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Academic year: 2021

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FICオープンセミナー報告

著者 法政大学国際文化学部

出版者 法政大学国際文化学部

雑誌名 異文化. 論文編

巻 21

ページ 237‑278

発行年 2020‑04‑01

URL http://hdl.handle.net/10114/00023213

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異文化 21

実施概要

実施期日:2019 年 6 月 19 日(水)

講演会 10:40−12:20 薩埵ホール(外濠校舎 6F)

ワークショップ 15:00−16:40 0300 マルチメディア教室(ボア ソナードタワー 3F)

『「聞く」という行為は、概ね受動的な行為だと考えられています。

音は、向こうからやってくるものだろう、耳に瞼はないのだから、と。

でも、例えば、― 手を伸ばすように耳を/聴覚を動かしてあなたか ら音を迎えにいく、手のひらにはめたグローブで飛んできたボールを キャッチするように音をつかまえる ― 音との関係を意識的に結び・

解くことであなたを取り巻く世界は異なる姿を現します。私のパ フォーマンスやインスタレーションは、そんな現象を起こすメディウ ムのようなものです。講演では具体的な作品の紹介や発声と聴取のメ カニズムなどについてお話しし、ワークショップでは発声の訓練では なく、聞く力や声の力の源を探るようなワークを予定しています。』

FIC オープンセミナーに国際的に活躍する「声のアーティスト」山 崎阿弥(ヤマサキアミ)を迎え、その制作のプロセスや国内外の活動 についての講演会及びワークショップを実施していただいた。山崎は、

「自らの発声と声の反射をつかって空間の音響的な陰影を感得し、パ フォーマンスやインスタレーションを制作」し、「声を手掛かりに世 界の成り立ちを追求」している※。また、ソロアーティストとしての 2019 年度 FIC オープンセミナー

山崎阿弥 講演会とワークショップ

~音を迎えに~

FIC オープンセミナー

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活動と同時に多くのアーティストとコラボレーションによるライブを 行なっている。2017 年 ACC グランティを得てニューヨークに滞在以 降は、米国と日本を往復する活動を継続しており、またアジア他様々 な地域での作品を発表している。

薩埵ホールで午前中に行われた講演会では、生まれ育った愛媛県松 山市での現在の創造性に繋がる子ども時代の体験、大学卒業後に金沢 に住居を移して制作した映像作品や声のパフォーマンスを始めたきっ かけとなったライブ活動について、ACC(アジアン・カルチュラル・

カウンシル)奨学金によるニューヨーク滞在以降の国際的な活動に関 する話題を中心に、美術大学や音楽大学などの芸術系の大学出身では ない一般の大学を卒業して自らの表現を確立させたアーティストとし ての活動について語っていただいた。

午後から行われたワークショップでは、山崎自身の提案により大学 キャンパス内を移動しながら様々な場所で行われた。ボアソナードタ ワー最上階の東京の風景が目の前に広がる場所や 4 階にある庭園、音 を吸収するマルティメディア教室などそれぞれのワークショップの内 容に相応しい場所を探りながら進行した。山崎のパフォーマンスでは 彼女自身の声が使われる。空間との空間との関係をひとつひとつ確か めながら解き放たれたその「声」は、聴覚や皮膚などの身体によって 音が知覚されることになる。これらの作品の源泉を体験するための、

即興的な幾つかのワークショップを通じて参加者それぞれの感性や感 覚が少しずつ研ぎ澄まされ、キャンパス空間はそれまでの経験や意識 を超えた新しい体験の場となり、参加者のよい反応を聞くことができ た。全体を通じて堅苦しい雰囲気ではなく、柔らかで穏やかな空気の 中で講演会とワークショップが行われ、ワークショップ終了後には参 加者の様々な質問や相談について答えていただいた。

山崎さんのパフォーマンスのような新しい現代的な表現を体験するこ とはほとんどの学生にとって初めてであり、また、国際文化学部には現

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代アートや音楽、映像やパフォーミング・アーツなどを研究したり、実 際に作品を制作し演じている学生もおり、今回の講演会やワークショプ は山崎さんのこれまでの経験や作品のアイディアを共有する貴重な場と なった。そのような場を提供していただいた山崎さんに感謝したい。

※山崎阿弥ウェブサイト https://amingerz.wixsite.com/ami-yamasaki/about

写真 1  講演会(薩埵ホール)

写真 2  ワークショップ(ボアソナードタワー 26 階)

参照

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