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PP データを用いた動線解析による歩行空間の賑わいの多様性の評価

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Academic year: 2022

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PP データを用いた動線解析による歩行空間の賑わいの多様性の評価

*

The Diversity Analysis of Festivity in Pedestrian Spaces Based on the Access Study Using the Probe Person data*

福嶋浩人**・羽藤英二***

By Hiroto FUKUSHIMA**・Eiji HATO***

1.はじめに

ある通りの賑わいを考えるとき,賑わいを示す指標と てまず思い浮かぶのが,通りを歩く人数やその密度であ る.単純に人数で賑わいを定義するなら,各断面での歩 行者数であり,密度である場合は通りの一定区間にいる 人数を面積で割った単位面積当たりの人数となる.ただ,

このように単純に人数だけを見て,人は賑わいを感じる であろうか.例えば,朝,通勤のために駅に向かうサラ リーマンばかりの通りを,誰も賑わいがあるとは言わな いだろう.賑わいを演出するものは,人数の他に,色々 な年代や職業の人がいる事(個人属性の多様性)や歩行 速度が様々である事,また,道行く人の話し声が聞こえ るなどある程度の喧騒も必要だと言える.特に多種多様 な人が集まる道は,それだけ多くの目的を持つ人が,歩 行速度にもばらつきあり,賑わいを感じさせる場所と言 える.そこで今回は,特に個人属性の多様性に着目し,

プローブパーソンデータを用いて街路の利用実態を把 握し,どのような場所にどのような人が集まるのか分析 を行う.

2.歩行者データの概要

(1)調査データ

2005 年 11 月 21 日~2006 年 1 月 22 日の 2 ヵ月間行っ た「東京 PP 調査」のデータを用いた.被験者は,関東 近辺に居住している満 15 歳以上で,調査期間中に少な くとも 1 回以上渋谷に訪問することを条件に募集を行い,

50 名を選定した.調査期間中,被験者には GPS 携帯電話 を貸与し,移動を開始する前に GPS 携帯電話にインスト ールしてある調査用アプリケーションを起動して,移動 開始時・交通手段変更時・移動終了時に携帯画面の操作 を行い,また一日の終わりに自宅の PC から web ダイア リーで操作ミス等を修正する.移動中は約5秒ごとにGPS

*キーワーズ:歩行者交通行動

**学生員,愛媛大学大学院理工学研究科

(愛媛県松山市文京町 3,

[email protected]

***正員,工博,東京大学大学院工学系研究科

(東京都文京区本郷 7-3-1,[email protected]

位置情報が測位されるため,詳細な移動の軌跡を得るこ とができる.

今回の分析対象エリアと主な通りの名前1)を図-1 に示 す.JR渋谷駅を中心とした約 1.5km2のエリアを分析対象 と設定した.渋谷駅から放射状に道路が伸びているのが 特徴であり,センター街を中心に商業施設が多く東京を 代表する繁華街を形成している.

20 16

19

14 17

9 10 3

6

13

12 15

2 11

18 7

1

5 7 8

JR 渋谷駅

①公園通り ②井の頭通り ③センター街 ④文化村通り

⑤道玄坂 ⑥ファイヤー通り ⑦区役所通り ⑧無国籍通り

⑨サンドイッチロード ⑩スペイン坂 ⑪間坂 ⑫ペンギン通り

⑬フィンガーアベニュー⑭オルガン坂 ⑮メトロ通り ⑯SING通り

⑰コルネット通り ⑱宮益坂 ⑲イエローストリート⑳金王坂

図-1 分析対象エリア 3.個人属性別の行動分析

取得されたGPS位置データを用いてマップマッチング を行った.精度良くマッチングができたのは 661 トリッ プであった.マッチング結果から,調査期間中のリンク 別平均通過回数と,施設の平均滞在回数を職業別に示し たものを図-2 に示す. どの職業を見てもJR渋谷駅周辺 部のリンク通過回数が多くなっていることが分かる.職 業別に見ていくと,高校生は駅の北部と北西部の施設に よく行き,他の職業に比べ公園通りを多く利用している ことが分かる.大学生は駅の南部とメトロ通りのある北 東部を中心に活動をしていると言える.管理職・会社役 員は,他の職業に比べ,比較的駅から近い範囲内での移 動が多いのが特徴てきである.事務職員は,他の職業の 人が全く行っていない,南東部の通過回数が最も多くな っている.販売サービスについては,駅の南西部での滞

