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平成16年度グリッドコンピューティングに関する標準化調査研究成果報告書

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(1)

平成

16 年度

グリッドコンピューティングに関する標準化調査研究

果 報 告 書

平成

17 年 3 月

財 団 法 人

日 本 規 格 協 会

情報技術標準化研究センター

(2)

1.1 目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 1.2 委員会構成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 1.3 委員会名簿・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 1.4 委員会実施状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 1.5 成果一覧・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 2.委員会の活動報告・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 2.1 背景と目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 2.2 活動内容・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 2.3 成果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 2.3.1 グリッド関連技術の標準化の状況・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 2.3.2 日本における主なグリッド技術の標準化活動・・・・・・・・・・・ 11 2.3.3 グリッドのガイドライン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12 2.3.4 グリッドコンピューティングに関する用語集 ・・・・・・・・・・ 14 3.今後の展望と課題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15 4.附属資料 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17 4.1 グリッド関連技術の標準化の状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18 4.1.1 GGF・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21 4.1.2 W3C・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 92 4.1.3 OASIS・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 120 4.1.4 EGA・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 139 4.1.5 Globus・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 142 4.2 日本における主なグリッド技術の標準化活動・・・・・・・・・・・・ 146 4.3 グリッドのガイドライン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 151 4.4 グリッドコンピューティングに関する用語集 ・・・・・・・・・・・ 202 4.5 調査活動紹介資料 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 249 4.5.1 EGA・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 250 4.5.2 Oracle 10g・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・257 4.5.3 ビジネスグリッド・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 267

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序 コンピュータ技術の進歩と高速ネットワークの普及によって、現在の社会生活における コンピュータシステムの役割が著しく大きくなってきた。21世紀に入ってこの動向はま すます止まるところを知らない。今後もコンピュータの性能向上とインターネットの発展 は、相互に寄与し合いながらますますそのスピードを速めて行くであろう。このような状 況の中から、広域に分散した計算資源を連携して利用するグリッドコンピューティング技 術が急速に発展している。グリッドコンピューティングは、分散している計算資源や記憶 資源などを繋いで大規模な計算やデータ処理をすることに始まり、広域に分散し多くの組 織にまたがって存在するデータ、ソフトウェア、センサ、実験機器、可視化装置、さらに は人間そのものなど多様なコンピュータリソースを有機的に結合し利用するという広範囲 な技術である。 広域に分散した複数の組織間を接続し、資源を共有するためには、標準化が不可欠であ る。グリッドコンピューティングは、1995年の I-Way プロジェクトに始まると言われ ているが、その直後の1990年代後半から標準化の必要性が叫ばれ、地域内での標準化 から始まって、直ちに全世界での標準化活動がボランティア的な組織やコンソーシアムに よって急速に進められている。このような世界の動きにわが国の産官学の関係者が最初か ら積極的に参加し、多くの重要な役職を担っていることは、他の分野に見られない大きな 特徴である。 本調査委員会では、このような急激な動きに対して、わが国が産業競争力強化を目指し て何をなすべきかについて、3年間にわたって調査、分析、討論を行ってきた。その成果 としては、 1) グリッド関連技術標準化の状況の調査 2) 日本における主なグリッド技術の標準化活動の調査 3) グリッド構築のガイドラインの提案 4) グリッドコンピューティングに関する用語集の作成 である。今年度は特にグリッド構築のガイドラインについて研究を進め、多数のユースケ ースの分析に基づいて、グリッド構築のために検討すべき要素を抽出した。 2005年は奇しくもグリッド発足10周年に当たる。3年におよぶこの調査研究が、 グリッドコンピューティング技術標準化確立の第一歩となり、ひいては日米欧さらにはア ジアを含めた協力体制によるグリッド技術確立の契機となることを期待している。 グリッドコンピューティング標準化調査研究員会委員長 小柳義夫 (東京大学)

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1.調査研究の概要

1.1

目的

グリッドコンピューティングは、CPU パワーを繋げるというだけでなく、データ、ソフ トウェアなど異なったコンピュータリソースを有機的に結合し利用するという広範囲な技 術である。サイエンス分野については内外で研究が進められ標準化を目指す活動も始めら れている。この動きがビジネス分野にも次第に広がりつつある。そのため、これらの動き を把握し、かつ、調整支援するとともに、異機種間の相互運用性の確保等について標準化 調査研究を行い、世界への情報発信を促す。 平成16 年度は、異機種間における接続、セキュリティ、インターフェースなど、グリッ ド環境の構築とその運用に関するガイドラインの作成を目指す。科学技術分野はもちろん のこと、ビジネス分野においてもグリッド技術の普及・利用を促進するために極めて重要 な基準となることが期待される。

1.2

委員会構成

委員会構成:グリッドコンピューティング標準化調査研究委員会 テーマ:グリッドコンピューティング標準化調査研究

1.3

委員会名簿

委員長 小柳 義夫 東京大学大学院 情報理工学系研究科 幹 事 伊藤 智 独立行政法人産業技術総合研究所 グリッド研究センター 委 員 相浦 利治 三菱電機(株) 情報技術総合研究所 委 員 安崎 篤郎 (株)日立製作所 ソフトウェア事業部 委 員 岩倉 伸行 (株)NTT データ 技術開発本部 委 員 古城 隆 日本電気(株) NEC ソリューションズ 開発研究本部 委 員 田崎 英明 富士通(株) 運用管理ソフト事業部 委 員 中山 俊英 (株)プロシード 委 員 松岡 篤郎 シャープ(株) デジタル家電開発本部 委 員 三崎 文敬 日本アイ・ビー・エム(株) エマージングビジネス推進 委 員 溝口 研一 東芝ソリューション(株)プラットフォームソリューション事業部 経済省 勝亦 眞人 経済産業省 産業技術環境局 情報電気標準化推進室 事務局 山中 正幸 (財)日本規格協会 情報技術標準化研究センター

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1.4

委員会実施状況

平成16 年 5 月から平成 17 年 2 月まで全9回の委員会を開催

1.5

成果一覧

1)用語明確化 今年度の主要成果物であるガイドラインを補足するため、グリッドに関連した用語を明確 にした。 ・グリッドコンピューティングに関する用語集 2)調査 グリッド技術の標準化活動として、関連する標準化団体における状況と、日本における標 準化に関連した活動を調査し、現状を認識することができた。 ・グリッド技術の標準化の状況 ・日本における主なグリッド技術の標準化活動 3)提言 グリッドとして構築されたシステムやグリッドの関連製品を相互に比較可能とするために、 基準とするべき項目と基準の内容について規定することを試みた。すべての項目について、 基準を明確に抽出することができたわけではないが、グリッドの標準化として一つの方向 性を示すことができた。 ・グリッドのガイドライン

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2.委員会の活動報告

2.1

背景と目的

グリッドコンピューティングはまずサイエンス分野から始まった。WAN 上の複数の計算機 を接続し、一つの仮想計算機を形成して並列分散処理を行うことは 1990 年代から試みられ るようになった。当初はメタコンピューティングとかグローバルコンピューティングと呼 ばれることが多かった。1995 年に、イリノイ大の Tom De Fanti とアルゴンヌ国立研究所の Rick Stevens 等は I-WAY (The Information Wide Area Year)と呼ぶ最初の大規模なメタコ ンピューティングの実験を行なった。これは全米 17 カ所の計算センターを結合しアプリケ ーションを走らせた実験である。これをもとに Globus プロジェクトが始まった。グリッド という用語を人口に膾炙させたのは、1999 年に Ian Foster, Carl Kesselman 編 "The Grid: Blueprint for a New Computing Infrastructure"(Morgan Kaufmann) が出版されてからで ある。この書はグリッドの基本概念を定義し、その後の発展の基礎となった。

