地域製 造 中小企業 の 経営理 念 と経営者 の ビジ ョン
戸 前 義 夫
目 次
Ⅰ は じめに
Ⅰ 先行研究 と分析の枠組み
Ⅲ 調査結果の分析
Ⅳ むす び
Ⅰ は じ め に
経営学の理論の多 くは大企業を対象 とした研究か ら生み出されてきた。 ま た最近は第
3
次ベンチャーブームを背景に,ベンチ ャー企業の研究は盛んに なってきている。そのような中で,中小企業 は経済社会 に重要 な役割を持 つ(1)にもかかわ らず ,中小企業の経営観織論的アプローチの研究は,大企業 を対象 としたものと比較すれば必ず しも十分ではない。また企業組織を対象 とす る研究は,組織の規模の大小によって特性が変わ る点を考慮に入れる必要がある。大企業を対象 とす る研究の蓄債 と,創成期 におけるベ ンチャー企業の研究は,中小企業の経営観織論的研究に比較研究 とい う視座を与える可能性がある。企業規模か ら生ず る特殊性 と企業 とい う 共通性 とを基に した暗黙の比較 も含め,中小企業に対 してあらたな知見を う る手がか りが広がるとい うことである。本稿では地域の中小企業の経営者の
(1)中小企業を巡 る最近の論点の動向は,たとえば清成
( 1 9 9 6 )
を参願。22 0
もつ ビジ ョンに焦点を当て ,それが経営理念 ,戦略 ,経営成果な どとどの よ うな関連性を持つか考察 していきたい。
Ⅰ
先行研究 と分析の枠組み( 1
) わが国の中小企業 とベ ンチ ャー企業に関する最近の研究対外環境の影響で窮地に立つ中小企業は少な くないQ関
( 1 995 )は全国的
な縮小過程におけ る地域間競争の時代に突入 した と指摘す るように,いまや 地域製造業の中小企業は東 アジア諸国 との国境を も跨いだ大競争に直面 して いる. この問題 の対処法 として,基盤的技術の充実 と,若手のキーマンお よ び地域産業全体を リー ドす る リーデ ィング ・カンパニーの育成を主張 している。
塩次
( 1 995 )は実証的調査を とお して,地域か ら成長す る企業の特徴 とし
て 1)イノベーシ ョン志向的で活発に独 自な戦略を展開 している, 2)
多面 的なネ ッ トワークを構築 して地域企業に成長の波及効果を もた らしている,3)
地域の リーダー企業 として後続企業にモデ リング効果を発揮 している,4)
ローカル企業であ りなが らしば しばグローバル志向的である, 5)中小 企業対策の恩恵を脱 して 自立的な成長戦略を追求 している,の5
点を指摘す る。 この ような特徴を持つ企業の経営者は,外部依存型ではな く,独 自の ビ ジ ョンを持つ経営者であろ う。地域の中小企業の振興には産業政策に依存す る側面は確かにあるが ,個 々 の地域企業の経営者の資質にかか る側面 も無視す ることはできない。た とえ 十分な産業政策が行われた として も,成果を上げる企業 と上げることができ ない企業に分かれ るであろ う。 さらに塩次
( 1 99 5)が指摘す るような中小企
業対策に頼 らず発展す る中小企業の実例は,中小企業の発展は経営者に大 きく依存 していると考えることができる。
一方ベ ンチ ャー企業に 目を移す と,アメ 1)カでは 「事業計画書」 の段階で
‑3 6‑
多額の投資を集めるベ ンチ ャー起業家がいるとい うo 裏返せば,事業計画書 とい う構想の段階で リスクのある出資 をす る投資家 がい る とい うことであ る。最 も極端な場合す ぐれた事業計画書があるだけで ,何 もないゼ ロの状態 か ら,外部の経営資源を獲得す ることに よって事業化の可能性がある。 この ことが可能になるのは,事業計画書には合理的に練 られた事業計画や資金計 画は もとより,投資家の共感を得 るような優れた ビジ ョンがあるか らと考え られ る。
これを支持す る研究 として,山田
( 1 999 )はベ ンチ ャー企業の事業創造の
プ ロセスを①事業 アイデアの獲得 ,②事業 コンセプ トの醸成 ,③事業計画の 作成 ,④資金 ・技術の獲得 ,⑤人材獲得 ・組織編成 の5
つ の フ ェーズに分 汁,「ベ ンチ ャー企業の創造 プロセスでは ,事業 アイデアの獲得 と事業 コン セプ トの醸成 とい うビジネスの基盤 となる知的な創造行為 のフェーズが成否 を分ける鍵 となる」 とい う示唆を実証研究か ら導 き出 している(2)。 この5
つ のフェーズで 「事業 アイデ ア」 や 「事業 コンセプ ト」 は,「事業計 画 の作 成」,「資金 ・技術 の獲得上 「人材獲得 ・魁織編成」 より抽象的なフェーズで あ り,つ ま りここで も抽象的な構想や洞察の重要性が指摘 されている。 この ように逆境か ら発展す る中小企業や ,ゼ ロか ら起業す るベ ンチ ャー企業の共 通の要素の一つは,経営者の ビジ ョンと考えられ る。( 2 )
経営理念 とビジ ョンに関する先行研究前項では,経営者の ビジ ョンが重要であると考えた。経営学においては ビ ジ ョンの棟似の用語 として 「構想上 「経営哲学」な ども使用 されているOま た組織 の 目的を表す 「経営理念
上
「社是上
「社訓上
「使命」 とい う用語 とあ いまって混乱を きた している。そ こで本稿における概念の整理を行 うことに す る。(2
)山田( 1 9 9 9 )
,p3 8
02 2 2
まず大河 内
( 1 9 7 9 )
は経営構想力を,
「企業者は未来の経営行為 の形を構想 してゆ くのだが,この構想に集結す る企業者の諸能力 ,すなわち,知覚 ,認 識 ,綜合 ,先見 ,構想の諸カを包括(3)」 した もの,あるいは 「企業者が 自己の 動機や経営 目的に照 らして経営要素を編制 し,企業活動を導 き出す特殊な能 力(4)」であると定義す る。 この視点は企業家個人の能力に着 目した もので め る。加護野 ( 1 9 8 9 )は,企業の経営資源を長期的に環境 と適合 させ る経営戦略
