2020年 3 月30日 二〇一九年八月三日(土)から九月一四日(土)まで、豊島区立郷土資料館企画展示室にて、企画展「暗がりから池袋を覗く~ミステリ作家が見た風景~」を開催した。豊島区にゆかりの深い江戸川乱歩、大下宇陀児、飛鳥高、泡坂妻夫と、雑司が谷を舞台にした『姑獲鳥の夏』を書いた京極夏彦の五人の作家をとりあげた。乱歩と宇陀児が池袋に移り住んだ一九三四年頃から戦後を中心に現代までの時代の変化とまちの移り変わりとともに、作家の生活を掘り下げた展示である。三五日間の開催日数で、五〇一五人の方にご来場いただいた。 企画展では乱歩を中心にとりあげたため、立教大学江戸川乱歩記念大衆文化研究センターに多大なるご協力をいただいた。アンケート結果を見ると、五人の作家のうちどなたの資料を見に来ているかという質問に、約半数の方が乱歩と答えた。 なかでも、借用させていただいた国民服と帽子などは、来館者の印象に強く残った資料だったようである。また、乱歩が町会役員を務めた時の資料類(貴センター寄託)は、宇陀児が乱歩のことを書いた「空襲下の名町会長」(『文芸春秋』文藝春秋社、一九六五・一一)の文章とともに展示したことで、 二人の性格の違いが浮彫りとなった。アンケートや解説時の来館者の反応からも、興味深い資料だったことがうかがえる。 会期中には、旧乱歩邸にご協力いただいて、二度見学会を行った。徒歩一 た「佐野史郎」こそ、もしかしたら姿を変えた怪人二十面相だったのではないだろうか……。(なお、佐野史郎氏の講演会の様子は、 『大衆文化』第二十二号の「佐野史郎氏特別講演記録「乱歩と戦争」」を御参照下さい。)
豊島区企画展展示風景
〇分程度の旧乱歩邸と当館を参加者にそれぞれ廻っていただき、両館で解説を聞いてもらうというイベントである。八月と九月の暑い日にもかかわらず、計四回で一四九人の方にご参加いただいた。
今回の企画展は、江戸川乱歩をはじめ、さまざまなミステリ作家が豊島区に暮らしていたこと、今とは違う時代の池袋の風景を作家たちはどのように見ていたのか、を知ってもらいたくて企画 した。多大なるご協力をいただいた貴センターには改めて感謝申し上げる。今後も貴センターのご協力を賜りながら池袋のまちを盛り上げていけたら嬉しく思う。
豊 島 区 企 画 展 報 告
「
暗 が り か ら 池 袋 を 覗 く 」
豊島区文化デザイン課ミュージアム開設準備学芸グループ 西方
ゆり恵/佐伯
百々子