2002 年 2 月に、OGSA(Open Grid Services Architecture)と呼ばれるグリッド基盤の新 しいアーキテクチャが提案された。OGSA では、SOAP、WSDL など、ビジネスの分野で標準化 が進む Web サービス技術を利用しており、企業情報システムにおけるグリッドの活用に新 たな展開が見えてきた。それまでは、製品設計や会計計算など、演算処理が主体である業 務の実行のために企業内の資源を活用することが企業におけるグリッドの主な活用方法で あった。OGSA の登場により、e-コマースや企業連携といった、Web システムが主体の分野 にもグリッドの活用が見えてきた。2003 年6月には、OGSA の最も基本部分である OGSI(Open Grid Services Infrastructure)の仕様が策定され、2004 年 1 月には、OGSI をさらに Web サービスの枠組みにリファインした WS-RF の提案へと急速な発展を遂げている。

広域に分散した複数の組織間を接続し、資源を共有するためには、標準化が不可欠であ る。1999 年に米国を中心に始まった Grid Forum もヨーロッパ、アジア諸国が加わり 2000 年 11 月 Global Grid Forum(GGF)に発展、グリッド技術の標準化について世界的規模で議 論が行われている。幸いなことに、わが国でも少なからぬ研究者が早くからグリッドの重 要性を認識し、このような標準化の動きに積極的に参画してきた。GGF においても、村岡洋 一氏(早稲田大学副総長)が GFAC (An External Advisory Committee)に参加し、松岡聡氏 (東京工業大学教授)が GFSC (GGF Steering Group)に属し、APME エリアの Area Director を務めている他、GROC (Grid Research Oversight Committee)のリーダーを務めるなど重 要な役割を担っている。また、関口智嗣氏(産業技術総合研究所)は GFSG のメンバーとし て Data Area の Area Director を 2003 年まで務めてきた他、GMAC (Grid Market Awareness

(7)

じている。 このようにグリッド関係の標準化は、従来の標準化とはかなり経過が異なっている。GGF には世界中の関係する研究者や企業が広く参画しているが、ISO のような公的な標準化組織 ではない。また、企業連合による標準化でもなく、先に普及させれば勝ちという単純な de facto 標準化でもない。それにもかかわらず、標準化の動向は関係企業の熾烈な競争に直ち に影響を与える。我が国がこのような標準化の動きにいかに対応し、我が国の産業競争力 をどう高めていくかはきわめて重要な問題である。 以上のことを踏まえ、(財)日本規格協会 情報標準化研究センター (INSTAC)内に、これ らの動きを把握し調整支援するとともに、異機種間の相互運用性の確保等について標準化 調査研究を行い、世界への情報発信を促すために、『グリッドコンピューティング標準化調 査研究員会』を設置した。本委員会は、産業界・国立研究所・大学において、グリッドコ ンピューティング技術の研究開発に直接携わってきたわが国の研究者が中心となって構成 されている。 従って、本委員会の目標は以下の通りである。 1) グリッドコンピューティングの応用分野、国内外の開発状況・標準化状況等につい て把握する。 2) 次に、CPU、専用ハードウェア、データ、ソフトウェア等の異なった資源をシステム 的にどう繋ぎあわせれば、ビジネス、新産業に有効か等の要素技術の抽出を図る。 すなわち、ビジネス化で必要となる、標準化すべき項目について抽出し関連団体へ の提言を行う。 3) 前記 1)及び 2)から、異機種間ネットワーク(Heterogenous)、セキュリティ、イン ターフェース、日本語環境等に関して標準化要素[ミドルウェア(クラスタ管理ミド ルウェア、データマネジメント等)、運用技術(運転管理、モニタリングツール技術 等)]を抽出し、グリッドコンピューティングシステムの運用への提言やガイドライ ンの作成等を行う。 本年度は本調査研究事業の最終年度にあたる。本委員会はこれまで頻繁に研究会を開催 し、集中的に密度の濃い討論を行ってきた。グリッドコンピューティングの技術的諸問題 と標準化について調査研究を行うと共に、標準化に何が必要か、また何が不足しているか、 また我が国がいかに対応すべきかなどについてを幅広く検討した。その結果として、グリ ッドコンピューティングの様々な技術要素に対して基準(ガイドライン)を設けることに した。

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2.2

活動内容

当委員会では、2年目の活動として、グリッドコンピューティングの技術的諸問題と標 準化について調査研究を行うと共に、当委員会に期待される標準化活動についての検討を 行ってきた。具体的には、グリッド技術の国際的標準化団体である GGF(Global Grid Forum)における標準化動向、Web サービス技術など関連する標準化団体における動向の調 査、さらに、グリッド技術を活用した事例の調査を行った。具体的な活動内容を以下に示 す。 ■グリッド技術関連用語の明確化 昨年度、グリッド技術の分野と、グリッドに関連する技術分野の用語について本委員会 としての解説を行った。今年度は、主要な成果物となるガイドラインを補足する意味も含 め、新しい用語の追加、内容の見直しを行った。 ・グリッドコンピューティングに関する用語集 ■グリッド技術の標準化動向の調査 これまで本委員会では、グリッド技術およびWeb サービス技術に関する標準化団体の動 向を調査してきた。この分野の活動は複数の標準化団体にて進められており、それら標準 化団体間の関係を浮き彫りにするとともに、各標準化団体における活動状況をまとめてき た。今年度は、昨年まとめた GGF、W3C、OASIS における活動状況の見直しを行うとと もに、新しく発足したEGA(Enterprise Grid Alliance)の状況の他、標準化団体ではない が、グリッドミドルウェアのデファクト標準を開発・供出している組織として Globus Alliance についても調査した。 ・GGF における標準化活動の状況調査 GGF の各エリア内に設置された WG/RG で進められている標準化活動の目的、状況に ついて調査し、まとめた ・W3C における標準化活動の状況調査 グリッドとの関連が強くなった WWW 及び Web サービス関連のインフラストラクチャの 標準化に大きな貢献をしている W3C の標準化活動の状況について調査 ・OASIS における標準化活動の状況調査 GGF との関連が明示されている、または想定されるテクニカルグループの憲章につい て、主に関連団体との関係について調査 ・EGA における標準化活動の状況調査 企業におけるグリッドのソリューションを構築し、異なるプラットフォームでの相互 接続性の現を目指した団体である。活動の方法、体制などについて調査

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案・採用に積極的である。ミドルウェアの開発状況について調査 ■グリッド技術に関するガイドラインの作成 昨年度、グリッド技術に関する標準化活動の課題を検討し、社会的インフラとなるグリッドがやり取り する情報システムの持つ資源の様々な量・質の標準化(規格化)が重要であることを示した。この検 討を受けて、今年度は、グリッドを構築する際に、要件を客観的に記述することを可能とするため、 基準とするべき項目と基準の内容について規定することとした。すべての項目について、基準を明 確に抽出することができた訳ではないが、グリッドの標準化として一つの方向性を示すことができた。 また、このガイドラインを用いることにより、グリッドとして構築されたシステムやグリッドの関連製品を 相互に比較可能な枠組みを得ることができた。

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2.3

成果

本委員会の今年度の活動の成果をまとめる。

2.3.1 グリッド技術の標準化の状況

現在、グリッド技術の標準化はGGF(Global Grid Forum)にて進められている。一方 で、企業におけるグリッドのソリューションを確立することに焦点をあてた組織として EGA(Enterprise Grid Alliance)が 2004 年 4 月に発足した。また、Web サービス技術と の関連が強まっており、Web サービスの分野で進められる標準化の動向(W3C, OASIS) についても注目する必要がある。ここでは、GGF、EGA、W3C、OASIS における活動の 概要を整理した。図にこれら関連標準化団体間の関係図を示す。 グリッドはそれ自身、単純な機能コンポーネントではない。複雑多岐にわたるグリッド の機能、サービス、コンポーネントなどが、分散した環境で互いに適切に通信しあい動作 することが必要であり、そのために標準化すべき領域、インターフェースも多岐にわたる。 2002 年はじめに提唱された OGSA/OGSI はこの複雑多岐にわたるグリッド・プロトコル標 準の基盤部分をWeb サービスにおくことで、標準化の努力をより上位層にフォーカスしよ うというものである。Globus と IBM が提唱した OGSA のコンセプトは Global Grid Forum(GGF)の中で各種のワーキンググループの検討アクティビティとして具体化されて いる。 OASIS-Open W3C Basic Profile WS-Interoperability WS-Security SAML, XACML UDDI BPEL4WS WS-Reliability WSDM WS-RF WS-Notification WS-Addressing WS基本プロトコル SOAP,WSDL,XML-DSIG,XML-ENC アイデンティティ 連携、サービス Liberty Alliance OGSA-AuthZ OGSA OGSI OGSA-DAI JSDL WS-Agreement CDDLM

