ る。 そしていまここでは腎変化を問題にするのであるか ら,大動脈から腎に与えられる血圧が腎構造,とくに その血管樹にどの程度の負担をかけるか,つまり両者 の間の動的な関係のあり方が目安となる。 肉眼的事項 この群の肉眼的所見をある特徴のもとにまとめ ることは甚だ困難である。何故なら高1血圧がいつ 始まって,その後どのくらいの期間持続したか, また高血圧の程度や進行速度,あるいはそこに老 入性要素がどの程度入っているか等等の条件で外 観上多大の隔たりが生ずるからである。 したがってあるものは老人性萎縮との区別に苦 しむような観を呈し,あるものは成書に小動脈硬 化性萎縮腎ないし穎粒状萎縮と記載きれている型 の特徴をそなえ,また別の例は悪性腎硬化症と呼 ばれる群の形態をとる。 それゆえここではそれらを羅列的にくりかえす ことをやめて,全般を通ずる組織学的性格を追求 することを主眼としたい。その方がかえって肉眼 所見の多彩さを理解する手づるになると思われる からである。

組織学的事項を中心としT

この場合にも一血管樹から入るのが便宜である。 写真1の例(例2)は死亡時70才の女。中年から高 血圧の訴えがあり20年来は200をこえることがしばし ばあったという。しかし「病人]としての日常ではな かった。 1956年5月11日一寸した顔面発疹のため東京逓信病 院皮膚科外来で受診中,めまいからいきなり上肢痙攣 をおこし,ついで全身強直,昏睡。ナこだちに同院内科 に入院。翌日腰椎穿刺により蜘蛛膜下出.血と診断。入 院時既に両下肢の麻痺があったが,入院経過中更に中 枢神経系症状が次々と加わり,発病後20日で死亡。 入院後の血圧は1go/loo位だが動揺が著しい。死亡 三目からは急激に下降。尿所見:第6病冒のカテー’テ ル尿で蛋白スルホサリチル酸試験(十),赤血球少数, 硝子及び頴粒円柱(+),尿量は第7病日の1800を最高 とし,大体は1000以下の乏尿。比重は尿量に対しかな り鏡像的に動き,死亡4H前になお1025で濃縮力保存 を物語っている。死亡前々日(第19病目)に残余窒素 が87mg/d1に達したが,第13病日ではまだ44mg/dI ゆえ,この上昇はごく宋期の修飾と考えうる。 剖検時体重31kg,心重量2709,腎左859,右6Qg。硬 度増,表面小葉問の陥凹による軽度の鉱煙化の外,散 在性に小葉大またはその融合状の漂痕性収縮がある。

Takeshiro MATSUMOTO (Department of Pathology, Tokyo Women’s MedicaJ Co]lege) : MorphoJogical

interrelationshjp among some groups of ’iBright’s diseases’/ 1[.

(2)

2 じ

割面は腫れず,皮質の血量むしろ少,髄質に幾分血液

が集り気心。皮質の幅3mm内外,紋理乱れ,不明 瞭。Aa. lobares, arciformes,及び10bulares近部は

壁厚く,割面上突出。なお本門では多年の高」血圧にも かかわらず心重量が割に少い理由は別途に考慮を要す るが,この点は他の機会にゆつる。

A)高位二二

例3のA.10baris∼A. arciformis辺では老人 性腎と異って中膜筋のかなり力強い肥大が目立つ (写眞1)。それでもこの肥大だけでは圧との釣合 いがたもち切れながつたとみえ,そこの内膜に中 等度のFibro−Elastoseが加わっている。

$tcr.一 『蟹雪

写真1(例3)弱拡大。Elast三ca v. Gieson染色。 M=申膜。

B)中位動賑

A.Iobularisの始部から中部を超えた位の区問 になると,既に内膜のFibro−Flaεtoミeを…卜体と する硬化が著しく進んでいる。この際の中膜の態 度は,多少の肥大を呈するもの(写真2一列4) から,著しい減少を示すもの(写真3一倒3)ま で種々の階梯がある。写真3の如き揚合では中膜 筋は圧の担い手としての位置を失い,高度に肥厚 した内膜の背景にかくれてしまう。 駕 義 写真2(例4) M・=中膜。 集 ..穂懸 ’=賊 ,齪

