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本格焼酎の品質向上と酵母育種に関する研究

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(1)

九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

本格焼酎の品質向上と酵母育種に関する研究

工藤, 哲三

https://doi.org/10.11501/3088191

出版情報:Kyushu University, 1991, 博士(農学), 論文博士 バージョン:

権利関係:

(2)

第3章 焼酎酵母野生株の性質と判別法

3 . 1 緒 日

本格焼酎の醸造法は麹を糖化剤とし て用い る点で清酒 と類似し てい るが 、 高精白米を用い て乳酸酸性下低温で 発酵させる清酒穆と 、 粗白米や甘藷をクエ ン酸酸性下比

較的高温でエタ ノー ル発酵を行う焼酎穆とでは 、 自夢中の 酵母のおかれた環境はかなり異なると考え られる 。 焼酎 の一次官妻 (酒母) を造る際には純粋培養酵母が添加され ており 、 添加される培養酵母とし て泡盛の穆より分離さ れた鹿児島工試酵母2けや 、 球磨地方の焼酎穆より分離 された醸造協会のS H - 4号酵母2 ] )等が広く使用され てい

る 。 また 、 昭和2 7年に日高により分離された宮崎酵 z、

22)も 、 宮崎県内を中心に約4 0工場で使用され てい る 。 清酒穆同様開放系におい て発酵が管理される焼酎穆に

おい ては 、 家付き酵母などが混入し培養酵母と措抗し て 生育し てい る こ とも考え られる

清酒穆におい ては 、 速醸もとへの酵母の添加時期を変 える こ とにより 、 野生酵母の増殖が証明され てい る993 0 さらに 、 協会6号 、 7号及び9号酵母がT T C染色法で赤く染

色され 、 野生酵母がピ ンクに染色される こ とや 、 βー ア ラニ ン法により協会7号酵母が3 5 OCで生育できない こ と

] 0 0 )を利用し て 、 穆に混入する野生酵母の検出が可能に

(3)

なり 、 穆や酒質の管理に貢献してきた 。 こ のT T C染色法 を焼酎穆における野生酵母の検出に応用した事例がある が 、 培養酵母と野生酵母の色調が類似して両者を明確に

区別できなか ったと報告されている2け 。 また 、 他の方 法33)も試みられたが 、 焼酎修中の培養酵母と野生酵母 を判別し 、 穆における酵母の挙動を把握できるまでに は至 っていない 。 そ こ で 、 本研究では鹿児島工試酵母 やS H - 4号酵母が 、 高リン酸含有培地において酸性ホ ス フ

ア ター ゼ活性を有する1 0 1 )のに対し 、 宮崎酵母は同活性 が認められない性質1 0 2 )を利用する こ とにより 、 焼酎穆 における野生酵母と添加した培養酵母のやj別を試みた 。 また村上ら25)は 、 α ー メチルグル コ シ ドを糖源とする T T C染色法では焼酎酵母は染色されない こ とを報告して

おり 、 こ れらの性質の判別への応用に ついても本研究で 併せて検討した 。

一般に 、 酵母Sa c c h a r 0 m y c e s c e r e v i s i a eはその生活環 により4種類に分けられる1033 0 焼酎酵母は2倍体から減 数分裂により生じた胞子が 、 発芽増殖中に自動的に2倍 体化するH 0型ホ モ タリズム株が大部分であると報告され ている27) 。 こ れに対して清酒酵母はヘテ ロ タリズム株 が多いと報告されている21 273 0 ホ モ タリズム株にはH 0

型以外に4胞子のうち2胞子は単胞子培養中に2倍体化し 、

「hυ可t・

(4)

残る2胞子は単胞子培養中にそれ ぞれ安定な単相株とな るものがある 。 こ の単相株の援合型からH q型とH p型の2 種類に区別でき、 H q型からはa接合型 、 H p型からは α 援 合型の単相株が得られる10 4 ) 。 そ こ で 、 H 0型ホ モ タリズ ム株が多い と言われ てい る焼酎の野生酵母の生活環に つ い ても詳細に調べる こ とにした 。 なお、 本稿におい ては

移に添加された培養酵母以外で首夢中に検出される酵母を 野生酵母と定義した 。

3 . 2 実験方法 3 . 2 . 1 使用菌株

焼酎酵母とし て醸造協会S H - 4号酵母21 )、 鹿児島工試 酵母21 )、 宮崎酵母22)及び泡盛1号酵母】o 5 )を、 また清

酒酵母とし て協会6号と7号酵母10 5 )を用い た 。 そのほか ワ イ ン酵母OC-2107)及びア ル コ ー ル酵母発研1号10 B )を

用い た 。 焼酎穆より分離した野生酵母も用い た 。 3 . 2 . 2 酸性ホ ス フ ア ター ゼ、活性の測定法

旦-n i t r 0 p h e n y 1 p h 0 S p h a t eを基質とするTorriani 1 0 9)

の方法に準じ て行 った 。 すなわちB u r k h 0 1 d e r培地の KH2P04をK C 1に置き換え、KH2P04を1 L当たりそれ ぞれ3、

3 0、 100、 500及び15 0 0 m g加えた5実験区の培地各50 m 1に、 前培養菌体を洗浄後3m 1接種し3 0 OCにおい て静置培養し た 。 培養液より経時的にo . 5 m 1採取しo . 4 M酢酸緩衝液

(5)

( p H 4 . 0 )を3m 1 、 H 2 0 o. 5 m 1及びo. 0 4 M 旦- n i t r 0 p h e n y 1

p h 0 S p h a t e 1. 0 m 1を加え 、 30 OCに て6 0分間反応させた 。

こ の反応液より1 . 0 m 1をとり1 M T r i s -H C 1緩衝液( p H 8 . 0 ) を加え て反応を止め 、 生成したp- n i t r 0 p h e n 0 1をoD ( 420

n m )で測定した 。 また菌体量はoD ( 6 6 0 n m )で測定し 、 酵素

の比活性はoD ( 4 2 0 n m )を菌体量oD ( 6 6 0 n m )で除し て表示し

o

3 . 2 . 3 寒天プレ ート上での酸性ホ ス フ ア ター ゼ 活性の検出

グル コ ー ス2 % 、 酵母エキ スo. 1 % 、 ペプトンo .2 % 、 KH2P 0 4 0 . 1 % M g S 0 4・7H2 0 0.04%及び寒天2 . 5児からなる

平板培地に形成された コ ロ ニ ーに つい て 、 α - n a p h t y 1 -

p h 0 s p h a t e及びF a s t b 1 u e s a 1 t B ( M e r c k社製)を用い るジ

ア ゾカ ッ プリング法1 1 0 )により重層染色を行 った 。 酸性 ホ ス フ ァ タ ゼ活性を有する コ ロ ー は暗赤色となり

活性を有しない コ ロ ー は染色されず白色のままである こ とにより判別される 。

3 . 2 . 4 α ー メチルグル コ シ ドを糖源とするT T C染色法

T T C染色法1 0 0 )は2、3、5- t r i p h e n y 1 t e t r a Z 0 1 i u m c h 1 0 -

r i d e ( T T C )が コ ハク酸脱水素酵素などの作用で還元され 、

赤やピ ンク色のホル マザンになる こ とを利用した清酒謬 における野生酵母の検出法であり 、 検出培地における糖 源とし てグル コ ー スを用い る o L-ー, のグル コ ー スを α ー メチ

