我國主要企業鰹管の静的分析に關すろ一研究
我 國 主 要 企 業 経 螢 の 静 的 分 析 に 關 す る 一 研 究
西野嘉 (下) 六四
一郎
要自
晶 ㌫ の 嚢 }前 雛
3企業資本の講成
4我國主要企業の標準型貸借封照衷
3企業資本の構成(∪・﹃囚拶葺巴碧ま聾ユ興q昌θ・≡魯ヨ§σq)
貸借封照表の資産の側は経螢に投ぜられた資本が如何に蓮螢せられてゐるかを示すと同様に︑資本及員債の
側は其資本は如何なる源泉より來りたるかを示すのである︒而して其源泉の主なるものは次の四者とする事が
出來る︒
ラ
糠 響 蓼 嚢
之等四つの源泉の各々一つが企業全艘資本に封して如何なる割合になつてゐるか︑叉は自己資本(一と二と((
の合計)と他人資本(三と四との合計)とが如何なる割合を保つてゐるか︑換言すれば資本構成の研究こそ株((
主叉は興信者にとつて重大なる問題でなければならない︒
さて︑此虚に取扱はんとする企業資本の構成研究も亦この範園を出でざるものであるが︑論述の便宜上分類
すれば次の三部門に分つ事が出來る︒
ω企業の種類による資本構成の特異性
⑧資本構成が自己資本牧釜と企業の安全性に及ぼす影響
③景氣憂動の資本構成に及ぼす影響
以下順次此等の諸問題に就いて論述しゃう︒
企業の種類による資本構成の特異性
我國主要企業経菅の静的分析に闘する一研究六五
我國主要企業経讐の静的分析に闘すろ一研究六六
同種企業に於ては︑投下された資本が大艘概して類似の財産構成割合を有すると同檬に︑資本の源泉も伺様
の割合を以てその構成を成してゐるかと云へば必すしもそうではない︒否むしろ或限度迄は企業の財政々策に
起因すべきものと言ひ得るであらう︒短期借入金によつて得らる可き資本額は流動資産額に依つて制限せられ
る︒從つて手持商品費掛金等に投ぜられたる資本額の大なる企業は︑然らざるものに比して短期借入金に依つ
て調達し得可き資本の大なる事當然である︒自己資本及社債等に依つて表示されたる企業の永久的資本は︑固
定資本並に適當なる純蓮轄資本を充足するに充分でなければならない︒これ即ち企業は充分なる流動資本比牽
を有してゐなければならないと言ふ重要事を異つた立場より述べたるに過ぎない︒
若し資本が充分なる運鱒資本を有して居るならば︑それは長期資本によつて総べての固定資産を賄はれ︑併
せて流動資産の或部分もそれによつて賄はれてゐる事を意味する︒
企業に必要なる永久的投資に關して長期借入金か叉は株主佛込金かの敦れに之を求むるかは大いに考慮すべ
き問題である︒工業的企業に於ては固定資産額の比較的大なるものと錐も︑長期借入金によつて得てゐる割合
は少ない︒この描に於ては工業金融は鐡道及公釜事業金融よりも甚しくその傾向を異にしてゐる︒
要するに︑企業資本の構成は主として企業の財政々策によつて決定されるものであり︑財産構成に於けるが
如き企業の種類による一定の特異性を有すと言ふ事は出來ない︒唯企業の種類により流動資本を多額に必要と
する企業は︑短期借入金に依る資本額が多くこれに反して性質上固定資産を多く有する企業は永久的固定的資
︑
O
本額を多く有するといふ程度の事を言ひ得るに過ぎない︒第 十 一 表
我が 國に於 け る長 期資本 と短 期資本 との構成表 昭和五年下孕期
1
産 業 名 會1辻籔
長 期 資 本
短 期
資 本 其 他
財 産 構 成
暮 凄膣 甦
42 36 32 51 3 49 調 39 24 28 44 21 9 49 糾 21 ⑩ 52 59
n 4 2 6 3 3 3 6 12 6 9 10 5 9 15 3 3 3 2
86.8
69.0
86.7
79・4 87.5
81.0
71,5
73・9 83.5
86.6
86.7
92.3 83.0
69.3
7ア.9
97.8
70.6 86.5
69.5
11.2
29.7
6.2
18.8
10。2
14.1
26.ア
24.5
15・4
13・4
