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もくじ女性のこころとからだの変化 4 健康を支える基本は生活習慣です 6 月経のしくみ 8 月経周期を知っていますか? 9 月経がない周期が乱れる経血量が多い 11 月経痛がひどい月経困難症 12 月経開始 3 10 日くらい前から体調がすぐれない月経前症候群 (PMS) 13 子宮内膜症 子宮腺筋

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女性のため

健康ガイド

[第11版]

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も く じ

女性のこころとからだの変化

4

健康を支える基本は生活習慣です

6

月経のしくみ

8

月経周期を知っていますか?

9

月経がない 周期が乱れる 経血量が多い

11

月経痛がひどい

 月経困難症 12

月経開始3〜10日くらい前から体調がすぐれない

 月経前症候群(PMS) 13   子宮内膜症、子宮腺筋症 14   子宮筋腫 15

月経ではない出血がある

16   子宮頸がん・子宮体がん 17

下腹部がふくれるのが気になる

18   卵巣腫瘍、卵巣がん 19

おりものが多い においがへん

20

乳房に何か起こっていませんか?

22   乳がん 23   やってみよう!● 乳がんの自己チェックをしてみましょう 24   定期的に受けよう!● 乳がん検診を必ず受けましょう 25

更年期って何が起こるの?

26   やってみよう!● 更年期の症状を自己チェックしてみましょう 28   ストレス解消法● 更年期の不調とうまく向き合いましょう 29   骨粗しょう症、脂質異常症・高脂血症 30   甲状腺機能亢進症・低下症、認知症 31

トイレが近い 尿がもれる

32

ヘルスダイアリー

34

(3)

女性のからだとホルモン

女性のからだは、本来持っている 赤ちゃんを産むための機能を中心に 一生を通じて大きく変化します。 思春期(8〜18歳ごろ)は、女性 ホルモンのひとつである卵胞ホルモ ン(エストロゲン)の産生が急激に 増え、大人へと成長していく時期で す。性成熟期(18〜45歳ごろ)は、 排卵・月経のリズムも安定し、とく に20〜30歳代は妊娠・出産・育児 のための機能が備わる時期といえま す。更年期(45〜55歳ごろ)は、 卵胞ホルモンの分泌量が急速に減少 し、ホルモンバランスの乱れが心身 にさまざまな影響を及ぼします。そ して約半数の女性は50歳前後で卵胞 ホルモンの分泌が停止して閉経を迎 え、やがて老年期に入ります。 また近年、女性の生き方が多様化 し、ライフスタイルも変化していま す。女性の活躍する場が増えたこと で、新たなストレスも発生し、晩婚 化や出産する回数の減少、食生活の 欧米化なども、女性のからだと健康 に大きな影響を与えています。 充実した人生を送るためには、か らだもこころも健康であることが求 められます。自分のからだについて の正しい知識をもち、からだからの サインを見逃さないようにすること がとても大切になります。

かかりつけの婦人科医を

もちましょう

女性のヘルスケアは主に婦人科医 が専門としており、女性の一生を通 じて、女性特有の心身の問題への対 応にあたっています。また婦人科だ けでなく、内科などの病気を含めた 治療にあたるのが女性総合外来で、 最近その数も増えています。 思春期から性成熟期を経て更年期、 そして老年期まで、健やかに過ごす ためにも、いつでも相談できて、ア ドバイスが受けられる「かかりつけ 医」をもつことをおすすめします。 この冊子は、主に女性特有の症状 や病気についてまとめたものです。 また、パートナーである男性にもぜ ひ手にとっていただき、女性のデリ ケートなからだとこころを理解する ことで、より良い関係づくりの一助 にしていただければと思います。

は じ め に

見逃さないで、からだからのサイン

(4)

環境

変化

加齢の進行

年齢

女性のからだは、女性ホルモンの影響によって変化します。 長い人生を健康で快適に過ごせるよう、 各時期のこころとからだの特徴を知っておきたいですね。簡単に見渡しましょう。

女性のこころと

思春期  初経を迎え、卵胞ホルモン(エストロゲン) の分泌量が急激に増え、大人の女性へと成長 していきます。しかし、からだの成長に比べ てこころの成長が未熟でアンバランスになる ことも。からだや性について正しい知識を身 につけることが大切です。 性成熟期  心身ともに成熟期に入り、就職、結婚、出 産など、人生の中でも充実した時期です。結 婚や出産について、自分でライフプランをた て選べる時代になりました。しかし、その選 択ができるのも健康なからだとこころがあっ てこそ。  さまざまな女性特有の病気もこの時期から 増えてきます。ふだんの健康管理に気をつけ、 定期的な検診も習慣づけたいものです。

小児期

思春期

性成熟期

二次性徴 月経異常(P11〜12) 望まない妊娠 性感染症(P20) 月経異常(P11〜12) 月経前症候群(P13) 妊娠・出産 不妊、家族計画 子宮内膜症(P14) 子宮筋腫(P15) 卵巣腫瘍(P19) 悪性腫瘍(P16〜25)

(5)

環境

変化

加齢の進行

年齢

からだの変化

更年期  卵胞ホルモンの分泌量が減少し、ホルモン バランスが乱れやすく、いわゆる更年期障害 といわれる心身の不調があらわれる時期です。 子どもの独立に伴って感じる寂しさや老親の 介護など、ストレスの要因をかかえやすい時 期ともいえます。 老年期  卵胞ホルモンの分泌が停止し、からだのさ まざまな部分で少しずつ老化が始まります。 内臓機能が低下し、しみやしわができ、白髪 が増え、骨がもろくなる――これらの変化は ふだんのこころがけや生活習慣によって、そ の出方とスピードに個人差があらわれます。 若いとき以上に健康に気をつけ、これからの 人生を楽しみたいものです。

更年期

老年期

更年期障害(P26〜29) 生活習慣病 悪性腫瘍(P16〜25) 萎縮性腟炎(P21)、性交障害 尿もれ(P32〜33)、性器脱(P33) 骨粗しょう症(P30) 脂質異常症・高脂血症(P30) 心血管障害 認知症(P31)

(6)

バランスよく食べましょう

1日3食、栄養バランスのとれた食事をとりまし

ょう。「ごはん」(パン、めん類)のほかに、たん

ぱく質を中心としたメインの「おかず」(肉、魚な

ど)と、もう一品(野菜、きのこ、海藻など)つ

けましょう。脂質を抑えるには和食が理想的です。

運動を無理なく楽しく続けましょう

適度な運動は、自律神経の働きを活発にし、全

身の血行をうながします。習慣化することで、生

活習慣病の予防やストレス解消など、さまざまな

効果があります。自分に合った運動やスポーツを

楽しみながら続けましょう。

「やせ」も「肥満」も要注意です

無理なダイエットによる「やせ」は、無月経や

低体温などの原因になります。食事や運動などの

生活スタイルを見直し、BMI値をめやすに体重の

コントロールに気をつけましょう。また、「やせ」

や妊娠中の過度な体重制限は、赤ちゃんにも大き

な影響がありますので、注意が必要です。 

「肥満」は生活習慣病の原因になるばかりでな

く、ホルモンの分泌リズムを狂わせ、月経不順や

不妊の誘因になることもあります。

いつまでも美しく健康でいたいものです。そのために必要なことは、基本的な生活 習慣を整えること。食事のバランスに気をつけ、運動の習慣を取り入れるなど、 毎日の小さな積み重ねが、健康と美を保つためのポイントです。