- 77 -

(6)

ルグル コ シ ドに置き換え てT T C染色を行 った 。 α ー メチル グル コ シ ド2. 0 % 、 酵母エキ スo . 1 % 、 ペプト ンo .2 % 、

KH2P04 0.1% 、 M g S 0 4・7H20 0.04%及び寒天2.5 %を含む 平板上に28 ocで2日間培養し 、 形成された コ ロ ニ ーに つ い て α ー メチルグル コ シ ドo . 5 % 、 2、3、5- t r i p h e n y 1 t e -

trazolium chloride 0.05%及び寒天1.0 %を含む軟寒天 を重層し 、 28 ocで6 0分間放置し て色調を観察した 。

3 . 2 . 5 野生酵母の分離と同定

野生酵母の分離は下記の方法に より実施した 。

焼酎穆より採取した試料を滅菌希釈水(0 . 0 5 %のトリ ト ンX - 100を含む)で10-4 "'10-7に希釈し 、 Y P D寒天平板 培地(グル コ ー ス2 % 、 酵母エキ ス1 % 、 ペプト ン2児及び寒 天2 % )で28 oc 、 40時間培養した 。 生育した100"'200個程

度の コ ロ ニ ーを形成したプレ ートを マ スタープレ ートと

し 、 レ プリカを行い 、 前記の酸性ホ ス フ ァ ター ゼ検出用 培地及び α ー メチルグル コ シ ドを糖源とするT T C下層沼地 に コ ロ ニ ーを移植し 、 30 OC 、 40時間培養後それ ぞれ重層 染色を行 った 。 宮崎酵母が スターターとし て添加された

焼酎穆の場合は 、 本酵母が高リ ン酸(1 0 0 m g I L )培地にお い て酸性ホ ス フ ア ター ゼ活性がなく 、 α ー メチルグル コ シ ドを糖源とするT T C染色法に より白色の コ ロ ニ ーにな るので 、 それ以外の コ ロ ニ ーを野生酵母とし て マ スター

(7)

プレ ートより釣菌した 。 α ー メチルグル コ シ ドを糖源と した場合 、 野生酵母の コ ロ ニ ーの色 は赤色 、 ピ ンク及び 白色に分かれた 。 野生酵母の同定は以下の方法で行 った

1 1 1 )

( 1 ) 細胞の大きさ Y P D液体培地に2 8 oc 、 4 8時間振と う培養後ミク ロ メーターで測定した 。

( 2 ) 胞子形成 Y P D培地 よりの前培養菌の懸濁液を胞 子形成培地(酢酸カ リウ ム1 % 、 グル コ ースo . 0 5 % 、 酵 母エキスo . 0 5 %及び寒天2 % )に塗沫し3 0 OC 、 4 8時間培

養後顕微鏡観察を行 った

( 3 ) 擬菌子形成 バレ イシ ョ 、 グル コ ースを用い たス ライド培養法により2 5 oc 、 7日間培養し 、 顕微鏡観察を 行 った 。

( 4 ) 糖の発酵性 各供試糖を2 % 、 酵母エキスo .5 % 及びペプト ン1 . 0 %を含む培地にDu r h a m管を内挿し 、 前 培養液よりの菌体を一白金耳量接種し3 0 OC 、 5日間ガス

発生を観察した 。

( 5 ) 炭素源の資化性 各炭素源o .5 % 、 Ye a s t N i t r 0 -

gen Base (Difco)O.67%及び寒天2 %のプレ ート上に 、

供試菌懸、 濁液を画線接種し3 0 OCで生育の有無を観察した 。 ( 6 ) 窒素源の資化性 Y e a s t C a r b 0 n B a s e ( D i f c 0 )を 用い たオキサ ノグラ フ法に よ った 。

- 79 -

(8)

(7) 370Cに おける生育 Y P D培地に画線接種し37 OCに おける生育を観察した 。

( 8 ) シ ク ロ ヘキシ ミド耐性 シ ク ロ ヘキシ ミドを10 μg / m 1となるように添加したY P D寒天培地上に 、 供試菌 を106/ml 接種し て30 OCで培養し生育の有無を検した 。

( 9 ) ア ルブチ ン分解能 ア ルブチ ン5gと パン酵母より

調整した酵母水156)1Lに 、 寒天2 %を加えた培地を溶融

し約15m1ずつ10 % FeC13溶液数滴とともにシ ャ ーレ に加 え て混和した 。 こ の培地上に供試菌株を画線接種し 、 コ

ロ ニ一周辺の変色を観察した 。 3 . 2 . 6 生活環の決定

生活環の決定t t 2 )を以下のように行 った 。 胞子形成培 地より一白金耳量とり 、Z y m 0 1 y a s e 1 0 0 T (生化学工業(株)) 4 m g / 10m 1を50μl加え 、 2 . 0 m 1の マイク ロ チ ュ ーブ内で 3 0 oC 、 15"'20分処理し 、 その5μlをY P D薄層平板培地に

塗布した 。 次にLe i z製ミク ロ マニ プレ ーターを用い て 、 4胞子を形成し てい る子嚢につい て解剖を行い 、 胞子を 分離した 。 それ らを30 oC 、4 8時間培養し4胞子揃 っ て生育

した4分子につい てY P D培地に移し 、 次い で胞子形成培地 上での胞子形成能につい て調べた 。 また4胞子を揃 っ て回

収できなか った菌株につい ても 、 多くの単胞子由来の培 養株の性質から生活環を推定した 。 胞子形成能のない 分

(9)

...-回-

離株につい ては 、 接合型標準株との媛合能を集団接合法

1 0 3) に より調べた 。 接合型標準株とし て表3 - 1に示す

5 0 7 7 ( a )及び5 0 7 8 (α)の2株を用い た 。 Y P D培地に供試株 と援合型標準株を一白金耳ずつ混合接種し 、 3 0 OCで2 5

日間培養後胞子形成培地に移し胞子形成能を調べた 。 呼 吸欠損株の検出には 、 Y P D培地の2 %グル コ ー スを1 %グ リセリンに置き換えたY P G培地を用い た 。

3 . 3 結 果

3 . 3 . 1 宮崎酵母の酸性ホ ス フ ァ ター ゼ活性

図3 - 1に 、 宮崎酵母及びS H - 4号酵母を種々 の無機リン 酸濃度で培養した時の 、 酸性ホ ス フ ァ ター ゼ活性の経時

的変化を示す 。 両酵母もリン 酸濃度を低下させると顕著 な脱抑制現象が認められ 、 同酵素活↑生が上昇した 。 培地

中のリン酸濃度がKH2P04とし て10 0 m g / L以上になると 宮崎酵母では同酵素活性はほとんど認められない のに対 し 、 S H - 4号では明瞭な酵素活性が認められた 。

データには示し てい ない が 、 鹿児島酵母や泡盛1 号酵 母も 、 S H - 4号と同様に高リン酸培地に おい ても酵素活性

が認められた 。 一方 、 清酒酵母協会7号は 、 宮崎酵母と 同様の性質を示し高リン酸培地に おい てはほとんど同酵

素活性がなか っ た 。

酵母の酸性ホ ス フ ア ター ゼ、は 、 細胞壁あるい は細胞表

- 81 -

(10)

0.7 1-

0.5

0.21ー

焼酎酵母SH-4

\(gog。ω守口C)組 宮崎酵母

使

心叫

cxコ ト3

(11)

