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煎卵錨:瀦卿門三瀬

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  学位論文

Doctor’s Thesis

脳梗塞急性期患者における微小栓子シグナルと脳虚血病変との関連

  (Relationship between Microembolic Signals and lschemic       Lesions in Patients with Acute Stroke)

  中島 誠 Makoto Nakajima

      指導教官

熊本大学大学院医学教育部博士課程 臨床医科学専攻 神経内科学        内野 誠 教授

2009年3月

(2)

  学位論文 Doctor’s Thesis

脳梗塞急性期患者における微小栓子シグナルと脳虚血病変との関連   (Relationship between Microembolic Signals and lschemic      Lesions in Patients with Acute Stroke)

著者名: 中島 誠

Makoto Nakajima

指導教官名:神経内科学 教授 審査委員名:脳神経外科学 教授       循環器病態学講座 教授       放射線医学講座 教授

      生体機能病態学分子病理学分野 教授

内野 誠 倉津純一 小川久雄 山下康行 山本哲郎

2009年3月

(3)

       目 1.要旨

2.発表論文リスト 3.謝辞

4.略語一覧

5.研究の背景と目的

 5一(1).急性期脳梗塞診療における課題

 5一(2). MES  5一(3). DWI

 5・(4).皮質下梗塞の分類

 5・(5).DWIとMES 6.研究方法

7.研究結果 8.考察 9.結語

10.参考文献

11.図表およびその説明

 図1.経頭蓋ドブラと微小栓子シグナル  図2.

 図3.MESの有無と病変サイズ  図4.MESの有無と病変部位

 図5.

 図6.

 表1.

 表2.

拡散強調画像による新鮮虚血病変の部位

MES検出数とDWIにおける虚血病変数

主幹動脈狭窄に伴う血行力学的脳梗塞の発症機序

NIHSS (National lnstitutes of Health Stroke Scale)

MES陽性群と陰性群における患者背景

スコア

(4)

1.要旨

【背景と目的】経頭蓋ドブラ(transcranial Doppler:TCD)で検出される微小栓子シグナ ル(microembolic signals:MES)の臨床的意義は明らかになっていない.われわれは,急 性期脳梗塞患者におけるMESと,MRI拡散強調画像(diffusion・weighted imaging:DWI)

所見との関係を,前向き研究により解析した.

【方法】急性期脳梗塞患者に対して,MESを検出するために発症24時間以内に30分間の TCDを施行し,7日以内にDWIを施行した.神経学的症状の反対側の中大脳動脈において 検出されるMESの数を評価した・DWIによる急性期脳虚血病変は,病変サイズ(小,中,

大)と病変部位(皮質領域,表在穿通枝領域,内側境界領域,深部穿通枝領域)により分 類した.MESが検出された血管(MES陽性群)とされなかった血管(MES陰性群)との 間で,臨床背景およびDWIによる病変の特徴を比較検討した.

【結果】37症例の39血管(2症例は両側)におけるドブラ波形を評価した.MESは12 血管で検出され,27血管で検出されなかった.2群間で,臨床的背景には差異を認めなか った.小病変の数はMES陽性群で有意に多く認められた(p=0.02).皮質領域と表在穿通 枝領域の病変は,MES陽性群で有意に多かった(それぞれP=0.002, P=0.02).

【考察】急性期脳梗塞患者においては,MESの検出が, DWI上の皮質領域の小病変に関連 することが明らかとなった.さらに皮質下領域を表在穿通枝領域と内側境界領域に分ける

と,MESとの有意な関連は前者にのみ認められた.したがって皮質や皮質直下白質の病変 が見られる場合には,塞栓症の発症機序が疑われ,塞栓源疾患検索の必要があると考えら

れた.

(5)

【結論】脳梗塞急性期においてTCDで検出されるMESは, DWIにおける皮質および表在 穿通枝領域の,サイズが小さな虚血病変の発症に寄与している可能性がある.

(6)

SUMMARY

B4CKGROUND: Tbe clinical relevapce of the microembolic .signals (MES) detected by

transcrapia戟@DoppleT’ sonbgraphy (TgD) in ’acute s.troke reingins’uncleaT. ln a.

P…p・・七ive s叫y七h・au七h・rs analy・ed the rel・ti・n・hip・b・tween MES・唄th・fi・ding・

on diffusion’weighted magn.etic ’resonance imaging (DWI) in acute stroke patients.

