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ゼオライト触媒の形状選択性に関する研究

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Academic year: 2021

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Title

ゼオライト触媒の形状選択性に関する研究( 内容の要旨

(Summary) )

Author(s)

前川, 弘吉

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(工学) 甲第317号

Issue Date

2007-03-25

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/21457

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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氏名(本籍) 学 位 の 種 類 学位授与番号 学位授与日付 専 攻 学位論文題目 学位論文審査委員 前 川 弘 吉(愛知県) 博 士(工学) 甲第 317 号 平成19 年 3 月 25 日 物質工学専攻 ゼオライト触媒の形状選択性に関する研究 (StudiesonShape-SelectiveCatalysisoverZeolites) (主査)教 授 杉 義 弘 (副査)教 授 松 居 正 樹 教 授 橋 場 稔

論文内容の要旨

ゼオライトの空孔を利用した形状選択的反応は,▲環境調和性化学プロセスにおいて重要 な役割を担っている.当研究室では,12員環ストレートチャンネルを有するモルデナイト (MOR;0.65×0.70nm)を触媒としてビフェニル及びナフタレン等の多環芳香族炭化水素の イソプロビル化反応において高い形状選択性を実現することを報告し,形状選択性発現が 空孔内における遷移状態規制に基づくことを明らかにしてきた. 本研究では,ゼオライト及びアルキル化剤がこのような形状選択性発現に与える影響を 解明するために各種のゼオライトの合成を行い,それらのビフェニル(BP)及びナフクレン 叩P)のイソプロビル化,∫eC-プチル化及びおrJ-プチル化における,4,4,一ジアルキルビフェ ニル(DABP)及び2,6-ジアルキルナフタレン(DAN)選択性を検討し,ゼオライトの構造とア ルキル化剤の嵩高さが形状選択性に与える影響を明らかにした.検討したゼオライトは, 一次元12員環ゼオライト(MOR,SSZ-24(AFI;0.73nm)),一次元14員環ゼオライト(CIT15 (CFI;0.76×0.72nm),UTD-1(DON;1.0×0.75nm))及び三次元ゼオライトのBeta(BEA;0.76 ×0.64nm)等である. 各ゼオライトを触媒とするビフェニルおよびナフタレンのアルキル化反応におけるア

ルキル化剤の種類と形状選択性の関係を調べた.イソプロビル化においては;ビフェニル

の直径に近いMORが最も高い4,4,-ジイソプロピルビフェニル(4,4,-DIPB)選択率を示した. 細孔径がMORよりも若干大きなSSZ-24及びCIT5でも4,4,一DIPB選択率は60-70%であり 形状選択性を示したが,ビフェニルの直径よりも遥かに大きな細孔を有する UTD-1, SSZ-53や,細孔内に広大な空孔を有する多次元ゼオライトであるBetaやYでは4,4'-DIPB 選択率が20%以下であった. 一方,アルキル化剤をトブテンとした際は,いずれのゼオライトでも4,4,-∫eC-プチルビ フェニル(4,4,-DSBB)選択率の向上が見られた.特に,MOR,SSZ-24及びCIT15ではいず れも4,4,一DSBB選択率が80%以上に達した.また,UTD-1およびBEAでも選択率の向上 が見られ4,4,-DSBB選択率が40-50%であった.さらに嵩高いイソブテンをアルキル化剤

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-54-とすることにより形状選択性の一層の向上が見られ,4,4,-ジーねrトビフェニル(4,4,-DTBB) は,いずれのゼオライトにおいても紬%以上に達した.即ち,ゼオライト構造とアルキル 化剤の嵩高さが形状選択性に大きな影響を与えた.以上のゼオライト構造とアルキル化剤 の嵩高さの相関関係はナフタレンのアルキル化においても認められ,ナフタレンの場合で も,形状選択性の発現にはゼオライトの細孔構造とアルキル化遷移状態の立体構造の相関 関係が重要であることが分かった. このように,ビフェニルおよびナフタレンのアルキル化は,ゼオライトの種類およびア ルキル化剤に大きく影響されることが判明した.これらの結果は,ゼオライト細孔内にお ける基質とアルキル化剤および触媒活性点である酸点の立体的相互作用が関係している. 即ち,立体的に最も小さい直線状の異性体(4,4,-DABPおよび2,6-DAN)を生成する遷移状 態が優先され,他の異性体が排除されることに基づくと考えられる.これまで述べてきた ように,アルキル化剤が比較的小さい場合では,大孔径ゼオライトにおいても,これらの 立体規制が細孔径が小さいほど有効に発挿され,また,細孔径が大きすぎるゼオライトの 場合においてもアルキル化剤が大きくなるにつれ,立体規制が有効に発拝されるようにな ると考えられる.さらに,内部に大きな空間を有する多次元ゼオライトの場合に関しても, アルキル化剤の効果は顕著に現れ,高い形状選択性が発現したことから,このような広大 な空間においても,嵩高いアルキル化剤では遷移状態における立体規制が発現すると考え られる. 以上の結果から,本反応における形状選択性の発現は,ゼオライトの細孔構造とアルキル 化剤の嵩高さの両者の相互作用,すなわち,アルキル化遷移状態の嵩高さとゼオライトの細 孔構造の関係によって決定されるということに集約される.