を,具体的な 「アクシ ョンの連鎖 としての戦略」 と企業 あるいは事業の将莱 にかかわ る 「構想 としての戦略」に分ける。後者の 「構想 としての戦略」の 機能 としては,① アクシ ョンの評価基準 ,②構想の共有に よる組織 内部の整 合性 ,③阻織 内部の柔軟な調整 ,④人々の注意の焦点を定める,⑤ コ ミットメン トを引き出す ,⑦構想をつ くるプロセスで深 まる理解 ,⑧構想をつ くる プロセスでの情報の共有 ,とい う8点を指摘す る。 この研究は,個人の構想 力ではな く,魁織論の視点か ら戦略 との関係を考察 した ものであ り,これ ら の機能の多 くは姐織 内部の経営資源の相互作用やその整合的な活用 とい う機 能に着 目されてい る。また同研究は,アクシ ョンの連鎖に対 して ,構想 とし ての戦略が変化 してい くプ ロセスを 「戦略的学習」 と呼び,た とえ最初の段 階で構想 としての戦略が貧弱であっても,アクシ ョンのプ ロセスで構想が修 正 され る ことを指摘す る。 この よ うに 「構想 としての戦略」 に含 まれ る
「夢」
,
「ビジ ョン」,
「アイデア上
「コンセプ ト」は,アクシ ョンとの相互作 用に よって進化 してい くとい う立場であると解 され る。これ らの構想をキー ワー ドとす る研究 とは別に
,
「経営理念」 を中心概念 にす る研究が存在す る。創業時か ら超優 良企業に成長 した ビジ ョナ リー ・カ ンパニーを研究 したCo l l i nsa ndPo r r a s( 1 9 9 4 )においてほ ,
「基本理念を ,(3)
大河内( 1 9 7 9 ) ,p. 3 8
0(4)
大河内( 1 9 7 9 )
,序 iio‑3 8‑
文化 ,戦略 ,戦術 ,計軌 方針な どの基本理念ではない慣行 と混 同 しない こ とが ,何 よ りも重要 である.(中略)ビジ ョナ リー ・カンパニーであるために は基本理念だけは変 えてはな らない(5)」 とし,決 して変わ らない企業 の基 本 理念
( cor ei deol ogy)
の重要性 を主張す る。また会社設立時において,すぼ らしい会社 をは じめ るには ,す ぼ らしいアイデアが必要 とす る考 え方は神話 で あ り,さらに ビジ ョナ 1)一 ・カンパ ニーの歴代
CEO
は ,偉大な指導者にな る よ り長 く続 く魁織 を作 り出す ことに力を住 いだ と述べ ,経営者 のカ リスマ よ り魁織力の構築が重要であるとす る。加護野他 ( 1 983 )は 日米大企業 の経営比較調査 を とお して,日本企業 の経
営理念 は人間関係重視 の経営理念 であ り,一方米国企業 では経営理念が階層 を形成 して具体化 され てい く理想型 としての経営理念 であるとその違 いを指 摘す る。米国企業 のなかにはI BM
や テキサス ・イ ンスツル メンツの よ うに 経営理念 を一貫 して操作化す る程度が高い ものがあるのに対 し,日本企業は 経営理念 の一貫 した換作化 の程度 は相対的に低 く,観織 の基本的な方 向を示 しなが ら,その具体化については ,組織 メンバ ‑の解釈 の 自由度を許容す る 融通性 を残 している,としてい る(6)。 この指摘 の ようにアメ リカ企 業 は経 営 理念 を組織的に展開す るとい う点ではCol l i nsandPor r as ( 1 99 4 )
の主張 と一 致す る。 また ,日本企業 において経営理念が必ず しも経営 の指針にな ってい ないのは,8 0
年代 は米国企業 は 日本企業 の躍進 に苦 しめ られた時代であ り, 日本企業 は米国企業 のキ ャッチア ップを 目指 していた こととも関係 しそ うで ある。当時 の 日本企業 は ,キ ャッチア ップ とい う経営 の方 向性が暗黙 の うち に与 え られてお り,キ ャッチア ップに最 も有効的な組織 内の人的資源 の調整 が経営 目標 とされ ,逆 にアメ リカ企業 は厳 しい経営環境 のなかで経営理念を 拠 り所 に した経営 を行 っていた と考 え られ る。(5) Co l l i nsa n dPo r r a s ( 1 99 4) ,p. 8 2
:邦訳,p 1 35 0
(6)
加護野他( 1 98 3),pp1 63 ‑1 67
02 24
以上の先行研究か ら次の ように亜理できる。経営理念や ビジ ョンの作用の 重点は,組織の規模に よって異なる.大観織においては,ビジ ョンは複数 の 階層や部門にまたがる複数の個人の相互作 用 に よって創 り出 され ,加護野
( 1 9 89 )が述べ るように創 り出された ビジ ョンそのものと創 り出され るプ ロ
セスの両者が意味を持つ。大企業では社 内の経営資源を有機的に活用す るこ とは想像以上に困難で,大観織を研究対象 とす る経営観織論においては現在 中心的な論点の一つになっている。経営理念に関 しては,これは魁織成点間 で創 り出され るものではな く,始めに存在す る前提である。経営理念は,大 組織においては ビジ ョンを創出す るさいの価値基準にな り,さらに よ り一般 的 な ライ ンの操業 において も指針 とな る ものであ る。一方創成期 のベ ン チ ャー企業において,ビジ ョンは主に起業家個人に よって創出され ることに なる。経営理念はあって も姐織的な展開の必要はな く,起業家個人の中で ビ ジ ョンを創出す る価値基準 となる。中小企業において ビジ ョンは,経営者個人あるいは少数の経営者お よびス タ ッフに よって創 り出され ,そのプ ロセスは大組織 と比較すれば複雑 ではな いが ,経営者の資質が大 きな要素 となる。経営理念は ビジ ョンを創出す るさ いの価値基準にな り,大企業 と同様に魁織のあらゆ る レベルの指針になると 考えられる。
また ,ビジ ョンと経営理念の関係については次の ように整理で きる。経営 理念は企業の基本的な価値や 目標を示 した もので,基本的には不変の もので あるO また ビジ ョンとは経営理念を実現す るために,魁織的に,あるいは個 人的な資質か ら導出された ものであ り,また これは現実のアクシ ョンとの相 互作用を とお して進化す るものである。
なお本稿では ビジ ョンに関 しては加護野
( 1 9 89 )
のフ レーム (図 1)を参 照 しつつ も,企業の発展や問題解決に資す る価値 と事実(7)を同程度に併せ持(7)価値 と事実に関 しては
,Si mo n( 1 9 4 5 )
を参照0‑
40‑
図1 構想としての戦略のレベル
出所)加護野
( 1 9 8 9 ),p5 4.
