唱歌が心 と身体に及ぼす影響
一音 楽 に対 す る情 動 反応 と生 理 的反 応 に 関す る実 験 一
作 田
由美子 ( 岡山大学大学院教育学研究科) 奥 忍 ( 岡山大学教育学部)
音楽が心身に及ぼす影響を探 るために,情動反応 と生理学的測定の2つの指標 を用いて実験を行った。情動反 応はチェックリス トを中心 とした質問紙 を使い,生理学的測定は精神性発汗を用いた。実験曲として文部唱歌で ある 「ふ るさと」の歌詞つきと歌詞な し,それに類似 した自作メロデ ィー
,
「こいのぼ り」の4曲を取 り上げ,
反応の比較を行 ったo実験の結果,曲による反応の相違が現れ,音楽は心身に影響を及ぼ していることが確認できた。特に 「ふるさ と歌詞つき」に関 しては質問舵では 「なっか しい」 と過去を想起する人が多く,発汗量の変化 も他の
3
曲に比べ 有意に差があった。また,個人の特性(性差,噂好度,音楽経験など)は音楽聴取に対 して心身 ともに大きな影響 を及ぼ していることが明 らかになった。キー ワー ド:文部省唱歌
,
「ふるさと」,情動反応,生理的反応,精神性発汗I
. は じめに音楽が心身に及 ぼす影響 を利用 して,障害児 ・者 や心身症者,高齢者な どを対象 とした音楽療法が普 及 してい る。しか し,実態 をみ ると,まだ経験的に「音 楽が心身によい」とい うだけで,主観的な判断にとど ま り,音楽療法の効果が科学的に確認 できていない 段階にある。そのよ うな状態を受けて,現在では音 楽療法の科学的根拠つま り
EBM ( e vi de nc e bas e d med i c i ne )
が強 く求められている。そ こで本研究では,.日本人にな じみ深 く子 どもか らお年 よりまで幅広 く親 しみのある文部唱歌を取 り 上げ,音楽 と心 と体の関係 について明 らかに したい と考 えた。方法 としてまず,不随意的な生理学的測 定について精神性発汗量の測定を行 った。
精神性発 汗 は精神 的緊張や情動 の変化 に よって 発生 し,手掌 ・足底で認 め られ る。大橋 ら
1 ) 1 993
に よると,精神性発汗は①衝動活動の生物的学指標,②脊髄の発汗 中枢か ら汗腺に至るまでのコリン作動 性交感神経節後線維の活動状態 を評価す る指標,③ 手掌部汗腺の活動状態の評価指標, として路床応用 できるもの と予測 され ている。また, 自律神経の中 枢機能の評価指標 として有効であるとされている。
こ うした生理学的事実 か ら精神性発汗量の測定は定 量的な 自律神経機能検査,心理的負荷 の定量的評価 の有力な手段にな り得ると予測できる。
この研究 で精神性発 汗 を生理学的 な指標 として
用いた理 由は,心臓 の速 さ (脈拍),呼吸の速 さ,秤 吸の深 さな どの指標 と比較す ると,瞬時に しかも微 量で相動的な分泌 を呈 し,比較的実験が行いやす く (被験者‑の負担が少ない等),指標がわか りやすい
といわれているか らである。
次 に精神性発 汗畳 と主観的 な情動 変化 の関係 を 明 らかにす るために,チェック リス トによる質問紙 を用 いた。情動反応 は
.Eag l e2 ) 1 97
1 に よる と,「個々人によって認知 され うる,また言葉によって 示 され うる ・・(中略)‑ 比較的一過性 の状態の反 応」である。音楽によって生 じる気分 を測定す る手 段 としては,言語による記述方法が多 く用い られて いる。方法 として,①形容詞のチェック リス ト②意 味差判別法
( SD
法)③ さま ざまな種類の測定尺度 の 中か ら今回は,Far ns wo r t , h8 ) 1 95 4
による形容詞 リ ス トを参考に した。予備実験でこの形容詞 リス トに よる聴取反応 を調べ,本実験ではその結果 をもとに「懐か しい
」
「しんみ りした」な どの形容詞 を取 り入れ て リス トを作 り直 し,短時間で答 えやす くわか りや すいものに している。Ⅱ.
先行研究音楽の生理学的反応 に関す る先駆的な研究 として, 音楽の呼吸や脈拍 に及 ぼす影響 については
,El l
is
,D.
a.