健康を支える基本は

BMI= 体重(kg)÷身長(m)÷身長(m) 低体重 (やせ) ふつう 肥 満 BMI値18.5未満 BMI値18.5以上25.0未満 BMI値25.0以上

(7)

生活習慣です

からだを冷やさないようにしましょう

季節を問わず手や足の先が冷える「冷え性」は、

女性に多くみられます。冷えるとからだの免疫力

が落ち、月経不順などの原因にもなります。また、

冬でもミニスカートで素足は、将来、不妊などの

影響が出てくるので、10歳代から注意しましょう。

夏の冷房のある部屋では1枚はおるなど衣服に

注意する、冬はからだをあたためる食べ物(しょ

うがなど)を積極的にとる、シャワーだけでなく

湯船につかるなど、ふだんから、からだを冷やさ

ないように気をつけましょう。

排便・排尿は健康のバロメーターです

便秘は健康の大敵です。便秘の原因はさまざま

ですが、朝食をとり、栄養バランスに気をつけ、

適度な運動をすることで便秘を予防することがで

きます。また頻尿や尿もれなどや排尿に関するト

ラブルがあれば早めに受診しましょう。

タバコはNG、お酒はひかえ目に

喫煙は美容や健康の大敵であり、妊娠・出産や

子どもの成長にも悪影響を及ぼします。また飲酒

の機会があるときは、「ひかえ目」を心がけ、飲み

過ぎたり習慣化しないようにしましょう。

(8)

①中枢(視床下部・下垂体)からの刺激ホルモン (卵胞刺激ホルモン・黄体化ホルモン)の分泌 ②卵巣での卵胞の成熟と卵胞ホルモン (エストロゲン)の産生・分泌 ③子宮内膜がエストロゲンに反応して厚くなる (増殖する) ④成熟した卵胞が破裂し(排卵)、排卵後の卵胞組織が 黄体に変化・黄体ホルモン(プロゲステロン)を産生・ 分泌する ⑤エストロゲンで増殖した子宮内膜にプロゲステロンが 作用し、受精卵を受け入れるための変化を起こす ⑥-1 妊娠しなかった場合:月経が起こる 黄体が約2週間で機能を停止し、ホルモンが低下して 子宮内膜が剥げ落ち、月経として排出される。次周期 の準備が始まる(①へ戻る) ⑥-2 妊娠した場合:月経は起こらない 受精卵が着床した後にできた胎盤からの刺激ホルモ ンで黄体機能が維持される

月経は、体調を知る手がかり

月経は、中枢(脳)・卵巣・子宮からなるシステムがホルモンによって

調整され起こります。このシステムはデリケートで複雑なしくみになって

いますので、身体的な異常だけでなく、精神的ストレスなどによっても影

響を受けます。

女性は思春期に初めての月経(初経)を迎え、その後閉経前までほぼ一定の周 期で月経が訪れます。しかし心身に大きな異変・不調が起こると月経も影響を 受けて乱れますので、月経の状態は健康の大切なバロメーターとなります。

月経のしくみ

月経は女性の健康状態を知らせる大切な「健康のバロメーター」です

エストロゲン 視床下部 下垂体 卵巣 子宮 プロゲステロン 卵胞刺激ホルモン 黄体化ホルモン

(9)

性成熟期の女性では、女性ホルモンが一定のリズムで分泌されます。月経はこ のリズムに従って約4週間の周期で起こります。 また、こころやからだの状態もこのリズムの影響を受けますので、月経の状態 を知っておくことは大切です。

月経周期を知っていますか?

正常な月経は25〜38日間の間隔で起き、平均的には約28日周期です

ホ ル モ ン の 分泌 卵胞ホルモン (エストロゲン) 月 経 排卵 黄体化ホルモンの刺激で 排卵が起こる 低 温 期 卵胞が育っていく時期 高 温 期 プロゲステロンの影響で 体温が上がる 月 経 卵胞刺激 ホルモン 黄体化 ホルモン 1日目 4 7 13∼15 25∼38 黄体ホルモン (プロゲステロン) 基礎体温 の 変化 12±2 卵胞が育っていく(①∼③) 排卵④ 黄体の形成(⑤∼⑥) ⑦ 高温期の日数は一定で、12 日 ±2 日です。 低温期と高温期の差は 0.3℃以上です。 低温期の日数には個人差があり、同じ個人でも変動します。

正常な月経周期では、約14日間低温期が続いたあとに高温期が14日間

続き、月経になります。低温期から高温期に移行するころを中心に、多く

は排卵が起きています(28日周期の場合)。

巻末に基礎体温表がありますので、活用しましょう。

(10)

基礎体温を測ると、次のようなことがわかります。

● 月経周期のパターン(周期の日数、規則的か不規則か、出血の日数など) ● 排卵の有無(低温期と高温期の差が0.3℃以上で、高温期が約10日続いていれば排 卵はあります) ● 不正出血の原因(無排卵などの卵巣機能の異常による出血か、びらんや子宮筋腫、子 宮がんなどの腫瘍による出血か) ● 黄体機能の判定(高温期が7日より短いと、不正出血や不妊の原因になることもあ ります) ● 妊娠の可能性(高温期が2週間以上続いた場合) ● 月経の周期と自覚症状の関連   月経前にみられる→月経前症候群(PMS)   月経開始後に始まる→月経困難症   低・高温期への移行期→排卵痛   経血の量が多い・血液の塊かたまりが出る→子宮筋腫などの子宮の疾患、血液の疾患など その他にも記録していて気になることがあれば、産婦人科医を受診しましょう。 不正出血 月経 無排卵の場合 妊娠した場合 低温期だけで高温期がない場合 高温期が2週間以上続く

基礎体温はからだからのメッセージです

日ごろの体調不良が、実は月経前の頭痛だった、排卵日近くになると下

腹部痛が起こっていた……など、基礎体温を測ることで、原因や対処法が

わかることもあります。基礎体温は重要な情報源。受診時にも役立ちます。

たとえば、このようなときは何かのサイン

(11)

病院に行く前に

月経がない

妊娠の可能性がないのに前の月経から3か月以

上たっても次の月経がない場合が続発性無月経で、

ホルモンバランスの乱れや、脳、卵巣、子宮など

の異常が原因として考えられます。一方、18歳に

なっても月経がみられない場合が原発性無月経と

いいます。乳汁の分泌を促すプロラクチンが過剰

に分泌される高プロラクチン血症で無月経になる

こともあります。いずれの場合も、受診を。

周期が乱れる

思春期や更年期では卵巣機能が順調に働かない

ために、月経周期も乱れがちに。しかし性成熟期

に周期の乱れが続く場合は、いろいろな問題が隠

れていることもあるので、注意しましょう。

経血量・月経周期の変化や異常

経血量が極端に少なかったり、多かったり、期

間が短くなったり長引いたりするのは、思春期や

閉経に向かう更年期にはよくみられます。しかし、

卵巣機能が極端なダイエットやストレスの影響を

受けている場合もあります。30代以降の女性に多

い子宮筋腫(P15)があると経血量が多くなるこ

とがあり注意が必要です。

月経が始まった年齢、それ までの通常の月経の状況 (1 回あたりの月経血の量 (経血量)、下腹部痛などの 月経に伴う症状はあるかな ど)、最後の月経がいつあっ たか、を整理してメモして おきましょう。 女性ホルモン分泌の周期的な変化によって規則的に訪れる月経。もし周期や経 血量(月経時の出血量)などに変化があれば、病気を知らせるサインかもしれ ません。自己判断せずに産婦人科を受診しましょう。