つ経営者の決定前提を 「ビジ ョン」 ととらえることにす る。
( 3)
次元設定中小企業が経営成果を上げるには,経営者の ビジ ョンお よびそれが経営理 念に裏打ちされていることが重要であると考え られ ることは先行研究か ら導 き出されたO本稿では この ような視点か ら,地域の中小企業において,経営 理念お よび ビジ ョンが,実行戦略 ,魁織のマネジメン ト 経営成果 とどの よ
うな関係にあるかを分析す る。そのため経営理念 , ビジ ョン,価値観 の浸 逮 ,対外環境 , ドメイン,戦略立案 と遂行 ,実行戦略 ,資源 展開 ,対組織 内,対現場お よび経営成果の11次元を設定 した。 これ らは,企業の全体的な マネジメン トにおいて欠 くことのできない要素である. この ような枠阻みで 次節において分析を進めてい くことにす る。
Ⅲ
調査結果 の分析(1) 分析データの概要
岡山経済同友会 と岡山経済研究所が岡山県下の企業経営者に対 し,平成
1 0
年1 0
月に行 ったアンケー ト調査 のデータを用いて分析を試みることにす る02 2 6
このアンケー ト調査は平成1
0
年1 0
月1 5
日か ら11
月1 0
日の間に岡山県下に本社 がある従業員50
人以上の企業121 2
社に対 し郵送で質問票を送付 し,また郵送 で経営者 自身に回答を依頼 した ものである。有効回答数は270社 で ,有効 回 答率は22. 3%であった
(8)O本稿では,全業種 の中か ら製造業を抽出 し,回答を分析対象にす ることに したo また企業規模は,中小企業基本法の定義に近づけ るため従業員300人 未満の企業に絞 った(9)。その結果 ,分析対象数は6
2
社にな った。経営成果の次元においては
,
「過去3
年間の経常利益の対売上高比率 の平 均」お よび 「過去3
年間の新製品 ・新サービス売上高の売上高全体に占めろ 比率の平均」をインデ ィケ‑タに用いたo製造業に とっては,後者の新製品 比率 とい う指標 も重要であるQ これ らの回答の尺度は,「1
・‑非常 に低 い上「2
‑低い上 「3‑・やや低い上 「4‑業界平均」,「5
‑やや高い上 「6‑高 い」,「7‑非常に高い」の7ポイ ン ト・スケールであるO経営理念について は,その有無(2
‑あ り, 1
‑な し)のダ ミー変数である。その他の次元の 回答尺度は,「1‑・まった く違 う」,「2
‑・どちらか といえば違 う上 「3‑
・どち らともいえない上 「4‑ どち らか といえばあてはまる上 「5
‑まった くその とお り」の5
ポイ ン ト・スケールである。( 2)
分析結果(ア)高業績企業 と低業績企業
「過去
3
年間の経常利益の対売上高比率 の平均」 の項 目に関 して平均値( 3. 3 4 )を境に分類す ると,高業績企業 ( N‑2 9 )
と低業績企業( N‑3 3 )
に分かれ る。同 じく 「過去3
年間の新製品 ・新サービス売上高の売上高全休(8)岡山経済同友会 .岡山経済研究所
( 2 0 0 0 )
を参鳳。(9)
中小企業基本法 (昭和3 8.7.2 0
法1 5 4 )
に よる中小企業者の定義は製造業は資本金3
億 円以下 ,従業員3 0 0
人以下である。なお本調査では資本金 の調査項 目は存在 しない。‑42 ‑
に占める比率の平均」に関 して平均値
( 3. 6 3 )
を境に分類す ると,高業績企莱 ( N‑3 7 )
と低業績企業( N‑2 5 )
に分かれ る。従 って この6 2
社は,両方 の項 目で高業績企業に分顕 され る2 3
社 ,両方の項 目で低業績企業に分類 され る19
社 ,片方 の項 目が高業績企業で もう片方の項 目では低業績企業に分娩 さ れ る2 0
社 とい うように分類 された。そ こで高業績企業 と低業績企業における 各項 目の平均値の差の検定を行 った (表1) 0 4 0
項 目中 ,有意差の検出された 項 目は18
項 目であった。(丑経営理念の有無は,平均値 はやや高業績企業の方が高いが ,それほ ど大 きな差にはな らなか った。高業績であっても経営理念のない企業
( N‑5)
や逆に低業績であって も経営理念 のある企業( N‑1 2 )
があるか らであるO② ビジ ョンの次元の
2
項 目( Nos . 2, 3)
は高業績企業 と低業績企業の間 は,大 きな差 とな っているoすなわち トップに ビジ ョンがあることが高業績 につながると考えられ る。③価値観の浸透 も比較的大 きな差 とな っている。経営理念や ビジ ョンとい う価値を浸透 させ ることはやは り有用の ようである。
④対外環境については,高業績企業の トップマネジメン トは外部環境に関 して敏感であるO逆に低業績企業は外部環境に関心度は低い ようである。特 に環境変化‑の敏感性
( No . 5)
や業界に精通( No .8)
の差が大 きいQ低業績 企業の トップマネジメン トは よ り組織外部‑の配慮が必要であろ う。(9 ドメイ ンについて も同様に,高業績企業の トップは明確なそ して独 自の ドメイ ンを規定 しているといえる。
⑥戦略策定 と遂行の次元では
,5
項 目中3
項 目に高業績企業 と低業績企業 の間に大 きな差が見 られたO戦略計画に精通( No . 12)
に関 しては特に大 きな 差にな っている。低業績企業では トップに経常業務が集中 し,戦略計画にま で手が回 らない計画におけ るグレシャムの法則が働いている可能性 もあるo 戦略スタ ッフを重用( No . 14)
は,ほ とん ど差が見 られなか ったO戦略に従い 機動的な対応( N o . 1 5 )
は大 きな差が見 られ ,高業績企業は機動的に トップが228
表 1 高菜 蘇 企 業 と低業 騎 企業 の比較
次 元 イ ンデ ィケ‑タ項 目 項香早目 値商業統企業 の平均
(
N ‑23)
低業蘇企業 の平均値(
N‑1 9 )
七倍 経営理念 経営理念の有無 (ダ ミー変数)1 1. 7 8 3 1. 6 3 2 1. 0 6 7
ビジ ョン
5
年先 の ビジ ョンの明確 さ2 4, 0 0 0 3. 21 1 2. 6 6 7
*会社 のあるべ き姿 を持つ
3 4, 3 9 2 3. 4 21 3. 4 9 3 **
価値観 の 価値観が経営戦略や管理制度 に色濃 く反
4 4, 0 8 7 3. 5 7 9 2. 0 0 4 *
浸透 咲
対外環境 環境変化‑ の敏感性
5 4. 3 0 4 3. 3 6 8 3. 21 4 **
社外 の多様 な情報源
6 4. 2 61 3. 5 7 9 2. 5 8 0 *
外部の技術情報‑ の敏感性7 4. 2 61 3. 7 9 0 2. 4 3 5 *
業界に精通8 4. 0 8 7 3. 2 6 3 3, 0 9 4 **
環境変化 に応 じて事業 の随時再定義
9 3. 7 8 3 3. 31 6 1, 8 61 *
ドメイ ン 自社事業 の生存領域 の明確 な定義1 0 4. 3 0 4 3. 5 2 6 2. 6 7 9*
業界 の慣例 に とらわれない事業領域 の捉え方
l l 3. 8 2 6 3. 21 1 2. 4 5 2*
戦略策定と遂行 戦略計画に精通論理的 .分析的 アプ ローチの重視
1 1 3 2 4. 3. 5 1 7 6 4 5 3. 2. 21 8 4 1 2 3. 2. 7 3 31 2 4 ** *
戦略 スタ ッフを重用1 4 3. 4 7 8 3, 4 21 0. 1 8 0
戦略 に従 い機動的な対応1 5 4. 1 3 0 3. 3 6 8 2. 9 8 5 **
時に突 出 した戦略に挑戦す ることを望む
1 6 3. 9 5 7 3. 8 4 2 0. 4 2 0
実行戦略 コス ト上の優位1 7 3. 3 0 4 3. 0 0 0 1. 0 3 7
シ ェア志 向1 8 2. 8 7 0 2. 5 2 6 1. 1 71
マーケ ッ トリ‑ダ‑にチ ャ レンジ1 9 3. 1 3 0 2. 6 3 2 1. 5 8 9
フ ォロワ‑の利点の追求2 0 2. 6 9 6 3. 0 0 0
‑1.1 6 2
広告 .宣伝 を通 じてのブ ラン ド力 .知名度21 2. 7 3 9 2. 31 6 1, 3 0 5
オール ライ ンを取 り扱 い総合力を発揮2 2 3. 0 8 7 2. 5 7 9 1. 6 0 9
狭 くとも深 い市場戦略2 3 3. 6 5 2 3. 4 7 4 0. 61 2
高 品質な製 品 .サ ービス2 4 3. 8 7 0 3. 4 21 1. 98 5
高頻度 の新製品 .サ ー ビスの導入2 5 3. 6 9 6 3. 0 5 3. 2. 5 5 6*
ユニークな製品 .サ ー ビス
