別紙1
論 文 審 査 の 要 旨
報告番号 甲・乙 第 2735 号 氏 名 小渕 律子
論文審査担当者
主査 教授 高木 康 副査 教授 中館 俊夫
副査 教授 内田 直樹
(論文審査の要旨)
抗悪性腫瘍薬 TS-1 Ⓡ服用による涙道閉塞、角膜炎などの眼症状が報告されている。TS-1Ⓡ の主成分テガフール (FT)および活性代謝物 5‐フルオロウラシル (5‐ FU)のヒト涙液中濃 度は報告されていない。本研究では親水性相互作用液体クロマトグラフィータンデム質量 分析(HILIC-MS/MS)によるヒト涙液中 FT および 5-FU の高感度な同定・定量法を開発した。
涙液 10µL に、2M 酢酸アンモニウム溶液 40µL、2%ギ酸アセトニトリル 250µL を加えて液-
液抽出を行い、遠心分離した上清 15µL を直接 HILIC-MS/MS に注入する。ネガティブ大気 圧化学イオン化法(APCI)を用いた多重反応モニタリング(MRM)測定により 1 分以内に FT お よび 5-FU が感度良く検出できた。本法を用いて TS-1Ⓡ投与患者の涙液を分析したところ、
未変化体 FT だけでなく、活性代謝物 5-FU も同定・定量できた。
本研究は涙液中の FT および 5-FU を簡便・迅速・高感度に同定・定量できる方法を開発 し、涙液を用いた TS-1 副作用研究の新しい手法を開発した点で、学術上価値があり、学 位論文に値すると判断した。
論文題名:HILIC-MS/MS 法によるヒト涙液中 tegafur 及び 5-fluorouracil の 高感度分析法
掲載雑誌名:昭和学士会雑誌第 76 巻第 2 号 2016 年掲載予定
(主査が記載、500字以内)