GGF(Global Grid Forum)

WS-Federation, … WS-Policy WS-RM WS-Transaction,… ベンダー発表のみで、まだ標準化 団体に提出されていないドラフト OASIS-Open W3C Basic Profile WS-Interoperability Basic Profile WS-Interoperability WS-Security SAML, XACML UDDI BPEL4WS WS-Reliability WSDM WS-RF WS-Notification WS-Addressing WS基本プロトコル SOAP,WSDL,XML-DSIG,XML-ENC アイデンティティ 連携、サービス Liberty Alliance アイデンティティ 連携、サービス Liberty Alliance OGSA-AuthZ OGSA OGSI OGSA-DAI JSDL WS-Agreement CDDLM

GGF(Global Grid Forum)

WS-Federation, … WS-Policy WS-RM WS-Transaction,… ベンダー発表のみで、まだ標準化 団体に提出されていないドラフト

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OGSA-WG はこの検討の中心的役割を果たすもので、将来のグリッドのあるべきメタ・ アーキテクチャーを提唱し、グリッドを構成するサービスとそれらの関係について定義し、 必要な標準化項目を洗い出そうとしている。これと並行してGGF では個別のワーキンググ ループが検討を開始している。 OGSI-WG では Web サービスをベースとし、グリッドの管理に必要な「リソース」とそ の「状態」、その管理の概念をWeb サービスに拡張した。また、イベント・ノーティフィケ ーションなどのメッセージングのモデルを拡張したグリッド・サービス・モデルとそのプ ロトコル標準を規定した。しかし残念ながら、これらの拡張により当初期待した通りのWeb サービスとの互換性が得られない結果となり、2004 年 1 月に、この点を見直した WS-ResourceFramework(WS-RF)、WS-Notification などの提案が IBM、HP、Globus などから協同提案された。現在では、OGSI に代わって WS-RF をベースにして OGSA を 構築する考えかたでGGF では検討が進められている。WS-ResourceFramework 及び関連 仕様、WS-Notification 仕様は、OASIS-Open の各々、WSRF TC、WSN TC にて仕様策定 が進められている。また、「リソース」のアドレッシング仕様として WS-Addressing 仕様 は、W3C で仕様策定が開始されている。 GGF ではそのほか、データ管理に関して OGSA-DAI、ジョブ発行に関して JSDL、各種 のネゴシエーション、アグリーメントの汎用プロトコルとして WS-Agreement、デプロイ メント・プロトコルとしてCDDLM、認証の連携プロトコルとして OGSA-AuthZ などが並 行して検討されている。 GGF を中心としてグリッド・プロトコル、サービス標準化の検討が進む一方で、標準化 対象領域があまりに拡大し実用化までに必要な課題が山積してしまっている状況も見えは じめてきた。こうした中で、企業向けグリッド実用化のための当面の課題だけにフォーカ スしたコンソーシアムとしてEnterprise Grid Alliance(EGA)が 2004 年 4 月に発足した。 GGF が研究グリッドから企業グリッドに至る非常に幅広い分野をカバーしているのに対し、 EGA は当初、5つの技術ワーキンググループだけにフォーカスしている。また、新たな標 準仕様を作りだすのではなく、できる限り既存の標準ないし他のコンソーシアムで検討さ れている標準案を尊重し、標準の完成度を高め、普及促進にフォーカスして活動すること を目標としている。今後、従来のコンソーシアムと連携して同コンソーシアムが企業コン ピューティング領域でのグリッド技術の急速な普及促進に貢献することが期待される。

一方、OGSA の基盤となる Web サービスの標準化に関しては、当初基盤となる SOAP、 WSDL、また XML 署名、暗号化などのプロトコルや書式の標準が W3C で検討、制定され た。しかし、その後、多くの上位プロトコルについてOASIS-Open で検討が開始されてい る。メッセージング・セキュリティについてWSS TC の WS-Security 及び関連するプロフ ァイル仕様, 認証デレゲーションについて SAML TC の SAML、アクセス・ポリシーに関 してXACML TC の XACML、高信頼メッセージングに関して WSRM TC の WS-Reliability、 ビジネス・プロセスに関してWSBPEL などが検討されている。

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また、システムのリソース管理に関する基本モデルの標準化は当初GGF で CMM ワーキ ンググループが発足し検討を開始したが、OASIS-Open にて Web サービスの管理モデルの 標準化検討が開始され、この検討と合流することとなり、現在OASIS-Open 内の WSDM TC で仕様策定がなされている。 Web サービスの実用化が真剣に検討されはじめると、W3C、OASIS などで批准された基 本プロトコル仕様が必ずしも厳密ではなく、各社の標準準拠製品が完全には互換性を達成 していないこと、また、完全な互換性のためにはさらにかなりの検討が必要であることが 認識されてきた。WS-Interoperability は多岐にわたり始めた Web サービスの各種標準の うち、一番基本となる SOAP、WSDL、UDDI の三つを基本プロファイルと定め、これら の基本プロトコルと書式についてのみ、徹底的に互換性を実現するための検討を開始し、 2003 年 8 月にこれを基本プロファイル 1.0 として発表した。基本プロファイルはその後 2004 年 4 月にエラータが吸収され、さらに Simple SOAP Binding Profile 1.0 を分離し、 新たにAttachments Profile 1.0 を加えて、基本プロファイル 1.1 と共に 3 つの仕様として 2004 年 8 月に発表されている。 一方、Web サービスの上位層のプロトコル標準化案についても 2002 年から 2003 年にか けて相次いで発表されている。セキュリティ連携の上位層に関しては WS-Federation、 WS-Trust 他の一連のプロトコル、ポリシーに関しては WS-Policy 他の一連のプロトコルが 発 表 さ れ て い る 。 こ う し た ド ラ フ ト 提 案 の 中 に は ト ラ ン ザ ク シ ョ ン に 関 す る WS-Transaction 、 他 一 連 の プ ロ ト コ ル や 高 信 頼 メ ッ セ ー ジ ン グ に 関 す る WS-ReliableMessaging など、既に OASIS-Open のような標準化団体で別途検討が行われ ているものと領域の重なっているものもある。 2.3.2 日本における主なグリッド技術の標準化活動 グリッド技術に関する標準化は、インターネットの分野と同様に、国としての活動より 個人や組織としての活動が主体である。そこで、昨年度日本に関係した個人、組織が貢献 する活動を列挙した。この一年の間に活動組織が増えるなどの変化があったので、改めて 活動状況を整理した。また、先にも述べた EGA(Enterprise Grid Alliance)が 2004 年 2 月に発足したのを受けて、4 月に日本リージョン運営委員会が発足した。同運営委員会は、 リージョンでの EGA の成果の普及、他の団体との連携、メンバーの獲得、リージョン内の 要求のフィードバックなどを目的としている。 一般に標準化活動に関する貢献は以下の四つの形態に分類できる。 1)グリッドの基盤技術として開発中のミドルウェアやツールを参照実装として、ソフ トウェアのインターフェースやアーキテクチャを標準化する活動 2)グリッドの環境の構築と運用を実施する中から得られるノウハウに基づく仕様やガ

