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特集「第11 回MPSシンポジウム:複雑系の科学とその応用」の発刊にあたって

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Academic year: 2021

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(1)Vol. 47. No. SIG 1(TOM 14). 情報処理学会論文誌:数理モデル化と応用. Feb. 2006. 特集「第 11 回 MPS シンポジウム:複雑系の科学とその応用」の 発刊にあたって 北   英 輔 (栄 輔) (ゲスト・エディタ)† 複雑系科学を提唱したサンタフェ研究所が 1984 年. ンポジウムでは,複雑系科学で著名な北海道大学の津. に設立されてから 20 年あまりが経過しました.この間. 田一郎先生をお招きし, 「複雑系の科学には何ができる. に,複雑系に関する研究は数学や物理学,化学,生物. か?」というタイトルで基調講演をいただき,あわせ. 学などの基礎サイエンスの分野から,コンピュータを. てパネルディスカッションを開催しました.パネラー. 用いた計算機科学,遺伝子情報,社会科学などのより. には,生命科学,心理学,科学哲学,社会科学の分野. 実際的な問題に研究範囲を拡大しています.特に,最. で第一線で活躍されている研究者の皆様に加わってい. 近ではコンピュータハードウェアの長足の進歩ととも. ただき,会場も交えて活発なご議論をいただきました.. に,ニューラルネットワーク,進化的計算,セル・オー. このほかに,理学,工学,医学,経済学などの多様な. トマトンなどのシミュレーション技術に関する基礎的. 分野から 45 件の一般講演と 13 件のポスター講演が. な研究と,それら技術のバイオインフォマティクスや. ありました.これらのご発表は,いずれも非常に興味. 人工社会モデル・人工市場モデル等への適用等の応用. 深く,かつ,重要な研究ばかりで,多数の参加者を交. 的研究に分かれて進んできているように思われます.. えて活発な論議が繰り広げられました.. 複雑系科学の方法論を特徴づけていることの 1 つ. こうして開催されたシンポジウムで発表された研究. は構成論的手法です.これに対して,これまでの科学. に対して論文の投稿をお願いしました.本特集号には,. の方法論は還元論的手法と呼ばれます.還元論的手法. 最初 30 件の投稿申込みがあり,その後関連分野にお. では,扱っている対象を要素に分けていくと,最後に. ける優れた研究者によって厳しい査読が行われました.. は究極の要素に到達し,対象はそうした要素の集まり. この過程を経て一般論文として採択された 15 件と,事. からできていると考えます.これは,還元論的手法で. 例紹介論文として採択された 1 件をまとめて,特集号. は,対象はそれを構成する要素の線形な集まりと表現. としての本論文誌が完成しました(採択率 53%).こ. できることを仮定しているからです.しかし,対象を. の論文誌の発刊によって,この分野の研究がますます. 構成する要素の間に動的で非線形な関係が存在する場. 活発になり,それが社会における多くの問題解決に活. 合,このような還元論的手法では,問題を扱うことが. 用されることにつながれば幸甚です.. できません.このように,要素間の動的で非線形な関. 最後になりましたが,本シンポジウムの開催にあ. 係のために,還元論的手法では問題の本質を扱えない. たって大変お世話になりました,情報処理学会数理モ. ことは,生命,知識,社会などの様々なところでみる. デル化と問題解決研究会の主査である奈良女子大学の. ことができます.そこで,様々な分野の研究者が構計. 城和貴先生(当時)はじめ実行委員の皆様,また,シ. 算機の中の仮想世界におけるモデル系を「つくること. ンポジウムに共催していただいた名古屋大学情報科学. によって理解する」 構成論的手法を研究の方法論と. 研究科の阿草研究科長をはじめとする構成員の皆様に. してとり入れるようになっています.. 厚くお礼を申し上げます.また,論文誌の発刊に際し. その反面,複雑系科学に関わる研究は自然科学,社. ては論文誌編集委員会の皆様やシンポジウムのプログ. 会科学など広い分野で行われているため,日本におい. ラム委員の皆様にたいへんお世話になりました.ここ. ては研究は各研究者のそれぞれの分野で行われ,総合. に記して感謝の意を表します.最後になりましたが,. 的な議論が行われませんでした.そこで,異なる分野. シンポジウムの実施にあたり名古屋大学学術交流基金. に広がる複雑系科学に関わる研究者が集まって議論す. から助成をいただきましたことに心よりお礼申し上げ. る場として今回のシンポジウムが企画されました.シ. ます.. † シンポジウム・プログラム委員長/名古屋大学情報科学研究科. i.

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