中鉱大。E】astica v..Gieson染色。

妻灘

陵帰¥

難1

,/“ tn−S ,

写真3(例3)中拡大。Elastica v・Gieson染色。 内膜の高度のF三br(》一Elastose。写真2と異りすで に中膜はいちぢるしく減じているq 一 710 一

(3)

例4(上記写真2の例)の概要:58才男。1948年体動 時苦しく,不整脈。1950年春全身倦怠,顔面浮腫,高 血圧を認む。蛋白尿(一)。1週間で浮腫消失。同年夏 呼吸困難発作の為筋肉労働中止。1951年3月夜間呼吸 困難発作(月2単位)。7月浮腫傾向増加。蛋白尿。10 月血圧180。1952年1月浮腫増加。呼吸困難あり。2 月21日入院,血圧150/120,心衰弱の徴あり。浮腫, 呼吸困難,胸部ラ音。乏尿。3月ヂギタリス療法で利 尿,脈圧増大,呼吸困難は減少するも腔水症目立つ。 4月ヂキタリス中止後浮腫,呼吸困難再び起る。再度 ヂキタリス療法行うももはや効果余りなし。同月21 H 血圧低下,痙攣発作をあらわし死亡。尿は入院当初の 乏尿時は高比重(1025∼1020)。高富には1015。比重の 幅は1025∼1010。蛋白5∼20%。残余窒i素入院時40 mg/dl,末期111mg/dJ。眼底血管の硬化(十)。 剖検は心重量5059。腎左右各909,被膜剥離やや困 難。大体一様な,しかし著明ではない穎粒状表面。割 面腫れず,皮質幅3mm,紋理乱れ赤灰色。髄質暗赤 で皮質との境は割に明瞭。血管切口割面上突出気昧。

さて高血圧腎におけるA・lobularisの内兜は

ある部では多少拡がり気味,到る部では普通,ま た別の部では明らかに狭ばまっている。拡がり気 味になるのは筋の減じた(或いはほとんど消失し た)塁壁において,圧を担う機能が内膜に十分肩 代りされ切れない場合である。また逆に狭ばまる のは内膜の肥厚硬化が圧にたえるだけの強さに達 した上に,更にまたその肥厚が加わって行く部で ある。 一般に高血圧腎では老人性腎に比べて中位動脈

硬化の進みが速く,その度も強いのが普通だか

ら,硬化部の内腔は拡がるよりも狭くなることの =引力勲まるかに多い。 中位動脈の変化はこれだけではない。なかんづ く重要なのは比較的速やかに発展する傷害像であ る。具体的には(A)内腔から管活計ヘプラスマ 成分の滲入(lnoudation),(B)壁層の一部ある いは全層にかけての壊死が注目される。 底入の種類としては,種々のニュアンスをもっ た浮腫,フイブリノイド物質の浸漬,あるいはま た.血液細胞の壁内浸潤などがある。挿入の主な場 は当然内膜であり,内弾力膜Lamina elastica internaは或程度まで滲入物質到逮の限界面とな る。しかし変化の度が強まればこの膜が突破され 中膜の傷害を生ずることも稀ではない。また時と しては浸入についで管壁間葉細胞の活動が促され ることもある。そうなればもうEnd一ないしPan− arterlit1S.といわれる像である、、 壁層の壊死は従来からノ、々の指摘するごとくブ イブリノイド骨壊死の形をとることが多い。次に その顕著な例を掲げる。 例5。死亡時48才女。すでに18年前1血圧が200をこ えたことが注意されている。1945年11月中旬風邪,そ の後軽い浮腫。同年12月」=旬Asthma cardialeの発作 始まる。12月19日東大佐々内科に入院。当時全身に軽 度の浮腫。血圧210/130。胸部打診.ヒSchachtelton, 全面乾性ラ寸’1’c潟」血,ヂギタリス療法で漸次おちつ く。 1946年1月発熱,呼吸困難増加,右肺に陰影,浮腫 再現。1月下旬から2月初にかけて呼吸困難発作2回 あり,その際一時的に血圧の急下降を.みた。2月13目 意識懸濁,血湊あり,その後衰弱加わり同月16日死 亡。入院後の血圧は190∼230/120∼130程度。尿蛋白 4∼6%,尿量100cc前後,比重は1009∼1028位で 濃縮力は末期まであった。残余窒素は入院当初の記録 で51mg/d!。 剖検離心重量5009,腎左1309,右1409被膜は 著しい抵抗なく剣離し得。表面顯粒状,帯赤黄灰色,