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定の応用分野におけるデータフォーマットの統一化や、一般的なグリッド技術への 標準化インターフェースの示唆を行う活動 4)標準技術を普及・啓蒙するための活動 標準化への活動として取り上げた組織(またはプロジェクト)は以下の通りであり、各 組織が行っている標準化への貢献を番号で併記する。 ・ 超高速コンピューター網形成プロジェクト(NaReGI):1) ・ ビジネスグリッドコンピューティングプロジェクト:1) ・ グリッドデータファーム:1) ・ バイオグリッド:3) ・ OBIGrid:3) ・ 産業技術総合研究所グリッド研究センター:1)2)3)4) ・ グリッド協議会:4) 組織的な活動の他、早稲田大学副学長村岡洋一氏、東工大松岡聡氏、産総研関口智嗣氏、 富士通岸本光弘氏らは、具体的な技術の標準化だけでなく、標準化団体そのものの運営活 動へ貢献している。 これらの標準化活動を概観することにより、本分野における日本からの活動が、国際的 標準化の中で多くの貢献を果たしていることが認識された。特に、グリッドのミドルウェ ア開発に基づく仕様の策定や、グリッド環境の運用実績に基づく仕様やガイドラインの策 定に関する活動が盛んである。 2.3.3 グリッドのガイドライン グリッド技術に求められる標準化の課題を昨年度検討してきた結果として、グリッドを構成する 様々な技術項目について基準を設けることが重要であるとの認識に至った。グリッドのガイドライン の狙い、策定の進め方について以下に示す。 グリッドがビジネスの世界でも盛んに取り上げられるようになって 2-3 年が過ぎようと している。しかしながら、未だグリッドの定義も明確ではなく、企業各社が宣伝として用 いる言葉も、社によって異なっていることが多々ある。また、様々な企業、大学、研究所 がグリッドを構築し、様々な検証を行った等々、ニュースリリースもあるが、実現してい る環境、アプリケーション、など、ケースによって実現している技術レベルなどが大きく 異なっている。このような背景のもと、ベンダー、ユーザ、インテグレータ間においてグ リッドに関する相互理解を支援するため、共通的な基準(ガイドライン)を設けることが 必要であるとの認識に至った。 グリッドに関するガイドラインを用いることによって、様々な場面におけるグリッドに 関する情報交換の効率を飛躍的に高めることが可能となる。例えば、企業の製品に関する 情報において、宣伝上のワーディングとは別に、製品に用いられている技術や、実現でき

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る機能、準拠する標準仕様などについて、どのレベルにあるかを記述することで、利用者 には客観的な製品の評価が容易になる。また、グリッド環境の構築における仕様作成にお いても、顧客の意図や要求事項を明確にベンダーに伝えることが可能となり、仕様のあい まいさを減少させることが可能である。このような基準の策定により、グリッドの普及、 実用化を加速する。 ガイドラインを作成するにあたり、次のプロセスを経て実施した。GGF(Global Grid Forum)における OGSA-WG が作成したユースケースドキュメントなど、グリッドを用いる様々 な事例を選び出し、技術項目や運用項目毎に実現状況や必要要件などを抽出した。ユース ケースと項目のマトリックスを全体的に整理し、項目毎にユースケース内での共通的な記 述レベルを抽出した。これらを整理して基準としての客観的な記述を行いガイドラインと した。 ガイドラインとして取り上げるべき項目は、以下の6つの大項目に分類した。 1. 構成とモデル グリッドを利用しているシステムの概要に関する項目 目的、提供物、プレーヤ、組織関係、リソース、アプリケーション などについて 2. 通信 グリッドにより連携するシステム間の接続(ネットワーク)に関する項目 接続方式、常時接続性、ネットワークバンド幅、レイテンシ、I/F のオープン性などにつ いて 3. 運用ポリシー グリッドのシステムを運用するにあたってのポリシーに関する項目 課金方法、SLA、サポートなどの運用方法や、利用者および提供者間における情報の機密 性などについて 4. セキュリティ グリッドの本質である機能のうち、利用者および管理者の認証・認可から、データやリ ソースの保護、などセキュリティに関する項目 5. 管理情報 グリッドの本質である機能のうち、システムを管理運営するにあたって扱わねばならな い管理情報に関する項目 6. 制御 グリッドの本質である機能のうち、要請を受けて資源を割り当てたり、アプリケーショ ンを配備・実行したり、グリッドの制御を行う機能に関する項目 全ての技術項目をカバーすることはできなかったものの、策定したガイドラインを利用することに より、グリッドの構築にあたって要件を客観的に記述できるようになった。

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2.3.4 グリッドコンピューティングに関する用語集 本委員会活動の初年度より、グリッド技術の全貌を把握するために、グリッドに関係す る用語についての解説を行ってきた。本用語集を参照することにより、ある程度共通的な イメージを持つことが可能になった。今年度になって発足されたEGA や、OGSI に変わっ て採用されたWS-RF、Globus Toolkit4に含まれる新しい機能などをはじめ、新しい用語 が多く登場した。新しい用語を追加するとともに、説明の内容を見直した。しかし、グリ ッド技術の進展は極めて速いので、あくまで現時点のスナップショットにすぎない。

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3.今後の展望と課題

グリッド技術は、情報システムの基盤技術として今後広く活用される技術であると期待 される。OGSA が提案され、グリッドが Web サービス技術と統合した基盤へ発展すること がほぼ確実となったため、Web システムを含めたほとんどの企業情報システムがグリッド 環境へ移行可能となるだろう。信頼性の向上、性能の向上のための技術開発や、産業基盤 として定着させるための利用者間の取り決めなど、まだまだ取り組みが必要な部分が多い ものの、ベンダー企業、ユーザ企業双方からの期待は大きい。しかし、産業基盤としての 位置づけを確立するためには、技術開発の他に、標準化を欠かすことはできない。 グリッド技術に関する標準化は GGF が中心となって進めている。GGF はグリッド技術 に関心を持つ企業、大学、研究所などが参加して仕様を決める場であり、フォーラム標準 にあたる。グリッド技術については、ISO などの公共的機関で定められるデジュール標準 とは異なるため、INSTAC として仕様を策定しても標準化として提案することは難しい。 GGF では、実際に開発に携わる企業や研究者による活動が中心であり、国を代表する形で のINSTAC が貢献する場ではない。 そこで、本委員会では、国内におけるグリッド技術の活用、発展を加速するために、「グ リッド技術活用のためのガイドライン」を作成した。 今回作成したガイドラインのドキュメントでは、グリッドを特徴付ける多くの項目を抽 出し、それぞれに複数の基準を設けた。これにより、グリッドの捉え方、および様々なグ リッドの活動同士の比較などが行いやすくなり、ガイドラインとしての一つの方向性を与 えることができたと考える。 しかしながら、限られた時間と調査範囲の中での取り組みであることから、グリッド技 術に関連した全ての項目を適切に抽出できたか、各項目毎に記載した基準も目的を達成可 能な内容に設定できたか、十分な評価ができていないのが実情である。現時点においても GGF やその他の標準化団体において多数の仕様が策定中であり、策定された仕様を順次ガ イドラインに取り込み、基準の再構築が欠かせない。特にビジネス分野においては、組織 を超えたリソースの利用にあたり、SLA、課金、QoS、など関連性の高い項目が多数あり、 今後のガイドラインの整備が求められる。 従って、今後このガイドラインが一般に広く利用されるためには、以下の取り組みが必 要である。 ・ ガイドラインの評価と見直しの実施 標準化団体における仕様策定状況および各種グリッドプロジェクトのフォローを 行い、ガイドラインにおける項目と基準内容の妥当性を評価する。具体的な評価

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しを行う。 ・ 国内におけるガイドライン利用普及 グリッドに関連するシンポジウムや講演の機会を捉え、ガイドラインの紹介や利 用方法の説明を行い、ガイドラインの周知と活用を促す。グリッド協議会は、こ の活動を進める場として有力な候補である。 ・ 国際標準化 GGF や EGA などの適切な標準化団体へのガイドライン提案を行い、国際標準化 の獲得を目指す。

