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音響管付二重防音壁の騒音低減効果 (株)大林組

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Academic year: 2022

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(1)土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月). Ⅶ‑143. 音響管付二重防音壁の騒音低減効果 (株)大林組. 正会員 〇前田 正会員 本田 正会員 宮岡. 章 泰大 修二. 1.はじめに 施工時の周辺への騒音対策は、住民の環境意識の高まりとともに、ますます重要になっている。特に、工事 境界に近接した民家での騒音が大きく、対策が求められている。その場合の対策として、防音壁を高くするこ とが考えられるが、建設費が高くなるとともに、近隣の日照や景観に悪影響を及ぼすことなどが懸念される。 本稿では、防音壁を高くすることなく、近接民家での騒音低減効果が期待できる音響管付二重防音壁につい て、模型実験により確認した騒音低減効果を報告する。 2.騒音対策の課題 工事騒音が仮囲い外の民家に伝わる騒音の大きさは、図-1 に示すように透過音と回折音の合成したものと なるため、騒音レベルを小さくするにはその両者を低減する必要がある。通常、透過音に対しては、防音材を 万能鋼板より音が透過しにくい防音パネル等に変更する。また、回折音に対しては、行路差(δ=A+B-r)を長く して回折減衰量が大きくなるように、防音壁を高くする ことが行われる。その結果、防音壁は、防音パネル材を. 仮囲い 音源. 用いた壁高の高いものとなり、建設費が高く、日照阻害. A. 回折 B 透過. r. 等の環境上の問題が生じるため、防音壁の高さを上げな. 受音点. い安価な方法が求められている。. 図-1 回折音と透過音の合成. 3.解決策 上記の課題に対する解決策として二重防音壁に音響管 を組み込んだ高性能防音壁を考えた。. 二重回折. 万能鋼板. 音源 透過. (1)二重防音壁. 受音点 受音点. 防音壁の高さを上げず、回折音と透過音の両方を同時 に低減する方法として着目したのが二重防音壁である。. 図-2 二重回折説明図. 二重防音壁は、図-2 に示すように、回折を 2 回するため、 回折による音の減衰が大きい。また、2 枚の防音材の間隔をあけて 設置するため透過損失の値が 2 倍になり透過音も減衰できる。. 音響管. (2)音響管 音は、周波数が低くなるほど、回折、透過ともに減衰量が小さくなる 性質がある。更に性能を向上させるためには、低い周波数に効果のある. 万能鋼板. 対策を講じることが有効である。 音響管は、図-3 に示すように、二重防音壁の天端に設置することで、 音の干渉を利用して防音壁の上を回り込む回折音を低減できる。それは、 音波が管の開口から中に入り反射して戻ってくることで逆位相になり、. 図-3 音響管の設置状況. 音の干渉現象により音が低減するからである。音響管が騒音低減対象と する周波数帯域は、管の長さをその周波数に対応する波長の 1/4 とすることで任意に設定することができる。 したがって、回折減衰量が小さい周波数帯域を音響管の騒音低減対象とすることで、その周波数帯の音を干渉 により減衰させることができる。 キーワード 防音壁、回折、音響管 連絡先 東京都港区港南 2-15-2 品川インターシティ B 棟(株)大林組生産技術本部技術第二部. ‑285‑. TEL 03-5769-1302.

(2) 土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月). Ⅶ‑143. 4.実験方法 音源 実物に対して 1/4 の大きさの模型を用いて(写真-1)、防音 (高さ 1m) 壁タイプごとに各周波数帯域の騒音低減量を測定した(図-4)。. 二重防音壁および音響管の設置延長は実物寸法で 21.6m とし. 受音点 ①仮囲い(高さ 3m) (高さ 1.5m). ②防音パネル(高さ 5m). た。なお、以下に示す寸法はすべて実物大スケールに換算し た値で表す。 音響管付二重防音壁. ③二重防音壁(高さ 3m) 受音点 (マイク). 音源 (スピーカー). 音響管. ④音響管付二重防音壁(高さ 3m) 仮囲い. 10m. 5m. 10m. 20m. 図-4 実験ケース. 写真-1 無響室における模型の設置状況. 5.結果 図-5、図-6 に実験結果を示す。それぞれの値は、音源の音響パワーレベルが 106dB(周波数特性:音響学 会が示す建設機械騒音の代表的な周波数特性 1))とするときの受音点における騒音レベル、A 特性音圧レベル である。 図-5 では、防音壁タイプごとの受音点での騒音レベルを示す。音響管付二重防音壁は仮囲い(高さ 3m)に 対して最大 10dB の騒音低減効果が確認できた。また、高さ 5m の防音パネルに対しても、騒音低減効果が上 回った。 図-6 では、防音壁タイプごとの A 特性音圧レベルの周波数特性を示す。音響管が対象とした周波数帯域(250 ~500Hz)で A 特性音圧レベルが二重防音壁の場合よりも 2~6dB 低減した(赤色着色部)。音響管が対象とし た周波数帯域より低い周波数帯域では A 特性音圧レベルが大きくなっている箇所がある一方、対象とした周波 数帯域より高いところでは低減効果が認められる(青色着色部)。 受音点 (5m). 受音点 (10m). 60. 受音点 (20m). -10m. 騒音レベル(dBA). 0m. 5m. 10m. 15m. 50. 20m. 60 58 56 54 52 50 48 46 44. ①仮囲い ①防音壁(一 (高さ3m) 重、H=3m) ②防音パネル ②防音壁(一 (高さ5m) 重、H=5m) ③二重防音壁 (H=3m) (高さ3m). 0m. 5m. 10m. 15m. 20m. A特性音圧レベル(dB). 1.0m. 1.5m. 音源(106dB). ④音響管付二 ④音響管付 重防音壁 二重防音壁 (H=3m) (高さ3m). 防音壁からの距離. 40. 30. 20. 音響管が対象とした周波数帯域 10. 0. 図-5 防音壁タイプごとの騒音レベル測定結果. 62.5. 125. 250. 500. 1000 2000. 1/3オクターブバンド中心周波数(Hz). 6.まとめ 近隣の民家に対する騒音対策として、二重防音壁に音響管を組み込 んだ高性能防音壁の騒音低減効果を明らかにするため、模型実験を行 った。結果は、万能鋼板製の仮囲い(高さ 3m)に対して最大 10dB の 騒音低減効果があった。今後は、民家が近接しており、騒音低減が求 められている現場に積極的に適用していく。 参考文献 1)日本音響学会:建設工事騒音の予測モデル“ASJ CN-Model 2007”. ‑286‑. ①仮囲い(高さ3m) ②防音パネル(高さ5m) ③二重防音壁(高さ3m) ④音響管付二重防音壁(高さ3m ). 図-6 防音壁タイプごとの A 特性 音圧レベルの周波数特性 (受音点は防音壁から 5m). A.

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