処々絶点あり。灘殆瀕さず。頗輻ほぼ5㎜,

写真4. (例3)中拡大。PAS染色。中位動脹 における著明なフィブリノイド壊死。

一711一”

(4)

4 紋理は乱れ多彩の観。髄質暗赤,皮三界明瞭を欠く。 血管切口目立つ。 写真4はこの例の中位動脈に生じた著明なブイ ブリノイド壊死である。 この種:のフイブリノイド壊死とフイブリン滲出 ないしはブイブリノイド物質の浸漬の間には,少 くとも形態の上では漸次的移行を認めることがで きる。この状況については既にSchUrmann5)が 詳細に記載している通りである。そしてまた少く とも高血圧腎でこのようなAzan赤染性の』血管 壁変化があらわれるのは,原則として内腔からの 滲入が異常に増す局面と密接に関係していること

がみとめられる。SchUrmannがDysorieなる

概念を提唱したのも,おもにはこの事情を踏まえ てのことであった。

同じ例の別なA.lobuiarisでは写真5のよう

な浮腫がある。浮腫の様相は単に購入する物質の 種質のみでなく,壁とくに内膜の基質(Grund・ ubstanz)の態度からも影響される。ここからわ れわれが実際に遭遇する多様な所見が導かれるこ とになる。

憲講 写真5。(例5)中拡大。AZAN染色。1=浮 腫状内膜。 こうして弛み且つ膨化した内膜にしばしば脂肪 化(或いは脂肪顕現)が加わりうることはすでに 周知の通りである。 このような内から外までも及びうる退行性過稗 で壁の規則的な構成成分たる弾力線維にさまざま な傷害像が生ずることは理解に難くない。そこで その鮮明な染色性の故も加わって弾力線維の態度 がこの種:の壁傷害の指標に好んでつかわれること になる。この際好都合なのは,弾力線維のあり方 によって単に最:近の壁傷害の様相だけでなく,こ れと以前から存したFibro−Elastoseの重なり合 い具合までもかなりはっきりわかることが多いと いう点である。 壁層に滲入が行われた後,時が経てばその部は 膠原化ないし硝子化され,もともとあった硬化は ここで一段と強められる。この場合内膜の肥厚は 主として内腔に向い,しばしば強度の狭窄を惹き

起す。VolhardのEndarteriitis fibrosaはお

そらくこの状態を指したものであろう。

C)Vas afferens系(A. lobularisの末梢

部をも臨む) この系にみられる状態は3種に大別できる。第 1は筋成分が減って膠原物質のふえる硬化型,第 2はブイブリノイド壊死を極端とする種々な階梯 の退行型,第3は主要素たる筋が比較的よく保た れているか,または多少の肥大すら呈する型であ る。 こうしてみると退行型から機能二進型にわたる ほとんどあらゆる形態環が含まれているわけで, 一見手のつけようのない多様性に直面きせられ る。これらの多様性をどうしたら有機的なうごき としてとらえうるだろうか。筆者自身長い間釈然 とせぬままこの問題に当面してきたが,近頃にな って漸く一道の曙光を得たようにおもう。そして それは腎血管樹全体の関係から与えられたもので ある。ただこの点についてはまた後の1の中で総 括的に考察することとしたい。