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4.附属資料

2.3に示した成果の詳細について、以下に添付する。 4.1 グリッド技術の標準化の状況 4.2 日本における主なグリッド技術の標準化活動 4.3 グリッドのガイドライン 4.4 グリッドコンピューティングに関する用語集 4.5 調査活動紹介資料

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4.1

グリッド技術の標準化の状況

現在、グリッド技術の標準化はGGF(Global Grid Forum)にて進められている。一方 で、企業におけるグリッドのソリューションを確立することに焦点をあてた組織として EGA(Enterprise Grid Alliance)が 2004 年 4 月に発足した。また、Web サービス技術と の関連が強まっており、Web サービスの分野で進められる標準化の動向(W3C, OASIS) についても注目する必要がある。ここでは、GGF、EGA、W3C、OASIS における活動の 概要を整理した。図にこれら関連標準化団体間の関係図を示す。 グリッドはそれ自身、単純な機能コンポーネントではない。複雑多岐にわたるグリッド の機能、サービス、コンポーネントなどが、分散した環境で互いに適切に通信しあい動作 することが必要であり、そのために標準化すべき領域、インターフェースも多岐にわたる。 2002 年はじめに提唱された OGSA/OGSI はこの複雑多岐にわたるグリッド・プロトコル標 準の基盤部分をWeb サービスにおくことで、標準化の努力をより上位層にフォーカスしよ うというものである(下図参照)。Globus と IBM が提唱した OGSA のコンセプトは Global Grid Forum(GGF)の中で各種のワーキンググループの検討アクティビティとして具体化さ れている。 OGSA-WG はこの検討の中心的役割を果たすもので、将来のグリッドのあるべきメタ・ Webサービスの標準化

OASIS-Open

W3C

Basic Profile WS-Interoperability WS-Security SAML, XACML UDDI BPEL4WS WS-Reliability WSDM WS-RF WS-Notification WS-Addressing WS基本プロトコル SOAP,WSDL,XML-DSIG,XML-ENC アイデンティティ 連携、サービス Liberty Alliance OGSA-AuthZ OGSA OGSI OGSA-DAI JSDL WS-Agreement CDDLM

GGF(Global Grid Forum)

WS-Federation, … WS-Policy WS-RM WS-Transaction,… ベンダー発表のみで、まだ標準化 団体に提出されていないドラフト Webサービスの標準化

OASIS-Open

W3C

Basic Profile WS-Interoperability Basic Profile WS-Interoperability WS-Security SAML, XACML UDDI BPEL4WS WS-Reliability WSDM WS-RF WS-Notification WS-Addressing WS基本プロトコル SOAP,WSDL,XML-DSIG,XML-ENC アイデンティティ 連携、サービス Liberty Alliance アイデンティティ 連携、サービス Liberty Alliance OGSA-AuthZ OGSA OGSI OGSA-DAI JSDL WS-Agreement CDDLM

GGF(Global Grid Forum)

WS-Federation, … WS-Policy WS-RM WS-Transaction,… ベンダー発表のみで、まだ標準化 団体に提出されていないドラフト 図 グリッド・Web サービスの標準化

(20)

アーキテクチャーを提唱し、グリッドを構成するサービスとそれらの関係について定義し、 必要な標準化項目を洗い出そうとしている。これと並行してGGF では個別のワーキンググ ループが検討を開始している。 OGSI-WG では Web サービスをベースとし、グリッドの管理に必要な「リソース」とそ の「状態」、その管理の概念をWeb サービスに拡張した。また、イベント・ノーティフィケ ーションなどのメッセージングのモデルを拡張したグリッド・サービス・モデルとそのプ ロトコル標準を規定した。しかし残念ながら、これらの拡張により当初期待した通りのWeb サービスとの互換性が得られない結果となり、2004 年 1 月に、この点を見直した WS-ResourceFramework(WS-RF)、WS-Notification などの提案が IBM、HP、Globus などから協同提案された。現在では、OGSI に代わって WS-RF をベースにして OGSA を 構築する考えかたでGGF では検討が進められている。WS-ResourceFramework 及び関連 仕様、WS-Notification 仕様は、OASIS-Open の各々、WSRF TC、WSN TC にて仕様策定 が進められている。また、「リソース」のアドレッシング仕様として WS-Addressing 仕様 は、W3C で仕様策定が開始されている。 GGF ではそのほか、データ管理に関して OGSA-DAI、ジョブ発行に関して JSDL、各種 のネゴシエーション、アグリーメントの汎用プロトコルとして WS-Agreement、デプロイ メント・プロトコルとしてCDDLM、認証の連携プロトコルとして OGSA-AuthZ などが並 行して検討されている。 GGF を中心としてグリッド・プロトコル、サービス標準化の検討が進む一方で、標準化 対象領域があまりに拡大し実用化までに必要な課題が山積してしまっている状況も見えは じめてきた。こうした中で、企業向けグリッド実用化のための当面の課題だけにフォーカ スしたコンソーシアムとしてEnterprise Grid Alliance(EGA)が 2004 年 4 月に発足した。 GGF が研究グリッドから企業グリッドに至る非常に幅広い分野をカバーしているのに対し、 EGA は当初、5つの技術ワーキンググループだけにフォーカスしている。また、新たな標 準仕様を作りだすのではなく、できる限り既存の標準ないし他のコンソーシアムで検討さ れている標準案を尊重し、標準の完成度を高め、普及促進にフォーカスして活動すること を目標としている。今後、従来のコンソーシアムと連携して同コンソーシアムが企業コン ピューティング領域でのグリッド技術の急速な普及促進に貢献することが期待される。

一方、OGSA の基盤となる Web サービスの標準化に関しては、当初基盤となる SOAP、 WSDL、また XML 署名、暗号化などのプロトコルや書式の標準が W3C で検討、制定され た。しかし、その後、多くの上位プロトコルについてOASIS-Open で検討が開始されてい る。メッセージング・セキュリティについてWSS TC の WS-Security 及び関連するプロフ ァイル仕様, 認証デレゲーションについて SAML TC の SAML、アクセス・ポリシーに関 してXACML TC の XACML、高信頼メッセージングに関して WSRM TC の WS-Reliability、

(21)

ンググループが発足し検討を開始したが、OASIS-Open にて Web サービスの管理モデルの 標準化検討が開始され、この検討と合流することとなり、現在OASIS-Open 内の WSDM TC で仕様策定がなされている。 Web サービスの実用化が真剣に検討されはじめると、W3C、OASIS などで批准された基 本プロトコル仕様が必ずしも厳密ではなく、各社の標準準拠製品が完全には互換性を達成 していないこと、また、完全な互換性のためにはさらにかなりの検討が必要であることが 認識されてきた。WS-Interoperability は多岐にわたり始めた Web サービスの各種標準の うち、一番基本となる SOAP、WSDL、UDDI の三つを基本プロファイルと定め、これら の基本プロトコルと書式についてのみ、徹底的に互換性を実現するための検討を開始し、 2003 年 8 月にこれを基本プロファイル 1.0 として発表した。基本プロファイルはその後 2004 年 4 月にエラータが吸収され、さらに Simple SOAP Binding Profile 1.0 を分離し、 新たにAttachments Profile 1.0 を加えて、基本プロファイル 1.1 と共に 3 つの仕様として 2004 年 8 月に発表されている。 一方、Web サービスの上位層のプロトコル標準化案についても 2002 年から 2003 年にか けて相次いで発表されている。セキュリティ連携の上位層に関しては WS-Federation、 WS-Trust 他の一連のプロトコル、ポリシーに関しては WS-Policy 他の一連のプロトコルが 発 表 さ れ て い る 。 こ う し た ド ラ フ ト 提 案 の 中 に は ト ラ ン ザ ク シ ョ ン に 関 す る WS-Transaction 、 他 一 連 の プ ロ ト コ ル や 高 信 頼 メ ッ セ ー ジ ン グ に 関 す る WS-ReliableMessaging など、既に OASIS-Open のような標準化団体で別途検討が行われ ているものと領域の重なっているものもある。 以下、GGF、EGA、W3C、OASIS のそれぞれにおいて、グリッドに関連の深い標準化 技術の検討状況について調査したので、標準化団体ごとに記述する。更に、グリッドのミ ドルウェアの実装としてデファクトとなっている Globus Toolkit を開発している組織 Globus Alliance についてもその活動状況を記述する。