とBr ig hho us e,G. 4 )1 95 2
が挙げ られ る。彼 らは大学生を被験者にクラシック曲数曲を聞かせ,呼
吸 と脈拍の変化 をみる実験を行った。その結果,音楽 聴取時には,その前 と比較 して呼吸数は増加するもの の,脈拍には特別の変化を兄いだす ことができなかっ た。一九
Fr a nc e s
,氏.5 ) 1 9 5 8
は音楽に対する情緒反 応 をGSR
とポ リグラムを用いて調べ,その結果,バ ッハのフーガでは,主題再現時にGS R
に大きな反応 が顕れることを兄いだ した。彼はまた音楽的経験 ・素 養 とGSR
反応 との対応関係 も兄いだ しているHe nk i n. R. Ⅰ . 6 ) 1 9 5 7
は,因子分析 と予備実験の結果 に基づいて,メロデ ィに対するGSR
反応が時間 と共 に電気抵抗を減 じ, リズムに対 しては,時間 とともに 反応が増大するのではないかとい う仮説 を立て,被験 者 に数種類の音楽を聞かせる実験 を行 った。その結果, 彼の仮説は大体において支持 された。Zi mmyG. H
tとWe i de nf el l e r , E. W
.7)1 96 2
は,静か な音楽はGSR
を減少 させ,興奮的な音楽はそれを増 大 させる,とい うこれまでの結果が,子 どもの場合に はもっと顕著に顕れるだろ うと考え,実験を行った。その結果,明 らかに興奮的な音楽は
GSR
反応 を増大 させ,静かな音楽は減少 させていたが,発達的な差違 は見 られなかった。日本では,桜林 と坂本
8 ) 1 9 5 8
が,呼吸時GSR
にあ らわれた音楽的反応を研究 している。彼 らは,楽曲に マーチJ ジャズ,オペラを選び,メ トロノームをコン トロール として用いた。その結果,マーチが最 もメ ト ロノームに対する反応に近 く,ジャズや電子音楽につ いては後半より前半の方に強い反応が示 されたのに対 し,クラシックやオペラでは,全面にわたって適 当な 興奮分布が分散 して現れ ることが判明 した。今井 と奥
9 ) 1 9 7 0
は,大学生を被験者にス トラビンス キーの 「春の祭典」の中か ら 『いけにえの踊 り』 を聴 かせ,呼吸数 とGSR
反応 をみる実験を行った。その 結果,呼吸数に関 しては,音楽が始まると呼吸数の増 加が見 られるものの,音楽の即時的な変化 と照応 させ るのは困難なことが判明 した。一方, GSR
については, その反応 と音楽のモチーフ,ダイナ ミック,オーケストレーシ ョンの変化 との間に照応関係が見 られること が分かった。
今井 と奥
1 0 ) 1 97
1はさらに, ドビュッシーの 「花火」を大学生に聴かせて
GS R
とプ レステ イモグラム (筋 電図)によって音楽 と情緒 との関係 を明 らかにする実 験を行 った。その結果,GSR
については,音楽で新 し いモチーフが出現す るとGS R
反応が変化す ること, またダイナ ミックスの増大するところでGSR
反応 も 増大することが判明 した。また,プ レステイモグラムについては,モチーフの出現やダイナ ミックスの増大 な どとの直接的な関係が見 られないことが判明 した。
河晴 ら
1 1 ) 1 9 9 8
によると精神性発汗による音楽鑑賞 時の感動状態の定量的評価指標の試み として,女子学 坐,教師(l
o奄)を対象に曲の好み と親近性の差が精神 性発汗に及ぼす影響を調べ,噂好度が高 く親近性の高 い曲に関 しては集 中して聴き,安静に近い状態になるとい う指摘をしている。
以上の先行研究に見 られ るように,研究は少なから ず存在するものの散発的であるために,それ らの生理 作用 と音楽的情動 との関係が未だ明 らかになっている とは言い難い。研究の深化 ・発展が阻害 されている要 因 として,①音楽の芸術性,②被験者の個別性に関す る点に影響があることの
2
点が指摘 されている12)0そこでこれ ら
2
点の問題点を今回の実験では排除す べ く,実験の聴取曲には複雑な構成 をもつ芸術作品で はなく被験者に親 しみのある唱歌を用いることにした。また,音楽に対する反応 と被験者の個別性 との相関関 係 をみるために質問紙法による調査も行い,実験結果 と対照させて,実験結果を重層的に分析できるように 試みた。 さらに,実験に,比較的多 くの被験者を対象 とすることによって,質問紙の回答によるクロス集計 ができるように した。
Ⅱ.