D)糸球体

少くとも高血圧腎の糸球休は,かなりの程度ま でVas afferensと連動的に変化するといえる。 ただ糸球体自身の構造が特異的であるため,その 変容のあらわれ方にもおのつから独特な特徴が見 出されることになるのである。 ここでは糸球体の態度を次のように大別してみ た。 一一一一 712 一一一一

(5)

(1) 毛細管腔の縮少ないし減少とともに影壁 の硬化が進むもの(虚脱型)。 (2) 係蹄毛細管腔内のStase,フイブリン1血 栓といった循環障碍像,或いはその直接的な結果 たる1血管壁傷害を呈するもの。後者では他の血管 のときと同様にブイブリノイド壊死を頂点として いる。 (3)係蹄毛細管壁の多少の解体と共に壁細胞 の増加があらわれる糸球体炎型。

(4)荒廃型。これは(1)(2)(3)のい

つれを経てもその最終の転帰として生じうるわけ であり,とくに(1)からくるものは老人性腎の 荒廃糸球体と似た形をとる。しかし高血圧腎では 一般に荒廃までの進行が比較的速やかなせいか, 老人性腎に比べて荒廃到遠時においても係蹄の退 縮度が軽いような印象をしばしば受ける。換言す れば係蹄の虚脱縮小が十分高度となるいとまがな く荒廃に転ずるものが多い感じである。 (5)構造の保存が良好,したがって機能上に もほとんど支障がなかったろうと思われるもの。 以上五種類の間にはむろん移行型や混合型があ

り,多様多彩の点ではVas afferens系を一段

黙 臨・

,1二

写真5。(例5)強拡大。PAS染色。虚脱状糸 球体。Vas afferensは通過性保持。 写真7。(例6)強拡大。AZAN染色。係蹄内 フィプリン栓塞。 写真8。 (例6)強拡大。PAS染色。糸球体 炎。Vas afferens流入部にはブイプリン栓塞があ り,またその壁の一部に壊死を見る。 一一 一一 718 一一

(6)

6 と上廻っている。しかし上にも述べた通り,これら の変化を解明する鍵の多くはVas afferens系の 場合と共通していると考えられるのである。写真 6,7,8 は上記のようなVas afferensならび に糸球体が呈する種々相の一一一一ISIである。 なわ写真7,8,は次のごとき特異な経過を示した 例からのものである。この例は多くの興味ある問題を 含むため詳しくは近く教室の武石,関両講師が報告す る予定であるが,ここで若干の点に関して言及してお く。 例6。23才男。元来強い飲酒癖がある。1957年3月 11日過飲。翌日から頭痛。左視力障碍。2−3目後受 診,眼底に変化を認められた。蛋白尿(+)。その後 視力は衰える一方。27日食後悪心あるようになる。’4 月15日血圧240/150。尿蛋白(冊),沈渣に円柱(+), 赤血球(一)。頭痛強,悪心嘔吐がある。尿意頻数な るも乏尿。17日入院。その後血圧200/165位まで落つ く。但し食後の嘔気,夜間の頭痛強。25日視力全く喪 失。27目血尿となる。5月に入って血圧再び上昇250 /180位,その後も高血圧持続。4日項部強直,Kernig 出現。意識掴濁。7日」血圧250/165。死亡。入院中尿 量1800∼500cc,平均1000cc前後。比重は1010∼1015 位,5月1日(死亡6日前)には1020の値を示す。 尿蛋白3%前後。尿沈澄赤血球僅か,但末期には血尿。 残余窒素:4月17日39mg/d1,28 H 28mg/dl,5 月7日屍血(死後5時間)では170mg/d1。 剖検時心臓400g。腎左120g右130g,被膜剥離容易。 表面軽度細穎粒状,暗赤と黄色の入りまぢつた多彩の 観。割面軽度腫脹,強く漏濁,皮質論理の乱れ高度, 表面同様に多彩。幅はほぼ正常だが不均等。髄質血詩 病,心髄界明瞭。 本例は発端から厳密な意味で高血圧腎といえるかと いう点で若干改題をのこしているが,その論考は上記 武石関報告にゆつることにする。ここで役立つことは この腎変化の主要部分が異常な高血圧にさらされた腎 組織変容の一定型を示している点である。このことは 他の高血圧腎との比較からうる結論であり,しかも嘉 例はこの高血圧下の変容がほとんど直線的に進展して いるため,容易に得難い程の純粋な像を示す貴重な例 である。したがって後の総括にあたってもこれが少な からず役立つことになる。 E)上皮性実質部 この部分の変化に関する形態学的研究は従来か ら他の部分に比べてかなり遅れており,筆者自身 まだ疑問として追求中の事項が甚だ多い。そうい う事情なのでこSでは中間報告的に所見を整理す る程度にとS’めたい。 さて現段階で分析できる変化様式は次の3通り である。 (1) 散発性の糸球体荒廃に伴う所属細尿管の

