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舗装版切断機騒音に対する先端改良型遮音壁の効果

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Academic year: 2022

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(1)土木学会. 応 用 力 学 論 文 集Vol.11,pp.243‑250(2008年8月). 舗装版切断機騒音に対する先端改良型遮音壁の効果 Effect of Edge-Improved Noise Barrier on Paving Slab Cutting Machine Noise 比 江 島 慎 二*・ 一 色威 輝**. ShinjiHiejima and TakekiIsshiki *正 会 員 工 博 岡 山大 学 准 教授 環境 学 研 究 科 資源 循 環 学 専 攻(〒700‑8530岡. 山市 津 島 中3‑1‑1). **非 会 員 岡 山 大 学 学 生 環 境理 工 学部 環境 デ ザイ ン 工学 科(〒700‑8530岡. 山 市 津 島 中3‑1‑1). In orderto reducethe noise of pavingslab cuttingmachines,severaltypes of edge-improved noise barriersare investigatedthroughnumericalsimulation.The acousticfield around the noise barriers is computed using the finite element method with Element-by-Element conjugategradientalgorithm.Thenoisebarrierwiththe improvedY-shapededgeis proposed and its soundshieldingefficiencyis foundto be equivalentto the noisebarrierwiththe active soft edge. It is also found that the sound shieldingefficiencyof a noise barrier changes drasticallyaccordingto the distancebetweenthe noisebarrierandthe soundsource. Key Words:edge-improvednoisebarrier,pavingslab cuttingmachine,FEM. 1.は じめに. 遮音効果が得 られ る可能 性が ある.本 研究 では,舗 装版切 断機 騒音に適 した遮 音壁 先端形状 を探 る第一段階 として,. 近年,都 市機能の高度化 に伴い,様 々なライ フライ ン設 備が地下 に埋設 されてい る.その多 くは道路地下部分 に埋 設 され,老 朽化や 定期 的なメ ンテナンスのため,舗 装版切 断機 による路面の切断が しば しば行われ る.し か し,舗 装 版切断時 には非常 に大 きな騒音 を発 し,特に夜間の工事 な どでは近隣 に不快な騒音公害 をもた らす.騒 音源で ある舗. 単純壁,ア クティブ制御型遮音壁 の1つ であるアクテ ィブ ソフ トエ ッジ(ASE)遮 音壁,交 通騒 音な どに導入 され た 実績 のあるY型 遮音壁,さ らに今 回新 たに提案 する変形Y 型 遮音壁 を取 り上 げ,それぞれ の遮音効果 につ いて音響伝 搬数値 シ ミュ レー シ ョンに よ り検討す る. なお,従 来,屋 外な どのいわゆる半無限 領域 にお ける音. 装版切断機その ものへの防音対策 も行われ るが,そ れだ け では不十分で ある. 一方 ,交 通騒音な どの防音対策 と して,従 来,遮 音壁 が 多 く用い られて いる.そ の中で も先端 改良型 遮音壁 は,低 い壁 高で よ り高い壁 高の遮音壁 と同等 な遮 音効果 が得 ら. 響伝搬解 析には境 界要素法(BEM)が 多用 され ているが, 先端 改 良型 遮音 壁 の よ うな複雑 な形状 の物 体周 りや周囲 の地形形状 が複雑 な空間での音響 伝搬解析,あ るいは屋 外. れ るた め,近 年多 く用い られてい る.遮 音壁先端 の形状 を 工夫すれ ば,可搬 性のある コンパ ク トな遮音壁で あっても. ただ し,本 来,有 限領域での解析 を 目的 としたFEMを 半 無 限領域 の音響伝搬 解析 に適用す るには,無 限領域へ のス ムーズ な音響伝 搬 を仮想 的 に実現す る無反 射境界 の処理. 高い遮音 性能 が期待で きるため,舗装版切断機騒音 に適 し た現 場設置型 の コンパ ク トな遮 音壁 を実現で きる可能 性 がある.た だ し,交 通 騒音に対 しては,す でに様 々な形状. の地表面付近 と上空 の気温差 に よる音響伝 搬 性状 の違 い な どを考慮す る場 合には有限要素法(FEM)が 有利であ る.. 