岬Hgps:we.pe「fo「med’ TcD fo「.a・pe「’odof30m’n七〇 detec‘ M.ES’Ppa七’ep‘s w’七h’n

?4 h・f・t・・k・’・nse‘・・nd pWI w・・ゆ・w’七h’ゆ・.’・’t’・17d・y・・MES.werr・asse・Srd from DoPPIer waves obtained from the middle cerebral artery contralateral to the side of

the neyrological deficits. The qcute ischemic lesions gbserved on DWI were glassified by their diameter (srr}all, mediu.m. or latgg) a.nd by their site (cottical, superficial..perforator

territory, intemal borderzope. or.. deep perforator territory). RE.SI」LTS; We 9bta’ihed

DoPP’e「waves frorp 99 vesse’s’n 37 pa‘’en七s;2pa七’ents勲adb”ate「a’.de丘。’ts・MEs were detected in ’P2 vessels (MES’positiVe group).a4d not detggted.in 27 vessels

(MES’negative gr’oup). No significant differences in clinical features wete ’obserVed

betweeDn@the 2 grogps. I he numbgr gf small lesions’was sigpificantly hlghgr in the MES’…iti・・g・・up than i・七h・MES匿n・g・ti・・g・・u・(P =O・02)・Th・numbers・f…tir・l and superficial perforator infarcts vyere si.gnificantly higher in the ME.S’pg$itive groyp 七h・P・in七h・MEs・’n・g・七i>・g・・up・(P・0.oo2・nd o.02,・e・p・・七i・・iY). cQNcLusloN・1・

acute ischemic strbke, MES detected by TCD in the acute pha’se may produce small cortical and subcortical lesioris found on DWI.

KeyWorqs: qiffgsion’weighted imaging;

i阜farc七ion

transcranial DoPpler s6nography; subcortica1

(7)

2.発表論文リスト

Makoto Nakaji’ma, Kazumi Kimura, Atsukg Shimode, Fumio.Miyashita, Makoto Uchino,

Hiroaki Naritomi, Kazuo Minematsu. Microembolic Signals within 24 Hours of Stroke Onset and Diffusion’Weighted MRI Abnormalities. Cerebrovase Dis 2007;23:282’288.

<その他の論文>

1)中島 誠;渡邉(原)理香,稲富雄;郎,橋本洋一郎,内野 誠.脳梗塞急性期におけ    る呼吸感染症合併の検討.蘇耀学2002;42:917・921.

2)中島 誠,稲富雄一郎,米原敏郎,藤岡正導,内野 誠.脳梗塞急性期の嚥下障害と入    院時嚥下評価の意義.環鰍2003;18:1-5.

3) Makoto Nakajima, Kazumi Kimura, Toshiyasu Ogatal Tatsuro Takada, Makoto

   Uchino,, Kazuo Minematsu. Relationships between angiographic findings and    National Ins七i七utes of Heal七h Stroke Scale(NIHSS)score in cases of hyperacute

   carotid ischemic stroke.ノ41η」抽α」皿鷹~翻2004;25:238・241.

4) Makoto Nakajima, KazuMi Kimura, Yuichiro lnatomi, Yasukazu Terasaki, Keiko    Nagang・Toshi「o Yoneha「a, Mak・t・U・hi…K・・u・Mi・・m・t・u・1・七ermi七t・・t

   oro・esophageal tube feeding in acute s七roke.pa七ients・A pilot study・Acta Neurol    Scand 2006:113:36-39.

5)Makoto Nakajima, Teruyuki Hirano, Makoto Uchino. Patients with acu七e stroke    admitted on the second visit. J Stroke Cerebrovase Dis 2008;17:382’387.

(8)

3.謝辞

 本研究を行うにあたり,国立循環器病センターへの留学の機会を与えてくださり,帰熊 後も臨床研究の環境を整えて,常に暖かいお心遣いで全面的にご支援,ご指導くださった 熊本大学大学院医学薬学研究部神経内科学分野教授・内野誠先生に深く感謝いたします。

 本研究および論文執筆に際して熱心にご指導いただきました国立循環器病センター内科 脳血管部門部長の峰松一夫先生,木村和美先生(現 川崎医科大学教授),共同研究者であ る下出淳子先生(現 聖マリアンナ医科大学東横病院),宮下史生先生(現 鹿児島医療セ ンター),さらにはTCDのoff’line解析にご協力くださった,篠原有加氏に深謝申し上げま す.その他多くの国立循環器病センター内科脳血管部門の先生方,コメディカル・スタッ

フの協力なしには,本研究は遂行できませんでした.

 ま咋本論文を含む多くの研究および論文執筆において,多大な時間と労力を割いてご指 導くださった熊本大学大学院医学薬学研究部神経内科学分野・平野照之先生に心より感謝 申し上げます.

 最後に国立循環器病センターでの研修を勧めてくださった熊本市立熊本市民病院の橋本 洋一郎先生,済生会熊本病院神経内科の米原敏郎先生,稲富雄一郎先生,また快く送り出

して下さった熊本脳卒中グループの各回生方に,心よりお礼申し上げます.

 本研究は,検査の目的と必要性を理解し,ご協力くださった患者さんとそのご家族のご 厚意の賜であることを,ここに銘記いたします.