予備美島本実験に入る前に下記の予備実験を
1 0
人の被験 者(本実験 とは別の対象者)を対象に行 った。① 装置の操作方法を習得する,実験環境をととのえ る,測定値に影響がでる要因を探 し取 り除くことを 目的に被験者の精神性発汗量を測定 した。
② 聴取音楽を選択するために,被験者に曲目,歌 手,曲の速度,調の違った音楽を聴取 して質問続に 回答を求め,主 旨にあった聴取音楽を決定 した。
③ 気分反応の形容詞チェック リス トを作るため に,被験者に曲の印象を記述形式で回答を求めた。
この結果を基に質問紙の形容詞 リス トを作成 した。
Ⅳ.本美故の仮説
1
音楽聴取時 と聴取前後のインターバル(間)時で は,精神性発汗量,情動反応に変化がおこる。2
な じみのある曲とな じみのない曲では精神性発 汗量,情動反応に相違がある。3
「歌詞つき」の方が 「歌詞な し」より精神性発 汗量が多 く,情動反応に変化がおこる。4
個人の特性 (性差,曲の噂好度)が精神性発汗‑ 3 0‑
量,情動反応の変化に影響 を及ぼすo
V.
実験方法Ⅴ.1
破壊者 と臭族期間自主的に参加 した大学生,大学院生の計
3 0
名。内訳は男性
1 3
人 女性1 7
人。音楽専攻生7
人 その 他の学部生23
人。1 8
歳〜3 6
歳(平均年齢: 23
歳)である
。20 0 2
年7
月中に実験を行 った。V. 2
聴取音楽 (甜例A‑D )
男子大学院生による以下の4種の歌唱(ピアノ伴奏 つき,約
30
秒)。曲はM
D録音の上 聴取曲順による 影響 を考慮 してラン ドマイズさせてカセ ッ トテープに 編集 したものを4
種作成。被験者はその中のどれか1
種を聴取 した。A r
ふ るさと」 1
番歌詞つき歌唱F ・ dur
B
「ふるさと」 歌詞な しラララ歌唱F・ d t l r Cr
ふるさと」に類似 した自作 メロデ ィーF・ d u r
ラララ歌唱
D
「こいのぼ り」 1
番歌詞つき歌唱F‑ d u r
常例
A‑ D
)
さr お い し か の ヤ * こ ぶ TL つり し か の か わサ ウ ナサウ ナサ ウ ナサ ウ ナ ナナ チワワ ヲ ナウ
サ ー わ は い ‑*LI わ ー < ‑ り ‑ て わ す れ が た e i.ろさ と
ヲ ブ タ クサ チ ク タク ナ ナ サケ ク ナナ チ クタ
クチタ ク ワヲ ウ ク テクサ ウナ サ
ケ サク ラ チタチ クタ ク テク
い‑ら‑かの な‑み‑と く‑tJ‑■な み か ‑さ‑ILろ IL‑み I‑ LL‑か1‑そら e
たちrlIL か‑ お‑ る あさ‑かV に た か く お‑よ‑ Cや こい‑のLl ‑)
Ⅴ. 3
実旗の手続き室温
2 4
℃12 5
℃,湿度65 %‑7 5 %
に調節 された防音 効果の高い部屋で,被験者1
人,実験者1
人によって 次の卜
3の手順で行った。なお,実験の所用時間は一 人およそ3 0
分〜45
分である。1 実験室 1で実験内容の説明を うけ,質問紙 A を行
う。
2
実験室2
で精神性発汗量の測定を行 う03
実験室3
で測定後,質問耗 Bを行 う。
Ⅴ. 4
茸問紙について :内容は質問戟 A, B
参照。Ⅴ. 5
精神性発汗量の測定について実験曲
4
曲聴取時 と聴取前後のイ ンターバル時( 5
回)の精神性発汗量の変位を測定 した。測定方法は,局 所発汗量連続記録装置( Ke n 2 ;Pe r s p i
ro , OSS・ 1 0
0.(樵)スズケン製)の発汗量検出プローブを被験者の母指 腹側部に装着 し測定 した。軸定は装置を母指装着後, 発汗波形が安定するまで時間をおき,安定したことを 確認 したのち,音楽聴取をはじめた。聴取後
,3 0
秒の インターバルをおき,次の曲を聴取するとい う手順を 繰 り返 し行った。測定データは,音楽聴取の3 0
秒前 か ら全曲聴取後の3 0
秒まで とし,測定結果はRS・ 23 2 0
ケーブルでパー ソナル コンピューターに接続 し,デジ タル信号 として記録 した。Ⅴ. 6
喪鹸 プロセスは次の図の通 りである。I ‑ 0 M 1 I ‑ 1 M
2∫ ‑ 2 M3 I ‑ 3 M4 I . 5
〜 3 0 3 0 3 0 3 0 s c
Ⅰ : インターバル時 ,M: 音楽聴取時 図 1
実験プロセスⅤ. 7
測定結果の整理精神性発汗量(以下発汗量 と略す)は
1ミリ秒間隔で
バイナ リーデータとして記録 されたものをテキス トフ ァイルに変換することによって数値データを得た。被 験者3 0
人について,音楽聴取時(4曲)と各音楽聴取前 後のインターバル時( 5
回)のそれぞれの発汗量を測定 した。発汗量は個人によって差があるため,比較する ために実験時の総発汗量に対するそれぞれの時間の発 汗量の割合%を用いた。■r書兼と心と仙 大 同
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10 榊 ■くこと‑dI跡こ文化t■じtナカヽ lヽつ一 とeど● たtに もったにない 全く払 ・
いつもわ8.とさとさある,たtにある、と事えと恥 と柵 tどんなふうに文化細 じ土すれ JLい当たるtIのeA納 こb書き(ださlヽ
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( ) Jk をとる ( ) *粋 ナる ( ) 桝 十〇 ( ) jtP も ( ) 外出する ( ) rl、■t十8 ( ) fJttさく ( ) 棚 する ( ) ■■セナろ く ) ±世にたれろ ( )‑ブナ‑稚 ナる ( )′ンスセナる 1上 ◆Fの件のJL書はどiでけ ヽ とで一よい 上い
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とても上い 上い ふつう ■ ・ とてtJP.
