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非環式レチノイド(ポリプレイン酸)単回投与によるマウス自然発症肝癌の抑制に関する研究 -- 特に組織所見との関連について

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Academic year: 2021

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(1)

Title

非環式レチノイド(ポリプレイン酸)単回投与によるマウス

自然発症肝癌の抑制に関する研究 -- 特に組織所見との関連

について( 内容の要旨(Summary) )

Author(s)

渡邉, 正喜

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(医学)乙 第1102号

Issue Date

1997-01-16

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/15171

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏名 (本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 渡 蓮 正 喜(岐阜県) 博 士(医学) 乙第 1102 号 平成 9

年1

月16 日 学位規則第4条第2項該当 非環式レチノイド(ポリプレイン酸)単回投与によるマウス自然発症肝癌の

抑制に関する研究一特に組織所見との関連について

(主査)教授 武 藤 泰 敏 (副査)教授 森 秀 樹 教授 佐 治 重 豊 論 文 内 容 の 旨 肝細胞癌は大部分が肝硬変を基盤として発生しており,肝硬変患者は肝癌の高危険群である。従って肝硬変を 標的にした癌の化学予防(cancerchemoprevention)が注目されてきている。ビタミンA類縁化合物(レチノイ ド)は,動物の成昆 細胞の分化・増殖に重要な役割を担っており,古くから抗腫瘍効果を有することが知られ ていたが,他の抗癌剤の多くが癌細胞に対し殺細胞的に働くのに対して.レチノイドの抗腫瘍作用は生休内代謝 を利用または助けることによって前癌段階にある細胞の増殖を抑制し,あるいは分化を誘導して正常細胞へ戻す ように働くため化学予防に有用な薬剤といえる。非環式レチノイド(polyprenoicacid:3,7,11,15-tetramethyl-2,4,6,10,14-hexadecapentaenoicacid)は癌組織に新たに出現する癌胎児性蛋白とみなされる細胞内結合蛋

白のcellularretinoicacid-bindingprotein(CRABP)や.cellular retinoid-binding protein F-tyPe(CRBP (F))と結合親和性を持つことから見いだされた合成レチノイドである。一方,C3H/HeNCrj雄性マウスは遺 伝的に肝癌が多発する系であり発癌誘発物質の投与が不必要なので,高危険群のモデルとして有用であると考え られる。 そこで申請者は,C3H/HeNCrj雄性マウスを用いて非環式レチノイドを観察期間中にただ1回だけ投与し, 自然発症肝癌に対する抑制効果と投与時期との関連について検討し,さらに発生した腫瘍を病理組織学的に解析 することで抗腫瘍効果の本態について検討した。 1.対象及び方法 2週齢の雄性C3H/HeNCrjマウス37匹を基礎食の自由摂食下で飼育し,薬物投与群として30匹のマウスを6 群に分け.1個体当たり50〃gの非環式レチノイドを綿実油に溶解し,生後6,8,10,12,14または16ケ月目 の各時期に胃管を用いて1回だけ投与した。また対照群7匹は基礎食のみで飼育した。生後23ケ月にエーテル麻 酔下に屠殺し,体重を計測した後,肝腫瘍部分を含む肝臓を摘出し,総重量を計測した。計測後肉眼所見により 発生した腫瘍の個数とその長径,短径を測定し,長径が2mmを超えるものは切り出して重量を測定した。各腫 瘍は計量後HE染色を行い肝細胞癌と腺腫に分類し,各群における腫瘍発生率,発癌率,平均腫瘍個数.平均癌 個数,平均腫瘍重量,平均癌重量,各群の腫瘍重量の分布について検討した。 2.結果 平均体重と平均肝重量に有意差を認めなかった。腫瘍発生率は対照群100%と比べ6ケ月日投与群60%,8ケ 月目投与群60‰10ケ月目投与群40%(P<0.05),12ケ月日投与群25%(P<0.01)と次第に低くなりこれ以降 14ケ月日投与群83%,16ケ月日投与群80%と上昇していた。発癌率では,腫瘍発生率同様,対照群71%に対し6 ケ月日投与群60%,8ケ月目40%,10ケ月日20%,12ケ月目0%(P<0.01)と漸減していたが,これ以降も14 ケ月日16%(P<0.05),16ケ月目20%と発癌抑制効果が観察された。平均腫瘍個数では対照群が2.3±1.0個(Mean ±SD)に対して6ケ月日投与群1.4±1.1鳳 8ケ月目1.2±1.3鳳10ケ月日0.6±0.9個(P<0.05),12ケ月日0.3 ±0.5個(P<0.01).14ケ月日1.2±0.8個(P<0.05),16ケ月日1.4±1.1個,平均癌個数では対照群1.3±1.1個に 対し6ケ月日投与群1.0±1.2胤 8ケ月目0.4±0.6胤10ケ月日0.2±0.5個,12ケ月日0個(P<0.01),14ケ月日 0.2±0.4個(P<0.05),16ケ月日0.2±0.5個と12ケ月日投与をピークとする抗腫瘍効果が認められた。平均腫瘍