      2008年12.月  中島誠

(9)

4.略語一覧

TOASTI Trial of Org.10172 in Acute S七rok6 Trea七ment MES: mlcro’embolic signalp

TCD:七ranscranial Doppler

MRI・m・gn・七ic re・・蜘・e im・gihg DWI:.diffusi6n’weighted imaging

’TIA: tranSient ischemic attack・

.MCA:.niiddle cerebra1 ar七ery

NIHSS: National lnstitutes of Health Stroke Scale CRP: C’reactiv,e protein

TAT:thrombin-an七ithrombin III complex AT III: antithrombin III

(10)

5.研究の背景と目的

 5・(1).急性期脳梗塞診療における課題

 急性期脳梗塞の診断と治療には,今なお多くの解決すべき問題が残されている.著者は,

発症後入院までに医療機関を複数回受診した急性期脳梗塞患者に関する研究,脳梗塞急性 期の嚥下障害および呼吸器感染症に関する研究,脳梗塞急性期における新たな経腸栄養法 の研究,脳梗塞急性期の重症度と脳血管造影所見の関連についての研究,脳梗塞患者にお ける冠動脈疾患のスクリーニング法に蘭する研究等を行ってきた.

 脳梗塞は発症機転や閉塞血管によって大別され,現在ではTOAST分類(TOAST:Trial of Org 10172 in acute stroke treatment)[1】が用いられることが多い. TdAST分類では,1)

1arge-artery a七herosclerosis:アテu一ム硬化による主幹脳動脈の50%以上の狭窄ないし閉

塞に起因するもの,2)cardioembolism:心腔内由来の血栓塞栓症によるもの,3)

small-vessel occlusion:古典的ラクナ症候群を呈し,1.5cm未満の皮質下または脳幹部の 梗塞像を呈するもの,4)stroke of other de七ermined etiology :アテローム硬化以外の血管 障害や凝固異常など他の原因によるもの,5)sttoke of unde七ermined etiology:原因が不 明のもの,もしくは2つ以上の原因が考えられて特定できないもの,の5群に分けられ,

病型によって治療方針が大きく異なる.三型診断が誤っていれば、容易に症状の悪化や再 発を来たす恐れがある。

 著者は臨床の場で多くの脳梗塞患者を診療しつつ上述の臨床研究を進める中で,脳梗塞 の適確な三型診断が,再発や急性期の増悪を防ぎ,患者の転帰を改善させる重要なポイン トであると思い至った.特に病歴や神経症候,検査所見から塞栓性の機序が疑われる場合 には,その後の必要な検査および治療方針が大きく変わることになる.したがって,入院 初期の段階で塞栓症か否かが同定できることは,きわめて重要である.

 以上のことを踏まえて,今回,急性期脳梗塞患者の経頭蓋ドブラ検査で検出される微小 栓子シグナル(nlicroembolic signals:MES)とmagnetic resonance imaging(MRI)所見

(11)

との関連,特にMRI拡散強調画像で検出される皮質および皮質下梗塞の発症機序に焦点を 当てて,本研究を行うこととした.

 5一(2). MES

 経頭蓋ドブラ検査(Transcranial Doppler:TCD)で検出される微小栓子シグナルは,1990 年代から虚血性脳血管障害のリスク評価の手法として,広く行われている(図1)[2・11].

ただしアジア人においては側頭骨ウインドウが確保しにくいという問題があり,わが国で は本検査があまり行われていないのが現状である.

 MESは頸動脈狭窄症,心房細動,心臓弁膜症に対する人工弁置換術後の患者や,脳血管 造影および心臓・頸動脈に対する手術の術中モニタリングにおいて,検出される.急性期 脳梗塞患者におけるMESの検出頻度は4・56%と,報告によりさまざまであるが【12・18】,

その臨床的意義は十分には解明されていない.MESの多くは無症候性に検出されるが,そ の一部は脳に虚血病変を生じさせる可能性がある[19,20].

 5一(3). DWI

 頭部MRIにおける拡散強調画像(diffusion・weighted imaging:DWI)は,水分子の拡散 運動制限を強調する手法である,DWIでは,拡散運動量が低い領域ほど高信号に(明るく),

拡散運動量が高いほど低信号になる.脳梗塞急性期には,細胞膜イオンポンプ機能の破綻 や膜透過性の変化により,細胞内へ水分子が移動し,細胞傷害性浮腫を生じる.その結果,

虚血病巣は高信号として描出される.このような脳梗塞発症後ごく早期から生じる変化を 画像化することができるため,computed tomography(CT)や従来のMRI撮像法に比べ,

急性期の脳虚血病変を鋭敏に検出しうる撮像法として活用されている(図2)[21・23】.DWI は他の検査法や他の撮像法では検出できない,発症数時間以内の超急性期の脳梗塞や,非 常に微小な脳梗塞も検出することができる[24].

