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培養時間(日)

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図4-5 キラートキシン生産に及ぼすグリセリ

A:YPD培地(pH4.6)O:15OC B:20%グリセリン添加YPD培地(pH4.6)ンの影響

活性に与える携持の影響につい て示した 。 20 %グリセ リ ン存在下では1 2 0 c y c 1 e / m i nで24時間振とう携持しても活 生の低下はほとんど認められない が 、 無添加では24時間

後にはほとんど活性は残存してい なか っ た 。 こ れらの結 果はB - 8 6株の生産するキラ トキシ ンもK 1キラ

ンと同様かなり不安定であるこ とを示してい る 。

トキシ

o u c h iら 1 32) はK 1キラートキシ ンがp H 4 . 5 、 20 %グリセ

リン 存在下で常温で1 ヵ 月以上活性を保持するこ とを報 告してい る

4 . 3 . 5 キラ 酵母B - 8 6株のキラータイプ

表4 - 7に各種キラー酵母とB - 8 6株の相互作用を示す 。 B-86株は宮崎酵母及び鹿児島工試酵母を殺し 、 K 2タイプ の5 1 7 0株とは互い に殺し合い 、 K 1タイプの5 0 3 8株及び K L 8 8株に対しては お互い に殺すこ とも殺されるこ ともな か っ た 。 キラ 活性が強く作用 スペクト ルの広い

H . m r a k i iのK 9は供試した酵母を全て殺した 。

R 0 g e rs1 3 9 > 、 Y 0 U n g 136】及びW i c k n e r 140 )は酵母問の殺

し合い の パターンからキラー酵母を1 1 のタイプに分類し てい る 。 S a c c h a r 0 m y c e s属酵母にはK 1 、 K 2及びK 3の3つの タイプがあり

同種のキラ

、 L.ーヲ' れらは互い に殺し合うこ とが知られ

酵母問では そのトキシ ンに対して免疫性を 持ち 、 殺すこ とも殺されるこ ともない 。 上記のキラー酵

一 117

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振とう時間(hr)

図4

-

6 キラー活性に及ぼす振とうの影響

.:YPD培地(pH4.6)

0: 20%グリセリン添加YPD培地(pH4.6) 振とう条件 250C,120cycle/min

表4-7 各種酵母に対するキラー酵母のキラー作用

抵 抗 試 験 株

キラー試験株 宮崎鹿児島 5038 KL88 5170 B-86 H.mrakii 酵母工試酵母(K1) (K1) (K2) ( K g)

B-86 + + +

5038(K1) + + +

5170(K2) + + + + +

H.mrakii(Kg) + + + + + +

+:抵抗試験株を殺す 一:抵抗試験株を殺さない

- 119

-母とB -8 6株の相互作用の結果から 、 B-8 6株はK 1タイプの キラー酵母であ った 。

また表4- 6に示したB -8 6株の4分子解析の結果では 、K 1 L L + (キラー性あり): K 1 L L -(キラー性なし) = 4 : 0に分隊 した こ とから 、 キラートキシ ン生産遺伝子は細胞質に存 在するこ とが確認された 。

K 1キラー活性には2種類のRN Aプラ ス ミドと多くの宿主 核遺伝子が関与してい ると言われてい る13 9 )

...

0 にー れらの

ds-RNAプラ ス ミドはそれ ぞれ別々に蛋白質に包まれ 、 細 胞内では非感染性のウイル ス様粒子として存在する 。 キ ラー遺伝子を担うのは1. 9 K bのM-dsRNAであり キラート キシ ンは本遺伝子によ って宿主菌内で生合成され 、 プロ

セ ッ シ ン グを受けてから成熟トキシ ン(分子量18. 5 K d )と して菌体外に分泌されるこ とが知られてい る 。 一方 、 L -dsRNAは両粒子上に共通に存在する コ ート蛋白質の主要 成分VL1A-Pl ( 分子量88 K d )を コ ードして おり 、 M-dsRNA をも っ粒子だけでは単独には存在するこ とができない と されてい る

B - 8 6株とキラータイプ標準株より抽出したRN Aプラ ス ミドのアガ ロ ー スゲル電気泳動を図4 - 7に示す 。 B - 8 6株 のL-dsRNAはK.1やK 2キラータイプ標準株とほぼ同じ分子 量であ ったが 、 M-dsRNAの分子量はK 1タイプの5 0 3 8株や

K L 8 8株より大きく、K 2タイプの5170株より小さく約1 . 8 k bであ った 。 K i t a n 0ら3D}は山梨県の ワ イン 工場より分

離したs. c erevisia eに属するキラー酵母Y -2では 、 d s -R N AはK 1とK 2の中間の分子量であり 、 K 2及びK 3を殺し

K 1に抵抗性を示すこ とより 、 Y - 2株はK 1タイプのキラー 酵母であろうと報告して い る 。 焼酎目安より分離したB -8 6株もK 2を殺し 、 K 1に対し抵抗性を示すこ と 、 本キラ