月経がない 周期が乱れる 経血量が多い

原発性無月経、続発性無月経、高プロラクチン血症など

(12)

月経時に…

月経困難症

何らかの病気が原因となって起こる場合(器質

性月経困難症)と、とくにこれといって原因とな

る病気がなく、生活習慣やストレスなどによって

起こると考えられている場合(機能性月経困難症)

があります。

原因と考えられる病気には、子宮内膜症、子宮

筋腫、子宮腺筋症(P14〜15)などがあります。

痛みの原因が病気によるものかそうでないかは

自分ではわかりません。また痛みの感じ方には個

人差があるので、それが月経困難症なのかどうか

判断に迷うところでしょう。いずれにせよ、「月経

痛がひどい」と感じたら、治療が必要な病気の場

合もあるので、まず受診してください。

●下腹部が痛い ●腰痛や頭痛がある ●胸がむかむかする ●痛みがひどく、鎮痛薬を 飲まないと日常生活に支 障をきたす がまんできないほど強い月経痛があるのが月経困難症です。月経困難症の痛みは月経開始後数 日続きますが、その後は自然に軽快します。しかし、また次の月経時には、くり返し同じよう な症状がみられます。そのほかに、むかつき、腰痛、頭痛などの症状を伴うこともあります。

月経痛がひどい

月経困難症

月経と生活習慣 日本人の場合、月経がある女性の約 7割が月経時に何らかの症状・困難を 感じています。 特定の病気がない月経痛は、ストレ スや冷えからくることもあります。気 分転換をはかり、お腹や腰を冷やさな いように心がけ、骨盤の中の血液循環 を促しましょう。激しいスポーツや過 度のダイエット、あるいは過食による 太り過ぎなども月経痛をひどくする原 因になることがあります。食事の栄養 バランスはとれているか、睡眠不足に なっていないか、ふだんからガードル などで下腹部を締め付けたり、ミニス カートなどでからだを冷やしたりして いないかなど、生活習慣を見直してみ ましょう。 とくにこれといった 原因となる病気を確 認できないケース (機能性月経困難症) 月経困難症 子宮内膜症、子宮筋 腫、子宮腺筋症など があるケース(器質 性月経困難症)

(13)

PMS のチェックポイント

月経前症候群(PMS)

 premenstrual syndrome

★気分がしずんだり、イライラすることがある

気分がしずむ、やる気がでない、イライラする、

というのもよくみられる症状です。理由がわから

ないよりも、これはPMSだ、と気づくことで、少

しは楽になることができるでしょう。あまり辛い

ようであれば、カウンセリングや薬を使う方法も

あるので、婦人科医に相談を。

★乳房が張ったり痛くなったりする

月経の1週間ほど前から、乳房が張ったり痛く

なったりすることがあります。月経が始まるとお

さまるのですが、また次の月経の前に同じような

症状がみられるのであれば、それはPMSの症状の

ひとつです。その他、PMSには下腹部が張る、

手足がむくむなどさまざまな症状があり、あらわ

れ方や程度には個人差があります。

*月経開始の 3 〜 10 日くらい 前から… ●イライラする ●理由もなく不安になる ●眠くなる ●だるくなったり、疲れや すい ●むくみがちになる ●乳房が張ったり、痛くな る 月経開始の3〜10日くらい前から月経までの間にあらわれるこころやからだの 不調を月経前症候群(PMS)といいます。さまざまな症状のために、日常生活 に支障をきたすこともありますので、注意しましょう。

月経開始3〜10日くらい前から

体調がすぐれない

月経前症候群(PMS)

月経の異常が不妊の要因になることも 避妊をせずにセックスをしているの に1年以上経ても妊娠しない場合を不 妊といいます。統計的には10組に1組 ですが、その割合が徐々に高くなって きています。不妊の原因は男性にある こともありますが、女性の場合、30代 後半になると卵子も老化して妊娠しに くくなるといわれているので、晩婚化 もその要因のひとつと考えられます。  月経の異常は不妊の重大な原因のひ とつです。将来、出産を計画している 人で、月経異常が続く場合には、早め に産婦人科を受診しましょう。

(14)

子宮内膜がさまざまなところに侵入発生することで、月経痛などの原因になります。

どんな病気?

 子宮内腔の表面をおおっている膜が 子宮内膜です。原因はよくわからない のですが、子宮内膜が、卵巣、卵管、腸 管の表面などの本来は存在しない場所 に侵入発生し、増殖するのが子宮内膜 症です。とくに卵巣内部に発生して血 液が溜まるのがチョコレート嚢胞です。  子宮内膜は卵巣ホルモンの周期的変 動を反映して変化し、月経時にはホル モンが減少するのを受けて子宮内膜が はがれ落ちて月経が起きます。子宮内 膜症で本来存在しない部位に発生した 子宮内膜でも、同様にホルモンの影響 を受け、その部位で出血します。出血 が組織の中や、閉ざされた部位に発生 しますので、下腹部痛などの症状を起 こすと同時に、周囲の臓器や組織との 癒ゆ着ちゃくが起こり、それに卵管や卵巣が巻 き込まれると不妊の原因になることも あります。 

症状は?

 進行するにつれ月経痛の程度が強く なります。周囲の臓器や組織と癒着す ると、月経時以外にも下腹部痛を起こ し、腰痛、性交痛、排便痛などを伴い ます。 

治療法は?

 薬物療法と手術、および両者を組み 合わせた治療があり、病状の進行度、 年齢、妊娠希望の有無などによって選 択されます。軽度の場合には、鎮痛剤 による対症療法を行います。長期にわ たり月経痛があり、次第に痛みがひど くなる場合は、女性ホルモンの分泌を コントロールする薬によるホルモン療 法が必要です。重症で薬物療法だけで は十分な効果が得られない場合には、 病巣部を摘除するか子宮全体を摘出す る手術が必要です。またその前後に薬 物療法を行う方法がとられます。

子宮内膜症

子宮腺筋症

月経異常に関連する病気  子宮内膜症が子宮の筋層(筋肉内)に侵入発 生するもので、子宮内膜症とは別の病気として あつかわれています。主な症状は月経痛で、過 多月経になることもあります。経産婦に多く、 分娩や流産が関係していると考えられています。

(15)

良性の腫瘍ですが、経血量の増加や月経痛の原因になることがあります。

どんな病気?

 子宮の筋層を形成する平滑筋から発 生する良性の腫しゅ瘍ようで、成人女性の2〜 5割は子宮筋腫により何らかの症状を きたしますが、無症状で筋腫がある女 性は成人女性の7〜8割に達するほど一 般的な病気です。筋腫の塊かたまりがひとつの こともあれば多数あることもあり、大 きさもまちまちで、症状の種類や程度 は数や大きさだけに関係せず、発生し た部位により異なります。  筋腫ができる場所によって、次の3 つに分類されます。   漿しょう膜まく下か筋腫 子宮の外側に突き出す ようにできるもの。筋腫の発生部位 が子宮内腔ではないので過多月経な どの症状があまりなく、ある程度ま で大きくなるまで気づかないことも あります。大きくなって周囲の臓器 を圧迫して、頻尿・便秘や腰痛の原 因になることもあります。   筋層内筋腫 子宮の筋肉の中にでき るもの。月経痛が主な症状となり、 過多月経、貧血などの症状があらわ れることもあります。   粘膜下筋腫 子宮の内側、内腔にで きるもので、内腔を変形・拡大させ るため月経の期間が長くなり、過多 月経、月経痛、貧血などの症状があ らわれます。ま た茎を伸ばして 発育する有ゆう茎けい粘ねん 膜 まく 下か筋腫では不 正出血が主な症 状になります。

治療法は?