層に局在しリン酸の取り込みに関与すると言われ て おり リン酸により産生の抑制を受けるもの 、 構成的に産生さ れるものの2種類の酵素の存在が知られ ている1 1 3・

こ れらの酵素活性の検出は比較的容易である。

1 1 4 }

溝口ら1 1 0 )は 、 協会系清酒酵母が構成的産生型の酸性

ホ ス フ ァ ターゼ活性を有しないこ とを見い だし て 、 こ の 性質を利用し て高リン酸培地による清酒穆中の野生酵母 の検出が容易にでき 、 T T C染色法のように熟練を必要と しない簡便な方法であるこ とを報告した。 本来保有する

遺伝標識を培養酵母と野生酵母との識別に使うこ のよう な方法は同時に本来保有する醸造特性を失う恐れがない こ と から 、 醸造用の酵母にと っ て非常に有効性を発揮す ると推察された。

宮崎酵母は 、 協会系清酒酵母と同様に高リン酸培地に お い て酸性ホ ス フ ア ターゼ活性が認められないこ と から 構成的産生型の酸性ホ ス フ ア ターゼを有しないと判断し た。 KH2P04を1 000 m g / L含む寒天プレ ート上に コ ロ ー

を形成させ 、 ジ ア ゾカ ッ プリン グ法により重層染色させ たとこ ろ 、 表3 - 2に示すように宮崎酵母以外の焼酎酵母 は活性を有し 、 コ ロ ニ ーは暗赤色になるが 、 宮崎酵母は 活性を有せず白色のままであ っ た(図3 - 2と3 - 4参照)。

次に 、 焼酎穆に 混入する野生酵母の酸性ホ ス フ ア ター

- 83 -

(12)

準 株 標 型

A

f妥 表3-1

子 型

、主包 伝 菌株 1旦

trip5 trip5 ura1

ura1 rne t2

rne t2 his4 thr4

his4 thr4 ade1

ade1 leu2

leu2

a α 量制

5 077 5 07 8

国税庁醸造試験所保存菌株

各種醸造用酵母の酸性ホスファターゼ活性滋 表3-2

+ +

+

+ + 鹿児島工試酵母 泡盛1号酵母 SH-4 号酵母 宮崎酵母 協会6号 協会7号 発研1号 OC - 2 清酒酵母

アル コール酵母 ワイン酵母 焼酎酵母

培地中のKH2P04濃度1000rng/Lで生育した コロニーに ついてジアゾカ ップリング法により重層染色した 。 +:活性あり ー:活性なし

(13)

ゼ活性の有無を調べるために 、 培養酵母とし て宮崎酵母 をい ままで全く使用し てい ない 工場及びこ こ 数年使用し

てい ない 工場の焼酎穆中の野生酵母の数をまず予備調査 とし て検するこ とにした 。 採取試料中の酵母の同酵素活 性から得た結果を示す表3 - 3のように 、 添加し てい る培 養酵母である鹿児島工試酵母は同酵素活性が認められ 活性のない コ ロ ニーは野生酵母であると判定した 。 酸性 ホ ス フ ア ター ゼ活性を持たない コ ロ ニーの比率はo '" 6 % と低く無視でき る数値であり 、 同酵素活性を持たない 野 生酵母は非常に少ない と判断した 。

以上の結果から酸性ホ ス フ ア ターゼ、活性の有無により 穆中の宮崎酵母と他の野生酵母との判別が可能と判断し た 。

3 . 3 . 2 α ー メチルグル コ シ ドを糖源とするTTC染色 α ー メチルグル コ シ ドを用い たTT C染色法では 、 図3- 2 に示すように宮崎酵母はほとんど染色されずに白色か

薄い ピ ン ク色を呈した 。

3 . 3 . 3 焼酎穆中の野生酵母の検出

高リン酸培地におい て酸性ホ ス フ ァ ター ゼ活性を有せ ず 、 α ー メチルグル コ シ ドを用い たTT C染色法におい て白 色を呈する コ ロ ニーを宮崎酵母と判定した 。 酸性ホ ス フ ア ター ゼ活性を有する コ ロ ニーはTT C染色法の結果 い か

- 85 -

(14)

表3-3宮崎酵母を使用していない焼酎工場の穆における 酸性ホスファターゼ活性を有しない酵母の割合

工場No 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

酸性ホスフアターゼ活性

を有しないコロニー(%) 6 0 2 0 1 2 3 2 5 0 1 1

培地中のKH2P04濃度1000mg/Lで、 生育した100"'200個のコロ ニーについてジアゾカップリング法により重層染色した。

図3-2各検出培地に よる宮 崎 酵 母 の呈色性

プレート左 : 酸性 ホ ス フ ア タ ー ゼ検出用培地

プレート中央: αーメチルグルコシドを糖源とするTTC染色 プレート右 : グルコースを糖源とするTTC染色

(15)

んにかかわ らず 、 自夢中に侵入した野性酵母とみなした 。 表3 - 4は宮崎酵母を培養酵母とし て 一次穆(酒母)に添加 した工場における一次及び二次穆中の宮崎酵母の割合を

不し て い る 。 宮崎酵母の占める比率は各工場によりばら つきがみられるが 、 一次謬 、 二次穆共に野生酵母が混入 し て い る こ とが判明した 。 一部の工場では 、 酵母培養装

置を導入し 、 常時培養した宮崎酵母を添加し て 酒母とな る一次穆を造 っ て おり 、 安定した濃度の宮崎酵母を維持 し て い る こ とが明らかにな った 。 しかし 、 多くの工場で は最初に造る酒母には培養宮崎酵母を添加するが 、 その 後は一次穆の一部を フ ィ ー ド バ ッ クする " 差しもと " によ り次の一次穆を造 っ て い るために 、 野生酵母が混入し添 加した培養酵母が次第に淘汰され 、 優位を占め て い くの ではない かと推考された 。

3 . 3 . 4 差しもとによる宮崎酵母の純度の変化

差しもとで酒母を造 っ て い る2工場の穆中における宮 崎酵母と野生酵母の侵入の推移を検討した 。 こ の2工場 は夏場に休造後8月末に製造を開始した工場であり 、 1音

養酵母を添加した最初の一次謬より順次差しもとによ り製造された o L.. ‘� の最初の差しもとにより造られた 一次

穆製造開始より 、 それ ぞれ48時間経過毎に穆より試料採 取を行 った 。 図3-3に示すように 、 A工場では差しもと7

- 87 -

(16)

表3-4宮崎酵母を使用している穆における 宮崎酵母の占める割合

試料No 修中の宮崎酵母の割合(% )

l 一次穆(原料 米) 11 . 1

2 ノノ 37.6

3 ノノ 100.0

4 ノノ 70.0

5 ノノ 6.7

6 ノノ 99.2

7 ノノ 100.0

8 ノノ 8 2 . 1

9 ノノ 65.3

10 ノ/ 3 . 1

11 二次穆 (原料:甘藷) 3.0

12 ノノ 100.0

13 ノノ 91.4

14 ノノ 0.9

15 ノノ 4.8

16 ノノ 51.3

17 ノノ 100.0

18 二次穆 (原料:麦 95.7

19 ノノ 97.6

2 0 ノノ 33.1

2 1 ノノ 41.0

(17)

ハ什) nHV nuu 「hd

hw廊時念羽以融制給制Q融制鎗営側

(渓)

