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トキ飼育繁殖野生復帰合同専門家会合資料

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080804 トキ飼育繁殖野生復帰合同専門家会合資料

トキ飼育繁殖・野生復帰合同専門家会合

開催日時 平成20年8月4日(月) 15:00∼17:30 開催場所 トキ交流会館(新潟県佐渡市) <議事次第> 1.開会 2.あいさつ 3.議題 (1)トキの飼育繁殖の状況について (資料1) (2)野生順化訓練の状況について (資料2) (3)放鳥の進め方について (資料3) (4)モニタリング体制について (資料4) (5)その他 4.閉会

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080804 トキ飼育繁殖野生復帰合同専門家会合資料 配付資料一覧 資料1 トキの飼育繁殖の状況について 資料2 野生順化訓練の総括について 資料3 小佐渡東部地域における放鳥の進め方(案) 資料4 トキの試験放鳥におけるモニタリング体制について(案) 参考資料 トキ野生復帰専門家会合における意見等の概要

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080804 トキ飼育繁殖野生復帰合同専門家会合資料 トキ飼育繁殖専門家会合 委員名簿 伊東 員義 恩賜上野動物園飼育展示課長 祝前 博明 京都大学農学部教授 金子 良則 佐渡トキ保護センター獣医師 小宮 輝之 恩賜上野動物園園長 斉藤 勝 東京動物園協会顧問 菅谷 博 茨城県自然博物館館長 成島 悦雄 多摩動物公園教育普及課長 橋崎 文隆 恩賜上野動物園飼育展示課補佐 戸貝 純夫 佐渡トキ保護センター所長 山岸 哲 山階鳥類研究所長 山本 義弘 兵庫医科大学教授 (以上11名、50音順、敬称略) トキ野生復帰専門家会合 委員名簿 池田 啓 兵庫県立コウノトリの郷公園研究部長 市田 則孝 NPO 法人バードライフ・アジア会長 尾崎 清明 山階鳥類研究所標識研究室長 菅谷 博 茨城県自然博物館館長 関島 恒夫 新潟大学大学院准教授 蘇 雲山 環境文化創造研究所主席研究員 近辻 宏帰 日本鳥類保護連盟参与 成島 悦雄 多摩動物公園教育普及課長 本間 航介 新潟大学農学部准教授 三浦 慎悟 早稲田大学人間科学学術院教授 柳澤 紀夫 日本鳥類保護連盟理事 山岸 哲 山階鳥類研究所長 山本 義弘 兵庫医科大学教育教授 (以上13名、50音順、敬称略)

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080804 トキ飼育繁殖・野生復帰合同専門家会合資料 1 資料 1 H20.8.4 佐渡トキ保護センター トキの飼育繁殖の状況について 1.飼育繁殖の経過(平成19年11月以降) 11 月 19 日 中国からトキ 2 羽(華陽、溢水)提供 (野生復帰ステーション収容ケージにて検疫) 11 月 20 日 中国にトキ 13 羽返還(河南省) 12 月 12 日 野生順化訓練候補個体 12 羽をステーション繁殖ケージ(1,6 号棟)に移送 (05∼07 生まれ♂5 羽、♀7羽) 12 月 13 日 繁殖訓練個体 8 羽(4ペア)をステーション繁殖ケージ(2∼5 号棟)に移送 中国からの提供個体 2 羽をセンターに移送 多摩動物公園に 4 羽(2 ペア)を移送 1 月 21 日 中国トキ「華陽」、「溢水」とセンター生まれのトキとのペアリング開始 (華陽×№54、溢水×№82) 2 月 12 日 野生順化訓練個体 10 羽を順化ケージに追加(順化ケージ総数 15 羽) なお、№90、№134 は待機 3 月 12 日 現地検討会 3 月 17 日 佐渡トキ保護センターでトキの産卵はじまる(№62-№50(L ペア)) 3 月 21 日 多摩動物公園で産卵はじまる 3 月 24 日 中国トキ「華陽」ペアの産卵はじまる 3 月 27 日 順化ケージペアの産卵はじまる 4 月 16 日 佐渡トキ保護センターでふ化はじまる 4 月 22 日 多摩動物公園でふ化はじまる 4 月 22 日 中国トキ「華陽」ペアのヒナふ化はじまる 5 月 13 日 順化ケージのペアのヒナふ化はじまる 6 月 23 日 ステーション待機中のトキ2羽をセンターに返送 6 月下旬 順化ケージのペアのヒナ巣立ちはじまる 6 月 30 日 平成 20 年度第1回現地検討会 7 月 11 日 今繁殖期最後のヒナふ化(多摩動物公園) 7 月 25 日 繁殖結果お知らせ 2.トキの飼育・繁殖状況(H20.8.3 現在) 飼育・繁殖場所 成鳥 (羽) H20生 (羽) 合計 (羽) 備 考 佐渡トキ保護センター 67 (10ペア) 16 83 野生復帰ステーション 23 ( 8ペア) 5 28 うち順化ケージ 15 (4ペア) 2 17 繁殖ケージ 8 (4ペア) 3 11 多摩動物公園 4(2ペア) 8 12 計 94 29 123

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080804 トキ飼育繁殖・野生復帰合同専門家会合資料 2 3.平成20年繁殖期の結果(平成 20 年 7 月 25 日環境省、新潟県同時発表資料より) (1)平成20年のトキの繁殖ペア (ア)繁殖計画によるペア(16ペア) 佐渡トキ保護センターの繁殖可能個体により、前年の11組のペアに加え、華陽(ホワ ヤン)のペア、溢水(イーシュイ)のペアを含む5組のペア(N、O、P、Q、Rペア) を形成しました(表1)。 A、Q、Rペアは人工繁殖のみ、B、G、K、L、Mペアについては、初回産卵(第1 クラッチ)を人工繁殖とし、2回目産卵(第2クラッチ)以降を自然繁殖とすることとし て、これ以外は自然繁殖に取り組みました。 (表1)繁殖計画によるペア ペア 場所 繁殖方法 個 体 番 号 ♂ ♀ A B D E F G I J K L M N※ O※ P※ Q※ R※ センター センター センター センター センター 多 摩 センター ST繁殖 多 摩 センター センター ST繁殖 ST繁殖 ST繁殖 センター センター 人工繁殖 人工繁殖又は自然繁殖 自然繁殖 自然繁殖 自然繁殖 人工繁殖又は自然繁殖 自然繁殖 自然繁殖 人工繁殖又は自然繁殖 人工繁殖又は自然繁殖 人工繁殖又は自然繁殖 自然繁殖 自然繁殖 自然繁殖 人工繁殖 人工繁殖 17(友友) 19(優優) 35 27 20(新新) 28 33 71 34 62 80 37 39 96 153(華陽) 82 16(洋洋) 18(美美) 26 40 48 23 52 32 58 50 36 68 100 53 54 154(溢水) ※印は新規ペア 注1:場所欄の「ST繁殖」は「野生復帰ステーション繁殖ケージ」を示す。 注2:繁殖方法欄において、「人工繁殖」は人工ふ化かつ人工育雛を行うもの。「自然繁殖」はふ化及び育雛をトキのみ で行うもの。 (イ)順化ケージで形成されたペア(4ペア) 平成20年は、上記16組のペアのほか、野生復帰ステーション順化ケージで訓練中の トキが、4組のペアを形成し繁殖を行いました。 (表2)順化ケージで形成されたペア ペア 場所 繁殖方法 個 体 番 号 ♂ ♀ イ ロ ハ ニ ST順化 ST順化 ST順化 ST順化 自然繁殖 自然繁殖 自然繁殖 自然繁殖 131 123 121 127 133 107 112 110 注:場所欄の「ST順化」は「野生復帰ステーション順化ケージ」を示す。