法 や大規模化す る連 立一次方程 式の効率 的解法 を導入す る必要 がある.われ われ は解析領域 周辺 にハイ ブ リッ ド型. の先端改 良型遮音壁 が提案 されてい るが,周 波数特 性な ど. 無 限要素1)を導入 し,Element‑by‑Element法2)を 用 いた共役. が交通騒 音 とは異 なる舗装版切断機騒 音に対 して,必 ず し. 勾 配法 を連 立一次方程 式 ソルバ ー とす る大規模音 響伝搬. も同様 な形状 で効果 が得 られ る とは限 らない.舗 装版切断. 解 析手法3)を開発 してお り,本 研 究の2次 元半無限領域 に お ける音響 伝搬解析 に用いた.. 機 の騒音特 性に応 じた最適 な先端 形状 を選択す る こ とが 重要 である. 制御 ス ピー カー を用 いて騒音源 と逆位 相 の音響 を発生 させ,よ り効 率的な制御 を行 うアクテ ィブ制御型 の遮音壁 な ども提案 され ているが,コ ス トが高 くな る.パ ッシブ制. 2.屋 外音響 伝搬の数 値解 析法. 御型 である先端 改良型 遮音壁 であって も,騒音源 の特 性に. 音場 のヘル ムホル ツ方程式 を リッツ ・ガラー キン法 によ り離散化す る と以 下の周波数領域 にお け る有限要 素方程. 合 わせ た先端形状 によっては,ア クテ ィブ制御 に匹敵す る. ― 243―. 1音 場の支配方程式 と無限境界の処理 2..

(2) 式 が得 られ る.. た だ し,. (7). (1) ここで,k:波 数,ω:角 周波数,ν0:駆 動速 度,[M]:イ. (8). ナータンス行列,[K]:エ ラス タンス行列,[G]:減 衰行列, {p}:節 点音圧ベ ク トル,{W}:駆 動ベク トル,{Q}:点 源ベ ク トル,i:虚 数 単位であ る.. 音 式(6)の第1変 分の停留 性か ら{β}と{ρ}Γeの 関係 が得 ら. 有限要素 法 によ り屋外 の半無限領域 の音場 を解 析す る ためには,有 限領域 の終端 に無限領域へ の接 合を表現す る. れ,{β}は消去 され て最終的 なハイ ブ リッ ド型 無限要素の. ための無限境 界の処理 が必要 になる.本 解 析では,取 り扱 いの容易 さか ら,ハイ ブ リッ ド変分原理 に もとづくハイ ブ. 無 限領域 ΩIをみた ア ドミッタンスマ トリクスに対応 す る.. リッ ド型無 限要素1)を 導入す る.ハ イブ リッ ド変分原理 で は,隣接す る要 素間境 界におけ るフラ ックスの連続条件 を. 終端 され るこ とで無 限境界 が表現 され る.. 多少 ゆるめるこ とを前提 に定式化 が行 われ る. 解 析領域 を有 限領域ΩFと無限 領域ΩIに分 け,そ の境 界 を仮想境 界Γと し,ΩFで は通常 の有限要素法 を適用 して, ΩIでは無 限要素を考え る(図‑1).無 限領域 でヘル ムホ ル ツ方程式 が満 た され るもの とすれ ば,ΩIに お けるハイ. 要素行列[S]Γeが 次 のよ うに求 め られ る.[S]Γeは 境 界Γeから す なわ ち有 限領域の境界 が このア ドミッタ ンス に よって. (9) 2.2大 規 模有限 要素 方程式の解 法 無 限境界 の導入 によ り,有限要素法 による屋外音響 伝搬. ブ リッ ド型汎 関数 は,p,qを ΩI内の音圧 とフラックス,pг. 解析 が可能 となるが,そ れで もなお,音 源 か ら離れた受音 点 での音圧 な どを予測す るためには,広 い空間 の解析 が必. を境界上 で定義 され る未知 音圧 として次式 で与 え られ る.. 要 となる.ま た,そ の空 間スケール に比べて音の波長の ス ケール は数 オー ダー小 さく,それ を解 像可能 な小サイ ズの. (2) 次 に,仮 想境 界Γを境界要素Γeに分割 し,境 界上の音圧 の 内挿 関数{L}と して,pг を次式の よ うに表 現す る.. (3) pとqは ヘル ムホル ツ方程 式の級数展 開 され た一般 解を用 い る.. 有 限要素 を用いれ ば,式(1)の連立一次方程式 は極 めて大規 模 で必要 とされ る計算容量は膨大 とな る. 大規模 な連立一次方程式の解法 として は,共役勾配法 な どの反復解法 が有利で ある.本 解 析では,収 束性 の早 さな どか ら,積型反復解法 の1つ で あるGPBi‑CG法4)を 用 いる. 図‑2の アル ゴ リズム に示す よ うに,反 復計算 の中で頻 繁 に全体マ トリクスAに 関す る内積 計算が現れ る.本解析 で. (4) (5) こ こで,{A}は. 一 般 解 ベ ク トル,{β}は 係 数ベ ク トル,{An}. は{A}の 法 線 方 向 微 分 ベ ク トル で あ る.こ れ らを式(2)に代 入 す れ ば,仮 想 境 界上 の線 分要 素Γeに関 して,汎 関数 は 以 下 の よ うに な る.. (6). 図‑1無. 限境 界の処理 図‑2GPB‑CG法. ― 244―. の アル ゴ リズ ム.