2 3 4 5 6

差しもと回数

図3-3 差しもとによる一次穆中の宮崎酵母の占める割合の推移 o : A工場

: B工場

表3-5 A,B 2工場の主要野生酵母の性質

菌 株 酸性ホスフ TTC染色法による 比増殖速度 ァターゼ活性 による呈色※ hr-J A工場の野生酵母

B工場の野生酵母 宮崎酵母

+ +

白赤白

0.254

0.247 0.242

※αーメチルグルコシドを糖源とするTTC染色法

- 89 -

(18)

B工場 差しもと 1回目

B工場 差しもと 4回目

B工場 差しもと 5回目

図3-4 差しもとによる宮崎酵母の純度の変化 プレート左: 酸性ホスフアターゼ検出用培地

プレート右: αーメチルグルコシドを糖源とするTTC染色用培地

(19)

回目の一次穆までは 、 穆中に占め る宮崎酵母の割合は9 0

%以上であ ったが 、 それ以後急速に低下した 。 一方 、 B 工場では 、 差しもと5回目より野生酵母の方がすでに数 の上で優位にな った 。 図3 - 4にB工場におけ る測定の経過

例を示す 。 清酒製造におい ても 、 差しもとによる酒母造 りでは家付き酵母等が次第に優位になるこ とが判明し て おり1 1 5 )、 焼酎穆に つい ても同様の現象が起こ るこ とが

明らかにな った 。

表3 - 5に 、 A及びB工場の目安におい て宮崎酵母より優位 に生育した野生酵母の性質を示し た 。 酸性ホ ス フ ァ ター

ゼ活性を有し 、 T T C染色法では コ ロ ニ ーがそれぞれ赤色 と白色に染色された 。 また比増殖速度はい ずれも宮崎酵 母より速か った 。

また多くの焼酎工場で使用され て い る鹿児島工試酵母 は酸性ホ ス フ ア ター ゼ活性を有し ており 、 α ー メチル グ ル コ シ ドによるT T C染色法でも赤色と白色の コ ロ ニ ーが

混在し ており 、 鹿児島工試酵母と野生酵母との識別は こ の方法では不可能であ った 。

3 . 3 . 5 野生焼酎酵母の同定

県内の焼酎工場の穆より分離した野生酵母2 0株に つい て 、 細胞の大きさ 、 胞子形成、 炭素源の資化性、 精の発酵 性 、 窒素j原の資化性及び擬菌子形成などを検討した(表

- 91 -

(20)

3 - 6 )。 一株(No-17)を除き " The YeasLs"116)の分類に お けるS a c c h a r 0 m y c e s c e r e v i s i a eと 一致した。

焼酎酵母は1901年に乾11 7 ) 及び字佐 118】が泡盛の穆よ りS a c c h a r 0 m y c e s a w a m 0 r iを分離し 、 その後多くの研究 者により調査研究が行われた。 菅間らは熊本県球磨地方

の19の焼酎工場 の 熟成移より37株の酵母を分献し て 、 s . c e r e v i s i a eと同定した 2 1 )。 また竹田等11 g)は鹿児島

及び沖縄県の穆より44株の酵母を分離し てs . c e r e v i s i a e と 明確に区 別ができない こ とを認めた。 玉 城 ら10 5 )が泡

盛穆より分離実用化した泡盛1号酵母も 、 s . c erevisi a e と同定され て いる

3 . 3 . 6 野生焼酎酵母の生活環 ( 1 )胞子形成率

表3 - 7に分離した野生焼酎酵母2 0株の胞子形成率を不

す 。 大部分の菌株が高い胞子形成率を示したが 、 子嚢中 の胞子数は2 '" 3個の株が大部分であり 、 4胞子の形成率 は多い株でも全胞子嚢中の2 '" 5 %で 、 他は1 %以下であ っ

。た

( 2 ) 野生焼酎酵母の生活環

分離野生酵母19株それ ぞれに つい て 、 4胞子が揃 っ て い る胞子嚢を2 '" 8個解剖し 、 得られた単胞子培養株の胞 子形成能を調べた(表3-7) 0 19株中14株は 、 4個の胞子嚢

(21)

表3-6分離野生酵母の生理学的性質

試験項目 No

4 7

Sucrose + (+) + (+) + (+) Glucose + (+) + (+) + (+) Lactose () () ー (ー) Maltose + (+) + (+) + (+) Galactose + (+) + (+) + (+) Raffinose + (+) + () + (+)

lnulin S.Starch

10 17 13 20

+ (+) + () + (+) + (+) + (+) + () + (+) + (+)

() () () 一 (一) + (+) + () + (+) + (+) + (+) + () + (+) + (+) + (一) + (ー) + () + (ー)

Cellobiose Erythritol Melezitose D-Arabinose Xylose lnositol

4F tT sT sT tT tT 'T iT 'T

iT

Citric acid Succinic acid - D-Ribose

Mannitol NaN03

「hdVA n叫υ

tT

』T 4『

Fhυ

n6 V入

tT円hU45tTnHV

VA

4' 'Tnhu

'TnhU S4a VA nHU

2T-

-ET

'T nhU 円JU

VA Fhυ

』T

-aT

tT「円UFhu 』斗AVA nuu

-sT

』T

aTnhu 49 』斗AVA nkutLm -4'

2 T

u川酵i ETμ恥し

発位

問 h胞子菌ルω 間んの形子ブ能一(※ ).nm大成形チ は単4き成ン

解 一

白川細胞擬ア分一 円tunud

(22)

胞子が全て生育能を有してい るもの 、 あるい は 一 つの胞 子嚢から分隊した4個の胞子の内1 '" 2個に生育能がない ものがあ った 。 し か し 、 こ のように胞子嚢から得られた 単胞子が生育可能で胞子形成能を有する場合には 、 s P 0十 (胞子形成能あり):SPO-(胞子形成能なし) = 4 : 0とみな

した 。 こ れらはH 0型ホモ タリズム株とした 。

残り5株(菌株N 0 4 , 12, 14, 16, 18)は主にSPO+:SPO一 二2: 2 に分離したが 、 稀にSP 0 + : S P 0 - = 1 : 3 か3: 1に分離する こ ともあ った o c... 司可' のSPO+:SPO一 二2 : 2となる菌株5株に つい て 、 その胞子形成能のない 単胞子培養株の標準株との接

合能を調べた 。 5株中3株(菌株N 0 12, 16, 18)の単胞子培養 株は呼吸欠損株でもなく a 、 α 型のい ずれとも援合しな か ったので生活環は 不明であ った 。 残り2株( 菌株N 0 4

1 4 ) に つい ては 、 SP 0 -の2個の単胞子培養株中のl個は胞 子形成能も a 、 α 型との接合能もない が 、 他の1個の単 胞子培養株は α 型と接合し 、 胞子形成が見られた ( 表3- 8 ) 。 こ の2株に つい ては 、 胞子形成能のあるSP 0 +単胞

培養株を更に2世代まで胞子形成させ 、 その4分子の接合 能を調べたと こ ろ 、 a 型との接合能はなか ったが α 型と

接合能を有する単胞子培養株が得られた(表3 - 9 )

接合型遺伝子が a / α のヘテ ロ ザイガスのとき栄養飢 餓条件にさらされると 、 細胞は増殖を止め て 減数分裂が

(23)