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ふ古きとJ■■つ書 (=ついて dこ榔 ヽ 榔 さ 肘 ふつう JBヽ 力b■ヽb)どのようLこ■じ士すれ ■ヨナ淵 ■LOとつけて(ださ一ヽ 舶 1切
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【 ) 肘 允 ( )やさtJ、( )■かな ( ど ) しんみりした く )eしい ( )J9EP とした ( C)モqL 拙 t■じたことt■▲にお■書下さlヽ
4‑・2)rJ
J さ
とJ
t■なし l=ついて A)こ脚 ヽ)さ的 ,な ( )■、 ( )■■な )}ちらかな ( )軸、uヽ( )M九8ような )iiiaLpk ( )わくわくした モの■【 )
大船 Fe
Jr?I ■l、 大交tlヽ lわも ( )恥 ヽ)やろ く HLP b)との上)に■じ士巾 ヽ■当ナ与榊 に〇七つけてくださlヽ 榔 旬 ) ■九な く )れ8い ( )う書)eした ( ) 赫 ( )やさしい ( )■かな ( ) しんみりした.( )tu 、 ( )抄 とした ( C)モの■拙 tdじたことeBdにお書き下さlヽ
8‑3)rメFlfイー」 について L)二側 ですれ
)さ的 ・な ( )払 ヽ ( )■■な ))ららかな ( )帥 ・u 、( )■え8ようrJ )iiii‑yIJ: ( )わくわくした その■( )
大仰 e JTe ふっI ■い 大仙 ヽ 6 4つの中・でとJIJL一書蜘 こ■ち■さ*したカヽ
(
)rLBさとJ巾■つ書 く )rふるさとJt■なしモ
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■th 、てください. ( )rこId りJ ( )メE]ディーJE由 ( )
〇 六■中にfLになったことや.i.と脚 じたことbt枇 どんなl加 斗、ことでt'か*い*せんのTIR、てください.
7その脚 して.六づいたことlLとLtムhぱ白■に1いてくださlヽ
b)とのよ)に■t=ま・11ヽ増 す古拙
■
こ○… ナでくださlヽ 脚 ) ■先な く )■机 、 ( ))eうさした ( ) 伽 ( )やさしい( H Iかな く ) しんみDした く )丘u、 ( )t肋 とした く e)モd L 肋 t■じたことtBIllこ持■書下さlヽI‑A)rこしd LJJ について dこの脚 ヽ
)き柵 、な く )tい く)■■ヒ ))ちらかな ( )なつかしい ( )井上も上)な )蒜 yLL ( )わくわくした tl〉■( )
大王好さ 肝き ふつう ■い 大仰 ■、
tllとのよ)に暮じtすれ tm する紺 ■=〇七つけてくださtヽ 【枇 F■D
( ) ■丸な ( )qるい ( )うさ)さした ( )さわやかな ( )tい ( )■■な ( ) 赫 ( )やさしい ( )■かな ( )うららかな ( )紬 .しい ( )ホえる上ケIL ( ) しんみりした く )eLい く )t則■々とした く )■土的な ( )わくわくした tの■( 〉 C)その■.わなたJtdじたこと
t 白
■にお■さ下さlヽ‑ 32 ‑
Ⅵ.結果 と考察
Ⅵ . 1
聴取順による発汗量の比較 (図2 )
卜O M‑
1[
‑1
M‑2卜2 M‑3I‑3 M‑4卜4図 2 聴取順による発汗量の比故
発汗量は曲に関係 なく時間的経過に応 じて,聴取時 もイ ンターバル時 も減少 していた。また発汗量の割合 を聴取時 とイ ンターバル時で比較す ると,音楽を聴取 す ることで発汗量の変位が見 られる。有意な差が認め られたものは,「
I ‑ 0‑ M・ 1」 ( p<0. 0 4, d f =29
,t値2. l
l)
,「 M
‑1・I ・ 1」( p<0. 0
0,d f =29
. t借 3, 82) , 「 M‑ 41 I ‑ 4」
( p<0. 09.df =29
, t値1. 7
1)
であったO これは,特に1
曲 目は予期せぬ音楽で刺激が強まるため発汗量が増 え,2
曲 目か ら慣化の影響 もあ り発汗量が減少 してい ると考えられ る。 曲終了後の発汗量の減少が顕著なの は,実験終了を意赦 し,緊張が とれ安堵 した心理的な 影響 もあると考 えられ る。Ⅵ . 2