(3) 図‑3切. 断機騒音の周波数特 性 は,さ. らな る計 算 容 量 の低 減 を 図 るた め,以 下 の よ うに,. 全 体 マ トリクス を作 成 せ ず に 要 素 マ トリク スAeを. 用いて. 要 素 ご とに内積 計 算 を処 理 す るElement‑by‑Element法2)を 導 入 す る.全 体 マ トリク ス を作 成 しな い た め,計 算 容 量 を 大 幅 に削 減 で き る と と もに,要 素 ご との 計 算 処 理 で あ るた め,並 列 計 算 な どに も有利 で あ る.. (10). 3.騒 音源 および遮音壁 の解 析モデル 図‑4遮. 音壁モデル 3.1音 源 モデル 国 土交通省 中国地 方整備局 に よって実 物の舗装 版切断 機(ク ライムNO‑40T)に よ り実測 された1/3オ クターブ バ ン ド音圧 レベル を図‑3に 示す.測 定は音源 中心か ら半 径4m離 れた半球上 の6点 に設置 した騒音計で行われ,そ れ らのパ ワー平 均 によ り求めた音圧 レベル をプ ロ ッ トし てい る.実 測 され たのはFlat特性による1/3オ クターブバ ン ドレベルであ るが,便 宜的 にバ ン ド中心周波数 ご とにA 特 性補正値 を与 えた レベル も図中に示 してい る.低周波数 領域の100Hzに 卓越周波数成分 が見 られ るが,A特 性補正 した値 で見 る と,高 周波数成分 の レベル の方が高 くなる. 人間の聴覚は1kHz〜4kHz付 近が最 も感度が高い と言われ るこ とか ら,Flat特性 とA特 性のいずれ も高い レベルで ほ. 図‑5解. ぼ一定値 を示す500Hz以 え られ る.. 析領域全体図. 上の音の対策が重要にな る と考. 高周波数 に なるほ ど有限要素解 析 にお け るメ ッシュサ イズ を小 さくす る必要 があるが,計 算機容量の制限か ら, 本解析では80Hz〜1600Hzの. 範囲の全14バ ン ドを対象 と. す るとともに,各 バ ン ドの中心周波数だけで代表 させて解 析す る.ま た,解 析では,遮 音壁 を設置 しない半無限空間 に置かれた音源 か ら4m離 れ た地 点で図‑3の 音圧 レベル にな るよ うに,式(1)の音源ベ ク トル の中の音源 に対応す る 節 点成 分の大き さを決 定す る.な お,実 測結果 には暗騒 音 が含 まれ るが,図 中に示す よ うに,暗 騒音 の音圧 レベル は. 図‑6評. 価点領 域の分割. 切 断機 騒音の音圧 レベル に比べ て10dB以 上小 さかったた め,暗 騒音に関す る補正 は行 っていない.. ― 245―.