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080804 トキ飼育繁殖・野生復帰合同専門家会合資料 3 (2)繁殖計画によるペア(16ペア)の繁殖結果 (ア)産卵状況 3月18日に初産卵(Lペア)が確認されてから、6月15日の最終産卵(Kペア)が確認 されるまでの90日間に、16ペアから合計102個の卵が産まれました。 今年は、一部ペア(A、B、G、K、L、M、Q、R)について人工繁殖を行い、その 他のペアは、自然繁殖を行ったことから、1ペア当たりの産卵数は6.4個(平成19年: 4.9個)となりました。 また、102個の卵のうち、産卵直後に破卵した15個の卵を除く87個について検卵 を行った結果、有精卵は47個、無精卵は40個と判定されました。 (イ)ふ化状況 47個の有精卵から自然ふ化で9羽、人工ふ化で20羽、合計29羽のヒナがふ化しま した。残りの18卵について、6卵が発育中止、12卵は抱卵中の破卵によりふ化に至り ませんでした。この結果、ふ化率は61.7%となりました(平成19年:60.0%)。 (ウ)育すう状況 自然ふ化した9羽のヒナのうち、1羽が自然育すう中に親により圧死(Pペア)したほ か、人工ふ化した20羽のうち1羽が44日齢で死亡しました。 (7月24日現在、27羽のヒナが順調に成育しており、このうち26羽は無事巣立ち しました。) (エ)飼育下での自然繁殖の状況について 自然繁殖に成功したペアは16ペア中4ペア(B、L、N、Pペア)となりました。B ペアについては3年連続で飼育下での自然繁殖に成功しています。 今後、野生復帰に向けて一層自然ふ化、自然育雛の成功率が向上するよう、今回の結果 を分析し、来シーズンの繁殖計画に反映させる予定です。 (3)順化ケージで形成されたペア(4ペア)の繁殖結果 (ア)営巣・産卵状況 順化ケージでは3月上旬より、順化ケージ内の樹木に自ら巣を作り4組のペアが造巣に 成功、3月27日に初の産卵が確認されてから5月16日までに、4組のペアがそれぞれ 産卵し、計19個の卵が生まれました。 このうち、8個の卵が有精卵であったことが確認されています。 (イ)ふ化状況 1組のペア(ハ ペア)が産卵した4個の卵のうち、5月13日、14日にかけて2羽 のヒナのふ化が確認されました。 (ウ)育すう状況 ふ化した2羽のヒナは順調に成育し、6月24日、25日にそれぞれ巣から飛び立ち、 その後巣外での採餌行動が盛んに見られるなど、順調に成育しています。

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080804 トキ飼育繁殖・野生復帰合同専門家会合資料 4 (表3)繁殖計画によるペア(16ペア)の繁殖の状況 (表4)順化ケージで形成されたペア(4ペア)の繁殖の状況 ペア 場所 産卵数 有精卵 無精卵 不明卵 孵化 発育停止 破卵 破卵 軟卵 イ ST順化 7 1 5 1 ロ ST順化 4 1 3 ハ ST順化 4 2 1 1 ニ ST順化 4 1 3 計 19 2 1 5 3 8 ペア 場所 産卵数 有精卵 無精卵 不明卵 自然孵化 人工孵化 発育停止 破卵 破卵 軟卵 A センター 3 1 2 B センター 8 2 5(育雛中 死亡1) 1 D センター 12 9 3 E センター 2 2 F センター 10 1 6 3 G 多摩 9 3 5 1 I センター 5 1 4 J ST繁殖 4 3 1 K 多摩 11 1 4 2 3 1 L センター 7 1 3 1 2 M センター 7 1 2 2 1 1 N(新規) ST繁殖 8 1 3 3 1 O(新規) ST繁殖 5 3 2 P(新規) ST繁殖 5 3(育雛中 死亡1) 1 1 Q(新規) センター 6 3 3 R(新規) センター 0 計 102 9(死亡1) 20(死亡1) 6 12 40 15

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080804 トキ飼育繁殖・野生復帰合同専門家会合資料 5 【参考資料1】 佐渡トキ保護センター・トキの森公園 平面図 売 店 ト キ資料展示館 管理 駐車場 WC 繁殖 ケ ー ケージ 繁殖C 繁殖 ケ ー 検疫棟 育 雛 ケ ー ジ 2 号 棟 育 雛 ケ ー ジ 1 号 棟 駐 車 場 池 飼育 ケージ 飼育 ケ ージ ケ ージ 繁殖B 管理棟 倉庫 繁殖E ケー ジ 池 駐車場

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080804 トキ飼育繁殖・野生復帰合同専門家会合資料 6 【参考資料2】 佐渡トキ保護センター・トキの森公園 平面図 管理棟 検 疫 棟 管理棟倉 庫 育 雛 ケ ー ジ 1 号 棟 育 雛 ケ ー ジ 2 号 棟 飼 育B ケ ージ ト キ資料展 示館 駐車場 飼 育 C ケ ー ジ 飼 育 E ケ ー ジ 飼育A ケ ージ 飼育D ケージ

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080804 トキ飼育繁殖・野生復帰合同専門家会合資料

7 【参考資料3】

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080804 トキ飼育繁殖・野生復帰合同専門家会合資料 8 【参考資料4】 トキ飼育繁殖ケージの状況 (H20.7.25 現在) 佐渡トキ保護センター No.114I No.122J No.163B No.180B No.142L

No.144A No.165M No.182Q

No.146F No.166Q

No.115B

No.86A No.76E No.128E

No.90F No.134E No.88A No.79C

No.109G No.103E No.104A

No.101E 育雛室

 ♂×5  ♀×1 ♀×5  ♂×10

検疫棟 多摩ZOO

No.162K No.171K No.176K No.183G

No.167K No.172G No.179K ♂×1 ♀×6

野生復帰ステーション

繁殖ケージ 順化ケージ

1号棟 2号棟 3号棟 4号棟 No.131E No.123J No.121I No.127J No.94E No.141L

No.71B No.37A No.39A No.96B No.133F No.107D No.112D No.110G No.111GNo.149E

No.32A No.68B No.100B No.53A No.174ハ No.116I No.151K

No.184N No.169P No.177ハ No.119G

No.170P (ハ) (ニ) (J) (N) (O) (P) (イ) (ロ) No.34A  No.58B     No.28A  No.23B (G) 6号棟 5号棟 色分け: 2001年生まれ No.185G(♂) (K) (E) (I) 3号室 No.137G (F) No.93F No.98F No.108F No.62B No.26A No.21A ♀×1 5号室 No.20A No.50A 6号室 No153β No.80B No.35B 4号室 No.65C

Cケージ

No.54A No.36A No.139B No.129A No.77C No.97G No.87A 13号室 (M) (L) No.57A 14号室 No.64C No.60A 12号室 ♀×3 No.59C  ♀×3 (R) (Q) (D) ♀×1

Bケージ

No.95E No.91E No.70E No.48B No.85C 5号室 No.148F No.84C No.159M

Dケージ

No.173L 1号室 1号室 No.155L

Eケージ

8号室 No.135I 7号室 No.82B No154β ♂×5 ♂×8 2号室 No.147F No.152K

No.150F No.156LNo.160LNo.164Q

No.158B No.157B 7号室 No.181M 2号室 6号室 3号室 4号室 ♀×2 No.89A No.105A No.106B ♀×1 ♂×6 11号室 ホオアカ ♀×9 No.40B No.52B No.27A No.33A (A) (B) No.16β ヤンヤン No.132F No.17β ヨウヨウ No.178B No.175B No.19A ユウユウ No.18β メイメイ 2002年生まれ 2008年生まれ 2005年生まれ 近 似 種 No.92F