(12)

 5・(4).皮質下梗塞の分類

 脳梗塞病変のうち,皮質領域の小病変(図%)には塞栓性機序が,深部穿通枝領域の小 病変(図2D)にはりポビアリノーシスが強く関与していると考えられているが,皮質下領 域の小病変の発生機序については,一定の見解が得られていない.Leeらは皮質下領域梗塞

を,さらに表在穿通枝領域(図2B)と内側境界領域(図2C)に分類し,前者には塞栓性 機序が,後者には穿通枝でのりポビアリノーシスの機序が強く関与しているのではないか と提唱している.この点を検証するため,今回の検討では皮質下領域をこの2つの領域に 分類して,解析を行った.

 5・(5).DWIとMES

 本研究の目的は,脳梗塞急性期におけるMESと, DWIで検出される病変との関連を調 べることにより,MESの意義をより明確にすることである.特に前述のごとく,MESと DWIで検出される皮質下病変との関連を検討して,皮質下病変の発症機序を考察する.

 これまでにも,脳梗塞急性期患者におけるMESとDWI所見との関連に関する報告はな されてきた.しかしその多くではTCDが施行された時期が脳梗塞発症2日以内のものであ り,また狭窄性血管病変や塞栓源疾患を有する症例に対して施行されたものである[25,26】.

また過去の報告では,MESは両側いずれかの中大脳動脈(middle cerebral artery:MCA)

で検出されれば陽性と判定されそおり,その時に発症した脳梗塞とは関連の低いMESも含 めて評価されている可能性がある.

 本研究においては,MESとそれに関する脳虚血病変を正確に評価するため,発症24時 間以内の脳梗塞または一過性脳虚血発作(transient ischemic attack:TIA)患者において TCDを施行し, DWIで検出される虚血病変との関連を検討した.さらに症候とより関係の 深いMESを検出するため,症候の反対側(虚血病変側と考えられる)の中大脳動脈で検出

されたMESのみを評価の対象とした.

(13)

6.研究方法

 2002年9月から2003年4月までに国立循環器病センターに発症24時間以内に入院した 虚血性脳血管障害患者,連続56例に対する前向き研究を行った.

 以下の臨床データをすべての患者から収集した.

 1)年齢と性別

 2)神経脱落症候と反対側のMCAにおいてTCDで検出されたMESの数  3)入院時NIHSSスコア(表1)[27】

 4)高血圧(入院時に収縮期血圧≧160mmHgまたは拡張期血圧≧95mmHg以上,または   薬物治療中),糖尿病(ヘモグロビンAlc>6.4%または薬物治療中),高脂血症(総コ   レステロール>220mg/dlまたは薬物治療中),喫煙(入院時現在)

 5)脳梗塞の既往

 6)塞栓源となる心疾患もしくは大動脈病変  7)神経症候に関連する頭頸部動脈の狭窄性病変

 8)入院時血液検査所見(白血球数,ヘマトクリット,血小板,ラィブリノーゲン,CRP)

 9)入院時血液凝固因子(thrombin an七ithrombih・III complex:TAT, D・dimer,

  Antithrombin III: AT III)

 10)脳虚血イベント発症からTCDおよびMRI施行までの時間  11)入院時およびTCD施行時の抗凝固薬と抗血小板薬服薬の有無

 12)TOAST分類に基づく臨床病型(large・artery a七herosclerosis, cardioembolism,

   small’vessel occlusion , stroke of other determined etiology , stroke of    unde七ermined etiology)

 TCDはDWL社Multidop X4の2.5MHz探触子を用い,脳梗塞またはTIA発症から24 時間以内に施行した.患者を仰臥位とし,両側MCAの血流を45-55mmの深度で30分間 モニタL一一一・した.MESは神経脱落症候の反対側のMCAにおけるドブラ波形から検出された

(14)

もののみを評価した.MESは検者が視覚的および聴覚的に評価し,背景血流波形よりも明 らかに高輝度の線状陰影が認められ,かっ独特のchirp音を伴うもののみを陽性とした(図 1)【28]。TCD機器に内蔵されている自動分析機能は用いなかった.ドブラ波形はデジタル ビデオテープに録画し,解析は臨床情報が分からない状態で,2人以上の検者がoff’line解 析を行った.

 塞栓源性疾患を検索するため,12誘導心電図,24時間ホルター心電図,経胸壁心エコー 図検査を施行した.非弁膜症性心房細動,急性心筋梗塞心室内血栓を伴う陳旧性心筋梗 塞,僧帽弁狭窄症,人工弁置換術後の心臓弁膜症,拡張型心筋症,卵円孔開存症,および 心臓腫瘍を塞栓源性心疾患とした.さらに塞栓源となる大動脈疾患や卵円孔開存を検索す るために,27人の患者に経食道心エコー図検査を施行した。上行大動脈もしくは大動脈弓 部の血管内腔に4mm以上突出する,もしくは明らかに表面不整な限局性病変,高度の石 灰化病変,可動性病変を認めた場合,塞栓源性疾患とみなした.