2 6 3. 8 7 0 3. 1 0 5 2. 5 3 8 *
資源展 開 中核技術 の大部分に関連 した多角化2 7 3. 4 7 8 3. 31 6 0. 5 8 8
中核技術 の
1
つにで も関連すれば多角化2 8 3. 0 8 7 3. 0 5 3 ‑0. 1 4 7
経営資源 の長期的展開2 9 3. 6 0 8 2. 8 9 5 2. 3 4 7 *
ノウノ\ウの蓄横 の重視
3 0 4. 0 8 7 3. 5 2 6 2. 3 0 8 *
対敵織 内 権限委譲 し リス クに挑戦 させ る31 3. 4 7 8 3. 2 6 3 0. 6 7 2
緊張をつ くり‑ ソグ リー精神 の維持
3 2 3. 91 3 3. 4 21 2. 1 1 8 *
決定を貫徹す る経常管理者 が 1)‑ダ‑にふ さわ しい
3 3 3. 1 7 4 3. 21 1 ‑0. 1 2 9
決定に とらわれず柔軟 に軌道修正す る経
営管理者が リーダーにふ さわ しい
3 4 4. 1 7 4 3. 8 9 5 1. 0 6 7
管理 システ ムを通 して社員に働 きかけ る3 5 3. 5 2 2 3, 2 6 3 1. 0 61
社 内の和に配慮3 6 4. 2 61 4. 1 0 5 0. 6 6 3
対 現 場 現場 の 自主性 を尊重3 7 3. 7 8 3 3. 7 9 0 ‑0. 0 2 5
現場 の提案を重視3 8 3. 9 5 7 3. 6 3 2 1. 4 5 0
現場 に顔 を出 し状況 を把振3 9 4. 0 4 4 3. 6 3 2 1. 3 4 9
注)
*:p<. 0 5,**:p<. 01(p
は有意水準)0‑ 4 4 ‑
決断 しているようだ.時に突出 した戦略に挑戦す ることを望む
( No . 1 6)
は, 低業績企業の平均値が高 く高菜蹟企業 とそれほ ど差は見 られなか った。⑦ 「実行戦略」の次元は,高菜蹟企業 と低業績企業の間には総 じて差は小 さか った。 ある意味で当然の結果か もしれない。企業に とって ,どの経営戦 略が適切かほ一概にはいえないか らである。競争優位の戦略は基本的に,広 い ターゲ ットと狭いタ‑ゲ ットのそれぞれに,コス TJ)‑ダーシ ップ戦略 と 差別化戦略がある(10)。 これ らの戦略は トレー ドオフの関係にはな く,阻み合 わ されて用い られ るか らである.高頻度の新製品 ・サ ービスの導入
( N o . 2 5 )
, ユニ‑クな製品 ・サービス( No . 26)
では差が大 きか ったO この方 向での差別 化戦略が有効であるようだO⑧資源展開の次元では,多角化
( No s . 2 7,2 8 )
については差がほ とん ど見 られないが ,経営資源の長期的展開( Na29)
とノウ‑ ウ蓄積の重視( No . 30 )
については,高業績企業 と低業績企業の差が見 られたO⑨対組織 内の次元では,‑ ソグ リー精神 の維持
( No . 32)
のみが差 が大 き か った. また社 内の和に配慮( Na36)
は,低業績企業の平均値が高 く差が見 られなか った。⑲対現場 の次元の 4項 目は,差が小 さか ったO
この ように抽象的要素の多い次元で高業績企業 と低業績企業の差が多 く見 ら れた。
(イ)高業績企業 と低業績企業における項 目間の相関係数
高業績企業 と低業績企業において ,経営理念や ビジ ョンを始め として各項 目が どの ような関係にあるかを知 るために相関分析を行 った (表
2
)。 その 内容について ,本稿の論点 とともに見てい くことにす る。①経営理念
( 1 0 )Po r t e r( 1 9 8 5 )を参照。
2 3 0
表
2
高業蘇企業 と低業績企業 の項 目間の相関行列1 2 3 4 5
6
78
9 10 11 121.000 一札057 0.104 0.141 0.14
1 02 1 5 02 7 1 0 . 2 0 8 0 . 0 2 9 ‑ 0 . 0 3 9 ‑ 0 . 2 7 1
0.
05
8 0,506' 1.000 0.758… 0.301 0.708M a.537◆ 0.413 0.486◆ 0.442 0.470◆ 0.526' 0537' 0.441◆ 0.812H 1.
000 0.220 0654M 0.580州 0.492● 0.655◆● 0.364 0.711*+0,460事 0.733州 0.603++0.538… 0.494* 1000 0.208 0.535.+0.559● 0.141 ‑0.200 0.089 0.072 0,194 0.101 0.382 0.255 0040 1.000 0.659'+ 0.384 0.408 0,528■ 0.357 0387 0507◆‑0121 0.258 0.270 0.322 0.154 1
.
000 0.520+ 0.477+ 0223 0.356 0.303 0.378 0.227 0.516' 0473+ 0.507● 0.023 0407 1.000 0449 0.136 0497● 0.118 0.369 0064 ‑0218 ‑0.239 ‑0.326 0.265 ‑0.252 ‑0.252 1,000 0.439 0.580◆● 0.351 0852++ 0124 0.469' 0313 0.248 0565… ‑0064 0028 0034 1.000 0.288 0.509● 0424 0.279 0.438+ 0.211 0082 0240 0.164 0315 0.280 0.089 1.000 0.379 0.662州 0.233 0.487■ 0.420■ 0.195 0.514++ 0.003 0.227 0.211 0530'+‑0.037 1000 0,399 0.281 0.595'. 0.653… 0.692'+ 0.316 0.508● 0.712… ‑0.117 0.309 0.246 0303 1. 0 0 0
0.361 0.569++ 0516' 0.467+ 0.294 0.488+ 0.401 0O64 0056 0390 0.179 0582'' 0.248 0.359 0.224 0.113 0.443●‑0.06L ‑0.132 0.301 0517● 0.299 0485◆ 0.127 0351 0,654H 0373 0.263 0.408 0.380 0.560◆+‑0096 0.116 0.578H o.313 0.348 0439* 0746◆* 0.704◆● 0623++ 0.377 0416◆ 0.495川一0.328 0.294 0267 0290 0,6 27…
0.055 ‑0105 ‑0.231 ‑0259 0149 10.56381I‑0203 0.510* 0.197 0.177 0.418* ‑0262 0。137 0.000 0.010 0123 ‑0.084 ‑0.223 0.054 ‑0.043 ‑0.035 0.217 ‑0023 0.031
‑0.143 ‑0.158 ‑0259 ‑0.184 0.087 ‑0.346 ‑0057 0045 0150 ‑0.134 0297 ‑0283
‑0.055 ‑0.418+ ‑0325 ‑0078 ‑0.069 0.059 ‑0.085 0.219 ‑0197 ‑0223 0.217 ‑0.173 0.167 ‑0.146 ‑0210 ‑0077 0210 ‑0.364 ‑0230 0.482◆ 0.141 0291 0.125 ‑0.日3
‑0056 ‑0246 ‑0.220 ‑0221 ‑0046 ‑0171 ‑0103 0505* 0.023 ‑0.242 0399 ‑0.196 0.138 0217 0.201 0274 0036 0.007 0.081 0.296 0.073 ‑0.074 0217 0154
02 6 5 0 . 3 8 9 0 . 1 3 5 03 4 1 0 . 1 3 6 ‑ 0 . 1 6 3 0 . 2 3
9 0.143 0245 ‑0.007 0377 0292 0.208 0.348 0.390 0.495+‑0.199 0175 0.463● 0,049 ‑0.039 0069 0.228 0515* 0.539tt 0.307 0.302 0.479+ ‑0.102 ‑0103 0.320 0,161 0.023 ‑0.005 0,185 0476t o.144 0.205 0.224 0.058 ‑0262 ‑0.203 0504* 0003 0077 0.299 0.130 0.188 1).068 0.178 0225 0,244 0.306 0.202 0.202 0.057 0409 ‑0083 0531●● 0398 0.109 0.464■ 0336 0043 0.452★ 0.167 0.238 0.467* 0390 0395 0.645… 0342 0.440◆ 0.268 0.339 0.272 0.190 0.059 ‑0.164 0190 0 . 3 2 9 0 . 0