表3-7 分隊野生酵母の胞子解剖

菌株No 胞子形 解剖胞 回収単a) 単胞子培養株のIJ包子形成能

成率( % )子嚢数 胞子数 spo+ : SPO- b)

82 12 45/48 4:0

2 52 15 57/60 4:0

3 64 10 34/40 4:0

4 83 27/28 2:2

5 75 11 39/44 4:0

6 55 8/8 4: 0

7 86 4:0

8 61 4:0

9 76 10 36/40 4: 0

10 83 6 4:0

11 76 6 4:0

12 86 4 15/16 4:0

13 60 13/16 4:0

14 82 4 13/16 2:2

15 37 16/16 4:0

16 33 6 2:2

17

18 69 9 18/36 2:2

19 49 3 8/12 4:0

20 78 3 10/12 4:0

a)回収単胞子数は、 胞子嚢より分離された4分子中の 単胞子数と、 生存した単胞子の割合

b ) SPO+ ;胞子形成能のあり Spo- :胞子形成能のなし

Fhυ nHυ

(24)

表3-8菌株No4、 No14の4分子解剖分離パターン

胞子形成パターン αと接合能のある単胞子培養株数減

Spo+ : SPO-=2:2 (6胞子嚢) Spo-単胞子の1/ 2

菌株No4 SPo+ : SPO-=0:4 (3胞子嚢) SPO-単胞子の1/4,2/4,3/4 SPO+ : SPO-=1:3 (2胞子嚢) SPO-単胞子の1/ 3

SPO+ : SPO-=3:1 (1胞子嚢)

菌株No14 SPO+ : SPO一二2:2 (4胞子嚢) SPO-単胞子の1/ 2 SPO+ : SPO一=1:3 ( 1胞子嚢) SPO-単胞子の1/ 3 SPO+ : SPO-=3:1 (1胞子嚢)

※ 胞子形成能のない単胞子中の媛合能のある単胞子数の割合 SPO+ :胞子形成能 あり

SPO- :胞子形成能 なし

表3-9胞子形成能のある単胞子培養株の二世代目の胞子解剖

菌株No4 菌株No 14

SPO+ : SPO一二4:0 (7胞子嚢) SPO+ : SPO-=4:0 (8胞子嚢) SPO+ : SPO-= 3: 1 ( 1胞子嚢) SPO+ : SPO一二3:1 (1胞子嚢) SPO+ : SPO-=2:2 (2胞子嚢) SPO+ : SPO-= 2: 2 (1胞子嚢) SPO+ : SPO-= 1:3 (1胞子嚢) SPO+ : SPO一二1:3 (2胞子嚢)

胞子形成能のない単胞子培養株でα型と接合能を有する単胞子培養株数減

4/ 8 4/9

※胞子形成能のない単胞子中の接合能のある単胞子の割合

(25)

誘導され胞子形成を行う1 2 0 ) 。 ホ モタリズム酵母におい ては胞子発芽後 、 細胞が分裂する聞に援合型の変換が起 こ り未転換細胞との間で性的接合を行う 。 しかも二倍体

になればもう接合型の変換は起こ らない o L-句" の現象は大

嶋1 0 4 )の コ ン ト ロ ー ルエ レ メ ン ト モデルや 、 1 . H e r s k 0 -

w i t zらの唱えた カセ ッ ト モデル 1 2 1 )に より説明されてお

り 、 3個の対立する遺伝子 (旦旦, H旦�, H旦旦) が関与するこ とが明らかにな っ てい る 。 H 0型ホ モタリズム株ではa →

α 、 α →a のい ずれの方向への変換も可能であり 、 H p型 のホ モタリズム株ではa → α の変換のみ可能であり 、 4 分子中の2胞子は 二倍体化し 、 残りは α 接合型の単相株 となる 。 H q型ホ モタリズム株では反対に α →a の変換の み可能であり 、 a 接合型の単相株が得られる 。

本研究におい て見い だされた2株(菌株No4,14)の単胞 子培養株はSP 0 +とSP 0ーに分かれ 、 その分離比はSPO+:

SPO- =2: 2が多く 、 SP 0ーの単胞子培養株にはa 型の単相 株が存在した 。 さらにSP 0十の単胞子培養株に胞子を形成 させて解剖し 、 二世代目の単胞子に つい て検討したとこ

ろ a 型の単相株が存在したこ とから 考えられた 。

3 . 4 考察

、 L-ー, の2株はH q型と

醸造工業におい ては 、 用い られる原料特性や発酵条件

- 97 -

(26)

などの違い から 、 それぞれの環境に おい て適応力のある 微生物が集積してきたと考えられ 、 S. c erevisia eに属 する酵母の検出される頻度が高い 。 S. c erevisia eの酸 性ホ ス フ ア ター ゼ、 は細胞表層に存在し 、 リン酸の取り込

みに関与すると言われて おり 、 その活性検出は比較的容 易である 。 協会系清酒酵母や宮崎酵母は 、 高リン酸培地 に おい て酸性ホ ス フ ア ター ゼ活性を有しない o L. 司、, のよ う な性質を示す酵母は 、 清酒穆や焼酎穆より分離されて 、

長期間リン酸濃度の 高い 麹汁培地などで植え継がれてき た菌株である こ とから 、 継代培養中に変異し酸性ホ ス フ

ア ター ゼの構成的産生能を失 ったと推測される 。 本章で は酵母の種類による酸性ホ ス フ ア ター ゼの有無の違い を 利用して修中の培養酵母と野生酵母の検出 ・ 分隊を行い 、 従来からよく利用されてい るT T C染色法に匹敵する有効 性を見い だし 、 T T C染色法よりも技術的に容易である こ とを明らかにした 。 また 、 両方法の併用によ って培養酵 母と野生酵母の識別をより明確にする こ とができると考

察できた 。

酒類の穆から検出される酵母の生活環にも違い が認め られてい る 。 山崎ら107、 122)は ワ イ ン酵母1 0株に つい て

その生活環を調べ 、 すべてH 0型ホ モ タリズム株であ った と報告してい る 。 清酒に つい ては小田ち26)や中里ら27)

(27)

がヘテ ロ タリズム株が多い ことを明らかにしてい る 。 焼 酎酵母に つい ては中里ら27)が供試菌2 7株のすべてがH 0 型ホモタリズム株であ ったと報告してい る 。 これらの報 告から 、 分離源によ って生活環が異なるとも考え られた 。

し かしながら 、 小田ら1 23) は沖縄と ブラジ ル の種々 の試 料よりS. c e r e v i s i a eに属する酵母を分離して その生活 環等に つい て調べ 、 前者がホモタリズム株が大部分で後 者はヘテ ロ タリズム株が25 %を占め 、 L.. の相違が分離源 の種類によるものでない ことを報告した 。 また 、 一般的 には遺伝学的にホモタリズムが野生型でヘテ ロ タリズム が変異型と考え られてい る 。 しかし 、 本研究の調査によ って得られた結果や ここに論述した 文献の報告のように 、 地域によ って優勢に生息する酵母の生活環の遺伝学的性 質は異なる可能性を示唆することができた 。 また 、 焼酎

や清酒の酵母の生活環の相違に つい ても 、 単に醸造工程 の相違 でなく地域性に起因してい ると推察した 。

3 . 5 小 括

焼酎製造では野生酵母と添加培養酵母の判別法が見い だされておらず 、 穆における酵母の挙動は把握できなか ったが 、 宮崎酵母が高リ ン酸培地におい て酸性ホ ス フ ア ター ゼ活性を有しない ことを見い だし 、 L...... の ↑生質を利用 することで野生酵母の検出が可能にな った 。 さらに 、