 筋腫が小さく、日常生活に支障とな るような症状がない場合は、閉経まで は大きくなることもあるので定期的に 経過を観察します。貧血などの症状が ひどいときは造血剤を使用して症状の 改善をはかりますが、無効の場合には 女性ホルモンの分泌を抑えて月経を止 める薬物療法が行われます。  筋腫が大きくなり不妊や流産の原因 になるときは、手術で筋腫のみを切除 します。妊娠・出産を望まない人や、症 状が悪化し、子宮をとらないと健康が 保てない場合は、子宮全体をとります。

子宮筋腫と妊娠・出産

 子宮筋腫があると不妊になったり、 妊娠しても流産しやすいといわれてい ますが、筋腫があっても出産は可能で す。しかし筋腫は妊娠中に大きくなっ たり、発生部位や大きさによっては分 娩の妨げになる場合もあるので、妊娠 の前に受診しておくことが大切です。

子宮筋腫

月経異常に関連する病気 筋層内筋腫 漿 しょう 膜 まく 下か筋腫 粘膜下筋腫

(16)

子宮がんによる出血

不正出血がある場合に最も注意すべき病気は子

宮がんです。子宮腟部のびらん(ただれ)や子宮

頸管ポリープなどと区別するために細胞診が必要

です。子宮がんには、子宮の下方の腟につながる

部位にできる子宮頸がんと、子宮の内腔にある子

宮内膜から発生する子宮体がん(内膜がん)があ

ります(子宮頸がんの予防ワクチンはP21参照)。

妊娠にかかわる出血

予定よりも月経が遅れ、腹痛を伴った出血があ

れば、流産や子宮外妊娠のこともあります。早め

の処置が必要なので急いで受診してください。

そのほかの出血

検査しても原因を特定できない出血もあります

(機能性子宮出血)。思春期や更年期のホルモンバ

ランスの乱れ、ストレスや過度のダイエットが原

因になることもあります。病気というわけではあ

りませんが、貧血をまねきやすいので、不安を解

消するためにも早めに受診しましょう。

月経以外の出血はすべて不正出血です。不正出血には、検査によって出血の原因を特定で きるものと、特定はできないもの(機能性子宮出血)があります。不正出血があっても、お りものに混じってわかりにくい場合もあるので、おりものの色の変化にも気をつけましょう。

月経ではない出血がある

チェックポイント ●月経時以外に出血する ●予定よりも、月経が1週 間遅れている ●おりものが急に増えた ●このところストレスが多 い生活をしている ●ダイエットをしている

子宮頸がん、子宮体がん、流産、子宮外妊娠、機能性子宮出血

(17)

早期発見・早期治療が大切です。定期的に検診を受けましょう。

どんな病気?

 子宮がんには、「子宮頸がん」と「子 宮体がん」の2つの種類があります。   子宮頸がん 30歳代以上にみられる ことが多かったのですが、最近は20 歳代での発症が増えています。また 子宮頸がんの発症はヒトパピローマ ウイルスの感染が関係していること がわかっています。初期の出血は少 量で、性交時に出血がみられること もあります。進行すると出血が続き、 量も多くなります。   子宮体がん 出産経験のない女性が かかりやすく、40歳代以上に多いが4 ん4 です。  いずれも、悪性腫瘍であり、初期は 自覚症状がない場合もあるので、早期 発見のためには定期的に検診を受けま しょう。また不正出血があれば、すぐ に婦人科を受診してください。  子宮頸がん検診は、子宮の入り口で ある子宮頸部の細胞を採取します。検 診で異常な細胞が認められたら、悪性 の変化かどうか確かめるために専門医 による精密検査を受けてください。  子宮体がん検診は子宮内膜の細胞を 採取して異常の有無を診断します。不 正出血があるときや、閉経したのに出 血がみられたときは、すぐに体がん検 診を受けてください。

治療法は ?

 がん4 4 の進行度によって異なりますが、 年齢、妊娠・出産を望むかどうかなど を考慮しながら決められます。  初期の頸がんの場合は、子宮頸部の 一部を切除する円錐切除術を行い、子 宮を残すことは可能です。  頸がん、体がんどちらも進行すると、 子宮全体、さらに子宮の周囲にあるリ ンパ節や卵巣、卵管なども含めて摘出 することになります。  手術とともに、抗がん剤治療、放射 線療法、ホルモン療法などを単独ある いは組み合わせて行います。  近年は、早期発見・早期治療により 生存率も高くなっています。

子宮頸がん・子宮体がん

不正出血に関連する病気 子宮頸がん 子宮体がん ※子宮頸がんについては、自治体による検診を20歳から受けることができます。  詳しくは、住んでいる市区町村のがん検診担当窓口に問い合わせてください。

(18)

チェックポイント ●スカート、パンツのウエ ストのところがきつくな った ●鏡で自分の姿を見ると、 へそより下がふくらんで いる

子宮筋腫

スカートが入らなくなった、と思っていたら子

宮筋腫だった、ということも。仰向けになってお

腹をさわると、コロコロしたしこり

4 4 4

のようなもの

に触れる場合もあります(詳細はP15参照)。

卵巣腫瘍

卵巣腫瘍ができていることもあります。下腹部

にしこり

4 4 4

があり、急に大きくなるようだったら、

すぐに専門医の診断を受けてください(詳細は

P19参照)。

肥満

40歳を過ぎると、ホルモンバランスの乱れから

太りやすくなります。肥満は高血圧や糖尿病など

生活習慣病の原因にもなるので要注意です。市区

町村や職場などの健診を受け相談しましょう。

妊娠

ちょっと太ったと思っていたら妊娠していた、

というケースもあります。思春期や閉経間近で月

経周期が不規則な場合は妊娠に気づかないことも

あるので気をつけてください。

お腹の周りが大きくなった時には太ったと思いがちですが、しこり4 4 4 があったり 圧痛がないか、お腹全体をさわってみましょう。 また腸や膀胱などの臓器に異常があり、婦人科以外の病気の可能性もあります。

下腹部がふくれるのが気になる

子宮筋腫、卵巣腫瘍、肥満、妊娠

(19)

卵巣腫瘍の早期発見は困難です。疑わしければすぐに受診しましょう。

どんな病気?

 卵巣は、毎月排卵をくり返し、女性 ホルモンを分泌するなど女性の健康に 重要な役割を担っています。卵巣腫瘍 があっても無症状であることが多く、 他の婦人科の病気や妊娠時の診察で偶 然発見されることが少なくありません。 ほとんどは良性群の卵巣嚢腫(のうし ゅ:液体が溜まった袋状の腫瘍)です が、その他に中間群と卵巣がんを含む 悪性群があります。  正常な卵巣は親指大くらいの大きさ ですが、腫瘍となり、こぶし大程度に なると、下腹部に塊かたまりを感じることがあ ります。しかし、多くはお腹が張った ような感じのみで、受診してはじめて 発見されることもあります。 (卵巣がんには遺伝性のものもあります。なお、遺伝 性の場合、卵巣がんと乳がんの発生には関連がみら れます。P25参照)

治療法は?