Aケージ

1号室 2号室 2006年生まれ 2003年生まれ 繁 殖 ペ ア 2004年生まれ 2007年生まれ

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080804 トキ飼育繁殖・野生復帰合同専門家会合資料 9 【参考資料5】 トキ飼育下個体群の状況(H20.8. 4 現在) ファウンダ系統 友友 ♂ 17/β 洋洋 ♀ 16/β 優優 ♂ 19/A 美美 ♀ 18/β 中国返還予定個体 中国返還済み個体 繁殖ペアとなった個体 自然孵化・育雛個体 自然育雛個体 野生順化訓練個体 2007年 180 178 175 179 163 ♀ 176 173 181 182 177 185 171 160 170 166 ♂ ふ化せず 158 ♂ 183 167 156 165 169 164 ♂ ふ化せず ふ化せず 174 ふ化せず 162 155 159 184 ふ化せず ♀ 110/G 150 ♂ 2008年 ふ化せず 157 ♀ ふ化せず ふ化せず ふ化せず 172 ♂ ふ化せず ♀ 133/F123/J107/D121/I112/D127/J53/A 華陽 ♂ 153/β54/A82/B 溢水 ♀ 154/β131/E 148 ♂ ♂ 37/A68/B39/A100/B96/B 順化ペア② 順化ペア③ 順化ペア④ 143 ♀ 147 ♂ 152 ♂ 142 ♂ Nペア Oペア Pペア Qペア Rペア 順化ペア① 137 ♂ 135 ♀ ふ化せず 151 ♀ 141 ♀ ふ化せず ファウンダ系統 ファウンダ系統 144 ♂ 139 ♀ ふ化せず 149 ♂ 146 ♂ ♂ 62/B50/A80/B36/A 118 ♂ 134 ♂ 121 ♂ 127 ♂34/A58/B Lペア Mペア 115 ♀ 131 ♂ 133 ♀ 116 ♂ 123 ♂ 132 ♂ 119 ♀ 114 ♀ 122 ♀ Kペア ♂ 71/B32/A 106 ♂ 103 ♀ 108 ♀ 2006年 129 ♀ 113 ♀ 112 ♀ 128 ♀ 102 ♂ 101 ♀ 98 ♀ 111 ♀33/A52/B Ⅰペア Jペア 100 ♀ 95 ♀ 93 ♀ 110 ♀ 97 ♂ 105 ♂ 99 ♀ 94 ♂ 92 ♂ 109 ♂ 83 ♂ ペア解消 2005年 104 ♀ 96 ♂ 107 ♀ 91 ♀ 90 ♀ 80 ♂ Fペア Gペア 81 ♂ 82 ♂20/A48/B28/A23/B 88 ♂ 71 ♂ 84 ♀ 89 ♂ 75 ♂ 85 ♀ 2004年 86 ♂ 68 ♀ 77 ♂ ふ化せず 70 ♀ 87 ♀ 69 ♀ 79 ♀ 76 ♀ Dペア Eペア 60 ♀ 61 ♂ 62 ♂26/A35/B27/A40/B 67 ♂ 54 ♀ 55 ♀ 64 ♂ 57 ♂ 58 ♀ 65 ♂ 2003年 50 ♀ 51 ♂ 59 ♂ 53 ♀ 52 ♀ 39 ♂ 40 ♀ 42 ♂ Cペア 45 ♂ ♂ 20/A ♀ 23/B 48 ♀ 32 ♀ 33 ♂ 70 ♀ 131 ♂ 34 ♂ 2002年 36 ♀ 35 ♂ 37 ♂ 38 ♀ 27 ♂ 23 ♀ 28 ♂ 30 ♂ 23 ♀ 109 ♂ 2000年 新新 20 ♂ Bペア 愛愛 21 ♀ 凡例 2001年 26 ♀ 22 ♂ 51 ♂ 22 ♂ 1999年 Aペア 優優 19 ♂ ファウンダ系統 多摩 動物 公園 野生復帰 ステーション

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080804 トキ飼育繁殖・野生復帰合同専門家会合資料 10 【参考資料6】 生年、性別構成一覧 佐渡トキ保護センター 野生復帰ステーション 多摩動物公園 生年 A,B,Q,R 系統(中国個体系統) 左記以外 オス メス オス メス オス メス オス メス 1996 17β(A ペア) 友友 16β (A ペア)洋洋 1999 19A (B ペア) 18β (B ペア)美美 2000 20A (F ペア) 21A 2001 27A (E ペア) 33A (I ペア)

26A (D ペア) 32A (J ペア) 28A (G ペア)

34A (K ペア) 23B (G ペア) 2002 35B (D ペア) 36A (M ペア) 40B (E ペア) 48B (F ペア) 37A (N ペア) 39A (O ペア) 2003 62B (L ペア) 57A 153β (Q ペア)華陽 50A (L ペア) 52B (I ペア) 54A (Q ペア) 60A 154β (R ペア)溢水 59C 64C 65C 63C 53A (P ペア) 58B (K ペア) 2004 80B (M ペア) 82B (R ペア) 86A 88A 89A

87A 77C 70E 76E

79C 84C 85C 68B (N ペア) 71B (J ペア) 2005 105A 106B 104A 92F 90F 97G 109G 91E 93F 95E 98F 101E 103E 108F 100B (O ペア) 107D 110G 111G 94E 96B (P ペア) 2006 115B 129A 132F 114I 122J 128E 134E 112D 119G 133F 116I 121I 123J 127J 131E 2007 144A 139B 137G 142L 146F 147F 148F 150F 152K 135I 141L 151K 149E 2008 158B 180B 164Q 166Q 182Q 157B 163B 155L 156L 160L 159M 165M 172G 185G 162K 167K 171K 176K 179K 183G 未判定 2 羽 175B,178B 未判定 2 羽 173L,181M 未判定 5 羽 184N 169P 170P 174 ハ 177 ハ

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080804 トキ飼育繁殖野生復帰合同専門家会合資料 1 -資料 2 H20.8.4 佐渡自然保護官事務所 野生復帰ステーション 野生順化訓練の総括について 1.野生復帰ステーション内のトキ個体数 (1)順化ケージ 平成19年7月10日に5羽(オス3羽、メス2羽)(以下「先行個体」という。)を 放鳥、平成20年2月12日に10羽(オス4羽、メス6羽)(以下「追加個体」という。) を追加した。その後、ケージ内で2羽が巣立ち、現在17羽(オス7羽、メス8羽、幼 鳥2羽)。 【性別・年齢構成】 オス メス 幼鳥 計 05年生 1(94) 3(107,110,111) 06年生 5(131,116,121,123,127) 3(112,133,119) 07年生 1(149) 2(151,141) 08年生 2 計 7 8 2 17 ※括弧内は個体番号、字体はふ化・育雛形態(普通字:自然孵化・育雛個体、太字:人工孵化・自然育雛個体、 斜体:人工孵化・育雛個体) (2)繁殖ケージ 平成19年12月12日に8羽(4ペア:オス4羽、メス4羽)を移送。 その後、3羽が巣立ち、現在11羽 【性別・年齢構成】 性別・年齢構成は次のとおり(括弧内は個体番号、すべて人工孵化・育雛個体) オス メス 幼鳥 計 01年生 1(32) 02年生 2(37,39) 03年生 1(53) 04年生 1(71) 1(68) 05年生 1(96) 1(100) 08年生 3 計 4 4 3 11 ※括弧内は個体番号、個体番号、すべて人工孵化・育雛個体

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080804 トキ飼育繁殖野生復帰合同専門家会合資料 2 -2.野生順化訓練総括 「トキ野生順化訓練の方針について(参考資料3 H19.5.30 第3回トキ野生復帰専門家会合 資料2(H19.9.11 一部改訂))に基づき訓練を行ってきたが、訓練項目別の総括は以下の通り。 (1)採餌訓練 7月より訓練を開始した個体については、昨年秋頃には、コオロギを始めとする昆虫類、 ミミズ等の採餌が増加した。冬期間は陸生生物が激減したため、エサはほぼドジョウに限 られていたが、本年6月頃より再び昆虫類やミミズ等の採餌が増加している(糞便検査で も昆虫類の摂食が確認されている。)。 さらに、タナゴ、フナ、ザリガニ等の多様な生物を順化ケージ内に投入し、多様な餌の 摂食の機会を与え、採餌を経験させた。 一方、湿地や草地といった採餌環境に加えて、昨年12月に設置した流れのある水路や 比較的水深のある江での採餌行動も見られ、採餌範囲はケージ内の全域に渡っている。 なお、追加個体については、ケージへの放鳥時期が冬期であったため、先行個体に比べ 採餌した生物種は少ないものの、採餌範囲はケージ内の全域に渡っている。 これらのことから、現在の環境においては、餌の探索、捕獲・捕食の能力は十分に養わ れていると判断される。 【参考:順化ケージにおける給餌内容】 2月11日迄 :ドジョウ 2,000g/日。 (昨年10月までタナゴ、サワガニ、2月まではフナを不定期に給餌。) 2月12日∼ :ドジョウ 4,500g/日。 (2月はスジエビを不定期に給餌) 4月 :ドジョウ 6,000∼6,500g/1 日 5月 :ドジョウ 5,000∼6,500g/1 日 サワガニ 100 匹(5 月 3 日),15 匹(5 月 6 日) 6月 :ドジョウ 5,500∼6,000g/1 日 タナゴ 500g(6 月 21 日), 500g(6 月 23 日), 300g(6 月 24 日) 7月以降 :ドジョウ 4,000∼5,000g/1 日 ※6月までは繁殖期のため餌量を増加したが、7 月から繁殖期が終了したため餌量を減少 させた。 (2)飛翔訓練 7月より訓練を開始した個体については、5分以上の飛翔もみられ、筋力も養われてい る様子で、飛翔の際の軌跡は安定している。 また、ケージ内の空間配置を十分に学習している様子であり、ケージ内のネットに接触 することはほとんどなくなった。現在の環境における飛翔能力は、十分に養われていると 判断される。 しかし、2月に追加した個体のうち、パニックになりやすい一部の個体には飛翔の際の 軌跡が直線的、左右にふらつく、前触れもなく上方へ跳ね上がり、天井のネットに接触す る等の例が頻繁に見られる個体がある。 (3)天敵回避訓練 ○トビ、カラス等がケージ周辺に出現した際、トキは注視を行っていることが観察されて おり、天敵を認識する機会はある程度確保することができたと考えられる。