31 0182 0 . 1 7 6
0.272 0338 0246 0.245 0.142 0.243 0165 0003 0.024 0.426● ‑0.102 0.207 0.283 0.179 0,399 0,497+ ‑0.053 0.187 0.310 ‑0.086 ‑0.233 0126 ‑0.104 0,462●
‑0.109 ‑0.096 0.02
5 ‑ 0 . 1 7 2 0 . 2 0 3 0 . 0 6 3 0 . 0 6
3 0148 ‑0.263 0.033 0.153 0.017 0.582◆■ 0,74 41" 0.740川 0.612= 0,202 0.098 0.405 ‑0117 0.468+ 0.311 0.238 0.646HO.332 0,567++ 0618H 0.404 0226 L)33
6 0 . 2 4 9 ‑ 0 . 0 7
6 0.244 0.240 02 7 8 0
5 18 書0.361 0155 0.334 0.123 0.139 0.046 0.153 0.403 ‑0141 0.351 0.003 0364 0.301 0.256 0.118 ‑0,031 0.509● ‑0.331 ‑0.049 0.621… 0.489■ 0247 0.493● 0.114 0.110 0.278 0.278 0.006 0562++‑0.166 ‑0.071 0088 0.580+ 0.140 0,411 0.097 0.272 0.304 0.259 0.321 0.157 0.396 0.480● 0.347 ‑0.116 0.569● 0220 0.421● 0.334 0.361 0,275 0.214 0.696*+一0.007 0.159 0.512+ 0.371 0294 0.595… 0.402
江 l)左下佃が商業♯企業の相関行列で,右上伽が低兼★企業の相邦行列である。
注2)I:p<.05,++:p<,01(pは有兼水中)。
‑4 6‑
13 14 15 16 17 18 19 20
2 1 2 2
23 24 25‑0.111 ‑0.006 0213 ‑0014 0.000 0091 ‑0.064 0.000 ‑00
8 8‑ 0 4 6
0+ 0163 ‑0007 0181 0.608+8 0.65288 0.682日 0234 0.061 ‑0.135 ‑0081 0162 10229 0150 0,185 0.019 0.1770
59 9
●● 04
63● 0792= 0214 0.124 ‑0.208 ‑0.003 ‑0.082 0026
‑0.149 0133 0.038 01660.162 0089 0155 0.377 ‑0075 0253 0331 ‑0.
4
97事 ‑0,164 ‑0.025 ‑0089 0.174 0.111 0.518+ 0.524■ 0.6 0
8… 一〇047 ‑0050 0017 0.156 0.133 ‑0.230 0228 ‑0.260 ‑0.145 ‑0071 0.266 0223 0.496書 0232 ‑0.177 ‑0172 ‑0049 ‑0.234 ‑0387
0 196 ‑0127 0021 0.0260.423 0.232 0.474* 0.356 ‑0.100 0.430 0.133 ‑0132 0.111 ‑0.246 10.108 0360 0.333 0641… 0600'" 0820叫 0.053 0254 0025 0.268 0252 0.024 ‑0169 0.287 0.118 0.181 0.542+ 0.
4
98+ 0554◆ ‑0085 ‑0.154 10013 0.081 0.508+ 0142 0108 ‑0138 0336 0214 0.526* 0.410 0.6 1
5+8 0116 0,070 10092 0042 0000 0,052 ‑0.370 0.018 0.122 0,179 0.443 0,287 0.480事 0384 0100 ‑0.220 0.215 0132 ‑0023 ‑0029 0.108 0.422 0.290 0.684… 0733** 0840桝 ‑0.027 0.412 ‑0.008 0328 0182 ‑0.076 10.146 0141 ‑0113 ‑0.086 1.000 0.647H 0.7 8
3事■‑0028 0.282 0152 0338 0447 0146 ‑0065 0.188 0235 0.126 0.404 1.000 0661●事‑0.179 0.495+‑0014 0.213 0.164 ‑0.355 0135 0.314 ‑0.204 ‑0156 0.549++ 0,191 1.000 ‑0072 0227 ‑0.054 0104 0201 ‑0081 ‑0212 0.272 0.078 0.208 0.555◆+ 0211 0.609++ I000 0.00 0 01 2 5 00
59 ‑0200 0.196 ‑0.08 8 00
31 0389 0.326‑0.209 0.
4
57* 005 9 ‑ 0 . 3 2
2 1.000 0000 0 . 3 1 1 0 . 1 8 9 ‑ 0 . 1 8 8 00 6 6 0 .
627M l0,279 ‑0446‑0.117 0142 0.126 0.133 0.376 1000 0.567■ 0198 0.516◆ 0.014 ‑0.200 0278 0.193
‑0356 0327 0033 ‑0.090 0576++ 0.525暮 1000 0.330 0340 0003 ‑0042 024
0 0 . 0 2 4
‑0002 0.230 ‑0059 ‑0255 0.312 0130 0.436* 1.000 0332 0000 ‑0.092 0.092 ‑0098
‑0030 0394 0040 ‑0056 0644= 0.
7 1
4●● 0.564= 0.332 1000 ‑0200 ‑0.113 0582… 0.437‑0106 0.083 10.116 ‑0.358 0.386 0.090 0320 0.601榊 0.364 1.000 ‑0141 ‑0.233 ‑0
5
18 ●
0358 0215 0116 0282 ‑0028 ‑0089 0.048 ‑0020 ‑0046 0158 1.000 0.082 0183 0363 0274 0.243 0167 0237 ‑0109 0114 0088 0092 0326 0419● 1.000 0.696桝 0208
‑ 0 . 2 D 9 01 4
0 0365 0.008 10.051 10.240 10.241 ‑0.15 3 ‑
0.
021 0397 0335 1000
0353 0072 0.089 0.387 ‑0056 0.178 ‑0.135 ‑0.098 015
4 0 . 2
06 0371 0,440+ 0485書‑0167 ‑0264 0245 ‑0.072 0.243 0.142 10.062 ‑0.157 ‑0.085 0.
1 2 3 ‑
0052 0115 0.363 0.112 0.245 0108 0277 0168 0299 04
85+ 0327 04
39暮 0.365 0.139 0.208 0172 0.474◆ 0.648川 0.441■ 0124 0,4
20◆ ‑0,090 0.181 0.227 0.187 0,357 0.353 0.468● 0.130 0.079 0.370 ‑0.118 0.336 ‑0.120 0.019 0.131 ‑0.029 0175 ‑0.012 0.287 0036 0061 05
00+ 0.127 0.504● 0.283 ‑0111 0.201 ‑0115 0158 0169 0.002 0.187 0.126 ‑0104 0373 ‑0003 0.118 0.485事 ‑oIT9 0.125 ‑0131 0.179 0.033 ‑0,128 0.256 0,242 0.4
38●
一〇109 ‑0.036 0.224 0140 0.191 0.367 0.
4
62■ 0,369 0.299 0,100 0.141 ‑0.184 0012 0.4
31◆ 0.127 0.271 04
90* ‑0138 ‑0029 ‑0.408 ‑0.546J" 10.113 10313 0090 0,176 0.4
33●
0.
