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筒状織物の排水性能に関する研究

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Academic year: 2022

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(1)

筒状織物の排水性能に関する研究

鹿島建設㈱ 正会員 ○伊達健介 岩野圭太 山本拓治 芦森工業㈱ 正会員 岡村昭彦 中村圭一 宮崎京太郎

1.はじめに

トンネル坑口付けや道路切土斜面など施工に伴い地すべりが懸念される場合や地すべり地においては,対策の 1 つとして水抜きボーリング工が設置されることが多い.そのとき,一般的には,ボーリング孔に挿入する保孔管 として,図-1 に示すとおり,直径 5mmの孔を千鳥配置で設置している塩ビ有孔管を用いる.しかし,同図に示 す最も一般的に用いられている口径 40mmの塩ビ有孔管(VP40)を例にとると,開口率は 0.6%程度にすぎず,地 山からの地下水供給が多い場合,その排水性能の低さが懸念事項となる.また,直径5mm の孔が設置されている ため,一方では地山流失の懸念も同時に存在している.筆者らは,全周面に微細な孔を有するジャケット管に着 目し,その排水性能や地山流失防止性について検討してきた1).ジャケット管は,図-1 に示すとおり,縦糸がポ リエステル繊維,横糸がポリエステルモノフィラメントで構成された筒状織物である.今回,約 2 年前に切土斜 面に設置したジャケット管と有孔塩ビ管について,排水量の試験を実施し,ジャケット管が長期経過後も排水性 能に関して優位性を保っていたことを確認したので,その概要について報告する.

2.現場試験施工

(1)現場概要

2008 年 4 月に地すべり抑止工を施工中の現場の切土斜面(図-2)を対象にジャケット管と有孔塩ビ管を設置し た.施工はロータリーパーカッションによる鋼管ケーシングを設置後,その内部にドレーン材を挿入した(図-3).

鋼管ケーシングはドレーン材設置後に抜孔している.削孔径は 135mmであり,ジャケット管,有孔塩ビ管のドレ ーン孔径はそれぞれ 70mmと 40mmである.約 2 年後の 2010 年 3 月に同現場にて排水量の再測定を実施した.

施工直後と約 2 年後の状況を図-4 に示す.外観からは周囲の状況について大きな変化は見られない.

図-1 有孔塩ビ管とジャケット管

図-2 試験施工現場概要

図-3 ジャケット管の挿入状況

今回の計測対象

フレキシブルなため,

狭隘な場所でも挿入が 容易で,管接続作業が 不要である

キーワード 地すべり 水抜きボーリング 保孔管

連絡先 〒182-0036 調布市飛田給2-19-1 TEL042-485-1111 FAX042-489-7024

図-4 施工直後と約2年後の現場状況比較

2008年4月

塩ビ管

2010 年3月

ジャケット管 ジャケット管

塩ビ管

土木学会第65回年次学術講演会(平成22年9月)

‑97‑

Ⅲ‑049

(2)

(2)施工直後の計測結果

施工直後は孔壁が崩れ,ドレーン管の内外から濁水が流出していたため,1 週間後から排水量の計測を開始した.

ジャケット管,有孔塩ビ管のドレーン孔径が異なるが,暗渠公式2)によればその孔径差による排水量比は,塩ビ有 孔管に対しジャケット管が 1.1 倍程度である.しかし,実際には図-5 に示すとおり,ジャケット管は 4~10 倍程 度の排水量を示した.また排水の濁りについては,計測当初は削孔による孔崩れ等に起因すると思われる濁水の ため,両者に差異は生じなかったが,長期計測するに従いジャケット管からの排水の濁りは低下した.図-6 は施 工半年後に採取した排水の比較写真である.目視観察からも濁りの違いは明らかである.

(3)長期経過後の計測結果

図-5 の最後に今回計測した約 2 年後の排水量を付記している.測定結果は,施工直後から継続していた計測範 囲内にあり,懸念していたような顕著な排水量低下は確認されなかった.排水量は,ジャケット管からは 860ml/min,

有孔塩ビ管からは 80ml/min と,依然として 10 倍以上の差があることを確認した.30 秒間の排水採取結果を図-7 に示す.図-8 に,今回採取した排水サンプルを室内にて撮影した写真を示す.同写真は,サンプルを充分に振っ た直後に撮影を行っている.撮影画像から有孔塩ビ管からの排水には浮遊沈殿物が多く混入していることが明ら かである.

3.おわりに

約2年前に地すべり抑制工現場の切土斜面に設置したジャケット管と有孔塩ビ管を対象に,排水量の測定を実 施した.その結果,排水量は施工直後に継続して計測した数値の範囲内であり,ジャケット管は有孔塩ビ管の 10 倍以上の排水量を示した.また採取した排水サンプルからは,ジャケット管からの排水に比べて,有孔塩ビ管か らの排水には浮遊沈殿物が多く含まれていることがわかった.したがって,ジャケット管は有孔塩ビ管に比べ,

施工から約2年経過後も,高い排水性能と土砂流失抑制機能を保持していると考えられる.

【参考文献】 1) 岡村ら:筒状織物の保孔管適用に関する研究,第 64 回年次学術講演会,Ⅲ-060, 2009 2) 地下水ハンドブック編集委員会:

地下水ハンドブック,p83

図-5 排水量の経時変化

図-6 排水の濁り比較(約半年経過後) 図-8 排水の濁り比較(約2年経過後)

ジャケット管

有孔塩ビ管 有孔塩ビ管 ジャケット管

図-7 排水量の比較(約2年経過後)

有孔塩ビ管 ジャケット管

40ml (30sec)

430ml (30sec)

0 50 100 150 200 250 300 350 400

経過日数(日)

降水量mm)

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0

水量(L/min

施工位置の降水量 有孔塩ビ管

ジャケット管(筒状織物)

80ml 860ml

722

10 20 30 40 50 60 70 80

約2年後

浮遊沈殿

土木学会第65回年次学術講演会(平成22年9月)

‑98‑

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参照

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