(4) 3.2遮 音壁 モデル 解 析対象 とす る単純壁,ASE遮 音壁,Y型 遮音壁,変 形 Y型 遮音壁 の各モデル の概 要を図‑4に 示す.い ずれ も, 遮音効果 と現場 への可搬 性を考慮 して全 高を2.0mと して い る.通 常,ASE遮 音壁 先端 に設置 され る制御 用ス ピー カ. 評 価点 が含 まれ る領域 広 さを確保 す る必要 が ある ことな どか ら,解析領域 の1辺 の距離Sは 解析す る音の周波数 ご とに変化 させた.同 じく予備解 析において,十 分 な精度の 解 を得 るためには,FEM解. 析に用い る有限要素分割は,. テ ィブ制御 され る.実際 には この制御 用ス ピーカが発す る. 音 の1波 長 に対 して20分 割程度 の分解能が必要で あるこ とも判 明 している.高 周波数音 ほ ど波長 が短 いため,所 要 の分解能 を得 るた めには多 くの節点数 を必要 とす る.周波. 音場が全体の音場に も多少影響 する と思 われ るが,そ の音. 数 ごとに設 定 した領域 広 さS,節 点数,な らび にお よその. 場の強 さは全体 のそれ に比べ て小 さい と仮 定 して無視 し,. 分解能(波 長/要 素サイ ズ)を表‑1に 示す.本 解析では, 概 ね20分 割程度 の分解能は確保す る ものの,800Hz以 上 の周 波数 では計算機 メモ リ容量の制約か ら,10分 割以下. に よ り,ASE遮 音壁先端部は常 に音圧0に な るよ うにアク. 解 析においては単にASE先 端部に音圧0の 境 界条件 を与 えることで ソフ トエ ッジを表 現す る.な お,今 回新 たに提 案 した変形Y型 遮音壁 は,都 市部の高い建物 上層部 な ど で も高い騒 音低減 効果 が得 られ ることを期待 して,遮音壁 先端 での多重 回折効果 が よ り高 い位 置の受音 領域 にまで. の分 解能 を用いてお り,800Hz以 下の周波数 のケー スの分 解能 と比べ る と解 の精度 が1/4〜1/2程度 に低下す る.また, FEMに お ける三角形 要素分割 の例 を図‑7に 示す.. 及ぶ よ うにY型 遮音壁 の分岐 方向を改 良 したもので ある.. 表‑1周. 波数 ごとの解析条件. 3.3解 析領 域 と騒 音評価 点 遮音壁 は騒 音源 を中心 に左右 対称 に設置 す る と仮 定 し て,鏡 像の原理 によ り騒音源 か ら右半分の領域 だけを解 析 す る.解 析領域 の概要 を図‑5に 示す.騒 音源 は点音源 と 見な して正方形の解 析領域 の左 下端 に置 き,左右対称 軸で あ る正方形左辺お よび地 表面であ る底 辺は完全反射境界, 上辺 と右 辺 は無 限領域へ の無反 射伝搬 を仮 定す る無 限境 界 として扱 う.遮音壁表面 はすべ て完全反射 である.完 全 反射境界上の節点では,境 界法線方 向の粒子速度=0と い う条件にな るが,音 圧 に対 する条件 は何 も与 えず,内 点 と 同 じ未知音圧 として計算す るこ とで音圧値 が得 られ る.遮 音壁 の設 置位 置は騒音源 に近 いほ ど高 い遮 音効果 が期待 で きるが,切 断機 の作業 の しや す さを考慮 して,音 源 か ら の水平距離d=1.5m,2.0mの2通 りとした.音 響 媒質であ る空気は気温18℃,密 度1.2kg/m3,音速340m/sで 与 えた. なお,本 解 析は2次 元解 析であるため,3次 元的 に見れ ば奥行 き方 向に無限に続 く遮音壁 を仮定す るこ とにな り, 点音源 も3次 元的 には線音源 に相 当す る.し たがって,実 際 の舗装 版切 断機 の音場条件 とは必ず しも等 価ではない. しか し,本解 析では遮音壁先端 形状 の違 いに よる基本的 な 性能 の違い の把握 が 目的 である こと,3次 元解 析では さら に膨大 な計算容 量を必要 とす る ことな どか ら,このよ うな 2次 元解 析で検討 する ことに した. 遮音効果 を評価 す るため,図‑5に 示す よ うに,音 源 か らの水 平距離3m,鉛 直距離1mの 位 置 を起 点と して1mご とに水平 ・鉛 直の各方 向に20分 割 した合計400点 の格子 状の評 価点を設 定 した.遮 音効果は これ ら400点 の評 価点 にお ける挿 入損失で評 価す る.挿 入損 失 とは,遮 音壁設置 前後の音圧 レベル差 か ら求めた音圧 レベル低下量で あ り, その評価点 に対す る遮音壁 の遮音 性能を表す.な お,評 価. 図‑7Y型 4.遮 4.1周. 点 は400点 もあることか ら,図‑6に 示す よ うにA〜Dの 4つ の領域 に分 け,1領 域 あた り100個 の評価点にお ける 挿入損 失の算術平均 によ り遮音効果 を評価 した. 別途行 った予備解析で は,安定 した解 を得 るた めには音 の波長 の20倍 程度以 上の広 さの解析領域 を確保す ること が望 ま しいこ とが分 かってい る.ま た,最 低で も400点 の. ― 246―. 遮音壁 先端周辺 の要素分割(630Hz). 音壁 周 辺 の音 響 伝 搬 解 析結 果 波 数 ご との遮 音 効 果. 解 析 か ら得 られ た遮 音 壁 周 辺 の 音 圧 分 布 につ い て,例 と して100Hzと500Hzの 結 果 を 図‑8,9に 示 す.い ず れ も, 遮 音壁 の 設置 位 置d=1.5mの. とき,音 源 か ら30m×30m. 程 度 の 領 域 の音 圧 分布 図 で あ る.舗 装 版切 断機 の卓 越 周 波 数 で あ る100Hzで. は,単 純 壁 や変 形Y型. 遮音 壁 を用 い た. 場 合 に,地 上 か らの 高 さが よ り高 い領 域 ま で遮 音 効 果 が及 ん で い るの が 分 か る.よ り高い 周 波 数域 で は,500Hzの 音.