- 99 -

(28)

α ー メチルグル コ シ ドを糖源とするT T C染色法を併用する こ とによ っ て 、 野生酵母との識別がより明確になる こ と

を示した 。 次い で 、 こ の判別法を採用する こ とにより 差しもとにより酒母を育成する工場におい ては 、 差しも

とを繰り返すうちに添加された培養酵母が次第に淘汰さ れ野生酵母に置き換る こ とを明らかにし 、 また焼酎穆の

微生物管理が容易になる こ とを示した 。

焼酎穆より分離した野生酵母1 9株に つい て諸性状を検 し 、 い ずれもS. c erevisia eに属すると同定した 。 それ

らの生活環は大部分がH 0型ホモ タリズム株であ った 。 ま

た 、 その内2株は胞子嚢胞子の単胞子培養株に a 型接ム 能を有する単相株が存在し 、 H q型ホモ タリズム株と推測

された

(29)

第 4章 焼酎目夢中のキラー酵母の分離と性質

4 . 1 緒言

と うもろ こ しに黒穂病を引き起こ す黒穂菌(u s t i 1 a g 0

m a y d i s) 124)ゃある種の酵母には 、 細胞質に 二重鎖R N Aを

有し 、 同種または近縁種を殺すキラートキシ ン生産菌が 存在 する 。 キラー酵母が 、196 3年に発見され て以来28)、

研究機関の保存菌株1 25)やビー ル 1 2 {) ) 、 ワ イ ン1 2 7 ) 、 清 酒1 2 B )等の穆よりK 1 、 K2 、 K 3等の異なるタイ プのキラー

形質を有する株も検出された 。 また清酒醸造における野 性酵母による移の汚染も キラー性を有する野生酵母に

よる培養酵母の淘汰とい う視点より再検討された 129} 0 しかし 、 焼酎修に つい てはキラー酵母の存在が確認され

てい ない 33) 。 一般にキラー形質が高温培養で消失しや すい こ と 、 またキラートキシ ンも高温では失活しやすい こ とから 、 他の酒類の穆よりも高温経過をた どる焼酎修 では その存在が疑問視され てきた 。 そこ で焼酎修におけ

るキラー酵母の存在の有無を明らかにするため 、 焼酎移 より分離した多数の野生酵母に つい てキラー形質を検討 した 。

4 . 2 実 験 方 法

4 . 2 . 1 使 用 菌 株

焼酎酵母及びキラータイ プ標準株(表4戸1 )と 、 第3章

一101 -

(30)

に記載した方法で焼酎穆より新たに分離した野生酵母を 用いた 。 なおK L 8 8株は清酒穆より検出されたキ ラー酵母 で 、 5 0 3 8株同様 、 S a c c h a r 0 m y c e s属キ ラー酵母の中で最 もキ ラー活性の強いK Jタイプである 。 5 1 7 0株はK J より耐

熱性のあるK 2タイプのキ ラー酵母である 。 5 2 2 6株はS a一

c c h a r 0 m y c e s属以外の他の多くの酵母をも殺すキ ラー活

性の強いK 9タイプのキ ラー酵母である 。 4 . 2 . 2 キ ラー酵母の分離

焼酎工場の一次及び二次穆より試料採取を行い 、 Y P 0 寒天培地に3 0 OC 、 4 8時間培養後1 00'" 200個の コ ロ ニ ーを 形成させたプレ ートを 、 宮崎酵母あるいは鹿児島工試酵 母を塗沫したY P 0 - M B培地J3 0) (表4 - 2 )にレ プリカし 、 2 5

℃で4 8時間培養後 コ ロ ニ 一周辺に阻止円を形成した酵母 をキ ラー酵母とし て分離した 。

4 . 2 . 3 分離したキ ラー酵母の同定

細胞の大きさ 、 胞子形成性 、 擬菌糸形成性 、 糖の発酵 性 、 炭素源の資化性 、 窒素源の資化性 、 シ ク ロ ヘキシ ミ

ド耐性 、 3 7 ocにおける生育 、 酸性ホ ス フ ア ター ゼ活性及 び生活環等は第3章に記載した方法で行 った 。

4 . 2 . 4 キ ラートキシ ン の活性測定法

W 0 0 dとBe v a nの方法に準じ 、 well test13J)により測定

した 。 すなわち 、 キ ラートキシ ン 活性測定培地(グル コ ー

(31)

使 表4-1

山一 )) ))山一

OL一

"u

"u

"M

"u na­

nu一一

((母((日一 酵

川一

ラ母母母キ酵酵酵

生一一一野ラララ酒キキキ

清 E 2 9 焼酎酵母 鹿児島工試酵母

宮崎酵母 KL88湾 5038湾 5170湾 5226廻

※国税庁醸造試験所保存菌株

キラー酵母検出用培地 表4-2

%%%%%

2 2 o .003 酵母エキス

ペプトン グルコース メチレンブルー

寒天 2.5

上記組成の培地に1M Citrate-phosphate buffer(pH4.5)を10%添加

103 -

(32)

ス2 . 5 % 、 酵母エ キ スo . 2 5 % 、 硫酸ア ン モ ニウムo . 2 5 % 、 寒天1 . 5 % 、 pH 4 . 3 )の中央に直径1 0.5mmの穴をあけ 、 30

。Cで2 4時間培養した宮崎酵母を塗沫し 、 中央の穴に3 0 0

o r p m 、 5分間遠心分離したキラー酵母の培養上澄液o . 2 m 1 を注入し 、 15 ocで7 2時間培養後形成された阻止円の幅を 測定し て活性度とした 。

4 . 2 . 5 キラー活性に与える培養温度とpHの影響 キラー酵母を30 OC 、 2 4時間Y P 0培地(p II 6 .6) 5 m 1で前培 養後 、 遠心分磁を行い 上澄液を除き菌体をクエ ン酸でp 11

4 . 5に調整したY P 0培地1 0 0 m 1に接種し 、 15"'300Cで培養 し経時的に培養上澄液のキラー活性を測定した 。

またY P 0液体培地をクエ ン酸またはNa 0 H でpH3.0"'8.0 に調整後 、 同 様 に前培養菌体を援種し て15 oCで培養を行 い 、 経時的に培養液を採取し 、 上記の方法によりキラー 活性を測定した

4 . 2 . 6 キ ラー トキシ ンの生成と安定性に 及ぼす グリセリ ン の影響

グリセリン無添加Y P D培地 (pH 4.6)と20 %グリセリン 添加同培地各1 0 0 m 1にキラー酵母を接種後 、 15"'30oCで 培養し経時的にキラー活性を測定した 。 また同培地を用 い て15 OC 、 7 2時間培養後 、 孔径o . 4 5μ の メ ン ブラン フ イ

ル タ ーを用い て培養液を無菌ろ過し 、 グリセリンを20 % になるように加え15"'30oCに保持し て経時的にキラー活

(33)

↑生を測定した t 3 2】 。 なお同無菌ろ液を2 5 oc 、 1 2 0 c y c 1 e / m i nで振とうし て 、 キ ラー活性に 及ぼす携枠の影響に つ い て も検討した 。