聴取時.インターバル時の発汗量の比較 (図3 )
125 120 115 110 105 100 95 90
歌詞つき こいのぼり メロディー 歌詞なし 図 3 聴取時 と由後イ ンターバル時の発汗量の比故
発汗量は聴取時の方がインターバル時より多い。 こ れまでに渡辺,天野
1 8 ) 1 993によって,意志の表出が
できない遷延性意織障害患者の精神性発汗量 を測定 し た際に, ピアノ曲に対 して発汗が認 められたことが明らかにされている。 このことを本実験に照応すると, 音楽が刺激 とな り心身の反応 を促 しているといえよう。
なお,音楽聴取時 と曲後イ ンターバル時を比較 した と ころ
,
「歌詞つき」については聴取後の発汗量は他の曲聴取後 よ り減少する割合が高 く,
有意な差があった。(
p<0. 0
1,d f =29
, t値2. 68)
。ま た,
「こいのぼ り」についても,聴取後の発汗量は減 り, 有意な傾 向があった(p<0. 09,df =29
, t値2. 82 )
。Ⅵ. 3
各曲聴取前後のインターバル時発汗量の比較ll.5
ll.0
10.5
l o b
9.5
歌伺つき こいのぼり メロディ一 歌伺flL
図
4曲前後のイ ンタ‑パル時発汗量の比故
音楽によって心身の影響が異なることはさまざま な先行研究によって指摘 されている。今回,有意な差 が認め られたものは
,
「歌詞つき」前後のインターバル( p<0. 0
1,d f =29
, t値3. 63 )
と.「
こいのぼ り」前後の インターバル(p<0. 0
1,d f =29
, t値2. 44 )
であった。本実験により曲ごとの精神性発汗量に変化があったこ とで,曲によって身体に及ぼす影響の差がみ られた。
特に 「歌詞つきJと 「こいのぼ り
J
とい う親 しみのあ る曲の聴取前後では特に差が顕著であ り,他の曲より 身体‑の影響が大きいのではないか と推察 され る。Ⅵ. 4
音楽聴取前 (I ‑ 0 )
と聴取後 (I ‑4)
の発汗量の比較音楽聴取前(
II 0 )
と聴取後(I・ 4 )
では有意な差がみ られた(p<0. 0
0,d f =29
, t値5. 62 )
。また.28人が音 楽聴取前 より,聴取後の発汗量が減少 していた。 この 現象 を質問舵 による回答 と対照 させ ると,聴取後の感 想に「楽 しくなった」「眠 くなった」「落ち着いた」「な つか しくなった」な ど十の変化 を感 じた人が23人い
た。 これは,音楽による情緒安定や リラックス効果が 大きく影響 していると思われる。なお,音楽聴取後の 発汗量が減少 しなかった2
名についてこの部分の回答 を見ると,
「音楽聴取後嫌な気持ちになった」
「最後の 曲は リズムにのって体 を少 し動か した」 と記 されてお り,実験に対する気分の影響が大きかったのではない か と思われ る。Ⅵ.5提示順序別グループ間の発汗量の比較 (表 1)
衰 1 提示順別グルー プ間の発汗量の比故
グル ー プ 別 比 較
歌詞 歌詞 歌
詞
歌詞 メ
ロメ
ロ いい
つ
普
つ普 な し
なし
7イ7
イの
揺の 揺
(*:有意差あり)後 後
I後
I り後
りABCD BCDA *
ABCD CDAB * * *
ABCD DBAC * * *
BCDA CI ) AB * * *
BCDA CDAB *
CDAB D王 i AC * * *
Ⅵ.6性別による発汗量の比較 (図 5)
曲の提示順による影響 を探るため,被験者を提示順 に よって
4
つの グループに分 け( ABCD ・BCDA ・ CDA B ・DBAC)
,多重分析 を行 った。表1
は,その結 果をあらわ したものである。卜0
とⅠ・ 4
を見ると, どのグループにおいても有 意な差は見 られなかった。 したがって,全体的には提 示順の影響はなかった と考えられ る。 しか し,M・1‑M・ 4
と卜1 ‑ Ⅰ・ 3
を個別にばらして比較 してみると,CDA
B グループは他のグループに対 して有意差を示 す反応が多 くみ られた(表 1)。その原因はこのグループ の被験者 に とって最初の聴取曲は聴いた ことがない「メロデ