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080804 トキ飼育繁殖野生復帰合同専門家会合資料 3 -○本年7月、天敵と想定される猛禽類やカラスの模型を見せる、様々な音(人の声、コサ ギ、ダイサギ、オオタカ、トビ、カラス、トキの警戒音)を聞かせる等の訓練を実施。 その結果は次のとおり。 ・音への反応は弱く、唯一、カラスの音声を聞かせた際、2羽のトキが樹高の高いコナラ の先端に止まり、周囲を見渡した他、他個体も注視する等の警戒態勢を取った。 ・カラスの模型をトキの見えない場所から無音で、突然トキに見せたところ、パニック状 態になった。 ・カラスの模型をトキの見えるところで、ケージ内に設置した場合は、ほとんど反応はな かった。 今回の訓練に関わらず、これまでの観察では、突然出現する、激しく動くものには全て 強い反応を示している。 (4)社会性訓練 ①先行個体 ・人との関係について、昨年 10 月から人との共生訓練を実施した結果、飼育員、観察員に 対してはある程度落ち着きを保っており、パニックを起こすことはほとんどなくなった。 ・個体間の関係について、繁殖期にペアになった個体は現在も一緒にいることが多い。 また、群れのなかで、特異な行動をとる個体はいない。 ②追加個体 ・人との関係について、今年 7 月から人との共生訓練を実施しており、現時点では人に対 して過敏に反応する個体とある程度落ち着きを保っている個体に分かれている。このう ち、過敏に反応する一部の個体は、人の姿や行動に対してパニックを起こし、飛翔時の ネットへの接触により、顔を擦りむく等負傷することがある。 ・個体間の関係について、繁殖期にペアになった個体は現在も一緒にいることが多い。ま た、群れの中で特異な行動をとる個体はいない。 (5)繁殖訓練(順化ケージ) ・今回の順化訓練中、繁殖年齢に達している12個体(繁殖期を迎え2才以上となる個体) 全てでペアが形成(6ペア)され、うち4ペアが造巣・産卵に成功した。さらに1ペアは すべて自力で造巣、産卵、孵化、育雛、巣立ちにまで成功した。 ・繁殖経験のない個体同士であっても、順化ケージ内の環境において自然繁殖能力を有する ことが確認された。 ・なお、造巣・産卵に成功しなかったペアは、ケージ内の環境制限(営巣空間の制限、営巣 木不足等)によるところも大きいと考えられる。 No.121♂×No.112♀ 造巣、産卵、孵化、育雛、巣立ち(2羽)の自然繁殖に成功 No.131♂×No.133♀ 造巣、産卵に成功したが、孵化せず No.123♂×No.107♀ 造巣、産卵に成功したが、孵化せず No.127♂×No.110♀ 造巣、産卵に成功したが、孵化せず No.116♂と No.119♀ 巣の完成に至らず No. 94♂×No.111♀ 巣の完成に至らず

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080804 トキ飼育繁殖野生復帰合同専門家会合資料 4 -3.野生復帰ステーションにおけるモニタリング・調査等 (1)健康管理と健康診断 主に行動観察によるが、どの個体もしっかりと餌を探索・摂食しており健康状態は良好 である。 (2)生態調査(詳細は別添資料参照) 昨年8月から12月までは先行5羽を対象に早朝観察(一部夕方観察含む)を実施し、 12月からは新たに繁殖ケージへ移送した個体を含め17羽を対象に観察を行った。 観察日数は2007年8月から2008月7月までの一年間で、早朝観察(日の出から 数時間)を146日、夕方観察(15時から日の入まで)を15日、終日観察(日の出か ら日の入まで)を9日、計170日の生態調査を実施した。 ○池と地面の探索時間の年変化 ○一日の行動の季節変化 ○個体の行動範囲 ○縄張り範囲 ○社会行動・順位性 (3)放鳥後のトキの保護管理に関連する調査結果及び今後の方針 ○踏みつけ被害状況の調査結果(詳細は別添資料参照) 田植え後のトキの稲株踏みつけの状況を明らかにするため、順化ケージで 5 月 8 日に 田植えを実施した B1 池において探索した個体を追跡し、滞在時間、歩数および踏みつけ た稲株数を記録した(5 月 22 日から 7 月 17 日まで)。また、トキによる稲株の踏みつ けに影響を与えると考えられる稲株の大きさの指標として自然高を測定した(1-2 週間 間隔でランダムに 15 株を計測)。 その結果、ほぼすべての個体が B1 池にて探索したことが観察され、総滞在時間は 456.5 分(約 7.5 時間)、総歩数は 11,114 歩で、引っ掛け程度を含む稲株の踏みつけ回数 114 回 (総歩数の約 1%)であった。また、稲株の自然高は当初の 20cm から 80cm 程度にまで成 長しているが、現在も株内での探索が確認されているため、引き続き観察を継続してい る。 ○トキの好適環境(餌、ねぐら、餌場としての水路など)調査結果 餌 :ドジョウが主であるが、他の餌生物があれば興味を示し積極的に捕獲する。 ただし、タナゴなど水中ですばやい動きをする魚は捕獲が難しいようで、投 入しても捕獲する様子はあまり見られなかった。 昆虫、ミミズなどの陸生生物などはかなり丁寧に探索している。 ねぐら:樹種による選好性はみられず、枝振りの良い樹木が選ばれている。 水 路:一年を通じて流れがあるため、特に厳冬期に池が凍結したり、草地の昆虫類が 激減した時に利用が多い。 ○トキの誘引調査の実施 今後、試験放鳥までの期間にトキのデコイによるその有効性や効果を順化ケージ内で 確認した上で、野外での使用を検討する。

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080804 トキ飼育繁殖野生復帰合同専門家会合資料 5 -○人との共生訓練の実施 今後、試験放鳥までの期間に、地域住民やNGOなどの協力も得ながら、トキの生息 情報の収集やモニタリングの演習も兼ねた人との共生訓練を実施する。 4.野生復帰ステーション順化ケージの環境の改善 ・環境の激変緩和のために設置している人工止まり木2本のうち1本を撤去。 残りの1本に関しては、避難場所として使用しており撤去を見合わせていたが、今後、撤 去し、自然な樹形の止まり木を設置する予定。 ・ケージ周辺からの生き物の移動に障害とならないよう園路側溝等に蓋を設置。 ・多様な餌の摂食を目指し、ザリガニ、スジエビ、ドブガイ、タニシ、タナゴ、フナなどを 投入。 ・多様な餌場環境を目指し、水田、水路、江を設置。 5.繁殖ケージにおける野生順化訓練 佐渡トキ保護センターと異なる環境(1ペア1ケージ、一定の距離を保ったケージの配置、 静かな環境、人の姿を極力みせない等)において自然繁殖に成功するかという観点から訓練 を実施し、4ペア(既存1、新規3)のうちすべてのペアが造巣・産卵に成功(巣かごや木 枠の設置等造巣支援は実施)。うち2ペアが孵化、育雛、巣立ちにまで成功し、繁殖ケージ内 の環境における自然繁殖能力を有することが確認された。 自然繁殖に成功しなかったペアは無精卵が多く、繁殖ケージ内に設置した枝のぐらつきに よる影響の可能性もあるため、今後、枝のぐらつきをなくす工夫や同ケージ内の別の場所に 安定した太い横枝を設置する予定。 No.96♂×No.53♀(新規ペア)造巣、産卵、孵化、育雛、巣立ち(2羽)の自然繁殖に成功 No.37♂×No.68♀(新規ペア)造巣、産卵、孵化、育雛、巣立ち(1羽)の自然繁殖に成功 No.71♂×No.32♀(既存ペア) 造巣、産卵に成功したが、孵化せず No.39♂×No.100♀(新規ペア)造巣、産卵に成功したが、孵化せず 【繁殖ケージでの飼育管理形態】 ・繁殖ケージでは佐渡トキ保護センター内の繁殖用ケージと同様の飼育管理形態としている。 ・昨年12月に移送後、1 ペア・1日当たりドジョウ 350g(繁殖ケージ給餌棟より繁殖ケージ内湿地に流下)、 人工飼料 200g(ケージ内へ飼育員が直接搬入)を給餌した。 ・今後、水質維持のため玉砂利を投入。ケージ内に巣かごや木枠を設置。 6.順化ケージ追加待機中のトキの取り扱い 平成19年12月にセンターからステーションへ移送し、順化ケージへの追加を待機して いた2羽は非常に神経質であり、順化ケージへ追加することにより、他の訓練個体に影響を 与えること等が想定されたため、繁殖ケージにおいて飼育を続けたのち、平成20年繁殖期 が概ね終了した6月23日に、佐渡トキ保護センターへ戻した。