4 . 2 . 7 キ ラー酵母の相互作用によるキ ラータイプ

の分類

YPD-MB平板培地(表4 -1 )上で大内ら29)の方法に従い 、 2種類の菌株を交差するように画線援種し 、 25 oc 、 2 8時

間培養後青く染ま った菌株をキ ラー物質の作用により死 減したキ ラ 感受性酵母とした 。 またキ ラ 感受性酵母

でもなくキ ラー性もない 酵母をキ ラ ト ラルとし

。た

4 . 2 . 8 二重鎖RN Aの ア ガロ ー スゲル電気泳動

二重鎖(ds)-RNAの抽出はFr i e dとFink133)の方法を改変 したK i t a n 0ら30)の方法を用い た 。 80 m 1のYP D 沼地で 、 2 5

。C 、 4 8時間培養後集菌し 、 pH 7 . 0の 50mM Na2EDTAを30m 1 加え2 5 oc 、 10分間振とう後 、 遠沈集菌し 、 50 m M T r 1 s -

H 2 S 0 4 ( P H 9 . 3 ) 2 5m 1と600μlのS-mercaptoethanolを加え

3 0 OC 、 1 5分間反応させた 。 再度集菌しo . 1 M N a C 1 10m M E D T A, 10m M T r i s -H C 1 ( p H 7 . 5 )を含む0.2%SDSを加え2 5 oc 1 0分間の反応で溶菌させた 。

次に緩衝液(1 m M E D T A 、 20mM酢酸ナトリウム 、 4 0 m M T r i s - H C 1 ( p H 7 . 8 ) )で飽和させた再留 フ ェ ノール10m1で 2 5 OC 、 10分間抽出し 、 遠沈後水層を分取し氷冷した エタ

-105 -

(34)

ノール7 m 1を加えo OC以下で一晩放置した 。 生じたR N ^沈 殿物は遠沈後窒素ガ スに よりエ タ ノールを除去後 、 よ言じ の緩衝液に溶解し て電気泳動用試料とした 。

o . 9 %アガ ロ ー スゲルは 、 1 . 6 8 gのアガ ロ ー ス(和光純 薬工業(株)製アガ ロ ー ス 1 6 0 0 )を2 0mM 酢酸ナトリウム lmM EDTAを含む4 0 m M T r i s - H C 1 ( p H 7 . 5 )溶液 1 8 0 m 1に電子

レ ン ジを用い て溶解し 、 2 0μlのエ チジウムブロ マイド ( 1 μg / m 1 )を加え 、 泳動層に流し て固化させた 。

先に得られた泳動用試料には3μlのエ チジウムブロ マ イド( 1 μg / m 1 )、2μlのo .2 %ブロ ム フ エ ノールブルーを 加えた 。 また泳動用試料とし てDNaseI(シ グマ社)2 m gを

1 m 1の蒸留水と3 0μlの 1 M M g C 1 2に溶解し 、 その2 0μlを 添加し37 oc 、 1 5分間反応させた試料も用い た 。 分チ量 マ ーカーとし て λDN A 3 0μlをHindIII 1 0μ1で37 oc 、 1 5分間 反応させ 、 SD S入ブロ ム フ エ ノールブルーを添加し て反

応を停止させた後泳動用試料とした 。 電気泳動は4 0 V

80mA134) で行:った 。

4 . 2 . 9 キ ラー酵母のキ ュ ア リン グ試験

供試菌をY P D平板培地上に4 0 OC 、 3日間培養後生育した コ ロ ニーを 、 キ ラー感受性の宮崎酵母を塗沫したY P D - M B培地に レ プリカし 、 キ ラー活性を保持し てい る コ ロ 一

一 数を計測した30 ) 。 またシ ク ロ ヘキシ ミドをo . 1 及び

(35)

o . 2 m g / L含むY P D培地上で25 oc 、 5日間培養後 、 生育 コ ロ ニ ーについ て上記の方法でキ ラー活性を判定した 。

4 . 2 . 1 0 発 酵 試 験

グル コ ー ス1 5 % 、 酵母エキ スo . 3 %及びペプト ンo . 7 % を含む培地をクエ ン酸に よりp H 3 . 8に調整して 、 前培養菌 体を培地1 0 0 m 1に対し500μl接種し 、 M e i s s e 1管を付けた 三角 フ ラ ス コ を用い て 3 0 OCで発酵試験を行 った 。 また焼 酎麹70 g 、 水1 20m 1を使用する発酵試験も併せて行 った 。

4 . 2 . 1 1 混合培養試験

焼酎麹70 gに水1 20m 1を加えた培地に 、 キ ラー酵母とキ ラー感受性酵母をそれ ぞれ 一定量( 3 x 105/ml)ずつ接種 し250C '"'-' 3 1 0Cで培養して両者の菌数の変化を検した 。

4 . 2 . 1 2 比増殖速度の測定

酵母エキ スo . 2 % 、 ペプト ンo .5 % 、 グル コ ー ス6 .0 % 及びクエ ン酸o .2 %からなる液体培地10 0 m 1 ( p H 3 . 8 )に前 培養菌体50μiを援種し 、 28 oCで静置培養を行い 一定時 間毎にへ マト メ ーターを用い て細胞数を計測し 、 比増殖 速度を算出した 。

4 . 3 結 果

4 . 3 . 1 キ ラー酵母の分離

宮崎県内の25焼酎工場の試料から分離した野生酵母に つい て 、 Kt(50 3 8 株)及びK2(51 70株) キ ラー酵母とのY P D -

- 107 -

(36)

焼酎穆より分隊した酵母のキラー性 表4-3

場菌株 工場菌株

工場菌株 工場菌株

sensitive '

' ' E E ' k2neutral sensitive

'

E E E E E E ---E・E・E・-,.....

-B.,

.,圃,.,.,.,

4ti円ノむ円《ua斗&「hυnhU円It円八un叫υnHU唱『ム円ノuntU44AFhυnhU可t'nkun叫υnHut-ム円Jun.‘udaaa「円unhU円I'nkun司υnHUnHUn同υn可υnudn同υnudnHun叶υn叫υnHUハHvnHunHunHunHunHvnHunuunHU唱iAtlAtli4EA--A唱lA4IAt--11』41Anノ臼‘,EA4EEl・EEA4EEA4EEA4EEA4EEA4E'ム4E4ム4E'i4EEA4B『A噌11A4E'A4EEA4EE44EEA‘EEA--』4EEA‘EEA

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killer : k1もしくはk2と殺し合う sensitive . し及びんに殺される

neutral : しもしくはk2に対して殺すことも殺されることもない 酵母の分離法は、宮崎酵母を使用している工場においては、 第3 章 の方法を用い、 そ うでない工場で、は、TTC染色法を用いて赤~ピンク

に呈色したコロニーをランダムに拾い上

(37)

M B培地上に おける交差試験を行い 、 キラー活性に つい て 検討した結果を表4 - 3に示す 。 その結果 、 多くの野生焼 酎酵母がキラー感受性であり 、 キラーに対し て殺すこ と も殺されるこ とない ニ ュ ートラル株が2株存在したが