(22)

4.1.1. GGF(Global Grid Forum)における標準化の状況

現在、グリッド技術の標準化はGGF(Global Grid Forum)にて進められている。GGF は、1999 年に米国を中心に始まった Grid Forum にヨーロッパ、アジア諸国が加わり 2000 年11 月組織されたグリッドに関する唯一の国際的標準化団体である。 GGF には次ページに示す 7 つのエリアがあり、エリア毎に設置されたワーキンググルー プ(WG)とリサーチグループ(RG)が標準化活動の主体である。WG は仕様書、ガイド ライン、推奨事項といったドキュメントの提供を目指し、非常に特定の技術に焦点を当て ている。RG では勧告を出すには時期尚早なテーマについて、長期的に議論を進めている。 WG、RG、いずれも、そのグループの活動の目的として設立時に寧章(Charter)と憲章達成 に向けたマイルストーンを作成し、共同議長(co-chair)を選定した後、AD からの承認を 受けなければならない。 GGF は年に3回の頻度で会合を開いており、各グループの標準化に向けた議論の他に、最 新のトピックに関する講演やパネルディスカッションを行うPlenary セッション、RG の活 動として関連する研究状況について発表・討議するWorkshop、ほぼ確定した技術について の普及・啓蒙を図るTutorial などが開かれている。しかし、活発な WG は年3回の会期中 だけでなく、毎週の電話会議や別途フェイスto フェイス会議を開催し、それらの会議で仕 様策定を進めている。また、最近では、GGF だけでなく、関連する標準化団体との連携が 不可欠となり、GGF 内にリエゾンをおき、GGF の会合の中でも合同のセッションを設ける ことが多くなっている。 以下、エリア毎にWG/RG の活動状況についてまとめる。 2000 2001 2002 2003 年 GGF GGF1, アムステルダム GGF2, ワシントン GGF3, イタリア GGF4, トロント GGF5,エジンバラ GGF6, シカゴ GGF7, 東京 GGF8, シアトル GGF9, シカゴ IBMとGlobusチーム がOGSAを発表 GGFの誕生 Grid Forum(アメリカ) eGrid(ヨーロッパ) Asia-Pacific が結合 2004 GGF10,ベルリン GGF11,ハワイ GGF12,ブラッセル アジアで初開催 Enterprise GridにFocus 2005 GGF13,ソウル 2000 2001 2002 2003 年 GGF GGF1, アムステルダム GGF2, ワシントン GGF3, イタリア GGF4, トロント GGF5,エジンバラ GGF6, シカゴ GGF7, 東京 GGF8, シアトル GGF9, シカゴ IBMとGlobusチーム がOGSAを発表 GGFの誕生 Grid Forum(アメリカ) eGrid(ヨーロッパ) Asia-Pacific が結合 2004 GGF10,ベルリン GGF11,ハワイ GGF12,ブラッセル アジアで初開催 Enterprise GridにFocus 2005 GGF13,ソウル GGF1 ’01/3 0 200 400 600 800 1000 GGF2 ’01/7 GGF3 ’01/10 GGF4 ’02/2 GGF5’02/7 参加 者数 GGF6 ’02/10 GGF7 ’03/3 GGF8 ’03/7 GGF9 GGF10 GGF11 GGF12 GGF1 ’01/3 0 200 400 600 800 1000 GGF2 ’01/7 GGF3 ’01/10 GGF4 ’02/2 GGF5’02/7 参加 者数 GGF6 ’02/10 GGF7 ’03/3 GGF8 ’03/7 GGF9 GGF10 GGF11 GGF12

(23)

表 GGF におけるエリアと WG/RG(2005 年 2 月現在)

AREA Working Groups Research Groups Completed Groups

APME (Applications, Programming Models, Environments)

z Grid Checkpoint Recovery (GridCPR-WG)

z Grid Remote Procedure Call (GridRPC-WG)

z Advanced Collaborative Environments (ACE-RG)

z Applications and Test Beds (APPS-RG)

z Astronomy Applications (Astro-RG) z Grid Computing Environments

(GCE-RG)

z Grid User Services (GUS-RG) z Humanities, Arts, and Social

Science (HASS-RG)

z Life Sciences Grid (LSG-RG) z Particle and Nuclear Physics

Applications (PNPA-RG)

z Preservation Environments(PE-RG) z Production Grid Management

(PGM-RG)

z Simple API for Grid Applications (SAGA-RG)

z User Program Development Tools for the Grid (UPDT-RG)

z Advanced Programming Models (APM-RG)

ARCH (Architectures)

z Open Grid Services Architecture (OGSA-WG)

z Enterprise Grids Requirements (EGR-RG)

z Grid Policy Architecture (Policy-RG)

z Grid Protocol Architecture (GPA-RG)

z Semantic Grid (SEM-RG)

z Open Source Software (OSS-WG) z Accounting Models (ACCT-RG) z New Productivity Initiative (NPI-WG) z Service Management Frameworks (SMF-RG) z Grid Policy Architecture

(POLICY-RG)

z Open Grid Service Common Management Model (CMM-WG)

z Open Grid Services Infrastructure

(OGSI-WG)

z Grid Protocol Architecture (GPA-RG)

Data z Data Access and Integration Services (DAIS-WG)

z Data Format Description Language (DFDL-WG) z Grid File Systems (GFS-WG) z GridFTP-WG

z Grid Storage Management (GSM-WG)

z Information Dissemination (INFOD-WG)

z IPv6 (IPv6-WG)

z OGSA Data Replication Services (OREP-WG)

z Data Transport (DT-RG)

z Grid High-Performance Networking (GHPN-RG) z Transaction Management (TM-RG) z Data Replication (REP-RG) z Persistent Archives (PA-RG)

(24)

GRID SEC (Grid Security)

z CA Ops (CAOPs-WG)

z Open Grid Service Architecture Authorization (OGSA AUTHZ-WG)

z Grid Certificate Policy (GCP-WG)

z Open Grid Services Architecture Security Working Group (OGSA-SEC-WG) z Authorization Frameworks and Mechanisms (AUTHZ-WG) z Grid Security Infrastructure (GSI-WG) z Authority Recognition (ARRG-RG)

z Site Authenticaiton, and Accounting Requirements (SAAA-RG) ISP (Information Systems and Performance)

z CIM based Grid Schema (CGS-WG)

z Grid Information Retrieval (GIR-WG)

z Network Measurement (NM-WG)

z Grid Benchmarking (GB-RG)

z Network Measurements for Applications (NMA-RG) z Relational Grid Information Services Research Group (RGIS-RG) z Discovery and Monitoring Event Description (DAMED-WG) P2P (Peer-to-Peer)

z GGF Process-WG z Appliance Aggregation (APPAGG-RG)

z OGSA-P2P-Security (OGSAP2P-RG)

z Previous Activities of the Peer to Peer (P2P-WG) SRM (Scheduling and Resource Management) z Configuration Description, Deployment, and Lifecycle Management (CDDLM-WG)

z Distributed Resource Management Application API (DRMAA-WG)

z Grid Economic Services Architecture (GESA-WG) z Grid Resource Allocation

Agreement Protocol (GRAAP-WG)

z Job Submission Description Language (JSDL-WG)

z OGSA Resource Usage Service (RUS-WG)

z Usage Record (UR-WG)

z Grid scheduling Architecture (GSA-RG) z Workflow Management (WFM-RG) z Scheduling Dictionary (SD-WG) z Scheduling Attributes (SA-WG)

