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EMCウイルス誘発糖尿病モデル (CD-1マウス) の中枢神経病変

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Academic year: 2021

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82       豊=田 智里・小林 棋雄  網膜芽細胞腫は,形態学的に腫瘍細胞がロゼット構 造を再現する分化型とロゼットを認めない未分化型の 2つのタイプに分類することができる.この形態的特 徴が生じる要因に関してはまだ明らかになっていな い.我々は,分化型(2例),未分化型(2例)それぞ れの網膜芽細胞腫のパラフィン包埋組織よりDNAを 抽出し,コントロールとしてプレアルブミン遺伝子の エクソン3を,そして網膜芽細胞腫関連遺伝子(Rb遺 伝子)のエクソン4とエクソン20についてプライマー を合成し,polymerase chain reaction(PCR)を行い, 組織型と遺伝子レベルでの変化との関連について検討 した.1例においてはエクソン2Gに欠損が認められた 述,組織型と遺伝子の変化についての相関関係は確認 できなかった.しかし,パラフィン包埋組織から抽出

したDNAを用いたPCR法は,分子レベルでの疾患

の解析に有用であった.  13.副腎髄質ならびに褐色細胞腫のinsulin・1ike growth factor II(IGF・II)の染色性についての検討     (病院病理)   相羽 元彦・河上 牧夫  (1)IGF・IIの免疫染色性を,内分泌・非内分泌臓器, 腫瘍性・非腫瘍性病変および正常組織を含む143検体の 小組織片について検討した.褐色細胞腫13例中13例が 陽性,甲状腺髄様癌3例中1例が僅かの細胞に陽性で あったが,インスリノーマ・ラ氏島細胞を含む他の全 ての組織が陰性であった.(2)46例47検体の褐色細胞 腫の染色では,全例にIGF−II陽性細胞が含まれ,通常 の単発性褐色細胞腫では,陽性細胞主体の症例が多 かった,多出分泌腺腫瘍症II型(MEN−II)では,陰性 細胞主体の結節も含んでいることが多かった.1cm未 満の結節でも強いIGF・II染色性を有するものがあっ た.非腫瘍性の副腎髄質の染色性は(1)(2)を通じて中 等度以下であった.  結論:IGF・IIは褐色細胞腫の良い免疫組織化学的 markerであり,また,強い染色性が得られた場合,非 腫瘍性病変との鑑別にも有用と思われた.この文脈で, MEN−IIの症例の1cm未満のIGF・II強陽性結節は過 形成性結節ではなく,腫瘍であると考えられた.  14.先天性多発性関節拘縮症を伴った致死型car・ nitine palmityl transferase欠損症の1剖検例     (小児科1),母子総合医療センター2)      病院病理3),浜松医大小児科4))     西村  敏9・久山  登1}・鈴木 陽子1>。     大澤真木子1)・穴倉 啓子D・新井 ゆみ1)・    福山 幸夫1>・・仁志田博司1)2)・新井 敏彦2)・     河上 牧夫3)・杉江 秀夫4)  先天性多発性関節拘縮症,筋強直,中枢性無呼吸発 作を示したcarnitine palmitoyl transferase(CPT) 欠損症の新生児剖検例を報告した.臨床上著明な小脳, 脳幹の低形成を認め,剖検にても確認された.筋生検 では,regged・red飾erはなく,脂肪滴沈着を認めた. 筋の生化学的検索では,CPT活性の著明な低下を認 め,剖検時の脳,心,肝,腎における活性も低下して いた.剖検では大脳の構造に異常は認めず,小脳は半 球,虫部の著明な低形成を示し,外顯粒層の残存,穎 粒細胞層,プルキンエ細胞層の形成不全が認められた. 更に,脳幹,小脳脚の高度低形成および,オリーブ核, 橋核の神経細胞低発現を認めた.脊髄は前根および後 根,前角細胞は正常だった.その他,肺の低形成,硬 口蓋裂,軟骨異栄養症等を認めた.CPT欠損症の新生 児例の報告は認めず,また中枢神経異常を伴う報告は なく,酵素欠損に伴う胎生細胞形成のあり方に関して 本症は示唆に富む1例と思われた.  15.拡張型心筋症の病因について一生検組織像から の検討一     (第2病理,心研*)     西川 俊郎・       川井 三恵・田中 正人・安藤 明子・       笠島 武・堀江俊伸*・荷担源成*・       仁木 清美*  拡張型心筋症(DCM)は心室拡張を示す原因不明の 心筋疾患である.我々はDCMの心筋生検組織像を分 析し,発症要因について検討を試みた.DCMと診断さ れた61例の心筋生検組織像を調べると,心筋肥大,変 性,問質線維化を全例に認めるが,変性が間質線維化 に比べて優位なものが41%,間質線維化が変性より優 位なものが46%みられた.また間質線維化の型が不規 則斑状型であるものは36%,血管周囲型は39%,心筋 周囲性びまん型のものは14%であった.間質線維化が 変性に比べて優位なものは心筋炎由来するものが多 く,また変性が優位なものは代謝疾患などに由来する ものが多いとされている.さらに間質線維化の型では 不規則斑状型は心筋炎に,血管周囲型は高血圧に,び まん型はアルコール心筋障害などに多いとされてお り,DCMの病因が多彩であることが組織型からもう かがわれる.間質不規則斑状線維化のほか間質単核細 胞浸潤,心筋配列の乱れなど心筋炎に関連深いと考え られる所見は若年発症者に有意に多く認められた.  16.EMCウイルス誘発糖尿病モデル(CD−1マウ 一178一