トキシ ンの至適p HがK 1の4. 7とほぼ同じく4. 5付近にあり 、 K 2の4. 0 "-' 4 . 2と異なる こ となどから 、 本Y -2株に類似の K 1タイプのキラー酵母であると確証した 。

4 . 3 . 6 キ ュ ア リン グ試験

キラー活性は高温培養及びシ ク ロ ヘキシ ミド処理に よ り失われ 、 呼吸欠損を引き起こ す臭化エチジウム やア ク

リ フ ラピ ン処理では脱落しない こ とが知られてい るI 25)。

高温培養及びシ ク ロ ヘキシ ミド処理に よるB - 8 6株のキラ 一活性の変化に つい て検討した 。

表4- 8に示すように40 OC培養ではB - 8 6株は100 %キラー 形質が脱落した 。 シ ク ロ ヘキシ ミド処理によるキラー性 の失活はO.lppmではK L 8 8株が41 %の脱落に比べて9 %と

低く 、 同処理に対する抵抗性があ った。 こ のキラー活性 を失 ったB - 8 6株のアガロ ー ス ・ ゲル電気泳動を行 ったと

こ ろ 、 M-dsRNAが脱落し て い る こ とが確認された(図4- 7、

121

-、11'LU LA r--z、

+-1.93

�-2. 23

4・4.26

._ 6.46

+9 .31 .... 23.3 M-dsRNA -争

L-dsRNA -....

5 6

ガロー ス ・ ゲル電気泳動 3 4

8-86株のア

2:8-86株のキュ アリング処理株 (シクロヘキシ ミド処理) 3 : 5 0 3 8 ( K 1キラー酵母)株 4 :8-86株

5 : 5 1 7 0 ( K 2キラー酵母)株 6:KL88株

7 : ー(Hi nd III fragment ofλD N A ) 図4 - 7

1 :鹿児島工試酵母

lane 2) 0 KL88株のキ ュ ア リ ン グ処理に つい ては 37 ocで 100 % 、 O.0 5ppmシ ク ロ ヘキシ ミド処理で50 %の脱落率と

報告されてい る 141} 0 4 . 3 . 7 発酵試験

Y P D培地及び焼酎麹培地を用い たキラー酵母B -8 6株と 鹿児島工試酵母の 、 30 OCにおける発酵試験の結果を示す

図4 - 8のように 、 Y P D培地ではB - 8 6株の発 酵速度は鹿児島 工試酵母に比べて遅い が 、 焼酎麹培地を用い た場合には 両酵母は同様の発酵経過を示し 、 焼酎移におけるエタ ノ ー ル発酵力も十分であ った 。

4 . 3 . 8 キラー酵母B - 8 6株と焼酎酵母の混合培養試験 清酒謬が1 7 oc以下で製造が行われるのに対して 、 焼酎 移では25 oc以上で発酵が進行し 、 32 oc前後に品温が上昇 する こ とがある 。 高温での培養は先に述べたようにキラ

ートキシ ンが失活する条件であり 、 培養酵母にと っては 優位であると考え られた 。 B - 8 6株と鹿児島工試酵母の28 OCにおける比増殖速度を測定したと こ ろ 、 後者がo . 247 に対し 、 前者はo . 259と速か った 。 B -8 6株が焼酎移中で 表4 - 3に示すような高占有率を示すのは 、 キラートキシ

ンによ って培養酵母を死滅させてい るのか 、 あるい は比 増殖速度の大き い こ とに起因してい るのかを明確にする ために 、 B -8 6株と鹿児島工試酵母の混合培養試験を 行 つ

- 123

-ラー性の脱落率 表4-8 キ

(% )

率落

目見

0.2ppmシクロヘ キシミド処理 0.1ppmシクロヘ

キシミド処理 400C培養

菌株名

100 100 9

41 100

94 8-86 KL88

焼酎麹培地 20

15

YPD培地 101-6

4

3

2

(切)酬州制mdu

1おO

発酵時間(Hr)

図4-8 8-86株,焼酎酵母(鹿児島工試酵母)の発酵試験 .: 8-86株 0:鹿児島工試酵母

YPD培地:グルコース15% ,酵母エキス0.3% ,ペプトン0.7%

焼酎麹培地:焼酎麹70g,水120ml 発酵温度:300C

\

108

素系 1"\7

司会 ょu fIi

106

24 48 72 96 24 48 72 96

図4-9 B-86株と焼酎酵母(鹿児島工試酵母)の混合培養試験

• : B-86株 初発菌数(3.8X105/ml)

0:鹿児島工試酵母 初発菌数(3.6XI05/ml) 培地:焼酎麹70g,水120ml

125

-た 。 2 5 oc 、 2 8 oc及び3 1 ocにおい て 、 B - 8 6株と鹿児島工試 酵母を1 : 1の割合で接種し て 培養し 、 両者の菌数の経時