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080804 トキ飼育繁殖野生復帰合同専門家会合資料 1 資料2 別添1 H20.8.4 佐渡自然保護官事務所 野生復帰ステーション トキ観察報告等 1.1年を通して採餌行動は季節変化したか? 方 法:1 日 5 個体をモニターカメラで観察、2 月からは追加の 10 個体を合わせて 観察した。地面をつついたり、くちばしを開いて水中に繰り返し差し入れる か、または浸けたまま左右に振ることを餌の探索行動と見なし、その継続時 間を計測 観察時間:4:40∼9:30 の間(季節により開始時間に変動あり。また 9,10,11 月分は部分 的に15:00∼18:10 の間にとったデータを使用した。)各個体につき、30 分ずつ 観察を実施。観察する個体の順番は、日ごとに無作為に選び、偏りがないよう にした。 観察日数:120 日 図1.池と地面の探索割合の変化 【結果】冬は陸生生物が激減し、地面での探索時間が短くなるが、 春には昆虫類が増え、再び地面での探索時間に増加が見られた。

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080804 トキ飼育繁殖野生復帰合同専門家会合資料 2 2.繁殖期になわばり行動は見られるか。 * ●は個体の位置,★は対象個体の巣の位置,△は他個体を追い払った位置,×は他個体に追い払われ た位置を示す。●の大きさは個体がいた回数の大きさを表す。●の大きさが大きいほど、個体がその 位置にいた回数が多くなる。 方 法:順化ケージにおいて、1 日1個体をタイムマッピング法を用いて地図上に 2 分 毎に位置を記録した。追跡個体を見失ったら探し、発見したら再び追跡するこ とを繰り返した。 観察時間:4:30∼9:30(途中 10 分×5 回の休憩を含む) 観 察 日:2008 年 5 月 13,15,29 日 b) 抱雛期のオスの位置 a) 抱卵期のオスの位置 【結果】 抱卵・育趨をしているオスは、巣の近くに来た他個体に対し排他行動をとった。 他個体を追い払う 自分の巣 他個体を追い払う 自分の巣 他個体に追い払われる

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080804 トキ飼育繁殖野生復帰合同専門家会合資料 3 3. 幼鳥と親の行動域は違うか。 * 赤●は個体の位置,★は対象個体の巣の位置示す。●の大きさは個体がいた回数の大きさを表す。● の大きさが大きいほど、個体がその位置にいた回数が多くなる。 方 法:2と同じ 観察時間:2と同じ 観 察 日:7 月 8,16 日 採餌場所がほぼ同じ d) 巣立ち後の幼鳥の位置 e ) オス親の位置 【結果】 巣立ちまもなくは、幼鳥は親鳥と採餌場所がほぼ同じだった。

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080804 トキ飼育繁殖野生復帰合同専門家会合資料 4 4.1年を通して個体間の優劣は変化したか? *青色番号はオス,赤色番号はメスを表す。記号が同じ個体同士はペアであることを示している。 方 法:対象個体が他個体を嘴でつつく、羽を引っ張る、離れた場所から飛びかかる などし、その直後その場に残った個体を勝ち、飛び去った個体を負けとして 個体同士の勝敗を記録した。 観察時間:早朝観察(一部夕方・1 日観察含む) 記録日数:76 日 【結果】先行5 羽は、追加個体が入るまで順位にほとんど変化がなかった。 また1 年を通して、オスよりメスの方が劣位の個体が多かった。 図2.各個体の順位の変化

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080804 トキ飼育繁殖野生復帰合同専門家会合資料 5 水田 避難場所 ねぐら (ニ)No.127×No.110 <産卵 4 個> 資料2 別添2 江 一部の個体のねぐら (ロ)No.123×No.107<産卵 4 個> 水路 ザリガニ (ハ)No.121×No.112<ヒナ 2 羽育雛> (イ) No.131×No.133<産卵 7 個> *No.116×No.119(枝運び) *No.94×No.111(枝運び)

順化ケージ平面図

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080804 トキ飼育繁殖野生復帰合同専門家会合資料 6 資料2 別添3 H20.8.4 佐渡自然保護官事務所 野生復帰ステーション トキ野生順化訓練 カレンダー(2007∼2008) 順化ケージ 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 個体数(羽) 5 5 5 5 5 15 15 15 17 17 17 17 (17) 採餌訓練 (ケージ内環境)   湿地(ビオトープ)   田んぼ 田植え   草地 草積   畑(乾地環境) 畑   池・深水   池・表層水草   水路・江(流れ) 水路・江   冬季環境(積雪・結氷)  池氷環境   多様な餌 タナゴ フナ フナ スジエビ スジエビ サワガニ タナゴ ザリガニ・ドブガイ 飛翔訓練メニュー   障害物設置 はざかけ   発信器装着 天敵回避 訓練 音・模型 社会性 訓練   群れの形成    順化・徹底調査 個体の混在   人馴れ(立入・通行) 人立入 人立入   人馴れ(観察・モニタリング) 立入モニタリング(観察・調査) 立入モニタリング(観察・調査)   人馴れ(農作業) 稲刈り、はざかけ田起こし・江 田植え 草刈り 水路・江・畑づくり 草刈り 草刈り 草刈り  繁殖 訓練 順化・徹底調査 巣作り 巣作り 産卵 産卵・孵化・育雛 巣立ち 巣材搬入 巣材搬入 巣材搬入 繁殖ケージ 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 個体数(ヒナ) 0 0 0 4ペア8羽 4ペア8羽 4ペア8羽 4ペア8羽 4ペア8羽 1 4ペア8羽 2 4ペア8羽 3 4ペア8羽 3 4ペア8羽 3 4ペア8羽 (3)  繁殖 訓練 順化・徹底調査 巣作り・産卵 産卵・孵化 産卵・孵化・育雛孵化・育雛・巣立ち 巣立ち 巣材搬入 巣材搬入 巣材搬入 ※個体数の( )は見込み 水抜き

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資料-別添 4 トキによる水稲作稲株の踏みつけ 調査方法および調査内容 田植え後のトキの稲株踏みつけの状況を明らかにするため,順化ケージで 5 月 8 日に田植えを実施した B1 池におい て探索した個体を追跡し,滞在時間,歩数および踏みつけた稲株数を記録した(5 月 22 日から 7 月 17 日まで).また, トキによる稲株の踏みつけに影響を与えると考えられる稲株の大きさの指標として自然高を測定した(1-2 週間間隔でラ ンダムに 15 株を計測). その結果,ほぼすべての個体が B1 池にて探索したことが観察され,総滞在時間は 456.5 分(約 7.5 時間),総歩数は 11114 歩で,引っ掛け程度を含む稲株の踏みつけ回数 114 回(総歩数の約 1%)であった(図 4-1).また,稲株の自然高 は当初の 20cm から 80cm 程度にまで成長している(図4-2)が,現在も株内での探索が確認されているため,引き続き観 察を継続している. 稲株の成長段階に伴う B1 池の利用 ・ 1 個体 1 回あたりの B1 池の利用は,滞在中から追跡した場合を含め,6.3±7.4 分(平均±標準偏差)の滞在時間で 152.2±154.9 歩の歩数が確認された. ・ 田植えからの日数の経過にともなう,1 個体 1 回あたりの滞在時間には大きな変化は認められなかった(図 4-3). ・ 稲株の自然高が最大 80cm を超える 7 月末時点においても B1 池での滞在が確認されていることから,今後さらに稲 株が成長した段階における B1 池の利用を明らかにする必要がある. 稲株の踏みつけ ・ 1 個体 1 回の滞在あたり 1.6±2.3 回の踏みつけが確認された(図 4-6).植栽されている稲株の間隔は約 25cm となっ ており,一般的な水田圃場における条間および株間に近い状態であると考えられる. ・ 田植えからの日数の経過にともなう1歩あたりの踏みつけ頻度に有意な負の相関は認められなかった(spearmanの順 位相関,p >0.05)ことから,稲株が成長しても踏みつけの確率は減少していないと考えられる.最大値は減少する傾 向がみられる(図 4-4)ことから,さらに稲株が成長した段階における踏み付けや踏みつけられた稲株の経過など回復 過程を今後明らかにする必要がある. 1回あ た りの滞在時間(分) 田植えからの日数 01 0 20 30 40 20 30 40 50 60 70 1歩あ た りの踏み つ け 頻度 田植えからの日数 20 30 40 50 60 70 0. 00 0. 00 0. 02 0. 03 0. 04 0. 05 滞在 1 回あ た り の 歩数 1回あたりの滞在時間(分) 0 10 20 30 40 0 200 400 600 800 1000 図 4-5 B1 池 (5 月 23 日現在). 図4-6 B1 池において稲株を踏みつける No.133 (6 月 3 日 05:52:53).歩幅は約 20cm. 図4-1 B1 池における 1 個体1 回あたりの滞在時間お よび滞在 1 回あたりの歩数 (n =73). 図 4-3 B1 池における 1 個体 1 回あたりの滞在時間. 進入時または滞在中から退出時までの追跡分を含む. 図4-4 B1 池における 1 歩あたりの稲株踏みつけ 頻度. 図 4-2 B1 池における稲株の自然高の推移.太線は中央 値,箱は四分位,バーは外れ値を除く最大・最小値をそれぞ れ示す. 稲株自然 高 (cm ) 田植えからの日数 6月 7月 20 30 40 50 60 70 80 02 0 40 60 80