(3)

-123-重量は対照群の1632.1±2123.1mgに対し6ケ月日投与群382.2±541.1mg.8ケ月日382.2±541.1mg(P<0.05),

10ケ月日200・8±375・5mg(P<0・01),12ケ月日3・4±6・8mg、]P<0・01),.14ケ月目126:7≠145.9mg(P<0.01),

16ケ月日454・3±989・7mgで,平均癌重量は対照群1684.8±1338.6mgに科し∴6ケ月日1627.8±2127.2mg,8ケ月

日251・2±407■1mg(P<0・05)・10ケ月日172・8±386・4mg(P<0・O5)・12ケ月日Omぎ(P<0・01)・14ケ月日64・0±

156・4mg(P<0・01)・16ケ月日435・2±973・1mgとやほり1召ケ月日投与群で最も掛、抗腫瘍効果車示した。冬群の

嘩瘍の重量を100mgより小さいもの・100mg∼500mgt500m草∼LlOOO汀Igt、1qO恥g∼2000mgt早000mg以上に分

け分布を多ろ一と対照群と;6ケ月目毀与群,!ま各重量甲腫皐が刷ぎ均等に分布し、たのに対し8ケ月日以降に非環式レ

チノイドを投与された群は2do叫蕗越えろキラ年輪音響瘍は認められ坤?た。_、:

†も1二 √- i

レチノイドの抗腫瘍効熱さらい七はt

特に喜一の発癌抑制作用に関して各種の化学発癌系や培養細胞系で多数の

報告がある。その多くは副作用を抑えながら可能な限り大量の薬剤を長期にわたり投与し続ける方法を採用して いるが.今回の実験では比較的少量のレチノイードを観察期間中ただ1回のみ投与するだけで著明な抗腫瘍作用が 得られることが明らかとなった。さらに発生した腫瘍を腺腫と肝細胞癌に分類することによって.レチノイドが

最も効果的だった生後1

2ケ月日の投与め前納発生する腫瘍の割如違いがあるピとがわやゝうた。すなわち12ケ

月日より以前七非環式レチノイドを投与した軌まf2ケ月日以降にレチノイ下を投与した密よ輌細胞癌の比率が

高いと心う結果が得られた。と・ゐとと-から非環式レチノイドめ抗腫瘍効果ゐ作廟機序は生後12i月自以前た投与

した群でほ主として腫瘍化した細胞を正常な分化に戻す作用が働き,⊥旦正恵分化た戻った細胞た再度腕分化が

生じて剖榛時iこ癌の比率が高くなり,上上方,生後12ケ′月自以降に投与L主群では腫瘍化した細胞め増大あ老い;ぱ

癌化を抑制する作用か主に観れ.、j腺鮭にととまる腫瘍の比重が高くなってい右と考えらこれる。1レチノイドあ作用

機構にづいてはまだ不明な点力埠いが義勇疲のようた痢蘭申に■ただ一回だけの投与で効果があっ七ということほ

レチノイドが体外へ排泄された後も生体内に向らかの作用が継続して働いているこ-とが強く示唆されJ興味深い

事実といえよう。 ` 3.考察 t、 、, ・ L■

論文審査の結果の要旨

ヰ話者 渡適正喜は∴非嶺式レヂノlイドの少量単回投与でe・3H/H昌Nerjマウズ自然尭症肝癌か抑軸さ捺そ

の投与の時期と抗発癌作剛こは密接な関係があることを明らかにした。-とれらの新失政は肝臓病学及;び腫瘍学の

進歩に少なからず寄与するものと認める。 [主論文公表誌]-∫ i ● l

非環式レチノイド(ポリプレイン酸)▼単固投与によるマウス自一然発症肝癌の抑制に関する研東一矧ご組感痍克と

の関連について 平成9年1月発行予定 岐阜大医紀ゝ45(1)、 j

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