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1.「セキュリティ文化」とは何かというテーマであり、「情報セキュリティ(文化)」

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Academic year: 2021

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我が国にとってのセキュリティ文化とは何か 

筑波大学法科大学院  藤原静雄 

1.「セキュリティ文化」とは何かというテーマであり、「情報セキュリティ(文化)」

との限定がかかっていないので、情報セキュリティを中心としつつ、セキュリティ文化を やや広く解している。 

2.「文化」という概念については、様々な解釈が可能であろうが、ここでは、特定の時 代の特定の人々の集団における考え方の産物の総体という程度に受け止めておく。定義に こだわるのは、 この委員会でも参照されるであろう OECD セキュリティガイドラインも一つ の考え方であるし、9・11以降の 2001 年 USA パトリオット法も一つの「文化」の産物で あろうからである。情報の問題は、地理的、時間的な空間の概念を変容させているし、普 遍性を有するものであるが、わが国の問題として「も」考えなければならないという意味 である。 

3.醸成する必要があるものは何か。何故必要なのか。 

これまで社会的な耳目を集めた問題でセキュリティ文化に関わると思われるのは、個人 情報保護法制定の前後で問題となっている情報漏洩の問題、住民基本台帳ネットワークの 安全性の問題、個人情報保護法以前からあるインターネット空間の安全の問題(とくに匿 名性に関わる問題)、近時の RFID の問題、テロ対策に関わる国内外の情報流通の問題、危 機管理と情報流通施策の問題、アメリカへの依存度の問題(フランスではセキュリティ文 化の問題と認識されている)等であろう。 

そこで、これらの問題を念頭において何が必要かと言えば、第一には、情報倫理教育(学 校、企業、行政機関等)を通じての、セキュリティについての常識と倫理ということにな ろう。国民の大多数がセキュリティという考え方、そこから派生するコスト等を受け容れ なければ「文化」にはならない。 

第二には、情報セキュリティの問題が各省横断的なものであり、迅速な解決を必要とす るものであることに鑑みて、分担管理の幣をできる限りなくすために、高度情報通信ネッ トワーク社会形成基本法よりももう少し、具体的かつ射程の広い(ネットの安全のみなら ず情報化社会の安全も視野に入れた)安全確保の観点からの法制の検討が必要なのではな いかと思われる。 

第三には、技術による安全の問題について、川上(企業における設計段階から)から川 下(利用する消費者にわかりやすい技術)まで一貫した、消費者の視点に立ったセキュリ ティ文化の醸成が必要であろう。 

4.セキュリティと利便性、プライバシー、安全保障との関係はどうか。

 

  セキュリティと利便性は領域ごと(セキュリティの必要な程度)に切り分けられる問題

かもしれない。プライバシーとセキュリティとの関係は対立する価値を含む側面があるの

で、憲法上の諸自由との関係を踏まえた議論の整理をしておく必要があろう。とくに、情

報と安全保障の関係については、ガイドラインレベルの問題というより、法律レベルの問

題として議論をすべきである。 

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