(5) (a)単 純遮音壁. (a)単 純遮音壁. (b)ASE遮. 音壁. (b)ASE遮. (c)Y型遮. 音壁. (c)Y型. (d)変 形Y型 遮音壁 図‑8音. 圧 分 布(100Hz,単. 音壁. 遮 音壁. (d)変 形Y型 遮音壁 位Pa). 図‑9音. ― 247―. 圧 分布(500Hz,単. 位Pa).

(6) A領 域. B領 域. C領 域. D領 域. 図‑10周. 波数 ご との挿 入 損 失(d=1.5m). 圧分 布に見 られ るように,遮音壁先端 を回 り込む回折 音 と それが地表 面で反射 した反射波 とで 生 じる干渉縞 が見 ら. 遮 音 効 果 が高 い.な お,d=2.0mの. 場 合も同 様 な傾 向 を示. す が,高 周 波 数 域 にお け るASE遮. 音 壁 の遮 音 性能 が よ り. れ るよ うにな る.ASE遮. 高 くな る.. 音壁 や変形Y型. 遮音壁 ではこの. 干 渉縞の強 さが弱 く,遮音壁 先端 を回 り込 む回折音 に対す る遮 音効果 が高い ことを示 している.. 4.2オー. バ ー オー ル 値 での 遮 音 効 果. 1/3オ クタ ー ブバ ン ド中 心周 波 数 の各 周 波 数 成 分 の パ ワ ー 和 か ら求 め た オ ー バ ー オ ー ル 値 に よ る挿 入 損 失 を 図‑. 各遮音壁 の遮 音効果 を定量的 に評 価す るため,図‑10 にd=1.5mの ときの周波数 ごとの挿入 損失を示 す.お よそ 200Hz以 下の周波数域で はASE遮 音壁 の遮音 性能が高い. 11に 示す.Flat特. 性 とA特. 性,お よび 解 の 精 度 が多 少 低. が,315〜630Hz付 近の周波数 域に対 しては変形Y型 遮音. い800Hz以. 壁 の遮音 性能が高い傾 向が見 られ る.ま た,図‑8で 示 し た よ うに,卓 越周 波数 である100Hzで は,む しろ単純 壁の. 示 して い る.全 般 的 に見 る と,Flat特 性 の場 合 は800Hz以. ― 248―. 上 を含 め た場 合 と含 め ない 場 合 の 各 ケー ス を. 上 の 周 波 数 成 分 の 有 無 に よ る挿 入 損 失 の 違 い は小 さい が,.