論文審査結果の要旨

ゼオライトの空孔を利用した形状選択的反応は、環境調和性化学プロセスにおいて重要 な役割を担っている。12員環ストレートチャンネルを有するモルデナイト(MOR)を触媒と してビフェニル及びナフタレン等の多環芳香族炭化水素のイソプロビル化反応において 高い形状選択性が報告されている。この形状選択性発現は空孔内における遷移状態規制に 基づくとされてきた。 本研究では、ゼオライト及びアルキル化剤がこのような形状選択性発現に与える影響を 解明するために各種のゼオライトの合成を行い、それらのビフェニル(BP)及びナフタレン 岬P)のイソプロビル化、∫eC-プチル化及びおルプチル化における、4,4'一ジアルキルビフェ ニル(4,4,-DABP)及び2,6-ジアルキルナフタレン(2,6-DAN)選択性を検討し、`ゼオライトの 構造とアルキル化剤の嵩高さが形状選択性に与える影響を明らかにした。検討したゼオラ イトは、一次元12員環ゼオライト(MOR,.SSZ-24,SSZ-42およびSSZ-55)、一次元14員 環ゼオライト(CIT15,UTD-1及びSSZ-53)及び三次元ゼオライト(Y;β,CITll)である。 本研究の主な内容は以下の通りである。

各ゼオライトを触媒とするビラェニルおよびナフタレンのアルキル化反応におけるア

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ー55-ルキル化剤の種類と形状選択性の関係を調べた。イソプロビル化においては、ビフェニル の直径に近い細孔入り口を有するMORが最も高い4,4,-ジイソプロピルビフェニル (4,4,-DIPB)選択率を示した。細孔径がMORよりも若干大きなSSZ-24及びCn15でも 4,4,-DIPB選択率は60-70%であり形状選択性を示した。一方、細孔入口は、MORに近いが 細孔内構造が広いSSZ-55及びSSZ-42では、4,4,-DIPB選択性が低く30-40%であった。ま た、ビフェニルの直径よりも遥かに大きな細孔を有するUTD-1およびSSZ-53や、細孔内 に大きい空間を有する3次元ゼオライトであるY、βおよびCITl等のゼオライトでは 4,4,-DIPB選択率が20%以下であった。以上の結果は、形状選択性が細孔入り口径だけで はなく、細孔の内部構造に依存することを明らかにした。 一方、細孔内で遷移状態が大きい嵩高いアルキル化剤におけるゼオライト細孔構造の影 響を検討した。1-ブテンをアルキル化剤とすることにより、いずれのゼオライトでも 4,4,-SeC-プチルビフェニル(4,4,-DSBB)選択率の向上が見られた。特に、MOR、SSZ-24及び Crr15ではいずれも4,4,-DSBB選択率が80%以上に達した。また、UTD-1およびBEAでも 選択率の向上が見られ4,4,-DSBB選択率が40-50%になった。さらに嵩高いイソブテンを アルキル化剤とすることにより形状選択性の一層の向上が見られ、4,4,-ジーねr才一ビフェニル (4,4'-DTBB)は、いずれのゼオライトにおいても80%以上に達した。以上のゼオライト細孔 構造とアルキル化剤の嵩高さの相関関係はナフクレンのアルキル化においても認められ・ た。 このように、ビフェニルおよびナフタレンのアルキル化は、ゼオライトの種類に基づく 細孔構造およびアルキル化剤に大きく影響されることが判明した。これらの結果は、ゼオ ライ・ト細孔内における基質とアルキル化剤および触媒活性点である酸点の立体的相互作 用により最も立体的に小さい直線状の異性体(4,4,-DABI12,6-DAN)を生成する遷移状態が 優先され、他の異性体が排除されることに基づくと考えられる。即ち、ビフェニル、ナフ クレン等の多環芳香族炭化水素のアルキル化反応におけるゼオライト触媒の形状選択性の

尭現は、ゼオライト細孔構造とアルキル化剤の嵩高さの両者の相互作用によりアルキル化遷

移状態の選択が決定されるということに集約される。 本研究は、形状選択性が、ゼオライトの細孔構造とアルキル化剤の嵩高さに支配される 相互作用、即ち、細孔内における遷移状態の立体規制に支配される機構をうらづけるもの であり、ゼオライト等の分子レベルに制限された触媒反応の設計に大きな示唆を与えるも のである。

最終試験結果の要旨

審査委員会は、本論文及び論文別刷等を慎重に審査した結果、本論文が提出された論文 別刷3編、印刷中の論文原稿2編及び投稿中の論文原稿1編を基にして記述されているこ とを確認し、さらに学位論文として充分に完成された内容を有しているものと認めた。そ の上で最終試験を開催し審査した結果、合格と判定した。なお、審査委員会は、各発表論 文共著者による論文提出同意書によって、申請者が各発表論文を学位論文の主論文とする ことについて、各論文共著者が承諾していることも併せて確認した。

参照

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