退行萎縮。(例えば写真6の糸球体周囲の細尿

管。) このコースをとる実質の減少は老人性腎の 場合に似て,いわば「間引き」的な減:量である。 しかし高血圧腎では既に述べたごとく糸球体荒廃 の機会が遙かに多いので,この経路からの実質減 少:量は決して軽視出来ない。

(2)A.lobularis所属のかなりまとまった

領域の実質減少。これは血管領域の関係上定型的 の場合には表面に底辺を向けた懊形の拡がりを示 す。この領域内の糸球体をみると,未だ荒廃にい たらず毛細管腔が相当度に残っているものが少く ない。つまり(1)とは対照的に,細尿管の退行

萎縮が糸球体変化に先行し上廻っている(写真

9)。 もちろんこういう病巣の糸球体でも時が経 義1・ 、蟹、 写真9。 (65才男。定型的高血圧腎の1例)弱拡 大。PAS染色。申央部のA. lobularis(1)を中 心として,皮質の実質がまとまって減少し,その両 側の割によく残っている実質部と対照をなす。実質 減少部にはまだ荒廃に至らぬ糸球体がかなりあるの が目立つ。 一714一一一

(7)

つに従い殺々と荒廃に傾いてはくる。 いつれにしてもこの種の病巣が多発すると,腎 表面の外観で単に皮質小葉が縮少しただけのもの と異り,此処彼処に小葉の脱落が認められてこれ

が残存小葉の凸出を多少とも際立たすようにな

る。

(3)傷害のあらわれが糸球体より細尿管に著

しいという点で.1ま(2)に似ているが,それ程ま とまった領域にわたらずむしろ小巣状の観をなす i型。

以上(1)(2)(3)を通じて実質減量の効

果を顕著ならしめている主因はもちろん主部の退 行である。しかしネフロンの単位的統一性からし て中部(Mittelstitck)も退行から免れるもので はない。 また一般に細尿管分布の関係上,細尿管減量の 影響は皮質に最:も強くあらわれ,したがって皮質 領域が専ら注意を惹くことになり勝ちである。併 しながら統一体としてのネフロンの機能変化を辿 るには,当然髄質の状況をも併せ考える必要があ る。ただこの際髄質の有力な成分たる集合管はい くつものネフPンの統合から成っているので,所 属ネフロン中のあるものが退行しても,残りが働 いておれば集合管そのものの形態は比較的よく保 たれる点には注意を要する。

とにかく上記(1)(2)(3)のかね合いか

ら上皮成分対結合織の相対関係がたえず影響さ

れ,それにしたがって腎は種々な硬化度を示すこ とになる。 (未完) 爾前号から本号にわたって,例1,.6は中山内科, 例2は三神内科,例3,4は:東京逓信病院内科,例5 は東大佐々内科の御好意により病歴を参照,引用させ ていただいた。ここに厚く御礼申上げる。

参考女献

1) Bell, E.T.: Hypertension, a Symposium at

the Univ. of Minesota,183∼198, Mi皿eapolis (1951)

2) Pickering, G.W.: Iligh Blood Pressure, 154

rv183. New York (1955)

3) Schtirmann, P. and MacMahon, H,E.: Die

rnaligne Nephrosk2erose, zugleich ein Beitrag zur Frage der Bedeutung der Blutgewebssch−

ranke. Virchows Arch. 291, 47tv218, (1933)

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