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83 ス)の中枢神経病変     (第1病理)   小林 愼雄・柴田 亮行  網膜と中枢神経における血管病変の成因を明らかに するためEMCウイルス誘発糖尿病モデルにつき電顕 的検索を行った.

 L929細胞で増殖したEMCウイルスM変異株(感

染力価100−150PFU)をCD−1雄性マウスの腹腔内に 接種し糖尿病を誘発した.接種後,血糖負荷値(101± 13mg/dl), IRI値(459±52U/ml)は高値が持続した.  〔結果と考察〕  (1)網膜では,早期から基底膜を囲むミューラー細 胞の解離がみられ,基底膜下に空隙が形成され,5カ 月,基底膜の肥厚と膠原線維の蓄積が著しい.  (2)脳幹にはアルツハイマーII型ダリアが観察さ れ,1年後,内皮細胞の変性および網膜と類似の基底 膜肥厚と膠原線維の蓄積を認めた.  糖尿病状態では,BBBと比較して, BRBはより早 期から破綻を生じるが,これは,ミューラー細胞と星 状膠細胞との機能の差を反映している.  17.心移植,拒絶反応に関する組織学的検討 (心研循環器外科,国際分子細胞免疫研究センター)       星  浩信・八田 光弘・竹内 照美・       上部 一彦・野々山真樹・小柳  仁  〔目的〕心臓移植後の拒絶反応の診断には心筋生検 法による病理組織学的診断が不可欠である.今回我々 はラットを用いた異所性心移植を行い急性拒絶反応の 組織学的変化を検討した.  〔対象および方法〕ウイスターキングラットをド ナー,ルイスラットをレシピエントとして異所性心移 植を行った.移植後経時的に犠牲死せしめ移植心を摘 出し,拒絶反応によるリンパ球の浸潤を血管およびそ の周囲,間質,心筋細胞に分けその進展を比較,その 度合を分類し各種染色により検討した.  〔結果および結論〕拒絶反応によるリンパ球浸潤は 右室自由壁に始まり中隔,左室壁内層には遅く発現す る.各種染色を応用することにより拒絶反応の詳細な 診断が可能となり,その発現機序が明らかになると考 えられた.  18.肝移植患者における肝組織像の特徴     (消化器病センター内科,第3外科1),      腎臓小児科2>)       橋本 悦子・小島原典子・小幡  裕・     藤川 博康1)・山口  裕2)・中川 芳彦1)・     渕之上昌平1>・寺岡  慧1)・大田 和夫1)  本学にて,生体部分肝移植を施行した3例の肝生検 所見を報告する.〔症例1〕2歳女児,移植後ビリルビ ン上昇,第4,7病日の肝生検はfunctional choles・ tasisの像で黄疸は自然軽快した.32病日では拒絶反応 を示しsteroid pulse療法施行した.現在移植後10ヵ月 で経過順調である.〔症例2〕2歳女児,移植後第4病 目黄疸増悪時の組織像はfunctional cholestasisで, 10,15,25病日は拒絶反応で,steroid pulse OKT3療 法にて治療した.第101病日,胆道拡張手術時の組織は 拒絶反応は認めず,トランスアミナーゼ上昇のため施 行した7ヵ月後の生検像は,ウイルス性肝炎と診断し た.〔症例3〕59歳女性.ビリルビン再上昇のため,第 13病日干生検施行functional cholestasisを呈した.翌 日肝動脈,門脈血栓にて再移植,ベルギーより到着し たドナー肝は,組織学的には問題ない.第18斜日死亡, 肝組織では,高度の脂肪化と細胞変性を認めるが, acute graft failureの像ではなかった. 一179一

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