(2)

在施設が多くなっている.その他については,高校生と 同じように,駅北西部での移動が多いといえる.以上よ り,分析対象エリア内の約 1.5km2の範囲で,個人属性に よく利用する滞在施設の位置や,街路に違いが有ること が分かった.

高校生 大学生

管理職,会社役員 事務職

販売サービス その他

3.0 滞在場所 2.7

通過リンク

0.0 0.3 0.6 0.9 1.2 1.5 1.8 2.1 2.4 平均通過回数・平均滞在回数(回/人)

3.0 滞在場所 2.7

通過リンク

0.0 0.3 0.6 0.9 1.2 1.5 1.8 2.1 2.4 平均通過回数・平均滞在回数(回/人)

図-2 個人属性別の通過リンクと滞在施設の分布

次に図-1 に示した,愛称等の名前のついた街路に着目 し,各街路の職業別での通過回数の割合を図-3 に示す.

どの職業の人にも比較的同程度利用されているのが,井 の頭通り,文化村通り,センター街,ファイヤー通りと いった,商業施設の多い駅北西部のエリアにある道幅の 広い道路である.同じ北西部の街路でも,道幅の狭いス ペイン坂やペンギン通りは高校生が 50%以上を占めて おり,このエリアの細街路は高校生には魅力があり,逆 に,会社に勤めている事務職や会社役員といった,学生 よりは年齢の高い人には,通りにくい雰囲気を持ってい るのではないかと推測できる.最後に,事務職と販売サ ービスのシェアが多きい道路を見ると,駅から距離のあ るフィンガーアベニューやイエローストリート,駅北西 部から離れたところにある道玄坂,金王坂であり,これ

らは学生のような年代が若い人には魅力の無い通りと 言える.

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

イエローストリート 宮益坂 SING通り メトロ通り オルガン坂 フィンガーアベニュー ペンギン通り 間坂(まさか)

スペイン坂 サンドイッチロード ファイヤー通り 道玄坂 金王坂 文化村通り センター街 井の頭通り 公園通り

高校生 大学生 管理職、会社役員 事務職 販売サービス その他

図-3 通りごとの職業別の通過回数のシェア 4.まとめと今後の展望

本稿では,街路を歩く人の多様性について着目し,職 業別に通過回数とそのシェアについて分析を行った.そ の結果,職業ごとによく利用する施設や街路は,明確な 違いがあると言え,その中で特定の空間が,高校生にだ け利用されるというような,一種の縄張りのような性質 を持っている場所があること分かった.今回は職業とい う括りで分析を行ったが,同時に調査したアンケートデ ータを併用し個人のプロファイリングを行い,より詳し く都市空間の利用実態を把握し,空間に特徴づけを行う 予定である.その中でPPシステムのエントリデータを用 いた分析方法2)-3)も報告されているので,多岐にわたる データを収集できるPPシステムの特徴を生かした分析 を行う必要があると考えている.

参考文献

1) 渋谷区役所ホームページ, http://www.city.shibuya.

tokyo.jp/index.html

2) 二神雄典,羽藤英二:オートエスノグラフィを基本に した PP ブログシステムによる渋谷回遊行動分析,土木 計画学研究発表・講演集,Vol.33,CD-ROM,2006.

3) 高田普丈,河野浩之,仲野潤一,羽藤英二:時空間行 動データ検索システムの開発とその評価,土木計画学 研究発表・講演集,Vol.35,CD-ROM,2007.

参照

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