6 5
1… 0220 0,490+ 04
93■ ‑0.087 0.029 ‑0.348 10,018 ‑0,043 10101 0.228 0153 0.257 04
39 ◆ 03 9
0 0.099 0.303 0,011 0 . 2 9 8 D
Ol
4 0053 0,335 ‑0.093 0.342 ‑0.026 0.071 0.198 0.520暮 0195 ‑0,010 0.407 0.014 0.114 0.063 0,306 0.339 0.411 0.346 ‑0,144 0.040 0.4
83+ 0.155 0.189 0.134 0,105 0.300 0.040 0.202 0005 0,160 ‑0.014 ‑0.All
0.518■ 0.076 0.500* 0.337 0.035 0.153 10.262 ‑0.035 0.107 0.044 0.282 ‑0.082 0.
4
27+
0.273 0.305 0376 0,351 0.331 0148 0201 0.072 0.
4
73◆ 0.204 0.303 0.285 0.2312 3 2
26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38
‑0349 0181 10.135 003l ‑0.153 ‑0.118 0366 ‑0.083 0.151 ‑0.024 0.102 0.083 0069 0.441 t)197 t)287 0
6 5
7'■ 0.66 4
8'I o5
37■ ‑0,041 tI.4
65' 0427 0.583叫 0.637◆● 0,064 0.195 0373 0472* 0269 0749++ 0.724M 0.443 ‑0.083 0.407 0.399 0.364 0483● 0.282 0.155 0117 0.224 0180 0082 0083 0.067 0174 0157 1006
0 0.190 ‑0095 ‑0.250 ‑0.383 0222 0401 0391 0.507■ 0427 0.490' ‑0095 0343 0.224 0190 0342 0.091 ‑0.027 0.240 0.313 0.141 0.397 0280 0,336 ‑0.036 0268 0.230 0.290 0.310 ‑0.268 ‑0.072 0203 0.384 0.371 0.431 0,284 D.165 0.067 0.351 0.243 0.387 0.372 ‑0,104 0068 0.346 0.256 0.079 06 9
0… 0.603++ 0239 0.056 0.074 0.5
10‑ 0282 0379 0.083 0151 0.4768 0.371 0.218 0.407 0.410 0088 0111 ‑0.025 ().335 t).316 0198 0,215 0318 0290 0397 0173 07
25++ 0.556' 0.188 ‑0355 0593'' 0200 0198 0375 ‑0.077 0.151 0.553● 0.087 0133 0416 0.5
39■ 0.317 0.031 0.267 0.322 0.594+事 0,281 ‑0.143 0.190 0.264 0383 0322 06 7
4'● 0.6 2
1■● 0328 ‑0180 0183 03 5
0 0161 0.268 0241 0.042 0394 04
60■ 0394 0.673H o.75
1叩 0.171 0180 0253 04
60* 0.527' 0. 4 4 9
0.374 0.283 0164 0.107 0.269 0.574事 0498書 0.443 ‑0.204 0330 0. 5 7 4
● 0364 04
83' 0.282 0395 0.399 0.427 0.336 0838= 0.715" 0.436 0.078 0.143 0.4
81● 0470+ 05
18● 0.232 0252 0147 0.173 0.147 ‑0.022 0.247 ‑0.195 0.241 0432 0.120 0344 0.191 ‑0246 ‑0010‑0180 ‑0.168 0.240 0.067 0.327 0.05 7 ‑0.210 0.265 0.471事 0.258 0311 0.442 0368 0。186 0251 0
5
64事 ‑0.067 0.119 ‑0.399 0.131 ‑0.010 ‑0.278 ‑0.147 ‑0.249 ‑0083 ‑0.320 0.196 0162 0248 0.074 0.267 ‑0158 0.119 0036 0.015 ‑0.087 ‑0.357 0041 ‑0.287‑0079 0222 0159 0.089 0173 ‑0.228 0.27 7 ‑0.117 0267 0.000 0.103 0.350 0244 0.389 0.304 0178 ‑0.022 0.278 ‑05348 0.275 ‑0.176 ‑0.199 ‑0.119 ‑0.317 0253 ‑0.145 0212 ‑0268 0.267 ‑0.299 0013 0.058 ‑0.361 ‑0.026 0010 0.008 ‑0.011 0.026 ‑0080 0.120 ‑0315 ‑0173 0259 0.399 0091 0151 0.095 0.587◆■ 0.555叫 0459書 0249 0
5 6
7●
0.597日 0121 ‑0049 0055 0.242 ‑0343 0.385 ‑0.059 0.121 0.4958 ‑0064 ‑0114 0175 0493● 0.235 ‑0.132 0.427 0.304 ‑0016 0.551● ‑0.019 0077 0.334 0.072 ‑0256 0131 I000 0.167 0.293 0.408 0.656♯事 0.02 3 ‑0049 ‑0.031 0012 0.395 ‑0.014 ‑0117 ‑0020 0.123 1000 0521● 0446 0.449 10174 0286 0.181 ‑0.108 ‑0.059 ‑0058 0235 ‑0.086 0.190 ‑0046 1,000 D238 0.492■ ‑0025 ‑a.167 0266 ‑0101 0106 0.117 0.180 ‑0.098 0092 0,182 0429■ 1.000 07
4
1川 0.515* 0,055 0.368 0.430 0366 0528■ 0048 0.283 0.198 ‑0290 0.239 0132 1.000 0.124 0050 0.395 0.372 0.5
00事 0.423 0251 0.226 0.024 0080 0.109 0293 0.003 1.000 ‑0174 0.138 0,407 0254 0.467* 0.004 0.210 0.328 ‑0.003 0.099 0.016 0.150 0.318 1.000 ‑0318 0.187 0.243 0,012 0.145 0.085‑0069 ‑0036 0.392 0.180 0045 0.305 0.297 1.000 0.284 0313 0.537● ‑0.126 0.282 0.403 0.311 0116 0.219 0.282 0.274 0.143 ‑0267 1.000 0.690= 0748*+ 0.381 0.803t事 0.221 0169 0.236 0.400 ‑0,004 0.696JH 0.274 0141 0.593… 1.000 0699糾 0112 0.647++ 0.439●‑0.119 0108 0.278 0496+ 0.218 0.390 0.353 0.180 0,224 1
.
000 0.137 0676t* 0268 0,184 0.166 0.635… 0.178 0.294 ‑0.178 0.112 0235 0289 0.336 1000 0402‑0077 0.027 0.401 0.
4
36■ 0.20702 8 0 ‑ 0 . 1 0 8 02 7
5 0,180 0247 0194 0.669H 1000 0306 0.225 0.053 0.320 ‑0.094 0.247 0.181 0,131 02 7
6 0335 0.356 0.209 ‑0.065 0298 0.009 0.588叫 0.554◆■ 0.285 0.281 0.146 0.4
89■ 0 . 3
30 0,354 0.367 0.628■+ 0.4
92◆
‑4 8‑
0.255 0386 0.378 0.280 0.151 0319
‑0121 0.016 0.232 0.318 0197 0.565● 0.209 0345 0097 0300 0.141 0065 0039 0.285 0039 0.056
‑0.030 0.131 0321 0.127 0.254 0153 0.350 0380 0.056 0069 0177 ‑0096
‑0082 ‑0.396
‑0.391 ‑0
4
79♯
0235 0.000
‑0.301 ‑0
5
36* 0
.003 ‑0.250 0.364 0088‑0.119 ‑0202 0.084 0.110 10.162 ‑0.305 0.084 0.184 0.236 ‑0144 0.349 0.432 0.253 0.005 0.230 0.425 0.286 0.173 0.327 0.287 0.