(25)

APME(Applications, Programming Models and Environments) Area

… 概要

APME Area では、アプリケーションプログラミングのモデルや環境についての検討を行ってい る。

WG では、ヘテロジニアスな環境でのチェックポイントからのリカバリや RPC(Remote Procedure Call)の API やシナリオの勧告文書を作成している。

RG では、グリッドリソースのアクセス利便性,テストベッド,グリッド環境の一貫性や相互運 用性,プログラム開発ツールについての研究/開発のほかライフサイエンスや素粒子・核物理など 応用分野ごとの活動もある。

… Working Groups

・ GridCPR-WG(Grid Checkpoint Recovery) ・ GridRPC-WG(Grid Remote Procedure Call)

… Research Groups

・ ACE-RG(Advances Collaborative Environments) ・ APPS-RG(Applications and Test Beds)

・ GCE-RG(Grid Computing Environments) ・ GUS-RG(Grid User Service)

・ Humanities, Arts, and Social Science(HASS-RG) ・ LSG-RG(Life Sciences Grid)

・ PGM-RG(Production Grid Management)

・ PNPA-RG(Particle and Nuclear Physics Applications) ・ Simple API for Grid Applications(SAGA-RG)

・ UPDT-RG(User Program Development Tools For the Grid)

… Completed Groups

(26)

„ GridCPR-WG(Grid

Checkpoint

Recovery)

… 目的 チェックポイントからのリカバリ可能なジョブを許可するユーザレベルのアプリケーション、 及び関連する層のサービスの定義を行う。重要なポイントになるのは、ヘテロなグリッドリ ソース間でのリカバリ可能性であり、言い換えればリカバリ前後でジョブの動作する環境が 同じである必要性はないということである。これはまた、環境を跨った意図的なジョブのプ リエンプションやマイグレーションも可能であることを意味する。 … マイルストーン スケジュール GGF 項目 2002 年 7 月 GGF5 BOF セッション GridCPR-WG の憲章ドラフトと組織の議論 2002 年 10 月 GGF6 WG 憲章の承認

既存Checkpoint Recovery APIs のアプローチの議論 Grid Checkpoint Recovery の操作シナリオの開発

Grid Checkpoint Recovery APIs/Service のシナリオと機能範囲 分類完了

2003 年 3 月 GGF7 GridCPR APIs/Service の詳細機能範囲のドキュメント GFD-I の修正

2003 年 6 月 GGF8 GridCPR API 仕様イニシャルドラフト作成

2003 年 10 月 GGF9 GridCPR Use Cases と Architecture GWD-I ドキュメント作成 概念検証実装の議論

2004 年 3 月 GGF10 GridCPR Use Cases GWD-I ドキュメントのレビュー GridCPR Architecture GWD-I ドキュメントのレビュー GridCPR API 初期ドラフトドキュメント

2004 年 6 月 GGF11 GridCPR Use Case & GridCPRArchitecture GWD-I ドキュメ ント確定

2004 年 9 月 GGF12 Use Cases と Architecture ドキュメントのレビュー GridCPR-API の初期ドキュメント

SC04GridCPR-WG の会議計画

GridCPR Use Case & GridCPRArchitecture GWD-I ドキュメ ントの確定

2004 年 11 月 SC04 Use Cases と Architecture ドキュメント確定

GridCPR API 仕様ドキュメントと GridCPR Services 概念検証実 装の最終計画

2005 年 3 月 GGF13 GridCPR API ドラフト仕様のレビュー GridCPR API 概念検証実装計画のレビュー

(27)

Use Cases と Architecture ドキュメントの改訂(必要な場合) 2005 年 夏 GGF14 GridCPR API ドラフト仕様の改訂

GridCPR API 初期実装のデモ

GridCPR Services Interface 初期ドキュメント 2005 年 秋 GGF15 GridCPR API 実装のレビュー;

GridCPR API 仕様確定

GridCPR Services Interface ドラフト仕様のレビュー GridCPR Services 概念検証実装のレビュー

2006 年 春 GGF16 GridCPR API Specification 改訂(必要な場合) GridCPR Services 概念検証実装のレビュー GridCPR Services Interface 仕様確定

2006 年 夏 GGF17 GridCPR Services Interface Specification 改訂(必要な場合)

… ドキュメント

・ GWD-I: An Architecture for Grid Checkpoint Recovery Services and a GridCPR API ・ GWD-I: Use Cases for Grid Checkpoint and Recovery

… 他組織との関係 不明 … 備考 <Web サイト> https://forge.gridforum.org/projects/gridcpr-wg/ http://gridcpr.psc.edu/GGF/

(28)

„ GridRPC-WG(Grid Remote Procedure Call)

… 目的

グリッドRemote Procedure Call のモデル及び API に関する GGF の勧告文書の作成を目的 とする。 … マイルストーン スケジュール GGF 項目 2003 年 6 月 GGF8 ファースト・ミーティング 推奨提案のドラフトを改訂 OGSA 等の別システムとの互換性と相互運用性の検証 2003 年 10 月 GGF9 推奨提案の2 回目の改訂 ドラフト規格の完全実装の評価 規格の実装の容易性(implementability)を評価 2003 年 11 月 SC03 正式仕様のデモ 2004 年 3 月 GGF10 推奨提案の最終版作成 さらに何を推奨すべきかを評価 何の実装に注力するかを評価 2004 年 7 月 GGF11 GridRPC 最終ドラフト 2つの実装のデモンストレーション … ドキュメント

・ A GridRPC Model and API for End-Users Applications ・ GridRPC: A Remote Procedure Call API for Grid Computing

・ A GridRPC Model and API for Advanced and Middleware Applications ・ GridRPC Model and API for End-Users

・ GridRPC Model and API … 他組織との関係 不明 … 備考 <Web サイト> https://forge.gridforum.org/projects/gridrpc-wg/ http://graal.ens-lyon.fr/GridRPC/ <実装>

(29)

„ ACE-RG(Advances

Collaborative

Environments)

… 目的 グリッドリソースへのアクセス利便性を提供することにより、GGF の他のグループの活動を 補足する。 … 備考 <作成ドキュメント>

・ Security Requirements Of Advanced Collaborative Environment ・ Application Security Requirements of Tele-immersive Environments

<Web サイト>

https://forge.gridforum.org/projects/ace-rg/

„ APPS-RG(Applications and Test Beds)

… 目的 アプリケーション開発者によるグリッド環境の利用促進を目的とする。そのための手段の一 環として、実際のグリッド環境におけるアプリケーションの適合性の検証を行い、アプリケ ーション開発者に対しては、何が可能であるかを伝え、GGF に対しては何が必要であるかを 伝える。 … 備考 <Web サイト> http://www.zib.de/ggf/apps/

„ GCE-RG(Grid Computing Environments)

… 目的

フレームワーク、PSE(Problem Solving Environmen)、その他のグリッド環境の一貫性や相 互運用性を、標準を確立することにより提供する。

… 備考

<Web サイト>

(30)

„ GUS-RG(Grid

User

Service)

… 目的

グリッド環境利用者の理解を深め、サポートスタッフや開発者との交流をサポートする。 … 備考

<作成ドキュメント>

Support Services and Tools Requirements <Web サイト>

https://forge.gridforum.org/projects/gus-rg/

„ Humanities, Arts, and Social Science(HASS-RG)

… 目的

グリッド基盤上の情報技術を芸術と社会科学の人文科学に適用可能にする … 備考

<Web サイト>

https://forge.gridforum.org/projects/hass-rg/

„ LSG-RG(Life Sciences Grid)

… 目的

グリッドインフラ上のライフサイエンス情報技術の統合に関連する発行物の調査を行う。 … 備考

<Web サイト>

https://forge.gridforum.org/projects/lsg-rg/

„ PGM-RG(Production Grid Management)