的変化を計測した 。 図4- 9に示すように 、 2 5 oc及び2 8 OC では 、 鹿児島工試酵母の菌数は106jmlオ ーダーに抑えら れ 、 2 5 ocでは培養時間が4 8時間を過ぎると106jml以下に な った 。 3 1 ocでは 2 4時間経過時で10 Bオ ーダー近くま で 増殖した 。 それ以後は鹿児島工試酵母の菌数は減少し

107/ml以下とな った 。 こ れに対し て 、 B - 8 6株の細胞数 はい ずれの培養温度でも10 Bオ ーダーとな った 。 こ れ ら の結果から 、 3 1 ocにおい てもキラートキ シ ン の作用によ り培養酵母の増殖が抑えられ てい ると推測した 。

4 . 4 考 察

Y 0 U n gとY a g i uはキラー酵母の相互作用からキラー酵母

をK 1 '"'v K 1 0のタイプに分類した 。 S a c c h a r 0 m y c e s属のキラ

ー酵母はK 1 '"'v K 3の 3つのタイプが存在する 。 焼酎穆から 分離したB - 8 6株は 、 K 1 に対し て殺すこ とも殺されるこ と

もない こ と 、 K 2と殺し合うこ と 、 キラートキ シ ン の至適

p Hが4 . 5前後とK 1の4 . 7と ほぼ同じであるこ と 、 及び類似 のK 1タイプのキラー酵母が ワ イ ン の穆より見い だされ て い るこ となどから 、 M-dsRNAの分子量はK 1より小さか っ たが 、 B - 8 6株はK 1タイプのキラートキ シ ン を生産する酵 母と推察した 。

キラートキシ ン の致死作用には細胞の増殖が必要であ り 、 対数期の細胞は感受性が高く定常期ではほとんど感 受性がない J 37) 。 今村等1 .... 2 )は対数増殖期と定常期にお けるキラートキシ ン の吸着率にほとんど差がなく 、 こ の キラー感受性の差はキラートキシ ン の吸着量の差に よる ものではないと推論している 。 またキラートキシ ン を吸 着させた細胞を15'""300Cで培養したとこ ろ 3 0 oCにおい ても48時間後には死滅率48 %の結果を得 、 L-ー, のこ とから 3 0 oCにおいては30分で活性は半減するK 1キラートキシ ン も 、 一度感受性酵母の細胞に吸着された後は その失活は

少なく 、 致死作用は十分保持されていると推察される B - 8 6株と感受性酵母の混合培養試験の結果から 、 発醇温 度が比較的高く 、 30 OCを越え るこ ともある焼酎穆におい ても 、 B - 8 6株の生産するキラートキシ ン は感受性酵母に 吸着された後は失活せず 、 感受性酵母を殺すこ とができ ると考え られる 。

大内と川島2 9 )は清酒酵母の保存株400余株に ついてキ ラー酵母の検索を行い18 %がキラー株であ ったと報告し た 。 また昭和51年の調査29 )で全国の 211工場中9場( 4 . 2

%)からキラー酵母を検出している 。 一方焼酎では昭和 5 4年に岩田等33】 が調査を行 った南九州6 2場の焼酎謬か

らはキラー酵母は検出されず 、 多くがキラー感受性と報

- 127

-告されてい る 。 また泡盛の穆から分離された酵母からも キラー酵母は検出されてい ない 143) 0 B-86株は穆を採取 した4 0数工場のうちのl工場より検出された株であり その工場に棲み付い た家付き酵母と考え られる 。 一般に

目安中の野生酵母は麹に混じ って穆に混入する こ とが多い と言われる 。 本工場のその後の調査1 5 5 )で 、 麹中よりl口 株が検出された こ とより 、 L-ー, のキラー酵母も製麹操作中 に麹に混入し 、 修中で増殖したと推察される 。

4 . 5 小 括

焼酎百夢中 より分離した野生酵母に つい てキラー活性の 有無を調べた結果 、 ほとんどがキラー感受性酵母であ っ たが 、 ー工場よりキラー酵母を分離した 。 分献したキラ

一酵母B-8 6株はs. c e r e v i s i a eに属しH 0型ホ モ タリズム 株であ った 。

B - 8 6株の生産するキラートキシ ンは 、 至適p Hが4. 5前 後で 3 0 OCではキラー活性がほとんどなか ったが 、 グリセ リン 添加により3 0 OCにおい ても活性が保持された 。

B - 8 6株はキラー酵母同志の殺し合い パターンからK 1タ イプのキラー酵母と推考され 、 4分子分析の結果KILL+:

KILL- =4:0に分離しキラートキシ ン生成の遺伝子本体は 細胞質に存在する こ とが明らかにな った 。 ア ガ ロ ー ス ・ ゲル 電気泳動により二本のR N Aのバン ドが検出された 。

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