入院時,すべての患者に頸動脈エコー検査を施行した.また脳血管造影検査もしくはMR 血管造影検査を急性期に施行した.頭頸部動脈の狭窄性病変は,Nor七h American

Symptoma七ic Carotid Endarterectomy Trial[29]での評価法に準じて評価し,50%以上の狭 窄を有意とした.また潰瘍形成を伴うプラークが見られた場合も,有意な血管病変とみな

した,

 MRIは虚血性脳血管障害発症7日以内に,1.5テスラのsingle-shot echo planer法によ り撮像した.MRIはT1強調画像, T2強調画像, DWIを全例に施行した. DWIはTR 4000 ms, TE 103 ms,128×128 matrix,230 mm,4mmスライス,2mmギャップで施行し,

b値はOs/mm2と1,000 s/mm2で評価した.拡散傾斜磁場はx軸, y軸, z軸方向にかけ て撮像し,これらの平均から得られるanisotropic画像を用いた。 DWIでの異常病変は,

(15)

限局性の高信号病変のみとし,拡散制限とMRI特性により出現するartifactは除外した.

MRIはすべて2人の検者が認識したもののみを陽1生とした.

 DWIでの病変は病変サイズ(小病変:<10 mm,中病変:10-30 mm,大病変:>30 mm)

と病変部位(皮質領域,皮質下領域,深部穿通枝領域)により分類した.皮質領域はcortical ribbonに相当する部分に存在するものとし,皮質下領域はさらに表在穿通枝領域,内側境 界領域に分類した.表在穿通枝領域の外縁はcor七ical ribbon,内縁は放線冠もしくは深部穿 通枝領域までとした【30].深部穿通枝領域は深部穿通枝と皮質穿通枝の境界部分とした

[31,32].なおMCAと前大脳動脈または後大脳動脈との=境界の病変は,解析から除外した.

深部穿通枝は深部放線冠,被殻,淡蒼球,内包,尾状核頭の領域とした(図2).

 MESが陽性であった患者をMES陽性群,陰性であった患者をMES陰性群とし,両群 間で1)から11)の陽性率を比較した.またDWIでの病変サイズおよび部位によって,病変 の数をMES陽性群と陰性群で群問比較した.年齢, NIHSSスコア,発症からTCDおよ びMRIまでの時間の検定についてはMannWhitney’s U七estを用い,それ以外にはFisher の直接法を用いた.さらに,MESの検出数とDWIでの病変数との相関性を, Spearman の相関検定にて評価した.統計学的解析は,Stat・View version5(SAS Institute)を用い,

p値は0,05未満を有意と判定した.

(16)

7.研究結果

 56症例中,19例は神経脱落症候と反対側のMCAがTCDで検出できず,3例はペース メーカー植え込み術後のため除外した・残りの37症例(男性34例,女性3例,年齢69士10 歳)の39血管を評価した.37例のうち2例では,両側の神経学的異常が認められたため,

両側のMCAを対象とした.臨床病型はlarge・artery atherosclerosisが9例,

cardioembolismが9例,small-vessel occlusionが3例,s七roke of o七her determined etiology

が5例,stroke ofundetermined etiologyが6例, TIAが5例であった.発症からTCD施 行までの時間は11.0±6.4時間(中央値8.2,範囲2.3・24。0)であった.またMRI施行ま での時間は33。9±29.7時間(中央値27.9,範囲12.3・183.5)であった.

 MESは11例ID 12血管(30.8%)で陽性,26例の27血管で陰性であった.陽性であっ た11例を陽性群,陰性であっtc 26例を陰性群とした.2群問にはNIHSSスコア,塞栓源 性疾患,血管病変,抗凝固療法,および臨床病型に有意差を認めなかった.入院時の検査 データにも差異を認めなかった(表2).経回道心エコーは陽性群では11例中7例に,陰性 群では26例中20例に施行した,塞栓源性疾患(血管病変,心疾患,大動脈病変)は陽性 群に多かったが,統計学的有意差には至らなかった.

 MES陽性群ではMES陰性群に比して小病変が有意に多く(3.5±4.5 vs.0.7±1.0, p=

0.02),中病変(0.9士1.5vs.0.2±0.4, p=0.07)と大病変(0.3±0.5 vs.0.4土0.5, p=0.83)の

問には有意差を認めなかった(図3).皮質病変はMES陽性群(3.8土4.3)でMES陰性群(0.7

±0。8)よりも有意に多かった(ρ=0.002).表在穿通枝領域病変はMES陽性群でMES陰性

群よりも有意に多かった(0.8士0.9vs.0.3±0.3,一ρ=0.02)が,内側境界領域(0.2±0.4 vs,0.3

±0.7,」io>0.99)および深部穿通枝領威(0.2士0.4 vs.0.3土0.5,p=’O.66)では両群間に差がな

かった(図4).MESの検出数とDWIでの虚血病変数には有意な相関が見られた(p=0.003,

(17)

p=0。605,図5).