K 2のみに対し て ニ ュ ートラルでK 1には感受性であ った 。

しかしC工場より分隊した4株はK 2と殺し合い 、 宮崎酵母

を殺すこ とから 、 対照に使 った株とは別樫のキ ラー活性 を有すると考え られた 。 そこ で 、 こ のC工場より再度試

料採取を実施したとこ ろ 、 表4 - 4に示すよ うに 、 添加さ

れた培養酵母(鹿児島工試酵母)は高い 比率でキラー酵母 にと っ て換わられ てい た 。

本C工場より検出されたキラー酵母B-8 6株を以下の実 験に供した 。

4 . 3 . 2 キラー酵母B-86株の生理学的諸性質

図4- 1にB -8 6株の宮崎酵母に対するキラー作用を 、 表 4 - 5にB-86株の生理学的性質を示す 。 B-8 6株は宮崎酵母

及び清酒酵母協会7号とほぼ同じ細胞の大きさであり

胞子を形成し 、 またmy C 0 t 0 r u 1 a型の擬菌子を形成した 。 本株は α - M e t h y 1 -g 1 U C 0 s i d eを資化したが 、 L a c t 0 s eと

M e 1 i b i 0 s eの資化性及び発酵性がなく 、 また硝酸塩の資

化性もなか った 。 以上の諸性質からキラー酵母B-8 6株は

S a c c h a r 0 m y c e s c e r e v i s i a eに属すると同定した 。

- 109 -

(38)

表4-4 工場Cの修中におけるキ ラ ー酵母の分布状況

キ ラ ー 酵 母の 採取年月日 目安の種類 占有率

昭和58年1 2月 二次移 (麦製) 88. 5 昭和59年 9月 一次官参 (米製) 36. 3 昭和59年 9月 二次回参 (麦製) 58. 3

図4-1 キラー酵母B-86株のキラー作用

YPD-MBプレート上にキラー感受性酵母(宮崎酵母) を塗布し、YPDプレート上に形成したB-86株のコロ

ニーを、レプリカによりYPD-MBに移し、 250C、2 問培養した。

%

%

%

(39)

表4

-

5 生理学的諸性質

6.7X4.9 90 %

+

( + ) ( + ) (ー) ( + ) ( + ) ( + ) (ー) の

4,ょ,- 4'4'4, 一

- -tT 一tT

焼酎酵母B

-

8 6株

、BEa'' m川

一フ

一川

能育

ド EFt- 'fE、

e

・白・AUC 化性

eles--a性e

解生ミ

,,

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細胸擬炭と

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窒 灯シ耐生ア

さ( μ

H 0

111

(40)

また高リン酸培地に おける酸性ホ ス フ ア ターゼ活性は ほとんどなく 、 生活環はH 0型ホモタリズムであ った(表 4 -6 、 図4-2 )。 なお清酒穆より検出された キラー酵母

K L 8 8株は 、 ヘテ ロ タリズムと報告され てい る

4 . 3 . 3 キラートキシ ンの 生成条件

1 3 5 )

キラー酵母B - 8 6株のキラートキシ ンの産生 に及ぼす培 養温度と培地のpHの影響に つい て検討した結果を図4-3 4 - 4 に示す。 培養温度が15'"'-'2 0 0Cでは高い キラー活性を 示したが 、 25 oCでは2日目以降活性が低下した 。 3 0 oCで はほとんど活性が認められなか ったが 、 後述のように3 0

。Cではキラートキシ ンが産性され てい るものの 、 本温度 で速やかに失活する こ とが明らかにな っ て い る。

次に培地のpH(4'"'-'6)がキラー活性に及ぼす影響に つい て検討した。 1 5 oCで培養し24及び9 6時間培養後のキラー 活性は 、 い ずれもpH 4 . 5付近に最大活性が見られた。 pH 4 では 活性は低くなり4 . 5から6にかけ次第に低下した 。 ま た培養時間が24時間よりも9 6時間の方がそれ ぞれのp Hで キラー活性は高か った。

4 . 3 . 4 キラートキシ ンの活性に及ぼす温度と境枠の

影響及びグリセ リン 添加の効果

K 1タイプのキラートキシ ンは 、 熱に不安定な物質であ り3 0 OC 、 3 0 分でその活性は半減し 13 6 ) 、 またプロ ナ ーゼ

処理 、 pHの変化 、 通気及び撹枠により失活が促進される

(41)

表4-6キラー酵母8-86株の4分子分析

sPO+ : SPO-= 4: 0 (4胞子嚢) KILL+ :KILL-= 4 : 0 (4胞子嚢)

SPO+ :胞子形成能あり KILL+ :キラー活性あり SPO-:胞子形成能なし KILL-:キラー活性なし

口C

0.8

三06

\

組0.4

偲 まミ

培 養 時 間(hr)

図4

- 2 B-86株の酸性ホスフアターゼ活性に 及ぼす無機リン酸濃度の影響

o : KH2P04濃度3mg/L ・: KH 2P04濃度30mg/L

6.: ッ 1,OOOmg/L

円tU 4EEA 4ti

(42)

ili li--ljl' s s za, tsv f ' E 1 f p , lllo

「h) ハィu (富) ハ/」

浬-E剖国

4

「hJ

3・­

響 E 士4

--hF l l

g

。�く1 ・ I

I

pH

図4-4 キラー活性に及ぼすpHの影響

。: 24時間培養液 .: 96時間培養液

6

図4-3 キラー活性に及ぼす温度の影響

。: 150C

. : 20oC,ム: 250C, �: 300C

4

、、,,,, 口u ,,,E‘、

目14

al 同H :

養 時 培

(43)

こ とが報告され ている 136・ ] 37> 。 キラートキシ ンの活 性が強くキラ スペクトル の広いH a n s e n u 1 a m r a k i iの生 産するK 9は、 10 0 OCでも安定だが 、 s . c e r e

v

i s i a eの生産

するK ]以外のK 2キラートキシ ンも温度安定領域は30 OC以 下であり 、 P i c h i a k 1 u y

v

e r i 、 K

�v

e r 0 m y c e s 1 a c t i sの キラートキシ シ ンでは4 0 OC以下が温度安定領域であると の報告がある138} o

方 、 o u c h iら]32>は硫酸ア ン モ ー ウム やグリセリンなどのp 0 1 y h y d r i c a 1 c 0 h 0 1により K ]キラ トキシ ンが安定化されると報告し ている 。

焼酎穆より分離されたキラ 酵母B - 8 6株の生産するキ

一フ トキシ ンの 温度及び通気による活性の低下とグリ

セリンの添加による安定化の効果に つい て検討した 。 1 5

^"30OCに おい て培養し て経時的に培養液を採取しキラー 活性を測定した結果を示した図4 - 5のように 、 グリセリ ンの存在下では30 OCに おい て も活性が残存し ているが グリセリン無添加では ほとんど活性がなか った 。

また2 5 ocではグリセリン添加により 、 無添加の1 5 oc培 養液と同等の活性が認められた o L ー.,. の こ とから30 OCに お い てもキラ トキシ ンは産生され て おり グリセリンに よりキラ トキシ ンが安定化され ている こ とが明らかに な った 。

図4 - 6にはB -8 6株により産生されたキラートキシ ンの

- 115 -

(44)

5 2二��く令〈弓

〈、3 4 . 5

培養時間(日) B

ハ〈JV

i←ム

ハ,/'」

( 国国 ) 摩 市見 当 国

A

4

4 5 6

培養時間(日)

5r'析

。一一-0 o

内4U

(富)

理事

� 2�(

g

l - -∞l

図4-5 キラートキシン生産に及ぼすグリセリ

A:YPD培地(pH4.6)O:15OC B:20%グリセリン添加YPD培地(pH4.6)ンの影響

参照

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