 良性腫瘍でとくに症状がなく、大き さが6㎝未満であれば、定期的に診察 を受けながら様子をみます。約6㎝以 上に大きくなってしまうと手術を行う べきか、どのような手術が適当かを検 討します。手術方法には開腹術と内視 鏡下手術があり、腫瘍の大きさや性質、 年齢、妊娠の希望の有無によって、腫 瘍部分だけを摘出するか卵巣全体を摘 出するかが選択されます。  また時には卵巣腫瘍と子宮・卵管と の間がねじれることがあり(茎捻転)、 強い腹痛やむかつきが突然起こり、緊 急手術が必要になる場合があります。  卵巣がんであれば、基本的には手術 によって病巣部を全て摘出します。腫 瘍自体の大きさに関係なく、手術後に 標本を検査しないと良性・悪性を確定 できないことも少なくありません。  悪性で転移がある進行例では、両側 卵巣のみならず、子宮やリンパ節を含 めた広範の手術が必要となり、手術の 前や後に化学療法(抗がん剤治療)が 追加されます。現在でも早期発見・診 断が一般に困難で、進行例の治療効果 は十分とはいえません。

卵巣をとったらどうなるの?

 卵巣は2つあります。健全な片方の 卵巣が残っていれば、女性ホルモンの 分泌も排卵もあるので妊娠も可能です。 両方ともとると、女性ホルモンがなく なり、閉経後と同じ症状があらわれ、 また全身の機能が低下することになり ます。生殖年齢に手術によって両側卵 巣が摘出されると人工閉経となり、ホ ルモン補充療法(P29参照)が必要と なる場合もあります。

卵巣腫瘍、卵巣がん

下腹部のふくれに関連する病気

(20)

チェックポイント

性感染症(STD)

 sexually transmitted diseases

性交によって感染する病気が性感染症(STD)で

す。クラミジア感染症、淋病、梅毒、トリコモナ

ス膣炎、尖

せ ん

け い

コンジローマ、性器ヘルペスなどが

あります。とくに若い女性でクラミジア感染症の

感染が多くみられる傾向があり、また近年、梅毒

に感染するケースも急増していますが、いずれも

目立った初期症状がないので注意が必要です。

性感染症は原因によって治療法は異なりますが、

治療できる病気です。しかし、パートナーと一緒

に治療を受けないと効果が得られません。不妊の

原因になることもあるので、十分に予防し、おか

しいと感じたらすぐに検査と治療を受けましょう。

●どんな色ですか? ●量は多いですか? ●かゆみはありますか? ●においが気になります か? 腟や子宮などから分泌されるおりものは、月経の周期によって変化します。 異様なにおいがしたり、色や量などがいつもとちがうときは、病気の可能性も。

おりものが多い

性感染症(STD)、子宮頸がん、萎縮性腟炎

避妊と性感染症予防について 「望まない妊娠」や「予定外の妊娠」 を避けるためには、避妊しなくてはな りません。避妊法にはいろいろありま すが、一般的によく使われているのが コンドームと低用量ピルです。 コンドームには、避妊効果だけでな く、性感染症を予防する効果がありま す。 ピルは卵胞ホルモンと黄体ホルモン を配合した錠剤で、これを服用すると 排卵が抑制されるため、妊娠を避ける ことができます。低用量ピルは、日本 では1999年9月に認可され、婦人科で、 がん検診、肝機能検査等を受け、問題 がなければ処方してもらえます。 また、ピルには月経困難症を軽減し たり子宮内膜症の防止など、避妊以外 の効果があることもわかっています。 望まない妊娠を防ぎ性感染症を予防 するには、コンドームと低用量ピルを 併用するのが確実です。

(21)

子宮頸がん

子宮頸がんは初期には症状がないので、早期発

見のためにも、20歳を過ぎたら少なくとも2年に

1回は検診を受けましょう。性交時の出血が子宮

頸がんではよくみられ、また頸がん発症には性行

為が深く関わっています。進行すると、不正出血

のほか、悪臭のするおりもの、下腹部痛などの症

状が出てきます。治療については P17を参照くだ

さい。

萎縮性腟炎

更年期になると、卵巣から分泌されるエストロゲンの

量が少なくなるために、腟粘膜が萎縮して薄くなります。

腟がもっている自浄作用も低下して感染しやすくなり、

腟の炎症が起こります。おりものが黄色や少量の血液が

まじった褐色になり、ときに悪臭を伴うこともあります。

腟は乾燥して性交痛を伴うようになります。

子宮頸がんの予防ワクチン 日本では近年、年間10,000人以上が子 宮頸がんと診断され、2016年では2,700 人以上が死亡しており、とくに20〜30歳 代の女性の発症が増えています。 子宮頸がんのほとんどはヒトパピロー マウイルス(HPV)の感染によって発 症します。このウイルスは、性交によっ て感染しますが、ワクチンを接種するこ とにより、一部の子宮頸がんの発症を防 ぐ効果があります。日本では2013年4 月から小学6年生〜高校1年生の女子は 定期接種として、無料で受けられるよう になりました(※)。 なお、原因となるウイルス感染のすべ てをワクチンで防ぐことはできず、また 別のタイプの子宮頸がん(腺がん)が発 症することもありますので、接種しても 定期的な検診は必要です。

においがへん

※2013年6月から当面のあいだ、積極的に接種を勧めることは控えられています(2018年6月現在)。予防接種

(22)

乳がん

しこり

4 4 4

がある、乳首から分泌物が出るという症

状があったら、乳がんの可能性を疑ってみなくて

はなりません。

乳がんは他のがん

4 4

と同様に早期に発見し、早く

治療するのが何よりも大切です。何か乳房の異常

に気づいたら、まずはきちんと検査を受けましょ

う。

がん

4 4

以外の乳房の病気

乳腺症 乳房に痛みを伴う固いしこり

4 4 4

ができる病

気です。月経前にはしこり

4 4 4

が大きく、痛みも強く

なりますが、月経後は症状が軽くなるのが特徴で

す。自分では、しこり

4 4 4

ががん

4 4

によるものかどうか

判断がつきにくいので、しこり

4 4 4

をみつけたら乳腺

外来などで検査を受けてください。

乳腺炎 授乳中の女性に起こりやすい乳腺の炎症

です。乳汁が乳管につまってしまううっ滞乳腺炎

は、マッサージをしてたまった乳汁を流すように

します。

 細菌の感染によって炎症を起こす急性化膿性乳

腺炎は、抗生剤なども必要になるので、すぐに受

診しましょう。

乳房に何か起こっていませんか?

乳がんのチェックリスト 乳がんにかかる女性が増え、死亡率も上昇しています。 しかし、早期に発見して治療を受ければ治すことができます。早期発見、 早期治療のためにも、ふだんから乳房の状態に気をつけておきましょう。

乳がん・乳腺症・乳腺炎

●乳房をさわるとしこり4 4 4 の ようなものがある ●乳頭より分泌物がでる ●左右の乳房の大きさが極 端に違う ●家族や親戚に乳がんにな った人がいる ●出産・授乳経験がない ●初経が早く、閉経が遅い ●ホルモン補充療法を受け た経験がある (P29参照)

(23)

どんな病気?

 乳がんは、乳房内の乳腺に できるがん4 4 です。1960年から 2000年ま で の 20年 ご とと、 2010年、2016年における年 齢階級別死亡率を示す右のグ ラフのように、最近の死亡率 の上昇は明らかです。また20 〜30歳代にもみられるように なっています。近年乳がんが 増えた原因は不明ですが、食 習慣の変化、出産や授乳経験が少ない ことなどとの関連が考えられています。 ★発生しやすい部位  C乳房の上外側がもっとも多く、A 上内側、D下外側、B下内側の順です。 また、まれにわきの下にできることも あります。

症状は?