 Small-vessel occlusionの3症例のうち1症例において,病変側MCAでMESが3個,

対側MCAで2個検出された.本症例は72歳男性で,高血圧と糖尿病を有し,右側の不全 片麻痺を呈していた.DWIでは,右被殻後方に長系10mm程度の高信号病変が見られた.

凝固線溶系の異常所見は見られず,入院中に症状の進行も見られなかった.

(18)

8.考察

 虚血性脳血管障害症例におけるM:ESの検出は,塞栓性機序の存在を示唆すると考えられ ている.一方DWIでの多発性病変も,多発性の塞栓や,栓子の崩壊と関連しており,この ような塞栓性機序を示唆すると考えられてきた[33,34】.今回の研究で,われわれは神経脱 落症候の反対側のMCAで検出されるMESは, DWIでの同側の大脳病変と関連すること

を証明した一・また,過去の報告同様,皮質領域の小梗塞に強く関連することが示され[24,25],

われわれはさらに発症24時間以内の虚血性脳血管障害における関連性を証明することがで

きた.

 皮質病変と塞栓性機序との関係は広く認められているが,皮質下病変の発生については 塞栓性機序および血行力学的機序が複合的に関係している可能性が指摘されている[34,35,

36].特に皮質直下梗塞は,血行力学的機序と塞栓性機序の組み合わせによって起こってい る可能性がある[26,32,37].すなわち,脳主幹動脈の狭窄が存在する場合,同部位からの微 小栓子が飛散するだけでなく,灌流圧の低い境界領域(中大脳動脈と前大脳動脈もしくは 後大脳動脈領域の境界)や終末領域(穿通動脈と皮質動脈の境界)では,栓子のクリアラ ンスが不十分となる.この結果,同領域に散在性の微小梗塞が形成されるというものであ る(図6).特にLeeらは,皮質下領域の中でも表在穿通枝領域では塞栓源性疾患が,内側 境界領域では責任血管の高度狭窄が多く認められ,血行力学的機序の関与が大きいと考桑

している【32】.本研究の結果,皮質下梗塞の中でも表在穿通枝領域の病変にはMESとの関 準が示唆され,内側境界領域の病変では有意な関連が示されなかった.この結果は,皮質

直下梗塞と内側境界領域梗塞の病態機序の差異を反映しており・上述の仮説を支持してい ると考える.したがって,皮質領域だけでなく,表在穿通枝領域に小病変が見られる場合,

高度狭窄性病変などの塞栓源性疾患を,積極的に検索する必要があると言える.

 本研究では,MES検出数とDWIでの病変数の問に弱い相関を認めた(p=O.605).Wong らは,MCA近位部の狭窄を有する患者において, MESの検出数とDWIでの同血管領域め

(19)

病変数に強い相関が見られたと報告したが【26],これとは異なる結果であった.この原因と しては,研究対象の違いが考えられる,すなわち,WongらがMCA近位部狭窄を有する症 例のみを対象としているのに対して,われわれはさまざまな臨床三型をもつ患者を対象と

した.したがって,われわれの研究におい丁は,MESは単に塞栓症だけでなく,血小板活 性の増加や,過凝固状態なども反映している可能性がある.

 興味深いことに,今回small・vesse1 occlusionの1症例で,塞栓源性疾患が検出されない にも関わらず両側MCAでMESが検出された. DWIでは,片側の深部穿通枝領域にラク ナ梗塞と思われる1カ所の虚血病変を認めるのみであった.ラクナ梗塞の原因としては様々 な病態が含まれていると考えられており[38】,塞栓性機序もあり得る[39].本症例でMES が検出された理由としては,前述のように血小板活性の増加や過凝固状態などが関与して いた可能性のほか,検出できなかった塞栓源性疾患が潜んでいる可能性もあると思われた.

 本研究にはいくつかの限界がある.まず,症例数が少ないことである.日本人では西洋 人に比して側頭骨ウインドウが得にくく,TCDによるMCAの検出率が低いことが指摘さ れている[40】.対象症例の90%を男性が占めることになったことも,日本人の閉経後女性で 特にTCD検出率が低いことに関連していると思われる.2番目に,症例の40%はTCD施 行時に抗凝固療法もしくは抗血小板療法を受けていた.これらの治療の施行率は,MES陽 性群と陰性群との間で差がなかったが,MESの検出に影響を与えた可能性がある.これら の弱点を勘案しても,今回の研究で得られた成果は,臨床に還元できる貴重な知見である       ノ

と考えられる.特に皮質下梗塞の発症機序を推察する上で,きわめて興味深い結果であっ

た.