5
16+ 0.432 0.558事 0.291 0.821++ 0.648Jr■ 0,112 ‑0.168 056 6
+事 0.403 1000 0.6
55◆*0.389 1.000
234
表
1
でみた ように,経営理念の有無は高業績企業 と低業績企業においては 統計的な有意差は見 られない。 しか し表2
か ら見 られ るように,高業績企業 においては39
項 目中7
項 目と経営理念( No .1)
との統計的有意な相関係数が 現れた。具体的には,5
年先の ビジ ョン( N o . 2)
,会社の あ るべ き姿 を持つ( No . 3)
,価値観の浸透( No . 4)
,時に突出 した戦略に挑戦を望む( No . 1 6)
,ユ ニークな製品 ・サービス( N o . 2 6 )
,ノウ‑ ウ蓄積重視( No . 3
0)
,柔軟な軌道修 正( No . 34)
であるo この ように高業績企業では経営理念( No .1)
とビジ ョン( Nos . 2, 3)の間には相関が見 られ る結果 となった。経営者が ビジ ョンを
構築す る際に,企業の基本的な価値を現す経営理念 は指針 にな るのであろう。
また経営理念は,表 Zの分析結果か ら,各項 目の多 くに相関を持つのでは な く,上述の
7
項 目のみであったo経営理念 と相関のある項 目は,ビジ ョン( Nos . 2,3)お よび時に突出 した戦略に挑戦を望む ( No . 1 6 )や柔軟な軌道修
正( No . 34 )
とい うように ,非定型的な決定に関わ りを持つ もの といえる0‑万低業績企業においては経営理念 とビジ ョンの間には相関が見 られず , 経営成果に結びつ くビジ ョンを トップが得 るには,経営理念が必要であると 考えられ る。 この ような結果か ら,やは り経営理念は有用であると言える。
不確実 さを増 した環境の中で,企業が生存 して行 くには経 営理念 がなけれ ば,ビジ ョンの形成の方向性が不安定になると思われ る。
② ビジ ョン
高業績企業の トップの ビジ ョンが経営理念 と相関を持つ ことはいま見た と お りである。 ビジ ョンはその他に どの項 目と相関を持つのであろ うか。 まず ビジ ョンの次元内にある5年先の ビジ ョン (No.2) と会社のあるべ き姿を持 つ
( No . 3)
の2つの項 目は相関が見 られた。さらに これ らの
2
つの項 目と同時に相関を持つ項 目は,価値観の浸透( No . 4)
,外部の技術情報‑の敏感性( No .
7),業界の慣例に とらわれない ドメイー50‑
ンの捉 え方
( NQ . l
l)
,戦略計画に精通( No . 12)
,論理的 ・分析 的 アプ ローチ( No . 1 3)
,突出 した戦略に挑戦( No . 1 6)
,柔軟な軌道修正( No . 34)
,管理 システ ムに よる社員‑ の働 きかけ( No . 35)
の8
項 目で あ った 。 先 に見 た塩 次( 1 995 )の逆境か ら発展す る地域中小企業の特徴 とこれ らの 8
項 目は重な り 合 うものがあ り,さらに管理 システムに よる社員‑の働 きかけ( No . 35)
か ら トップの ビジ ョンを鼠織的に展開 していると考 えられ る。加護野他( 1 983 )
やCol l i nsandPor r as( 1 994 )の研究では経営理念の浸透であったが,中小企
業においては組織規模が小 さいので,経営理念を介 さず , トップの ビジ ョン の浸透が直接行われ るのか もしれない。また高業績企業の トップの ビジ ョンの特徴 としては,対外環境の次元の項 目
( Nos . 5‑ 9)が,外部の技術情報‑の敏感性 ( No . 7)
を除 き,あま り関係 を持たないことである。 これ らの項 目は表 1か ら高業績企業では高い平均値 になっているに もかかわ らず ,この ようにな っている。外部の状況や情報に は敏感であ りなが ら,ビジ ョンの形成にはそれ らを参考に しつつ も経営者個 人の資質を基に行 っていると解 され る。そ して ビジ ョンの項 目は,業界に精過 ( Nm8
) とは相関係数はやや低いがマイナス とな っているように,業界に は関心があ りなが らも (表1No . 8)
,業界の慣例に とらわれ ない ドメイ ンの 捉え方( No
.ll)や突出 した戦略に挑戦( No . 1 6)
とい うような独 自性で高業績 にな っていると考えられ る。次に表
2
か ら,経営理念 とビジ ョンの両方が併せて意識 され る項 目と,経 営理念は意識 されず ビジ ョンのみが関係す る項 目が読み とれ る。経営理念は 基本的な価値を現す抽象性の高いものである。加護野( 1 989 )の述べ るよう
に ビジ ョンは現実 とのアクシ ョンとの相互作用で進化す るものであれば,経 営理念 とビジ ョンの役割は異な り,通常は経営者は ビジ ョンを進化 させ ,そ れを決定の前提 とす る。 しか し,経営理念に立ち戻 るべ き場合 もあ り,それ が突出 した時に戦略に挑戦を望む( No . 1 6)
ときであ り,柔軟な軌道修正( N
a34 )
をす ることである。 この ときに経営理念がなければ,方 向性が一貫 しな2 3 6
いであろ う0
‑万低業績企業においては,ビジ ョンと相関を持つ項 目は,高業績企業 と 頬似 す る もの と異 な る ものが あ るO まず低業績企業 の トップの ビジ ョン
( No s . 2,3)は,経営理念 ( N o . 1)と相関は低 く,その裏打ちのないものと
言える。 また高業績企業に見 られない特徴 として,ビジ ョン( No s . 2, 3)
は,環境変化への敏感性 (No.5),社外の多様な情報源 (No.6),業界に精通( No . 8)
,自社事業 の生存領域の明確な定義( No . 1 0)
,戦略 ス タ ッフを重用( N o . 1 4 )
,戦略に従 い機動的な対応( N o . 1 5 )
,経営資源の長期的展開( N o . 2 9 )
, ノウ‑ ウの蓄積の重視( N o . 3 0 )
,社内の和に配慮( N o . 3 6 )と相関を持つ ことで
あるo表1
か らこれ らの項 目は高業績企業で平均値が高 く,経営成果を上げ るのに望 ましい項 目と考 えられ る。問題は ,経営理念に裏打ちされていない ビジ ョンと,これ らの項 目が相関を持ちす ぎることである。(ア)④でみた よ うに,低業績企業の経営者は,対外環境の次元の項 目にはあま り積極的では なか ったOそ うではあるが ビジ ョンを創出す るにあた り,経営理念が存在 し ないまま環境変化‑の敏感性( N o . 5)
,社外の多様な情報源( N o . 6)
,業界に 精通( Na8)
とい うように社外の状況や情報に中途半端な依存を し,また学 習が積 まれていない ビジ ョンに従 って 自社事業 の生存領域の明確な定義( N o . 1 0 )
,戦略に従い機動的な対応( N o . 1 5 )
,経営資源の長期的展開( N o . 2 9 )
,ノウ ノ\クの蓄積の重視( N o . 3 0 )
,社 内の和に配慮( N o . 3 6 )
を中途半端に行 う悪循環 に低業績企業は陥 っているように考えられ る。③突出 した戦略に挑戦す る企業
厳 しい経営環境の中で発展す る地域の中小企業には,それを引 き起 こす具 体的な戦略 アクシ ョンがあるはずである.時に突 出した戦略を望む
( No . 1 6 )
に着 目を してみるC高業績企業の平均値は3.9 5 7
であ り,低業績企業 の平均 値 とあま り変わ らないO高業績企業では この項 目は経営理念( N
o.1),ビジ ョン
( N o . 2)
,会社 のあるべ き姿( N o . 3)
,価値観の浸透( N o . 4)
,戦略計画に精一52‑
過 ( N o . 1 2 )
,論理的 ・分析的アプ ローチ( N o . 1 3)
,戦略 に従 い機動 的 な対応( N o . 1 5 )
な どの項 目と相関を持つ。特に,経営理念 とビジ ョンと価値観の浸 透 とい う3つの次元 と同時に関係を もつ項 目でもある。 この ことは,突出 した戦略は,単に外部環境や情報に敏感に反応す るものではな く,経営理念 と ビジ ョンを持 ちなが ら価値観の浸透を行 っているため経営成果に結びつ くと 解 され る。
‑方低業績企業においては突出 した戦略
( N o . 1 6 )
の平均値は3. 842
と高業 績企業 とあま り変わ らないが,どの項 目とも相関が低い。 この ように平均値 の上か らはあま り差は見 られないが ,低業績 の中小企業 は ,経営理念や ビ ジ ョンに裏付け られない突出 した戦略を採用 していると考 えられ る。④経営資源の長期的展開
企業の継続的な発展には,ヒ ト,モノ,カネ,情報 とい う経営資源の長期 的な展開が必要である。高業績企業においては,経営資源の長期的展開
( N o . 2 9 )
の平均値は3. 6 0 8
である。そ して相関のある項 目は, 5
年先 の ビジ ョン( N o . 2)
,業界の慣例に とらわれない事業領域の定義( N o
.ll),現場の自主性 を尊重( N o , 3
7),現場の提案を重視( N o 38 )
,現場を遊 よく( N o . 4 0 )
な どであ るO この ように高業績企業では長期的資源展 開に関 しては ,経営理念( N o .