11・5
5・3 11.3
29.7
1g.3
‑0.2
26.2
8.7
27・o
2.O
I・3
7.o
:・7
2.3
4.9
1.8
1。6
1.I
o,I
I.8
2.3
5・7
0.9
2.8
2.4
3・1
4.7
3.5
58 64 68 49 68 51 62 61 76 72 56 79 91 51 76 79 60
4=
業業業業業業業業業業業業業作業業店業業
工澄力概綾織絹紙醸粉糖鐵電斯機道蓮貨喬総學酒燈轍
紡毛入化製蓼製製窯製鍍電瓦逡鐵海百映製
31
備考中四寅雄著経螢脛濟學三八三頁並に四〇〇頁の資料に工り作成せるものなりo
我國主要企業経管の静的分析に關する一研究
亀
六七69
132i84.61皿3.21
2・3
括纏
我國主要企彙経管の静的分析に開する醐研究.六八
この意味に於て︑企業の種類による資本構成の特異性の問題は財産構成の特質より由來するものであるか
ら︑企業の財政的政策判定のために重要なる自己資本と他人資本との分類よりむしろ長期資本と短期資本の分
類の方がよく企業の種類と資本構成との關係を示してゐるものである︒此塵に言ふ長期資本とは自己資本と長
期債務との合計であり︑短期資本とは支梯手形︑買掛金等の如き短期債務を言ふ︒
右表は我國の各種企業に於ける長期資本と短期資本との構成表である︒
右表によると資本構成の総平均は︑長期資本は八四・二八︑短期資本は;マニである︒而して固定財産率の
比較的高率なる企業は又長期資本率も高牽である︒例へば︑
膝撫蝕画椅邸瞭即濫蹟膏
蘭騨醸論醐廿器這訳ゆい・い獄
測翌瀞O囲頴o◎いb訳
籔儲擁遷訳ON.oo訣
之に反して流動財産の比較的大なる企業は︑長期資本は比較的僅少である︒例へば︑
冷脇灘歯路響母灘拠濫煽膏
.珂博温も訣﹃o●①獣
潜索鵜いゆ訳9・い隷
り礫濫簿藤寓胃[壽⁝お訣︑ε・O訣
但し紡績業と委酒醸造業はこの原則の例外をなす︒長期資本中には多額の枇内留保金を有し︑これがため自
己資本を以て総べての固定財産は賄はれ︑併せて流動資産の或部分もそれに依つて賄はれてゐるからである︒
次に吾々は比較研究のため米國︑瑞典に於ける企業別長期資本と短期資本との構成表を掲げてみやう︒・
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1
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我國主要企業縫管の静的分析に關する︼研究六九
第 十=表
瑞典 に於 け る資本構成表 我
國主要企業経瞥の解的分析に關する一研究
麟 名1會 緻
5
齢
長 期 資 本
短 期 資 本
固 定 資 産
製 革i工 業
105 67.9 3刎 3L5
製 靴 工 業
67 61.8 38.2
31ρ繊 維 工 業
267 88.7 11・3 532
製 材 業
12 90.2 98 66.1
鐵 鑛 山 業及製鐵工業
93 9α2 3.8 69L1
純製作工業20 89
1LO 71ρ備考:一 西垣富治 氏企業 財 産構戊i:闘 す る研 究 中の鍛 字な基礎 として作成(経 螢経濟 研 究第六冊峯照)
七〇
以上は企業の種類による資本構成の特異性に就いて述べたのであるが︑次に企業の財政々策の立場より資本
構成の問題を論述してみやう︒
資本構成が自己資本牧盆と企業の安全性に及ぼす影響
企業の財政々策の立場より資本構成の問題を論する時は︑二つの主要なる問題がある︒即ち企業の安全性と
自己資本の牧釜性との問題之である︒これらの問題を論ずる場合には資本構成の分類が前述せる長期資本と短
期資本との分類より自己資本と他人資本との分類にょる事を要する︒此虚に言ふ自己資本とは企業家の出資に
よる原資本(例へば株式會肚に於ける佛込資本金)と肚内留保金の如き所謂補立資本を指し︑他人資本とは祀
債︑捲保附借入金の如き長期借入金と支梯手形︑掛借金の如き短期借入金を指す︒