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080804 トキ飼育繁殖野生復帰合同専門家会合資料 資料 2−1 H20.8.4 佐渡自然保護官事務所 野生復帰ステーション 試験放鳥個体の選定について(案) 1.選定の考え方 これまでの野生順化訓練で、採餌・飛翔の基本的な能力は獲得されていると考えられる。 このため、試験放鳥の個体の選定については、健康状態、採餌・飛翔能力に加え、ペアの 形成、過剰反応が少ないといったモニタリングしやすさの観点も踏まえ選定。 なお、順化ケージ内で生まれた2羽の幼鳥及び親鳥については、引き続き順化ケージ内 で、親子関係等を中心にデータを収集することとし、試験放鳥の対象とはしない。 ① 健康 放鳥時点で、病気や大きなケガをしていないこと。 ② 採餌、飛翔能力 順化ケージ内で池や地上を問わずエサを探索し、採餌することや、ケージ内で安定 した飛翔を持続すること。 ③ ペアの形成 順化ケージ内でつがいを形成したこと。さらに造巣・産卵等を行ったものが望ましい。 ※ペアでの行動が期待され、生存上、モニタリング上も有利と考えられる。 ④ 過剰反応 人の姿や動きに過剰に反応したり、他個体の過剰反応につられてパニック状態にな らないことが望ましい。 ※群行動の和が大きく乱されないことはモニタリング上も有利と考えられる。 2.個体毎の適正評価の検討表 オス メス 個体 番号 期間 健康 採餌 飛翔 ペア 繁殖 過剰 反応 個体 番号 期間 健康 採餌 飛翔 ペア 繁殖 過剰 反応 05年生 94 約半年 ○ 111 × 107 約半年 ○ 123 × 110 約半年 ○ 127 ○ 111 約半年 ○ 94 × 06年生 131 約1年 ○ 133 ○ 112 約半年 ○ 121 ○ 116 約1年 ○ 119 ○ 133 約1年 ○ 131 ○ 121 約1年 ○ 112 ○ 119 約1年 ○ 116 ○ 123 約半年 ○ 107 △ 127 約半年 ○ 110 △ 07年生 149 約半年 ○ − △ 151 約半年 ○ − ○ 141 約半年 ○ − ○ 計 7 8 ※個体欄字体はふ化・育雛形態 (普通字:自然孵化・育雛個体、太字:人工孵化・自然育雛個体、斜体:人工孵化・育雛個体)

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080804 第6回飼育繁殖野生復帰合専門家会合資料 資料2−2 H20.8.4 佐渡自然保護官事務所 野生復帰ステーション 第2期 野生順化訓練個体の選定方針等について(案) 1.トキの移送個体及び個体数について トキ野生順化訓練を受けた個体の中から試験放鳥個体を選定する際の選択枝を確 保するため、年齢、遺伝的系統、性比等について出来るだけ偏りが生じない構成・個 体数を野生順化訓練の対象とする。 野生順化訓練の対象個体は以下を基本とし、「トキ増殖技術現地検討会」において 決定する。 (1)順化ケージ 年齢 : 若い個体(0∼2歳)を基本とする。 必要に応じ、3才以上の個体についても検討。 遺伝的系統 : ファウンダー(A,B、R,Q系統)個体を除く。 野生復帰ステーション繁殖ケージのペアの一部については 順化ケージでの訓練も検討 性比 : 1:1を基本とする。 個体数 : 第1期訓練の経験に基づき、順化ケージ内で個体の観察・記 録に支障のない範囲の個体数とする(20羽程度) 育雛形態 : 飼育下自然繁殖個体を優先する。 (2)繁殖ケージ 繁殖ペアの系統: A系統×B系統のペア 佐渡トキ保護センターの既存ペアを移送する場合は飼育下自 然繁殖に成功した経験のあるペアを基本とする。 2.トキの移送時期と手順について 試験放鳥後、約1か月程度をかけて、順化ケージ内部の環境改善(人工止まり木の 改良や上流部の草刈り等)、生物調査、施設修繕(カメラ清掃等)を行うこととして いる。 このため、第2期野生順化訓練個体の順化ケージへの放鳥は、10月下旬を目途に 行う。 また、順化ケージへ放鳥するトキは、予め繁殖ケージにおいて、周囲の環境に慣ら すとともにスクリーニングを行うこととし、9月下旬に佐渡トキ保護センター等から 野生復帰ステーションに移送する。 9月下旬 佐渡トキ保護センターから野生復帰ステーションへ移送 10月下旬 野生復帰ステーション順化ケージ内に放鳥

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080804 トキ飼育繁殖野生復帰合同専門家会合資料 1 -資料3 H20.8.4 Ⅰ 小佐渡東部地域における放鳥の進め方(案) 1.放鳥段階の区分 (1)初期の放鳥段階(今後、概ね3年間) ○佐渡島におけるトキの野生復帰は、平成27年頃に小佐渡東部地域に60羽のトキ の定着を目指すこととしている。第1回目のトキの放鳥を行う平成20年から平成 27年までの概ね中間点である平成23年までを初期の放鳥段階と位置付ける。 ○初期の放鳥段階では、トキが野生個体群として定着し、地域社会と共生するため、 トキの野生順化訓練・放鳥技術の確立を図るとともに、望ましい生息環境、社会環 境について地域住民、研究者、関係行政機関等の共通認識の醸成を図ることが必要 である。 このため、放鳥後のトキの行動・生態、生息環境、社会環境の状況に関する各種 調査・モニタリングの分析結果を、トキの野生順化訓練・放鳥技術の確立、各主体 が行う生息環境整備、社会環境の整備に適切かつ円滑にフィードバックしていく体 制の構築を進める。 (2)初期の放鳥段階終了後 トキが地域社会と共生するための望ましい生息環境、社会環境について地域住民、 研究者、関係行政機関等の共通認識の下、各主体が、トキのモニタリングの結果等 を踏まえ、生息環境の更なる改善を図りながら、平成27年頃までに60羽のトキ の野生個体群を維持できるようになるまで、必要に応じて放鳥を繰り返す。 (3)試験的な放鳥 第1回目の放鳥については、主にトキの個体のモニタリング、情報収集の円滑な 実施が出来るかどうかを点検しつつ、平成21年度以降の放鳥を具体化するために 必要なトキの基礎的な行動特性の情報を収集する試験的な放鳥とする。