1)や会社 のあるべ き姿
( Na3)
との相 関は低 いが ,現場 との関係 は大 き いo この理 由はなぜであろ うか.製造業の コアとなる経営資源は現場におけ る内部的な蓄積に依存す るか らと考えられ るOそ してそれが企業独 自の特色 となってい くのであろ う。 また現場 に確 固た る経 営資源 の蓄横 が あれ ば ,(ア)⑦でみた ような差別化戦略につながると考えられ る0
‑万低業績企業では,ビジ ョン
( No s . 2,3)と相関を持つが,現場の次元
の項 目とは相関が低い。低業績企業では,経営資源の長期的展開においては 現場が軽視 され ,逆に ビジ ョンとの関係が重視 されているO ビジ ョンに よる 資源展開は理想の追求か もしれないが ,現場 を考慮 しない独善 的な ものに2 3 8
なっている危険がある。
⑤柔軟な軌道修正
中小企業は,大企業 と比較 して魁織の規模の見地か ら環境適合が行いやす い。 この利点は活かされているのであろ うか。柔軟 な軌道修正 の容認
( N
o.3 4 )
は,表 1にあるように高業績企業 と低業績企業の平均値の差がそれほど 大 きくはない。そのような中で,高業績企業では,この項 目と経営理念( N
a 1), 5
年先の ビジ ョン( No . 2)
,会社のあるべ き姿( No . 3)
,価値観 の浸透( N o . 4)
,事業の随時の再定義( N o . 9)
,戦略計画に精通( N o . 1 2 )
,論理的 ・分 析的アプローチ( N o . 1 3 )
,突出 した戦略( N o . 1 6 )
,管理 システムで社員に働 き かける( N o . 3 5 )
などの項 目と相関が高いoさらにフォロワーの利点( N o . 2 0 )
とは負の相関が見 られ ,他社の二番煎 じを行 うのではな く,自社の経営理念 や経営者のビジ ョンをもとに,価値観の浸透を行いながら軌道修正を柔軟に 行 っているようだ。また経営理念や ビジ ョンとの関連があるので軌道修正に 混乱が生 じないのであろ う。低業績企業では,経営理念 ,ビジ ョン,価値観の浸透 とは相関が低 く,管 理 システムで社員に働 きかける
( No . 3 5 )
,社内の和に配慮( N o . 3 6 )
,現場の提 案を重視( N o 38 )
,現場に顔を出し状況を把握( Na 3 9 )
な どとの相関が高いO 柔軟に軌道修正するのは経営理念 ,ビジ ョン,価値観 の浸透 とは関係がなく,む しろ現場か らの声に従 って柔軟に軌道修正を行 っているようであるa
Ⅳ
む す び本稿では,地域の高業績企業 と低業績企業を比較 し,また経営観織の各次 元が どのような関わ りを持つかを分析 し,地域の中小企業の経営者のビジ ョ
ンと企業の経営理念を中心に検討 してきた。 ここでは,分析結果を次のよう に要約することができよう。
‑ 54‑
(1)地域の中小企業においても,大企業や創成期のベ ンチ ャー企業 と同様 に,経営者の ビジ ョンは重要な要素である。
(2)
地域の高業績中小企業において,経営者の ビジ ョンは企業の経営理念 に裏打ちされた ものである。(3)高業績の地域の中小企業においては,時に突出 した戦略に挑戦す るに あた り,ビジ ョンや経営理念に よって裏打ちされている。逆に低業績の地域 の中小企業においては,経営者が時に突出 した戦略に挑戦す ることを望んで も,ビジ ョンや経営理念はあま り顧み られていない。
(4)
柔軟な軌道修正の容認は,高業績 の地域 中小企業 では経営理念や ビ ジ ョン主導で行われているが ,低業麿の地域中小企業では現場の影響が大 きいC
(5
)高業績企業では,経営資源の長期的展開は現場 との関係を持ちなが ら 行われているが ,低業績企業では現場 は軽視 され ビジ ョン主導 にな ってい る。以上の ように地域の中小企業を高業績企業 と低業績企業に分け ることに よ り,経営理念や ビジ ョンの機能を読み とることができた。企業の価値を表出 す る経営理念を持ち,よ り洗練 された ビジ ョンを持つ ことが地域の中小企業 において重要である。そ うす ることで,時には突出 した戦略に挑戦す ること がで き,柔軟な環境適合 も可能になる。柔軟な環境適合は,盲 目的な過剰適 合ではな く,企業の主体性を保持 しなが らの環境適合である点が異なる。
本稿に実践的なインプ リケーシ ョンがあるとすれば,高業績企業 と低業績 企業の相違を認識 し,その改善に努めることであろ う。 また,ビジ ョンは現 実 との相互作用を とお して進化す るもの とわれわれは認識 しているが ,その
ことを意識す ることも重要であろ う。
政府や地方の中小企業振興策が とられても,中小企業の経営者がそれを活 かすには ビジ ョンが必要である。そ うい った視点か らは中小企業政策は,経 営者の ビジ ョンを刺激す るような施策が望 ましいのではないだろ うか0
2 40
最 後 に ,今 後 の 課 題 に つ い て 触 れ て お くこ とに す る。 ビ ジ ョン とい う抽 象 度 の 高 い概 念 を 取 り扱 う こ とは な か な か 困 難 で あ り, イ ンデ ィケ ー タ の 開 発 や 概 念 の 一 層 の精 赦 化 が 必 要 で あ る。 ま た 今 回 の 分 析 で 得 られ た 結 果 を 基 に ,地 域 の 中 小 企 業 に お け る経 営 者 の ビ ジ ョンの 事 例 研 究 も今 後 の 課 題 で め る。
参 考 文 献
Co l l i ns
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(山岡洋一訳 『ビジョナ 1)‑カンパ ニー』 日経BP
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,(土屋守章訳 『オー ガニゼ‑ショソズ』 ダイヤモン ド社,1 9 7 7 )
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(松 田武 彦 ・高柳暁 ・二村敏子訳 『経営行動一経営観織における意思決定 プ ロセスの研究 (節 版)』 ダイヤモン ド社,19 8 9 )
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。山田幸三