 乳がんの初期の病変は手でさわった だけでははっきりせず、見逃してしま うことが多いので、発症率が高くなる 更年期からは画像診断を含めた乳がん 検診を定期的に受けましょう。  しこり4 4 4 を形成するがん4 4 が最も多いの ですが、がん4 4 の性質によっては、しこ4 4 り4 をつくらない場合もあります。また、 乳首から分泌物が出て、それが血性で あれば要注意です。

治療法は?

 手術で切除するのが標準的な治療法 です。摘出の範囲は、乳がんの進行度 や性質によってちがいます。以前は、 転移や再発を防ぐために、乳房全体を 切除する方法が一般的でしたが、最近 はできるだけ乳房を残す乳房温存療法 が主流になっています。  がん4 4 の進行状態に応じて、手術の前 や術後には放射線療法、抗がん剤によ る化学療法などが行われます。

乳がん

乳房の異常に関連のある病気 年齢階級別死亡率資料 : 国立がん研究センターがん対策情報センター 人口10万対 70 60 55 50 45 40 35 30 25 20 15 10 5 0 0 ∼ 4 5 ∼ 9 10∼ 14 15∼ 19 20∼ 24 25∼ 29 30∼ 34 35∼ 39 40∼ 44 45∼ 49 50∼ 54 55∼ 59 60∼ 64 65∼ 69 70∼ 74 75∼ 79 80∼ 84 2016年 85∼ 歳 2010年 2000年 1980年 1960年 乳がんで亡くなる人が年々増えています。 20 〜 30 歳代に乳がんと診断される女性もみられます。 A B D C A B D C

(24)

入浴の前後などに、鏡に映してみる習慣をつけておきましょう。 ふだんの乳房の状態を知らなければ、乳房に何か異常があっても気がつき ません。定期的にセルフチェックをしましょう。

乳がんの自己チェックをしてみましょう

やってみよう!

腕を上げて同じように観察し ます。 乳房全体を指の腹で円形を描 きながら、しこり4 4 4 がないか調 べます。 最後にお風呂から上がった後、仰 向けに寝て、もう一度乳房全体と わきの下をさわっ て確認しましょう。 乳頭部をつまみ、分泌物がな いかどうかみます。 鏡の前に立ち、腕を下げたま ま、乳房の大きさや形にいつ もとちがいがないかをみます。くぼ み、乳首のへこみがないかなどもよ く確認します。

1

3

4

5

2

指の腹 乳頭部

(25)

医療技術の進歩により、触れるだけではわからない段階のがん4 4 や、 4 こり4 4 としてあらわれないがん4 4 も発見できるようになりました。 定期検診を受け、早期発見、早期治療で乳がんから身を守りましょう。  乳がんの検診は、ほとんどの市区町 村が40歳以上の住民を対象に、住民 検診のひとつとして行っています。受 けられる年齢や検査内容は市区町村に よってちがいますが、市区町村から「検 診のお知らせ」が来たら、必ず受ける ようにしましょう。  市区町村による検診が受けられない 場合は、誕生日など日にちを決めて、 定期的に受けるようにしましょう。

検診の内容

❶ 問診・視診・触診  乳がんの危険因子のチェックや乳房の 状態をみて、触れてチェックします。 ❷ 画像検査 

 <

マンモグラフィ検査>  乳房専用のX線撮影です。

 <

超音波(エコー)検査>  乳房を超音波でみます。的確に乳房を みるために、マンモグラフィと超音波 (エコー)の両方の検査を受けること が望ましいです。 ❸ 細胞診・組織診  さらに詳しい検査が必要な場合は、細 胞診・組織診が行われます。  市区町村が行っている検診では、① 問診・視診・触診までのところもあれ ば、②の画像検査の全部あるいは一部 まで実施しているところもあります。  市区町村の検診システムを活用しつ つ、30歳代後半で、P22の「乳がんの チェックリスト」の該当項目が多かっ た人、とりわけ血縁者に乳がんの人が いるなどの危険因子のある人(※)は、 年に1回、画像検査も含めた乳がん検 診を受けることをおすすめします。 ※がんの遺伝性について 乳がんや卵巣がんなどには遺伝性のものもありま す。血縁者(実母・姉妹など)に乳がんにかかった人 がいる場合は、乳がんだけでなく、卵巣がんにもか かりやすい可能性があります。積極的に両方の検診 を受けるようにしましょう。

乳がん検診を必ず受けましょう

定期的に受けよう!

乳房を 2 枚の板 ではさみ、上下 方向からと左右 方向から撮影し ます。 ●精度・特異性の高い検査法が開発され、また 乳腺濃度の重要性も注目されています。詳し いことは、専門医に相談してください。

(26)

女性が迎える節目

★女性ホルモンの減少による変化

40歳代に入ると、女性ホルモンの分泌も次第に

減少します。このホルモンの減少が主な原因とな

って心身にさまざまな症状が起こるのが更年期で

す。更年期はすべての女性が迎える節目です。

★50歳前後に閉経を迎えます

症状の代表的なものは、閉経にいたるまでの月

経異常です。周期が短くなったかと思うと、長い

間なかったり、そのうちにわずかな出血があった

りしながら、やがて50歳前後に閉経を迎えます。

★症状の出方には個人差が大きい

ほてり、のぼせ、発汗、冷え、肩こりなど、症

状の出方や程度は人によってさまざまです。なか

には、まったく感じない人もいれば、いくつか重

なって、日常生活にも支障をきたすほど強い症状

があらわれる人もいます。原因が更年期であるこ

とに気づかず、あちこちの診療科を受診しても原

因不明で、ようやく婦人科を受診して更年期障害

であることがわかったというケースも少なくあり

ません。また、甲状腺の疾患も更年期の症状に似

ていますので注意する必要があります(P31参照)。

暑くもないのに顔がほてる、のぼせる、汗がどっと出る、 あるいは夏の暑い時期でも手足が冷たくなることも。 このような、多様な症状が更年期によくみられます。

更年期って何が

更年期外来を活用しましょう 更年期のさまざまな症状の 緩和のために、更年期をよ く知る専門医にかかること も大切です。以下の URL を 参考に、医療機関や専門医 を探して、受診しましょう。 ●日本女性医学学会のホームページ http://www.jmwh.jp/ 更年期をはじめ女性の健康 に関する情報の発信を行っ ているたくさんの団体が あります。そうしたホーム ページなども、参考にして ください。

疲れ、冷え、ほてり、発汗、肩こり、不安感、イライラ……

(27)

起こるの?