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080804 トキ飼育繁殖野生復帰合同専門家会合資料 2 -2.初期の放鳥段階の放鳥の進め方 (1)トキの野生復帰を目指す小佐渡東部地域において、小佐渡山地西麓を中心とした エリアがトキの定着を目指す重要なコアエリアであると考えられるが、予め、エ リアとその順番を明確にしておくのではなく、試験放鳥などの状況を見ながら、 柔軟かつ順応的に対応する。 (2)また、トキの放鳥による社会的な意義に鑑み、地域の自然再生・生息環境の取組 を進める住民のインセンティブを高めるのに効果的な場所における放鳥も検討す る。 (3)第1回目の放鳥となる試験的な放鳥については、モニタリング体制の確立、放鳥 個体の救護等に積極的に取り組む観点から、モニタリングを行う職員、獣医師が 常駐し、救護・監視体制が整い、さらに周辺でまとまりのある環境保全型農業等 も行われ、関係行政機関による生息環境整備も集中的に実施されている野生復帰 ステーション周辺より放鳥を行う。 (4)放鳥したトキが異常死したり、ほとんどの個体が死亡した場合など緊急事態等が 発生した場合は、その都度、専門家の意見を聞いて、放鳥の進め方や放鳥計画を 見直す。 【参考】小佐渡東部地域のエリア区分 佐渡トキ保護センター 野生復帰ステーション 小佐渡山地東麓エリア 小佐渡山地西麓エリア 小佐渡山地中央エリア

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080804 トキ飼育繁殖野生復帰専門家 合同会合資料 3 -4.各エリアでの放鳥の進め方イメージ 試験放鳥 時期:秋 場所:ST周辺 羽数: 10 羽前後 エリア エリアの概況とモニタリングの難易 ○ステーション周辺では、まとまりの ある環境保全型農業を展開中。集 落近傍でもあり、今後の地域住民 等の啓発への寄与を期待。 ○野生復帰ステーションから近く、比 較的モニタリングが行いやすい。 ○NGO、地元大学等がトキの生息環 境づくりを展開中。 ○山中であり道路は狭小で少ない。 冬季は積雪等のためアクセス困難 ○冬季、トキは小佐渡山地西麓又は 東麓に移動することが想定される。 ○島外交流を図りながら、環境保全型 農業等を展開中。集落近傍でもあ り、今後の地域住民等の啓発への 寄与を期待。 ○野生復帰ステーションから遠いが、 比較的モニタリングは行いやすい。 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 初期の放鳥段階(概ね3年間) 目標 平成27年 60羽 定着 試験放鳥 小佐渡山地 西麓エリア 小佐渡山地 中央エリア 小佐渡山地 東麓エリア ○野生復帰ステーションにも近く、重要なコアエリアとし て、小佐渡東部地域へのトキの定着に向けた放鳥を 行う。 ○小佐渡山地西麓エリアと一体的なエリアと考えられる。 必要に応じて、このエリアでの放鳥を検討する。 ○必要に応じて、小佐渡東部地域へのトキの定着を補 完するための放鳥を検討する。 ○地域の自然再生・生息環境の取組を進める住民のイ ンセンティブを高める目的での放鳥を検討する。

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080804 トキ飼育繁殖野生復帰専門家 合同会合資料 4 資料 3 H20.8.4 Ⅱ 今後、概ね3年間(初期の放鳥段階)の放鳥の実施方針(案) 1.放鳥計画 (1)個体の選択と組み合わせ 野生順化訓練において野生下への適応が期待される健康な個体とする。 また、放鳥個体の組み合わせは、野生下に定着した個体も含めた遺伝的系統管理及び性 比に配慮しつつ、未成熟個体と成熟個体を適切に組み合わせる。親子の組み合わせも検討 する。 なお、ファウンダー(中国から贈呈・提供された5個体)は対象としない。 (2)個体数 試験的な放鳥は10羽程度とする。 2回目以降の放鳥は、試験的な放鳥後のモニタリングの結果、放鳥場所周辺の生息環境、 モニタリング体制等を踏まえ設定する。 (3)場所 試験的な放鳥は野生復帰ステーション周辺で行う。 2回目以降の放鳥は、小佐渡山地西麓を中心としたエリアで野生復帰ステーション周辺 を基本に進めるものとし、放鳥されたトキの生息状況やモニタリング体制等を踏まえ、必 要に応じて、放鳥場所の変更、追加を検討する。 また、地域の自然再生・生息環境の取組を進める住民のインセンティブを高める目的で、 生息環境整備の取組等が比較的進み、モニタリングや傷病個体の救護が円滑に行いうる場 所での放鳥も検討する。 (4)放鳥の方法 放鳥後のモニタリング結果を踏まえ、放鳥時期、放鳥場所周辺の環境等に応じて、トキ の定着のために適切な方法を選択する。 ○ソフトリリース(簡易ケージ等利用) 放鳥場所に簡易ケージを設置し、野生復帰ステーションで訓練を終えたトキを一定 期間飼育し、周辺環境に慣らした後、放鳥する方法。 ○ハードリリース 訓練を終えたトキを放鳥場所に移動し、直ちに自然に放す手法 (5)時期・季節 エサとなる生物が豊富な時期に行うこととし、放鳥後のモニタリングの結果や放鳥場所 周辺地域の住民の意向等を踏まえつつ判断する。 (試験的な放鳥の時期) 試験的な放鳥の時期は、(ア)自然のエサ資源を確保することが出来ることやトキの群 れ意識が高まること、(イ)半年から1年程度の野生順化訓練の状況を把握する必要があ ること、(ウ)放鳥後のモニタリング体制や地域の受け入れ準備に要する期間が必要であ ること等の点を考慮して、平成20年秋(9月25日)に行う。

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080804 トキ飼育繁殖野生復帰専門家 合同会合資料 5 2.モニタリングにより収集すべき情報 (参考資料4 放鳥後のモニタリングの方針について(H19.9.11 改訂) 参照) 【参考】 ・生息状況の把握(生存の有無) ※死亡した場合は死亡要因 ・ねぐら、エサ場位置、移動経路 ・採餌状況、ねぐら・営巣環境 ※繁殖の有無も確認 ・地域社会への影響 ・収集すべきその他主要な情報の有無 3.放鳥後の人為的サポート 放鳥されたトキのモニタリングの結果により、必要に応じて下記のサポートを行う。 なお、サポート項目や方法等については、サポートの有効性、効果により随時見直す ○厳冬期に利用可能なエサ場の拡大・充実 放鳥後、モニタリングにより採餌頻度の高い重要なエサ場の位置を把握し、地権者等 の協力を得ながら、結氷を防ぐような工夫(かけ流し、氷割等)を行うなど厳冬期も含 めた冬期間のエサ場の拡大・充実を図る。 ○緊急的給餌(主に厳冬期を想定) 専門チームによるモニタリングの結果、一定期間採餌が確認されない、外見上極度に やせ衰えている等、トキが採餌不足に陥っていると判断される場合は、地権者等の協力 を得ながら、採餌頻度の高い重要なエサ場へ緊急的にドジョウ等の給餌を行う。 ○繁殖期の営巣支援 トキの卵やヒナを襲う可能性のあるテンやヘビ等が営巣木を登れないような工夫(テ ン返し等)を行う。 ○緊急時のトキのエサ場等への誘引 トキ・デコイによる誘引の有効性や効果を順化ケージ内で確認した上で、必要に応じ て野外での誘引を行う。 4.トキに対する過度な干渉の回避 初期の放鳥段階においては、モニタリングにより得られるトキの生態等のデータが、今 後のトキの野生順化訓練・放鳥技術の確立、各主体が行う生息環境整備、社会環境の整備 にとって大変重要であることに鑑み、トキに対する過度の干渉(追いかける、無秩序な給 餌等)を出来るだけ避けるよう、人・トキの共生の島づくり協議会と連携し、関係行政機 関等の協力も得て、地域住民や観光客等の理解と協力を求める。 5.放鳥計画の見直し 放鳥後のモニタリングの結果を踏まえ、定期的に専門家の意見を聞いて、必要に応じて 順化訓練、放鳥技術、モニタリング体制、放鳥計画などの見直しを行う。 また、放鳥したトキが異常死したり、ほとんどの個体が死亡した場合など緊急事態等が 発生した場合は、その都度、専門家の意見を聞いて、放鳥計画などを見直す。