(20)

9.結語

 虚血性脳血管障害急性期においてMESが検出された患者では,皮質および皮質直下の小 虚血病変が多く見られた.MESの存在は,脳梗塞の発症機序推定の一助となる可能性があ る.MRIで皮質のみならず表在穿通枝領域の梗塞が見られた場合にも,塞栓源疾患を積極 的に検索する必要がある.

 脳梗塞急性期に検出されるMESが脳梗塞再発を予測する可能性や[41], MES検出数の 推移が抗血栓療法の効果判定の指標となる可能性が指摘されているが[42・451,いまだ確立

した見解はない。今後,大規模臨床試験によるこれらの問題点の解明や,機器開発による MESの検出率・自動解析機能の向上が望まれる.

(21)

10.参考文献

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(27)

図1.経頭蓋ドブラと微小栓子シグナル

A

M・3

灘・

B

玉㍉、

繕1 写/

      f

疹欝撃メ

〃翌ケ多一  、

動脈

C

中大脳動脈水平部(M1)の血流波形は,側頭骨ウインドウからのアプローチで得られ る(A).探触子は超音波発信装置かつ検出器であり,動脈内の赤血球等の粒子から はね返ってきた超音波を,ドブラ波形として検出する(B).この中に他の粒子より も大きな栓子が含まれていると,独特のchirp音とともに,背景の血流波形よりも強

(28)

い二 }  ’

 了

ギ  レひ ゅ モ 詳.「う

レ’

‘  ’

拡散強調画像による新鮮虚血病変の部位

、 瀧艦

   慧良㍗ 鍛

 蜜  煽 獲 ζ

    騨

ご 倒

、ノ,,ミつ弓一窒嚢蓬鴇貞      卜      」       汚     - 」

  1∵

  イ   lI

 い       ド

磯 ’露㌧∵三1懸  塾・  醐 ・

      識1く・∵; 感・       謳       ¥

       い」   ,    ¶ 、ノ叱

 ほ       び     レ

      1.  } ・  “h.・. .・

      ド ドゆ  じいいユ ゲ

      ケ ロ  ノ ド  に       ピ      セ

     き       ゆ       ち

    1雛ど∴瀕 ・   ・憲  認   』

       》       , 戸   、 嚢

      ヂ         く

      ’}       1        ’   勢咲蛭^

      1       r         }      ゆ  へ  て         し し マ       ロ      じ

    “〆;13ゼ1瑞・鞠」・…    瀦 、       塁‘

   、騨欝欝題      li II』

 ,    ”e1箭、  馬’ …    ご

   あ  ピ   ビ バ       リ ぜ     ノ   し       イ

   熟     ’     h 「 .   ,         ・・x総衆

頻潔

D

上:MRI拡散強調画像

(TR 4000 ms, TE 103 ms,

 b=1000 s/mm2) .

左:剖検脳における中大脳動E  領域の分類

 A:皮質領域

 B:表在穿通枝領域  C:内側境界領域  D:深部穿通枝領域

(29)

図3.MESの有無と病変サイズ

H津∩

10

o

小病変(<10mm)

●●

ee

eeoeeeo

10

陽性群  陰性群

中病変(10~30mm)

N.S.

e

●●●  e

orNDNO

陽性群 陰性群

大病変(>30mm)

10

o

N.S.

DWIにおいて,小病変はMES陽性 群で有意に多く見られたが,中病 変,大病変の数には両群間で有意 差を認めなかった.

陽性群 陰性群

(30)

図4.MESの有無と病変部位

皮質領域病変 表在穿通枝領域病変

懸10

e

  0

p = O.002

陽性群 陰性群

 p = O.02

e

陽性群 陰性群

内側境界領域病変 深部穿通枝領域病変

10

o

e

N.S.

陽性群 陰性群

N.S.

e

陽性群 陰性群

皮質および表在穿通枝領域病変はMES陽性群においてMES陰1生群よりも多数見られ,内 側境界域病変および深部穿通枝病変には両群間で差がなかった.

(31)

図5.MES検出数とDWIにおける虚血病変数

 10無創蕉e駒H津∩

e p= O.003

Spearman’s p = O.605

e

e

e

●●

o 10 20 30

MES検出数:/30分

(32)

図6.主幹動脈狭窄に伴う血行力学的脳梗塞の発症機序

合/\ 娚\瀦

勉\\.を\\/

 ⑬讐。

    ⑫盤

◎◎o②- O

十分な灌流記と血流速度が あれば,境界領域や終末領 域に達するまでに細かく破砕

されるなどして消滅する.