ィー」であったため,実験曲に対 して過敏に
なったのではないか と考えられる。背 部
JW薄背 m草 L
穿fiPlf1「藤
ゝE) T‑ ,( ‑
囲 5 男女別の発汗量の比故
男女別による発汗量の割合 を比較すると全ての曲で 反応の違いがみ られる。特に 「歌詞つき」聴取時は有 意な差が認 められた。(
p<0. 03,d f =28
, t備 o. 34 )
。 また,
「メロデ ィー」聴取時も有意な傾向が認められた( p<0. 07,d f =28
, t値2. 43 )
。男性の方ゝE
=T‑
I‑ 辞
HLノa )F的 L) H Lノa )r川 LJ 辞
が,曲ごとによる発汗量の変位が大きく,また,聴取 時 とイ ンター バ ル 時 の変化 の差 も大 き か った。
Eys e nc k
ら(1 976 ), L e B
la
nk( 1 987),Ra wl ing s
ら( 1 995 )
の研究にもあるよ うに14),音楽の噂好の要因や 音楽の受け止め方は性差の影響が大きい。 この実験に おいても性差が見 られた。‑ 3 4
‑Ⅵ.7音楽経鼓の長い人と短い人の発汗量の比較 く図 6)
1 3 . 0
1 2 . 5 1 2 . 0
ll . 5 l l . 0 1 0 . 5 1 0 . 0 9 . 5 9 . 0
% :
背部U
W 顛剖JW 辞 弊 P ttj :L 辞
ゝE) T‑ 1 ‑ k E
]T‑I‑梓図 6 音楽准故が長い人 と短い人の発汗量の比故
音楽の聴き方 と音楽経験の関係は音楽的要素の認知, 情報処理により相違があることが指摘 されている 15)0 そこで本実験では音楽経験年数について尋ねた質問紙 (A・8)の回答 より,次のように点数化 した。学校教育以 外の音楽経験の年数 を合算 し,経験がない者は o息
ピアノ歴
20
年,吹奏楽歴10
年の場合は30
点 とした(負 低点 0点,最高点30
点)。次に1 5
点以上( 1
1名)を上 位群, 1点以下(9名)を下位群にわけて比較 した。その結果,音楽経験の上位群 と下位群に違いが見 ら れた。特に
,
「歌詞つ き」聴取時に,有意な差が見/られた
( p<0. 0
0,d f =18
, t値1. 19)
O経験の短い人は音楽H Lノ
8rZL) HLノa )
一川LJ辞経験の長い人 より音楽聴取時の発汗量が多く,聴取時 の反応が大きく出ていると考えられ る。また,感想の 中で,音楽経験の長い人は 「歌い方 (発声,音程,罪 育,テンポ,)な どが気になる
。
」と曲についての感想 より歌い方に対する批評が多かった。また,初めて聴 く 「メロディー」に関 して,旋律線の進行を予想 しな が ら聴いた り,ふるさとのメロディーとの比較をする な ど,分析的に聴いていた人が多かった。谷 口16)1989
は音楽経験が長い人は分析的な聴き方をし,経験年数 が短い人は音楽を全体的に処理するとしている。 この ことを,本実鮫の結果か らも確認することができた。Ⅵ.8普段の音楽聴取時に心と身体に変化を感 じやすい人と感 じに くい人との発汗量の比較 (図
7 )
1 3 . 0 1 2 . 5 1 2 . 0
ll . 5
ll . 0 1 0 . 5 1 0 . 0 9 . 5
9 . 0 ‑ I‑
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十: 三
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ZLJ HL一〇) (仙
L)蘇
図 7 音楽聴取時に心身の変化を感 じやすい人 と感 じに くい人の発汗量の比故
音楽聴取時の心身‑の感 じ方について尋ねた項 目
( A‑ 9 , 10 )
の回答について,次のように点数化 した。いつ も感 じる
5点, ときどき感 じる4
点,たまに3点, めったにない2
点,全 くない 0点 とし,心身の変化は それぞれの得点を合算 して10
点満点 とした(最低点3点,最高点 9
点)。その結果,それぞれの平均点は, 心の変化は,4. 1
点,身体の変化は,2. 8
点,心身の変 化は6. 9
点であった。次に8