自己資本の牧釜性と企業の安全性の問題は或程度に於いて利害相一致すると同時に亦相反するものである︒
企業安全性の立場よりのみ論する時は︑O︒冨ヨ︒笛の言へる如く︑﹁自己資本に野比して他人資本の金額の少
なれば少なるだけ企業は健全にして輩固の程度を加ふ︒若し之と反封の關係が存在する時は薄弱不健全なる徴
象である︒最少限度は何等の他人資本なき場合にして最大限度は自己資本と他人資本とが均衡を保つ鮎にあ
る︒﹂この意味よりして他人資本をして自己資本に超過せざらしめるは経螢の第一要義なりと言ひ得るのであ
る︒﹁一弗配當するためには企業にも一弗保留すべし﹂⑳と言ふ米國金融界に於ける一般的法則も叉自己資本
増加を計るための規則に過ぎない︒然し乍ら自己資本の牧釜性の立場より論するときは他人資本は必すしも不
利釜なりとなす事を得ざる場合がある︒使用全罷資本に封する企業の牧釜が借入金によりて支彿ふ利息よりも
大なる時は︑増資又は梯込をなさしめて自己資本を増すよりも︑他人資本に依る方が却つて配當率を増加す
る︒例へば百萬圓の資本金を有するA會肚が他人資本の援助を受くる事なく自己資本の運用のみにより三期間
に次の如き成績を墾・げた︒
我國主要企業経管の静的分析に關する一研究七一
︑ 我國主要企業脛管の静的分析に關する︼研究七二
(﹀・ゆ群)国いい
薄齢5§.8同い8ρ8い︾8ρ8
孤口剛管一μ距4が毒鵬鎌凶o訣Hい承い凛
次にB企業が年五分利附の肚債百萬圓の資金を得て事業を始めた結果三期聞の成績はA會肚の倍額の牧釜を
得た︒
(閑ゆ岸)h避い濫り還
薄期8u§.8萄︒︒b88P§●8
群煎縣"遡4い豊φい噛§b◎い︾§・8事§●8回いb8・8戯"8ρ8同℃8◎・8
応側蹟浮π雌画ぴ薄鵠⁝慨悶い訳戯欲同戚
斯くの如く第一期第二期の牧釜大なるときはB會肚の方は他人資本によりたる爲め自己資本に封する牧釜率
はA會肚より遙かに大である︒この場合には自己資本の牧釜性と企業の安全性の關係は利害相反するが︑第三
期の如く牧釜が減少したる場合には自己資本に封する牧釜率が甚だしく低下してゐる︒斯くの如き場合には牧
釜性と安全性との利害相一致する︒これによつて見ると要は資本構成の有機的關係である︒
吹に示す表は我國主要企業十一種に封する企業の牧釜性と安全性との關係を示したる資本構成表である︒
第 十 四 表
我 が國主要企業 の資本構 成表 昭和五年上期
資劉る率
己に盆
自本す牧
膓 躍 畿 鷲 舞 癩
卿1一%
墾 鍛
t畿 濃 饗 瑞 轟 嵩
本
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他
配
畿 灘 舞 窓 舞 篇
計合‑期短‑期長本資
嘉 嵩 翼 髭 欝 禦
ーi
罵 罵 蝿 鷲 罵 嬬
瑠46僻刈籾引妬﹄15455
i
75
均
亭
寝 舞 篇 ㌶ 鵜 舞
會砒数 m 410 263351010 57
1
名
業企
■1 績料灰粉糖紙酒磯燈力助茄關東((鐵紡肥洋製製製峯炭電電電同
備 考:本 表 に東 洋経濟新報杜調 「事 業會肚 樫瞥効率 の研究 」 の鍛字な基礎 として作成す。
此の表にょる紡績業︑洋友業︑
炭鑛業の如きは︑安全性の立場よ
り論する時には︑自己資本と他人
資本との比率比較的高率であるか
ら良好であると言ふ事が出來る
が︑自己資本の牧釜性の立場より
観れば︑牧釜率僅少なる事實を示
して居る︒反之肥料︑製粉︑製紙︑
製糖の如きは自己賓本よりも他人
資本による割合大なるため︑自己
資本牧釜率叉比較的大である︒然
し企業の安全性は甚だ不確實と云
ふ事が出來るであらう︒この傾向は特に好景氣と其の反動期との聞に顯著にあらはれるものである︒即ち好景
氣の時は他人資本によりて企業を授張するが︑不況期に入るや他人資本の借入困難と好景氣時代に計聲せる自
己資本の佛込増資による充實が完了するからである︒
我國主要企業経螢の静的分析に關する一研究七三