★ 変化を受け止め、周囲に

も理解してもらう

更年期は、子どもの独立、

夫との再出発、老後への不

安、老親の介護など、から

だの変化とともにいろいろ

な出来事が重なる時期です。また、閉経は女性であることへ

の喪失感をもたらします。それらのことが原因で精神的に落

ちこんでしまうと、ますます更年期の症状が重くなってしま

うこともあります。

更年期はだれもが迎える節目ですが、その時期の変調の一

部に病的なものもありますので、そのために日常生活に支障

がある場合には専門医と相談してください。また症状の深刻

さは他人にはわからないものです。夫や家族をはじめ周囲の

人達の理解が必要です。ためらわずに自分の健康問題を率直

に打ち明けることで事態が一転することもあります。

女性のライフサイクルとホルモンの変化と更年期 小児期 思春期 性成熟期 更年期 初経 閉経 老年期 10 20 30 40 50 60 70 (歳) 女性 ホ ル モ ン︵ エ ス ト ロ ゲ ン ︶量 ホルモンの 急激な低下 女性は「うつ」になりやすい 「うつ」は、だれもが感じる軽い落ち 込みから、「うつ病」と診断される病気 のレベルまで幅広くありますが、全年 齢を通して、うつ病は女性が男性の約 2倍かかりやすいといわれています。 これにはいくつかの理由が考えられて いますが、女性には月経周期もあれば、 妊娠・出産、更年期と一生を通してホ ルモンの変化に影響を受けます。これ が体調の乱れや精神の不安定さを引き 起こし、「うつ」になりやすくなる一因 ではないかと考えられています。また、 職場あるいは家庭でも、男性に比べて ストレスとなる要因が多いという調査 報告もあります。

(28)

更年期によくあらわれる症状をチェックしましょう。

更年期の症状を自己チェックしてみましょう

やってみよう!

症   状 点  数 1.顔がほてる 10 6 3 0 2.汗をかきやすい 10 6 3 0 3.腰や手足が冷えやすい 14 9 5 0 4.息切れ、どうきがする 12 8 4 0 5.寝つきが悪い、眠りが浅い 14 9 5 0 6.怒りやすく、イライラする 12 8 4 0 7.くよくよしたり、憂うつになる 7 5 3 0 8.頭痛、めまい、吐き気がよくある 7 5 3 0 9.疲れやすい 7 4 2 0 10.肩こり、腰痛、手足の痛みがある 7 5 3 0 合計点   ● 性交痛がありますか (無、少し、有り、性交しない) ● 腟が乾きますか (無、弱、強) ● 排尿について   1日の排尿回数は何回くらいですか (1日   回)   そのうち就寝中は何回ですか (就寝中  回)   トイレに間に合わなくて尿がもれる (はい、いいえ)   知らないうちに尿がもれる (はい、いいえ)   運動やせき、くしゃみの時に尿がもれる (はい、いいえ) ● 物忘れを感じますか  (無、年齢相当、有り、強く有り) ●判断基準のめやす 強: 症状が強く、日常生活に支障をきたす 中: 症状がある程度あり、 生活する上で気になる時もある 弱:症状が時々ある 無:症状が全くない  症状の程度に応じて強、中、弱、無に、○印をつけてください。○の数字の合 計点をもとに自己採点してください。また半年後か1年後に再度チェックして、変化 がないかを確かめましょう。         (東京医科歯科大学医学部附属病院更年期外来) ●更年期指数の自己採点の評価表 0〜25点 ………… 異常なし 26〜50点 ………… 食事、運動に注意 51〜65点 ………… 更年期・閉経外来を受診 66〜80点 ………… 長期の計画的な治療 81〜100点 ………… 各種の精密検査、長期の計画的な対応 ★他にも下記の項目などをチェックしておきましょう

(29)

更年期特有の変調や、ストレスとうまく付き合いましょう。  更年期にあらわれる症状は、からだばかりではなく、不安感やうつ状態、イライ ラといったこころの変調などもかなりみられます。その場合は、ひとりで悩まず、 更年期外来、産婦人科、心療内科などの医師に相談しましょう。  また、この世代の女性は、家庭や職場でのストレスにさらされることも多いの で、下記の10か条を参考にして、ストレスをうまく解消しましょう。

更年期の不調とうまく向き合いましょう

ストレス解消法

ストレス解消のための 10 か条 ホルモン補充療法(HRT)  更年期に起こるさまざまな症状を緩 和し、また閉経後に進行する疾患を予 防する目的で女性ホルモンを補うホル モン補充療法が行われています。本療 法で得られる効果は医学的に証明され ていますが、なかには、本療法によっ て発症リスクが高くなる疾患もあるの で、治療を受ける際は専門医と相談し てください。  日本産科婦人科学会と日本女性医学 学会がまとめた治療指針では、治療開 始年齢の上限を60歳、また治療期間5 年以内を目安としていますが、それ以 外の場合でも、治療効果がリスクを上 回ると判断されれば継続は可能です。  ホルモン補充療法を受ける場合は、 開始時から療法中、療法後も医師によ る定期的なチェックを受けるようにし ましょう。

目の前にあることだけに集中しましょう。

一度にひとつのことだけを考えましょう。

悩みは親しい人に相談しましょう。

何かを決心したら、すぐ行動しましょう。

趣味の時間をつくりましょう。

からだをリラックスさせる時間をつくりましょう。

睡眠、食事など生活のリズムを守りましょう。

仕事の持ち帰りをやめましょう。

ストレスがたまっていることを自覚しましょう。

10「嫌なことを考えまい」とするのではなく、「放っておく」感覚を身につけましょう。 (茨城県健康科学センター、生活改善指導マニュアルより改変)

(30)

更年期に気をつけたい病気

骨粗しょう症

どんな病気?…

骨は、常に古い骨 がこわされ(骨吸収)、新しい骨がつく られています(骨形成)。女性ホルモン(エ ストロゲン)はこのバランスを保つため に重要な働きをしていますが、閉経後に 女性ホルモンの分泌量が低下すると、骨 吸収が骨形成を上回り、骨がもろくなっ た状態を骨粗しょう症といいます。

症状は?…

初期はとくに目立った症 状はありませんが、身長がちぢみ、進行 すると腰や背中が痛むようになります。 気づかないで骨折している場合もあり、 回復に時間がかかるようになります。

診断と治療法は?…

定期的(閉経後 は 1 年に 1 回)に骨量測定を行い、その 結果をもとに予防に努めましょう。予防の 基本は、カルシウムやビタミン D の多い 食品をとり、適度な運動をすることです。 治療には各種薬物療法が行われています。

どんな病気?…

女性ホルモンのエ ストロゲンはいわゆる悪玉コレステロー ルの増加を抑え、血管壁が硬く老化する ことを抑えています。閉経後はこうした 働きが失われるので、血液中のコレステ ロールや中性脂肪が増え、血液がネバネ バになりやすく、これを脂質異常症・高 脂血症といいます。

症状は?…

自覚症状がないので、サ イレントキラー(沈黙の殺人者)と称さ れているように、程度がひどくなればな るほど、狭心症、心筋梗塞、脳卒中など を起こす危険性が高くなります。 

診断と治療法は?…

基本は、食 生活の改善(和食中心)と適度な運動で す。年に1〜2回定期的な健診を受け、 その結果によって具体的に生活習慣を 改善しましょう。それでも改善が認めら れない場合は、薬物療法を行います。 男性・女性の生涯を通じての最大骨量と骨量の変化 閉経 10 20 30 40 50 60 70 80 (歳) 骨   量 閉経後の急激な減少閉経後の急激な減少 骨粗しょう症の範囲 女性の最大骨量 男性の最大骨量

脂質異常症・高脂血症

 女性の皮膚は、月経周期、妊娠中や更 年期などによるホルモン環境によって変 化します。  また、しみ、しわ、たるみなど、加齢 とともに起きる皮膚の老化も気になるこ とでしょう。皮膚には、からだの健康状 態があらわれるので、いつまでも若々し い肌を保つために、ふだんの生活に気を つけることが大切です。 ☆食事や生活リズム  バランスのとれた食事、規則正しい生 活が肌の健康維持の重要なカギを握りま す。食事の内容を見直し、からだの内側 から美しく健康な肌をつくりましょう。