点以上( 1 2
名)を上位群 (感 じやすいグループ),6点以下 ( 1 0名) を下位群
(感 じにくいグループ)に分け比較 した。両群の曲ごとの発汗量を比較 した ところ
,
「歌詞つ き」聴取時は有意な差があ り( p<0. 03, d f =20
,t債1. 89 )
,「歌詞な し」聴取時にも有意傾 向が見 られ
( p<0. 05
,df =20
, t値1. 5) , 2
曲とも感 じやすい人の方が発汗 量は多かった。なお,感 じやすいグループは聴取時 と インターバル時の変化が大きいのに対 して,感 じにく いグループは 「こいのぼり」以外あま り差がない。 こ れは,
「こいのぼ り」は拍節的でテンポがとりやす く, 心身の高揚をもた らしやすい曲であるため,反応が活 発になった と推察 される。このことか ら
,
「感 じやすい群」では心 と体の変化が 一致 していることが判明 した。VL9
曲のFE好度 と発汗量の比較各曲の噂好度を尋ねた質問紙(
A・ 8)
の回答 より,大 変好き5
点,好き4
点,ふつ う3
点,嫌い2
点,大変 嫌い1
点 として点数化 した。なお,各曲の平均点は 「歌 詞つき」3. 9
点,
「歌詞な し」3
.4点,
「メロディー」3. 0
点,
「こいのぼ り」3. 3
点であった。次に噂好度の得点 と人数にばらつきがあった 「歌詞つ き」について,噂好度 と発汗量の関係を調べた。なお, 大変好き
( 5
点)と答えた8
名 を上位群,ふつ う( 3
点)と 答えた1 0
名を下位群にわけ比較 した(表2)
。なお,
「嫌い 」
「大変嫌い」 と回答 した者はいなかった。表
2「 歌詞つき」が大変好きな人 とふつ うの人の先汗主の比故 上位群 下位群 聴取時発汗量平 均 ( %) 1 2. 03
ll. 04
曲後インターバル時発汗量平均( %) 9. 86 1 0. 71
両群 を比較 した結果,聴取時は上位群の方が下位 群に比べ発汗量が多 く,有意な傾向が見 られた
( P〈O. 06
,d f =1 6
. t値1. 1 4 )
。また曲後インターバル時は下位群 の方が上位群に比べ発汗量が多 く,有意な差が見 られた
( p<0.
01.d f =1 6
, tlG1. 97 ) .
噂好度の高い曲は,聴取時は発汗量は増えるが,聴 取後は聴取前に比べ減る割合が大きく,変化が激 しい。
St a t t o n&Za l ano ws l d1 7 ) 1 984
は音楽に対する好みが, 音楽聴取によるリラクゼーションにおける最 も重要な 要因であると指摘 しているように,好きな曲を聴いて いる時は,反応が活発にな り,聴取後は リラックスす るのではないか と考えられる。Ⅵ.1 0
曲の印象Ⅵ. 1 0 . 1
形容詞群チェック リス トによる曲の印象 各曲の印象を尋ねた質問紙(B・8)の回答か ら,各曲の 印象の違いを比較 した(図8)。なつかしい
L・一 一歌詞つき 日 暮 ・歌詞 な し
‑・・‑A‑・‑・1‑メロディー Ⅹ
‑ こいのぼ り
図 8 曲別による印象の違 い
この図をみると,曲による印象の違いが明確に現れ ている。 「歌詞つき」と「歌詞な し」は同じ曲であるが, 被験者は歌詞がついているほ うにより鮮明な印象をも っていた。 「歌詞つき」と 「こいのぼ り」では特に印象 の違いが明確であった。
Ⅵ.1 0. 2
自由記述による曲の印象表
3
は自由記述による各曲に対する印象を整理 し たものである。‑ 36 ‑
表 3
日由記述による曲の印象「ふるさと」歌詞つき
・聞き慣れていて自分も歌 うことができるので落ち 着く
・音楽会でみんなで大合唱したことを思い出す○
・近所の建物から夕方いつも流れてくるので,身近 で親 しみを感 じる.
・なつか しさがこみあげ,昔のことをぼんや りと恩 い出し,少 しの間そこに浸れたような感 じが した○
・小学校の教科書の挿 し絵を思い出した○
・合唱団が歌っていてとてもきれいなハーモニーだ つたことを思い出した○
・老人ホームを訪問 したときに歌い,お年寄 りが大 変喜んで下さった思い出等々o
「ふるさと」歌嗣なし
・歌い方が一昔ずつきれていて,曲のイメージにあ わなかつた.