(7) (a)Flat特 性(800Hz以. (c)A特 性(800Hz以. (b)Flat特 性(800Hz以. 上 を含 む). 上 を含 む) 図‑11オ. (d)A特. 性(800Hz以. 上 を含 ま ない). 上 を含 ま な い). ー バ ー オ ール 挿 入 損 失. A領 域. 図‑12周. 波 数 ご との挿 入 損 失(4=2.0m). A特 性の場 合には卓越 周波数 である100Hz成 分の寄与が. 遮音効果の違 い を見 ると,わ ず か50cmの 位 置の違 いでは. 小 さくなるた め,800Hz以 上 の周波数成分の有無に よる違 い が少 し大 き く現れ てい る.ま た,全 体 的に評価点領 域 A,B,C,Dの 順 で遮音効果 が高 くなる傾 向が見 られ るこ と. あるが,遮 音壁位 置が よ り音源 に近 いd=1.5mの 方 がd= 2,0mよ りも遮音効果が高い.特 に100Hzを 中心 と した低. か ら,音源 か ら見て遮音壁 の陰 となる低い高 さの位置ほ ど, あるいは音源 か ら水平 方向 に離れ るほ ど遮 音効果 が高ま る傾 向が見 て取れ る. 図‑11に おいて,音 源 か ら遮音壁 まで の距離dに よる. ― 249―. 周波数域 の寄与 が大きいFlat特 性の場 合にその傾 向が強 い こ とか ら,低 周波数域 の騒 音を低減す るた めには,な る べ く音源 に近 い位置 に遮音壁 を設 置す ることが望ま しい . なお,本 解析 では遮音壁 を完全反射境界 と して扱 ってい る が,実 際の遮音壁 では壁 を透過す る音 も多少存在 し,低 周.

(8) 波数 域の音は透過率が大きい.よ って,低 周波数域 の音 に 対 しては同時に,透 過率が低い遮音壁 を用い ることも重 要. 5.ま とめ. と考 えられ る.. 舗装版切断機の騒音対策 と して,コ ンパ ク トな現 場設置. 単純壁は,図‑11のFlat特 性で見た ときd=1.5mで の 遮 音効果 が高 く,ア クテ ィブ制御 であるASE遮 音壁 に近 い挿入損 失を示す.こ の こ とか ら,騒 音源 に近い位置 に設. 型 の先端改 良型遮音壁 を提案 し,様々な先端形状の遮 音壁 の遮 音 性能 につ いて数値 シ ミュ レー シ ョンに よ り検討 し. 置 した場 合に,主に100Hzを 中心 とした低周波数 域の騒音 に対す る遮音 性能 が高い と言 える.し か し,d=2.0mの 結. (1)切断機 の卓越周波数で ある100Hz付 近 を中心 と した低 周波数域 の騒 音に対 しては,遮 音壁 の設 置位置d=1.5m, 2.0mの わず か50cm程 度 の違いが遮音効果の大 きな低下に つ ながるので,遮 音壁 はなるべ く騒音源 に近い位置に設置. 果 に見 られ るよ うに遮 音壁 の設置位置 が騒音源 か ら離れ た場 合やA特 性の結果 に見 られ る よ うに高周波数成分の 寄与が大 きい場合 には遮音 性能が低下 し,受音場所 によっ ては挿入損 失が負 とな って騒 音 を強 めて しま う恐れ が あ る. アクテ ィブ制御 であるASE遮. 音壁 は,や は り全般的 に. た.そ の結果,以 下の知見が得 られ た.. す るのが望 ま しい. (2)単純壁 は,騒音源 か らの距離d=1.5mに 設置 した場合, 切断機の卓越周波数であ る100Hz付 近の低 周波数 域騒音 に対す る遮音 性能 が高 く,ア クテ ィブ制御 であるASE遮. 高い遮音効果 を示 してい る.特 に,遮 音壁 設置位 置がd= 1.5mか らd=2.0mに 離れ て も,他 の遮音壁 ほ どの遮音 性. 音壁 に近い遮音 性能を示 した.し か し,設 置位 置を音源 か. 能 の低 下が見 られ ないの が特徴 である.し か し,A領 域 に. 遮音 性能が低下す るとともに,受音 場所に よっては騒音が. 対す る遮音 性能 はそれ ほ ど高 くな く,特 にd=2.0mの 場 合 は挿入損失 が大 き く負 とな り,遮音 性能 が他の遮 音壁 に. 強 まる恐れがあ る.. ら遠 ざけたd=2.0mの. 場 合や高周波数の騒音に対 しては. 比べ て極 めて劣 る.こ れ に関 して,図‑12に 示すd=2.0m の ときのA領 域 での周波数 ごとの挿入損 失による と,卓. (3)ASE遮 音壁 は,d=2.0mの 場 合 も他 の遮音壁 の よ うな 遮音 性能の顕著な低 下が見 られず,全 般的に高い遮音 性能 を示す.