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移流拡散方程式系の研究 : 適切性,特異性,正則性

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Academic year: 2021

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

移流拡散方程式系の研究 : 適切性,特異性,正則性

三浦, 正成

http://hdl.handle.net/2324/1931730

出版情報:Kyushu University, 2017, 博士(数理学), 課程博士 バージョン:

権利関係:Public access to the fulltext file is restricted for unavoidable reason (3)

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(様式3)

氏 名 :三浦 正成

論 文 名 :

Study of Drift-Diffusion Systems

― Well-posedness, Singularity and Regularity ―

(

移流拡散方程式系の研究 -適切性,特異性,正則性-

) 区 分 :甲

論 文 内 容 の 要 旨

走化性方程式の研究は,1970 年にE. F. KellerとL. A. Segel による走化性現象を記述した移流 拡散方程式系の導出を機に活発になった.以来,今日に至るまでKeller-Segel方程式系に代表され る様々なタイプの走化性方程式系が提案されてきた.ここで,“走化性”とは生物が周囲に存在する 特定の化学物質の濃度勾配に対して,方向性を持った行動を起こす現象のことである.走化性は,

例えば,ヒト生体内における白血球の外的追尾現象や,細胞生物体内の誘引物質(忌避物質)によ る遊走現象など,生命の生体維持に不可欠な現象である.

走化性方程式系は多くの媒介変数を有し,その取り方により豊富な構造を内在している.本博士 論文では,特に準線形Keller-Segel方程式系と流体型半線形走化性方程式系の二つのタイプの走化 性方程式系に焦点を当て,適切性・特異性・正則性の観点から考察する.

本博士論文は序文と,二部構成全四章からなる本文で構成される.序文では研究の背景と全体の 要旨を述べる.本文では,以下のことを論じる.

第一部

第一章では,準線形,特に退化型・特異型を考慮した放物—放物型Keller-Segel方程式系(以下,

と略 記) を 扱い ,弱 解 の一 意性 問 題に つ いて 論じ る . の可解 性 問題 につ い ては , [Sugiyama-Kunii,2006],[Ishida-Yokota,2012]により弱解の存在が保証されている.しかしながら,

解の一意性問題は,退化性に依る正則性の損失に起因する困難さから,長い間未解決問題とされて きた.第一章では,同問題に対して解答を与える.より詳細には, に対する弱解の一意性を 関数に可微分性を課さない Hölder 連続な関数空間において示す.証明には,弱解の定義式に現れ るテスト関数を未知関数とし,線形熱方程式の可解性に一意性問題を帰着させるという,双対性議 論を採用する.同時に,“vanishing viscosity method”と呼ばれる手法を組み合わせることで,退化 性・特異性に由来する困難さを克服する.証明の鍵となるのは,双対方程式の近似の際に加味した 補助 項 に 対す る ,近 似 係 数に 依 存し な い -評 価 の確 立 であ る . 同評 価 は“energy method”と Brezis-Gallouet-Wainger 対数型 -評価,更に,Besov-Chemin-Lerner 空間に於ける最大正則性 評価と -最大正則性評価,Schauder評価を併用して確立される.

第二部

第二章では,正負の両走化性を考慮した流体型方程式系を考察し,初期値問題の時間大域的適切

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性について論じる.より詳しくは,非圧縮Navier-Stokes方程式と連立した走化性方程式の小さな 初期値に対する時間大域的軟解の存在,一意性,初期値への連続依存性,および時間大域的安定性 を示す.証明にはBanach空間における陰関数定理を用いる.ここで,初期値の属する関数空間と して,(i)尺度不変,かつ,(ii) 弱 -空間を採用する.これにより「尺度不変な関数空間における軟 解存在定理」が保証され,更に,( -空間より真に広い)弱 -空間上で議論することにより「自己相 似解の存在定理」が確立される.

第三章では,流体型半線形Keller-Segel方程式系を扱い,空間2 次元に於ける特異性問題につい て論じる.古典的な放物—楕円型 Keller-Segel 方程式系では,有限時刻で爆発する解の存在が知ら れている.ここで,解の有限時間爆発とは,解の空間ノルムが有限時間で無限大に発散することを 言う.また,空間 2 次元における解は, 初期条件の個体質量に関する臨界値(8π)を境に時間大 域解と有限時間爆発解に分類される. ([Nagai-Senba-Yoshida,1997],[Nagai,2000] et.al.)第三章 では,非圧縮Navier-Stokes流の影響下におけるKeller-Segel方程式系の特異性解析について考察 し,個体の初期質量に比して初期凝集が大きく初期擾乱が小さい場合には,解が有限時刻で爆発現 象を呈することを示す.

第四章では,第三章で扱った方程式系を空間 3 次元以上で考察し,解の正則性について論じる.

更に,同方程式系の強解の存在定理を確立する.古典的なKeller-Segel方程式系の場合,初期値が 尺 度 不 変 な 弱 -空 間 に 属 す る と き に は , 軟 解 が 存 在 す る こ と が 知 ら れ て い る ([Kozono-Sugiyama,2010]). 同論文では,初期値に(尺度不変ではあるものの)可微分性を課すこと で,強解の存在定理が確立されている.第四章では,新たな「Sobolev空間 における双線 型評価」の導出することで,強解の構成には,初期値の可微分性がredundantであることを論じて いる.

参照

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