… 目的 グリッド技術者を束ねて、グリッドの発展に有用なドキュメントの作成を行う。また、 発生した当面の問題の議論も行う。 … 備考 <Web サイト> http://www.ipg.nasa.gov/ggf-pgm-rg/

(31)

„ Simple API for Grid Applications(SAGA-RG)

… 目的 グリッド上のアプリケーション開発者に明確で簡単な共通操作で必要な処理を行えるプログ ラミングパラダイムやインターフェースによらない簡単なAPI を提供する。 … 備考 <Web サイト> https://forge.gridforum.org/projects/saga-rg/

„ PNPA-RG(Particle and Nuclear Physics Applications)

… 目的

素粒子・核物理のアプリケーショングリッドに関する発行物の調査を行う。HENP

(High Energy & Nuclear Physics)が自主的に標準を定義し、利用できるような環境を構築す ることが目的となる。

„ UPDT-RG(User Program Development Tools For the Grid)

… 目的 グリッド環境で利用可能なデバッガ、性能チューナ等の調査、検討してグリッド開発者に提 供することにより、他のGGF グループの活動を補佐する。 … 備考 <Web サイト> http://www.kvasar.com/GGF/GGF_UPDT.html

„ Advanced Programming Models (APM-RG)

… 備考

2002 年 7 月設立、2003 年 3 月終了 詳細は不明

(32)

ARCH (Architecture)Area

… 概要 グリッドコンピューティングのアーキテクチャ定義を目標とするエリアである。以下のコメント が記述されている。 「アーキテクチャはパン屋さんに似ており、高い品質の素材(アイディアと戦略)を多様なリソ ースから調達し、よく焼きあがった概念を提供するのである。アーキテクチャ構築の過程には、 意図するアーキテクチャに合ったバランスの取れた神を畏れぬソリューションを作る為に、最良 のデザインコンポーネントを選択する事が含まれる。」 … Working Group (WG)

・ Open Grid Services Architecture (OGSA-WG)

… Research Group (RG)

・ Semantic Grid (SEM-RG)

・ Enterprise Grid Requirements (EGR-RG)

… Completed Groups

・ Open Grid Services Infrastructure (OGSI-WG) ・ Common Management Model (CMM-WG) ・ New Productivity Initiative (NPI-WG) ・ Grid Policy Architecture (POLICY-RG) ・ Grid Protocol Architecture (GPA-RG)

(33)

„ Open Grid Services Architecture WG ( OGSA-WG )

… 目的

このWG は、要求仕様、機能仕様、優先順位、OGSA サービス間の相互関係のドキュメント化 を通して、OGSA サービスの将来的な開発に対して統合的に取り組んでいくことを目的としてい る。

WG のアウトプットは“OGSA usecase”、“Open Grid Services Architecture”、“OGSA roadmap” という3つのドキュメントである。OGSA usecase は、対象とする代表的なユースケースを集め たものである。OGSA は、対象範囲とキーとなるサービスの概要について定義したものである。 そして、OGSA roadmap は、サービスの詳細仕様を定義する優先順位、スケジュールを規定し たものである。個々のサービスについての詳細仕様の検討は他の既存あるいは新設のWG にスピ ンアウトされるとしている。 … マイルストーン スケジュール 項目 GGF5(2002/7) WG 提案のための BOF GGF10(2004/3) OGSA usecase ドキュメントの最終草稿 OGSA ドキュメントの第1版ドラフト GGF11(2004/6) OGSA Architecture ドキュメントの最終草稿 OGSA roadmap ドキュメントの初稿原稿 GGF12(2004/10) OGSA roadmap ドキュメントの最終草稿

GGF13(2005/3) OGSA roadmap ドキュメントの GGF Editor 提出

GGF14(2005/6) OGSA ドキュメント(第2版)および用語集を GGF Editor に提出 … 他の団体・組織との関係 ・W3C、OASIS、DMTF といった標準化団体と作業的につながりがあり、OGSA 関連テーマに 関しては議論している模様(Architecture ドキュメントに関係の記述あり)。大まかな分担・関 連は以下の通り: IETF ネットワークのソフトハード技術 GGF の運営ルールは,IETF を規範に策定 OASIS Web サービス関連技術 OGSI の改版(WSRF)に関する共同声明(2004/1) http://www.gridforum.org/L_News/ggf-oasis.pdf DMTF 標準管理モデル 包括的なパートナーシップに関する共同声明(2003/4/29) http://www.dmtf.org/newsroom/releases/2003_04_29 W3C

(34)

XML や SOAP など internet の技術

・GGF9 以降、OGSA から派生している関連 WG だけでなく、他エリアの WG と相互に議論す る場(セッション)を作って活発に議論を進めている。

… 現在の状況

2002 年 2 月にあった GGF4 で IBM と Globus が連名で OGSA を発表してから、準備段階を経 て、同年10 月の GGF6 より本格的な活動を開始した。 2004 年 3 月にあった GGF10 において、OGSA を GGF のフラグシップアーキテクチャとするこ とがGGF 議長より宣言され、GGF の全 WG/RG に OGSA 対応をするように勧告した。その結 果、OGSA-WG は GGF の WG の一つではあるが、アーキテクチャの元締めとして影響力をもつ ようになった。また、2004 年 6 月の GGF11 で OGSA アーキテクチャ仕様書の第 1 版がリリー スされ、関連するWG/RG の間で具体的な検討が始まっている。 既に、最終的なGGF 仕様書(GFD)として、OGSA ユースケース仕様書、OGSA アーキテクチ ャ仕様書、OGSA 用語集が発行されており、現在も活発な活動が続いている。 <URL> https://forge.gridforum.org/projects/ogsa-wg/

(35)

„ Open Grid Services Infrastructure WG ( OGSI-WG )

… 目的

OGSI-WG の目的は、Grid サービスの仕様、及び OGSA インフラに関連する技術仕様ドキュメ ントをレビュー・詳細化することと規定されている。ただし、2003 年 4 月に“OGSI v1.0 Specification”というドキュメントが GGF の Recommendation Document として登録済みであ る。また、WSRF(WS Resource Framework)が発表され、OGSI が WSRF と WSN で置き換 えられることになり、これらの仕様はOASIS の TC で策定されることになり、本 WG の役割は 終了を迎えた。 … 備考 <URL> https://forge.gridforum.org/projects/ogsi-wg/

„ New Productivity Initiative Working Group (NPI Working Group)

… 目的 2001 年 1 月から 2002 年 4 月までの間に、各商用ベンダーから技術代表を招集し、オブジェクト 指向の解析、設計手法を使って、分散コンピューティング管理の参照モデルを作った。これは、 商用の世界で注目されるユースケース、複数ベンダーの製品がユーザの立場でリクエストを処理 できる要求仕様に対して、分散コンピューティングシステムの可能性を調査する事であった。現 在の目的は、この参照モデルを今後のGGF の標準に統合していくこと、DRM(分散資源管理) サービスを支える実用化の中で統合していく事、この活動で得られた知見を GGF 内の適切な WG の活動に貢献していく事である。 ・ NPi 参照モデルとアーキテクチャドキュメント。 ・ NPi アーキテクチャに必要な GGF サービスのドキュメント。 ・ 既存及び将来のGGF サービスを NPi モデルに統合する方法についてのドキュメント。 これはNPi インプリメンテーションによる GGF サービスの最大限の利用を可能にする ために、できるだけハイレベルにする。 ・ GGF 6 - DRM ユースケース参照モデルドキュメントの GGF への提出 ・ GGF 7 - DRM デザインモデルのドラフト提出。 … マイルストーン 現在このグループの活動は終了し、Policy-RG、SMF-RG などに引き継がれた。 … 備考 http://www.pulsipher.org/npia

表  GGF におけるエリアと WG/RG(2005 年 2 月現在)

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