し か し,遮 音壁先端上方の受音領域 に対 す る遮音. 越周波数で ある100Hzに おいてASE遮 音壁 の遮音 性能が. 性能は他の遮音壁 に比べて低 く,特にd=2.0mの. 他 の遮音壁 よ りもわずか に劣 るのが分か る.図‑11でA. その受音領域の騒 音を著 しく強めて しまった.こ れは,卓. 特 性よ りもFlat特性で見た ときの方が,ASE遮 音壁の遮音. 越周波数で ある100Hz付 近の音の遮 音壁 先端か らの回 り 込みが抑制 され た分,そ の伝搬 方向が遮音壁 真上方向に集. 性能 の低 下が顕著 であ るこ とか らも,卓 越 周波数 であ る 100Hzに 対す る遮音 性能 の低 さが,オ ーバーオール値で見 た ときのASE遮. 音壁 の遮音 性能 の低 下につ ながってい る. と考 え られ る.ま た,こ のよ うなASE遮 音壁 の遮 音 性能 の低 下はA領 域 に対 してのみ であ り,B,C,D領 域 に対す る遮音 性能 は高 い.こ れ は,B,C,D領. 域へ の音の伝搬が. 抑制 された分,音 響エネル ギー の伝搬 方向が遮音壁先端上 方 に位置す るA領 域 に集 中 したため と考 え られ る. Y型 遮音壁 は,卓越周波数であ る100Hzが 支配的 となる Flat特性の場 合には,単 純壁 と同等な遮音 性能 を示す.し. ときには. 中 したのが原因であ る. (4)Y型 遮音壁 は,低 周波数域では単純壁 と同等な遮 音 性 能 しか示 さないが,高 周 波数域で はASE遮 音壁 に匹敵す る高い遮音 性能を示 した. (5)変形Y型 遮音壁 は,単純壁やY型 遮音壁 よ りも高い遮 音 性能を示 し,d=1.5mの 場合や 高周波数成 分に対 しては ASEと 同等 な高い遮音 性能が得 られた.特 に,315〜630Hz 付近の騒音 に対 しては,ASE遮 音壁 を越 える極めて高い遮 音 性能を発揮 した.. か し,100Hzの 成分 の影響 が弱 く高周波数成分 の寄与が強 音壁 に匹敵 する高い遮音 性能 を示す.す なわち,高 周波数. いA特 性で見 ると,図‑11(c)に 見 られ るよ うに,ASE遮. 謝辞:本 研究 は国土交通 省中国地方整 備局の受託研究 によ り行 われ る とともに,舗装版切断機 騒音の実測デー タを提. 域 での遮 音 性能 が高い と言 える.. 供 していただ きま した.こ こに深 く謝 意を表 します.. 今 回新 たに提案 した変形Y型 遮音壁 の場 合,図‑11に よれ ば,100Hz成 分 が支配的 なFlat特性で見 る と,d=2.0m の ときにはA領 域 を除いてASE遮 音壁 ほ どの性能 は得 ら. 参考文献 1) 加 川 幸雄: 開 領 域 問 題 の た め の 有 限/境 界 要 素 法, サ. れ ない ものの,単 純 壁やY型 してお り,d=15mの. イ エ ンス社, 1983.. 遮音壁 よ りも高い性能 を示. ときはASE遮 音壁 と同等 な高い遮. 音 性能が得 られ る.A特 性で見た とき も高い遮音 性能 を 示 し,特 に,800Hz以 上 を含 まない図‑11(d)の 場 合には, ASE遮 音壁 を越 える極 めて高い遮音 性能 を示 してい る.こ の ことは100Hzよ りも大 き く,800Hzよ りも小 さい周波数 域 での遮 音 性能 が特 に高 い こ とを示 唆 してお り,図‑10 か らも315〜630Hz付 近の遮音 性能が高い ことを確認 でき. 2) Barragy,E. and CareyG.E.: A parallelelement-by-element solutionscheme,Int. J. NumericalMethodsin Eng.,Vol.26, pp. 2367-2382,1988. 3) 比 江 島 慎二: 構 造 物周 辺 の屋 外 音 響 伝搬 に 関す る有 限 要 素解 析, 構 造 工学 論文 集, Vol.53A, pp.99‑305, 2007.. 4) 藤 野 清 次, 張 紹 良: 反 復 法 の数 理, 朝 倉 書 店, 2002.. る.. ― 250―. (2008年4月14日. 受 付).

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参照

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