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080804 トキ飼育繁殖野生復帰合同専門家会合資料 資料 4−1 H20.8.4 佐渡自然保護官事務所 トキの試験放鳥におけるモニタリング体制について(案) 1.モニタリングの役割分担 モニタリング専門チーム 専門ボランティア(トキモニター) 地域住民/NGOなど 実施主体 ・環境省(佐渡自然保護官事務所/環境 省事業請負者) ・地球環境研究総合推進費研究チーム ・新潟大学 専門ボランティア(トキモニター) ※8月4日現在、○(35+最大7名)名 登録済み ※コーディネートは環境省(佐渡自然保 護官事務所/環境省事業請負者) が実 施 地域住民/NGO ※コーディネートはトキの 野生復帰連絡協議会が実施。 収集データの 種類 ・位置情報 (ねぐら、エサ場、移動ルート等) ・採餌行動、営巣行動情報 ※定型の報告様式を利用 ・同左 (当面は補完情報収集) 目撃情報 (概略位置、個体数、行動等) ※定型の報告様式を利用 収集の方法及 び頻度 ・衛星追跡 (6台、3日に1回データ回収) ・地上からの追跡・観察 (最大2チーム、各チーム2∼3名、 原則毎日) ・当面は、必要に応じて専門チームに 同行し、地上から追跡・観察 目視・観察情報を随時報告 収集データの 分析 ・専用GIS等に集約の上、地球環境 研究総合推進費研究チームが中心と なって分析 ・同左 ・主に観察情報として集約。 データの質及び必要に応じ、 専用GISに集約の上、分析 対象とする。

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080804 トキ飼育繁殖野生復帰合同専門家会合資料 2.モニタリングにおける情報伝達、情報共有体制

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080804 トキ飼育繁殖野生復帰合同専門家会合資料 3.テレメトリー調査 テレメトリー調査では複数の方法を検討し、それぞれの方法の実効性等を考慮し、 衛星追跡(アルゴス)システムを採用することとした。今後、試験放鳥後のモニタリ ング結果を踏まえ、テレメトリー調査についても随時検討を加え、改良等を行う予定。 (1)衛星追跡(アルゴス)システム ①考え方 ・追跡精度を確保するため、GPS内蔵型とする。 ・日本海側気候の特性による冬季の信号発信の安全性確保のため、ソーラーとバッテ リーを組み合わせる。 ・メーカーを分散する。 ・トキの体重 1400g(今までの飼育個体で軽い方)とすると 3%は 42g、4%は 56g。装 着のためのハーネス等を考慮しても問題はないと考える。 ②選定機種 ノーススター ソーラー GPS アルゴス 29g 2台 マイクロウェーブ ソーラー GPS アルゴス 30g 2台 マイクロウェーブ バッテリーGPS アルゴス 40g 2台 ※10 個体のうち、行動パターンが同一とならない6個体に装着するよう検討中 ③装着試験(資料4−2参照) 5羽のトキに試験的に装着し、経過を観察中。発信機に底上げの工夫を施し、背中 に設置した個体は発電部位が裸出しているが、その他の個体は発電部位が羽に埋没し ている。 ④発信タイミング 発信機から衛星への発信タイミングは4時間毎に(6回/日)位置が特定できるよ う設定(3日に一回データを回収)。 4.個体識別の方法 足環(カラーリング、ナンバーリング)による個体識別を原則とし、双眼鏡、望 遠鏡などにより観察、記録する。また、アニマルカラーによる個体識別も検討中。 足環の装着案としては以下のとおり。 左足:関節の上(脛部分)に番号入り(2 桁)カラーリングを1個装着 右足:関節の上(脛部分)に番号入り金属足環(環境省)を 1 個装着 関節の下(跗蹠部分)に補助カラーリングを1個装着 合計 3 個の足環を装着

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080804 トキ飼育繁殖野生復帰合同専門家会合資料 1 資料4 別添 送信機の装着実験の報告 <これまでの経緯> 9 月 25 日にトキを野外へ放鳥するにあたっては、一部の個体に送信機を装着し追跡を行う。放鳥前に トキの送信機に対する生体反応を見るため、トキ保護センターのケージ内においてトキ5 羽に対し、送 信機の装着実験を行った。 <装着日時> 1回目装着: 2008/4/20 9:30∼11:30 頃 No.59♂, 背中タイプ, MicroWave 社製ダミー No.65♂, 腰タイプ, MicroWave 社製ダミー 2 回目装着: 2008/6/23 9:30∼11:30 頃 No.64♂, 背中タイプ, NorthStar 社製ダミー,本体 1cm 底上げ No.90♀, 背中タイプ, NorthStar 社製本物,本体 1cm 底上げ No.134♂, 腰タイプ, North Star 社製ダミー,本体 1cm 底上げ <観察日> 2008/6/25, 7/3,7/10,7/17,7/24 *どの日も1時間程度 <観察方法> キーパー通路およびケージ内から目視により観察 <結果> ・送信機の底上げを施した背中タイプは、底上げしていないものに比べ露出度が良かった。 しかし、その2羽のうち1羽は送信機をつつく様子が見られ、本体がほぼ埋没してしまった。 ・腰タイプ2 機および底上げしていない背中タイプ1機の計3機は、本体が埋没してしまった。ただ し、羽ばたき時や羽づくろい中に本体が露出することもあった。 本体露出状況 No. 底上 装 着 方 法 装 着 機 器 装着 日 6/25 7/3 7/10 7/17 7/24 64 1cm 背 偽 6/23 良 良 半分以上 埋没? 埋没 ほぼ埋没 90 1cm 背 本 物 6/23 良 良 ほぼ露出 ほぼ露出 ほぼ露出 134 1cm 腰 偽 .6/23 埋没 埋没 埋没 埋没 埋没 59 背 偽 4/20 埋没 未確認 未確認 埋没 埋没 65 腰 偽 4/20 未確認 埋没 埋没 埋没 埋没

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080804 トキ飼育繁殖野生復帰合同専門家会合資料 2 機器をいじる回数 No. 底上 装 着 方 法 装 着 機 器 装着 日 6/25 7/3 7/10 7/17 7/24 64 1cm 背 偽 6/23 11 5 未確認 未確認 1 90 1cm 背 本 物 6/23 0 0 0 0 0 134 1cm 腰 偽 6/23 0 7 1 0 0 59 背 偽 4/20 1 未確認 未確認 2 0 65 腰 偽 4/20 未確認 0 未確認 0 3 機器のずれ No. 底上 装 着 方 法 装 着 機 器 装着 日 6/25 7/3 7/10 7/17 7/24 64 1cm 背 偽 6/23 なし 若干左側に ずれあり 本体ほぼ埋没 し見えず。アン テナ向き良。 未確認 本体埋没し見 えず。アンテナ 向き良。 90 1cm 背 本 物 6/23 なし なし わずかに右側 にずれあり なし わずかに右側 にずれあり 134 1cm 腰 偽 6/23 未確認 なし 本体埋没し見 えず。アンテ ナ向き良。 本体埋没し見え ず。アンテナ向 き良。 本体埋没し見 えず。アンテナ 向き良。 59 背 偽 4/20 本体埋没し 見えず。ア ンテナ向き 良 本体埋没し 見えず。アン テナ向き良 未確認 本体埋没し見え ず。アンテナ向 き良。 本体埋没し見 えず。アンテナ 向き良。 65 腰 偽 4/20 本体埋没し 見えず。ア ンテナ向き 良 本体埋没し 見えず。アン テナ向き良 本体埋没し見 えず。アンテ ナ向き良。 本体埋没し見え ず。アンテナ向 き良。 本体埋没し見 えず。アンテナ 向き良。

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080804 トキ飼育繁殖野生復帰合同専門家会合資料 3 ●No.64 背中タイプ(1cm 底上げ) ●No.90 背中タイプ(1cm 底上げ) ●No.134 腰タイプ(1cm 底上げ) 2008/6/25 (装着2 日後) 2008/7/3 (装着10 日後) 2008/7/10 (装着17 日後, 本体の埋没が始まる) 2008/6/25 (装着2 日後) 2008/7/3 (装着10 日後) 2008/7/10 (装着17 日後) 2008/6/25 (装着2 日後) 2008/7/3 (装着10 日後) 2008/7/10 (装着17 日後) 2008/7/17 (装着24 日後) 2008/7/17 (装着24 日後) 2008/7/26 (装着33 日後, 本体はほぼ埋没した) 2008/7/24 (装着31 日後) 2008/7/24 (装着31 日後)

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080804 トキ飼育繁殖野生復帰合同専門家会合資料 4 ●No.59 背中タイプ ●No.65 腰タイプ 2008/6/25 (装着66 日後) 2008/7/3 (装着74 日後) 2008/7/3 (装着74 日後) 2008/7/10 (装着 81 日後) 2008/7/17 (装着88 日後) 2008/7/17 (装着88 日後) 2008/7/24 (装着95 日後) 2008/7/24 (装着95 日後) (機器本体をつまむ様子)

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