・歌詞がないと曲にのれず,音をとるだけだと耳障 りだった○
・歌詞がないと落ち着かなかった○
・低い音程のラララの発声法が地声で気になったo
「メロディー」
・はじめてきくので記憶に残 らない
・先のメロディーを自分で予想 し予想通 りだと気分 がよかつたo
・はじめての曲で,特に興味や印象がない○
・違和感を感 じ,「あれっ」と思っている間に終わつ て しまったo
・「ふるさと」のハモ リのバー トだと思ったo
「こいのぼり」
・楽 しい気分になった○
・小さいとき,おばあちゃんが歌ってくれたことを 思い出した○
・
リズムがはずむような感 じで明るかつたo・今の自分の気持ちとあわず,少 し疲れたo
「歌詞つ き」では 「なつか しい」 とい う感情が誘発 されやす く,24名 が過去 を振 り返 るエ ピソー ドを記入 していた。初 めて聴 く 「メロデ ィー 」については,何 も感 じない と答 えた人が多かった。 この ことによ り, 曲の印象 は過去の 自分 の思い出,経験,またその時の 聴 く人 の感情 とが大 き く関係 してい ると考 え られ る。
Ⅵ .
l l
「歌詞 つ き」
「歌詞 な し」の比較同 じ曲で も,歌詞 がついてい るもの とついていない ものでは違いがあるのか,歌詞 が及 ぼす影響 を探 るた めに
,
「歌詞 つ き」と 「歌詞 な し」時の印象の違い を比較 した。表
4
はこれ らについての 自由記述 を整理 した ものである。表
4 自由記述による「歌桐つきJr歌詞なし」の印象「ふるさと」歌詞つき
・イメージをわかせやすい。
・歌詞の内容 と曲調があっていて心にひび く。
・ゆった りとしたメロディーに歌詞の内容がうまく 入 り込み,状況を思い描きやすかった。
・なっかしさが増すQ
・歌詞をしっか りきくQ
・スムーズに耳に入る。
・一緒に口ず さめるQ(歌詞を思い出す)
・メロディーのみだと,ラララの歌い方が気になる ため,歌詞があったほうが歌に集中できる。
・よく歌って歌詞を覚えていたため,歌詞を追いや すかった。
「ふるさと」歌詞なし
「歌詞なし」がききやすく,落ち着いたと答えた人 は
4
人いた。・雑念がなく純粋にメロディーをきけたから
・詩がない時の方が自分の中にはいってきゃすかっ たo
・歌詞つきやこいのぼりは一緒に頭の中で歌って し まい,落ち着けなかった。
・歌詞がないので余計なことを考えずにいられた。
これ らの記述 によれ ば,曲の印象 は個人差があるも のの,感情 の高ま りや情動の変化 は
,
「歌詞つ き」の方 が 「歌詞 な し」 よ りも大き くみ られ た。 この ことは発 汗量測定結果 に合致 し,身体‑ の変化 も顕著 に現れて いた。現代 日本人 の 日常生活では,本来 は歌詞 をもつ 曲で も歌詞 な しでBGM
と して 聞 き流 され て い る。「歌詞 な し」 についての 自由記述 に も
BGM
的な とら え方 が見受 け られ る。Ⅶ.
ま とめ今 回の実験 では,音楽聴 取が心身 に影響 を及 ぼ してい ることについて,生理的指標 として も精神性発汗量 と, 質 問紙法 による情動反応 の調査 によって確認す ること ができた。特 に 「ふ る さと歌詞つ き」は,被験者 の 中に も
,
「過去 を想起 させ なっか しい と感 じる」人 が多 く, また,他 の3
曲 と異 なる反応がみ られ,心の変化 だけ でな く,身体 にも影響 をもた らしていた。得 られ た結 果 は,一般的 に 「日本人 にな じみの深い唱歌」が聴取 者 の心身 に影響 を及 ぼす こ とを示唆 してい る とい える。音楽 に対す る生理的反応 と情動反応 においては,普
楽の特質それ 自体を越 えた多 くの要因(噂好,気分,坐 活経験な ど)が複雑に絡み合 っている。本実験では,個 人差が音楽聴取に対 して大きな影響 をもた らしている ことも判 明 した。本実験の結果は,受動的音楽療法で 用いる音楽の扱い方に応用できると考 えている。 これ か らは具体的に実践の場で,個々人に応 じた音楽療法 のあ り方,使用す る音楽の検討 を深 めていきたい。
【謝辞 】
本実幹をすすめるにあた り,岡山学院大学教授の河 崎雅人先生,岡山大学工学部教授の高島征助先生に多 大なご指導を頂きま した。また,岡山大学の学生の皆 様 にも実験に協力 していただきま した。 ここに記 して 心 よ り感謝の意 を表 します。
引用 ・参考文献
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3 ) E
ラドシー・J
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