心腔内や血管由来の栓子

高度狭窄を伴う場合

z //頗直下Cl) /」x梗塞

二流圧が低く血流速度も遅い ため,最も灌二二の低い領域 で栓子が血管を閉塞し,小梗 塞が生じる.

(33)

表1.NIHSS(Nationa11nstitutes of Health Stroke Scale)スコア

1a.意識水準 1b.意識障害・質問

 (今月の,実名及び年齢)

lc.意識障害・従命  (開閉眼、手の開閉)

2.最良の注視 3.視野

4.顔面麻痺

5.上肢の運動(右)

  *9:切断、関節癒合

上肢の運動 (左)

輸:切断、関節癒合

6.下肢の運動(右)

  *9:切断、関節癒合

下肢の運動(左)

*9:切断、関節癒合

7.運動失調

  deg:切断、関節癒合 8.感覚

9.最良の言語 10.構音障害

  *9:挿管または身体的障壁 11.消去現象と注意障害

0:完全覚醒    1:簡単な刺激で覚醒

2:繰り返し刺激、強い刺激で覚醒’3:完全に無反応 0:両方正解  1:片方正解  2:両方不正解 0:両方正解  1:片方正解  2:両方不可能 0:正常  1:部分的注視視野 2:完全注視麻痺 0:視野欠損なし  1:部分的半盲

2:完全半盲    3:両側性半盲 0:正常      1:軽度の麻痺 2:部分的麻痺   3:完全麻痺 0:90度10秒保持可能(下垂なし)

1:90度を保持できるが、10秒以内に下垂 2:90度の挙上または保持ができない。

3:重力に抗して動かない 4:全く動きがみられない

0:90度を10秒保持可能(下垂なし)

1:90度を保持できるが、10秒以内に下垂 2:90度の挙上または保持ができない。

3:重力に抗して動かない 4:全く動きがみられない

0:30度を5秒間保持できる(下垂なし)

1:30度を保持できるが、5秒以内に下垂 2:重力に抗して動きがみられる

3:重力に抗して動かない 4:全く動きがみられない

0:30度を5秒間保持できる(下垂なし)

1:30度を保持できるが、5秒以内に下垂 2:重力に抗して動きがみられる

3:重力に抗して動かない 4:全く動きがみられない 0:なし 1=1肢  2:2肢

0:障害なし  1:軽度から中等度  2:重度から完全 0:失語なし    1:軽度から中等度

2:重度の失語  3:無言、全失語

0:正常  1:軽度から中等度 2:重度 0:異常なし

1:視覚、触覚、聴覚、視空間、自己身体に対する不注意、

 あるいは1つの感覚様式で2点同時刺激に対する消去現象 2:重度の半側不注意あるいは2つ以上の感覚様式に対する

(34)

表2.MES陽性群と陰性群における患者背景

MES陽性群

(N= 11)

MES陰性群

(N = 26)

年齢*

男性,N(%)

高血圧,N(%)

糖尿病,N(%)

高脂血症,N(%)

喫煙,N(%)

脳梗塞の既往,N(%)

狭窄性病変(≧50%),N(%)

心房細動,N(%)

塞栓原性疾患,N(%)

経静脈的抗血惚薬,N(%)、

経口的抗血栓薬,N(%)

発症からTCDまでの時間*

NIHSSスコアk

白血球,×103/μF ヘマトクリット,%k 血小板,×103/μF

フィブリノーゲン,mg/d1*

CRP, mg/l*

TAT, pt g/l“

D”dimer, ng/ml*

AT III, O/o“

 68 (50-79)

  lo (glo/,)

  10 (910/,)

  3 (270/e)

  3 (270/o)

  7 (640/o)

  2 (180/o)

  3 (270/o)

  4 (360/o)

 4/7 (570/o)

  4 (360/o)

  4 (370/o)

11.8 (2.5-24.0)

  5 (O-27)

 9.1 (3.7-14.6)

4’ 1.2 (3 7.5 一 47.7)

 182 (103-258)

 353 (251-455)

O.36 (O.11-10.40)

 1.6 (O.5-19.5)

 1.0 (O.5-14.5)

84.7 (75.8-104.6)

 68 (50-88) O.48

  24 (920/o) >O.99   16 (620/o) O.12   10 (380/e) O.71   10 (380/o) O.71   18 (690/o) >O.99   12 (460/o) O.15   4 (150/,) O.40   6 (230/,) O.44

 10/20 (500/,) >O.99

  12 (460/,) O.72   13 (500/o) O.50

 7.2 (2.3-24.0) O.19

  8(〇一26)      0.29  7.4 (3.0-13.2) O.61 39.7 (18.9 一 47.4) O.34

 210 (93-420) O.27 332 (179-582) O.67

0.24 (O.06-5.39) O.21  1.7 (O.2-15.1) O.59  0.9 (O.1-11.0) O.31 86.0(71.6-136.9) O.87

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