皮膚の変化

(31)

甲状腺機能亢進症・低下症

どんな病気?…

甲状腺とは、首の 前部の、のどぼとけの下のほうにある、 代謝にかかわるホルモンを分泌している 臓器です。甲状腺の働きの異常により、 ホルモン分泌が過剰になった状態を甲状 腺機能亢進症、不足になった状態を甲状 腺機能低下症といいます。いずれも中高 年女性に多くみられます。

症状は?…

亢進症はバセドウ病とも いわれ、多汗(暑がり)、動悸、眼球突 出などが、低下症は、代謝が低下して、 寒がり、疲労感、筋力低下などがみられ ます。いずれも月経異常を伴います。

診断と治療法は?…

主な症状と 血中のホルモンを測定する甲状腺機能検 査により診断します。それにもとづいて、 甲状腺機能をコントロールする薬物治療 が行われます。 ☆紫外線対策  紫外線を浴びることで皮膚は老化を早 めます。紫外線は1年中降り注いでいま す。日焼け止めクリームなどを上手に利 用し、外出時には帽子や日傘などで紫外 線対策をしましょう。 ☆乾燥に気をつけて  肌が乾燥すると、バリア機能が失われ、 かゆみや炎症などトラブルの原因になる だけでなく、しわもできやすくなります。 とくにエアコンの影響で、肌は1年中乾 燥にさらされているので、保湿をこころ がけましょう。

認知症

どんな病気?…

アルツハイマー病 (AD)や脳血管障害により発症。AD で は脳細胞への過剰な神経毒沈着や神経 骨格形成蛋白に異常が生じますがその原 因は不明です。女性での発症は男性の3 倍で、家族性 AD の遺伝因子も明らか にされています。

症状は?…

主な症状は記憶障害(健 忘)と認知障害です。「比較的重要でな い事柄や体験事態の一部(名前・場所・ 日時など)を忘れる、別なときには思い 出せる」良性健忘と異なり、認知症での もの忘れの特徴は「記憶できる時間が短 く、最近の出来事を思い出せない、体験 したこと自体を忘れてしまう」などです。 8 〜10 年をかけて病状が悪化し、この 間に失語・失計算・幻覚・妄想・徘徊・ 失禁などへと進行します。

診断と治療法は?…

各種機能テ ストや脳の画像所見などで診断されま す。リハビリテーションや薬物療法で病 状の進行を抑えることができますので、 疑わしい症状があれば早めに専門医を受 診することが大切です。

(32)

妊娠中、産後の尿もれ

妊娠中や産後は、膀胱や尿道を支える骨盤底筋

群がゆるみ、せきやくしゃみ、笑うなどして腹圧

がかかると、尿がもれることがあります。

産後に、骨盤底筋を鍛えるエクササイズで弱っ

た筋肉を回復させましょう。

チェックポイント ●太っている ●尿の回数が多い ●夜間に起きる回数が多い ●トイレが間にあわない ●くしゃみなど力を入れる ともれる ●尿意もなく、もれる 排尿する意思がないのに、くしゃみやせきをしたときなど 何かのきっかけで尿がもれてしまうことがあります。

トイレが近い

。。

妊娠中、産後の尿もれ、40歳代以降の尿もれ

テーブルや机、キッチン を使っての体操 手足を肩幅に開き、背中は まっすぐ伸ばし顔も上げま す。肩とお腹の力を抜いて、 肛門と腟をしめます。 椅子や乗り物の 座席を使っての体操 からだをまっすぐ立 てお腹に力が入らな いようにして、肛門 と腟をしめます。 仰向けになって 膝を立てて行う体操 力を抜き、肛門と腟をしめて5つ数 え、この動作を繰り返します。

骨盤底筋群を鍛える体操

※日々の生活から少し時間を使って、これらの運動にも取り組みましょう。

(33)

性器脱 骨盤の中には、子宮や膀胱、直腸な どの臓器があり、骨盤の底にある筋肉 や筋膜、じん帯などの「骨盤底筋群」 によって支えられていますが、これら がゆるむと、支えていた臓器がだんだ んと下方に下がり、さらに腟の中に入 り込み、ちょうど腟を裏返すような感 じで外に脱出してきます。これを性器 脱といいます。ゆるみの原因は出産や 女性ホルモンの減少なので、出産経験 が多い女性はとくに注意してください。

40歳代からの尿もれ

更年期になると、尿道口付近の筋肉や骨盤底筋

群が加齢によって弱くなり、また女性ホルモンが

減少してくると膀胱の粘膜や括約筋が萎縮してく

るので、尿意を抑えられなくなる場合があります。

くしゃみやせきで尿が少しもれたり、ときにはト

イレが間に合わないこともあります。本人にとっ

てはつらい状況ですが、最近では尿失禁用品もい

ろいろ開発されているので、活用してみてくださ

い。

前ページのイラストのような運動を毎日こころ

がけると、多くの場合改善するので、ぜひ試して

みてください。なお、それでも治らず、尿の回数

がとても多い、いわゆる頻尿・排尿障害の場合は、

有効な薬物療法もありますので、医師の診断と治

療を受けてください。

尿がもれる

注意●! 子宮筋腫、子宮内膜症、卵 巣腫瘍など、子宮や卵巣の 病気によって、膀胱が押さ れトイレが近くなることも あります。注意しましょう。

(34)

基礎体温表

ダイアリー

.20 .10 37.00 .90 .80 .70 .60 36.50 .40 .30 .20 .10 36.00 .90 .80 .70 .60 35.50 月 経 月経量 睡 眠 食 事 日 付 曜 日 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 記入例

ヘルスダイアリー

基礎体温と自分のこころやからだのことで気づいたことを書き込むようにしましょう!! 基礎体温はからだからのメッセージ。 例えば次のようなことがわかります。詳細は P9〜10 参照。 ☆コピーしてお使いください。ホームページ「赤ちゃん&子育てインフォ」https://www.mcfh.or.jp  からもダウンロードできます。  ☆3か月以上、継続して測りましょう。 ☆産婦人科・女性外来を受診する際には、記入した基礎体温表を持っていきましょう。 月  ■月経周期のパターン  ■ 排卵の有無  ■不正出血の原因  ■ 黄体機能の判定  ■妊娠の可能性  ■月経の時期と自覚症状の関連(PMS、月経困難症、排卵痛、婦人病疾患)

(35)

月経➡× おりものがある➡+ 排卵痛がある➡△ 性交➡○ 不正出血がある➡▲ 検診に行った➡※ 月経量  多かった+ ふつう0 少なかった− 睡 眠  よく眠れた◎ ふつう○ 眠れなかった× 食 事  バランスよく食べた◎ ふつう○ 食欲がなかった、食べ過ぎた× *空欄には運動、排便・排尿、血圧など自分で気になる項目を書き入れて、ご自由にお使いください。 ●婦人体温計を使って測りましょう。 ●朝、目が覚めたらすぐに、寝たままで舌の裏の付け根に婦人体温計をあてて測りましょう。 ●低温期、高温期など月経周期については、P9〜10を参照してください。 .20 .10 37.00 .90 .80 .70 .60 36.50 .40 .30 .20 .10 36.00 .90 .80 .70 .60 35.50 月 経 月経量 睡 眠 食 事 日 付 曜 日 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 記入例 からだサポートブック

女性のための健康ガイド

 初版 2009年2月 第11版 2018年9月

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参照

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