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ステロイド投与家兎における大腿骨頭内血液循環に 関する研究

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Academic year: 2022

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ステロイド投与家兎における大腿骨頭内血液循環に 関する研究

著者 西村 一志

著者別名 Nishimura, Hitoshi

雑誌名 博士学位論文要旨 論文内容の要旨および論文審査

結果の要旨/金沢大学大学院医学研究科

巻 平成5年7月

ページ 75

発行年 1993‑07‑01

URL http://hdl.handle.net/2297/15093

(2)

医博乙第1207号 平成4年12月2日 西村一志

ステロイド投与家兎における大腿骨頭内血液循環に関する研究 学位授与番号

学位授与年月日 氏名 学位論文題目

論文審査委員 主査 副査

教授 教授 教授

田崎坂

冨宮永 勝郎

逸夫 鉄夫

内容の要旨および審査の結果の要旨

ステロイドは大腿骨頭壊死症の発生に関与していると考えられているが,その機序に関しては不明であ る6本研究ではステロイド性大腿骨頭壊死症の成因を明らかにする目的で,家兎を非投与群のA群と,体 重1kg当たり4mgのメチルプレドニゾロンを週1回4週間殿筋内に投与したB群,同量を8週間投与した C群の3群に分け,大腿骨頭の骨内圧と血流量を測定した。血流量は電気分解式水素クリアランス法を用 いて定量的に測定し,ステロイドが大腿骨頭の血液循環に及ぼす影響および虚血状態に陥った大腿骨頭の 血行回復に及ぼす影響について検討した。股関節中間位での骨内圧および血流量は,A群ではそれぞれ 19.6±125mHg(平均値±標準偏差),102.9±31.1ml/min/100mlで,B群では37.8±14.2mH9,62.7±

18.3ml/min/100m1,C群では43.9±14.5mH9,43.9±16.6,1/min/100mlであり,A群とB群C群の間 にはそれぞれ有意差が認められた。即ちステロイド投与により大腿骨頭の骨内圧の上昇と血流量の減少が 生じていた。このことから,ステロイドが投与された家兎の大腿骨頭では,少なくとも初期には大腿骨頭 血液循環の流出部すなわち静脈系に障害が発生し,大腿骨頭内のうっ血による骨内圧の上昇と血流量の減 少が生じているものと考えられた。また,股関節内旋位での骨内圧と血流量は,正常家兎であるA群では それぞれ358±14.2mH9,60.3±32.5ml/min/100mlであり,股関節に加わった外力により大腿骨頭の血 液循環障害が生じていた。次いで,股関節に外力を加えて大腿骨頭を一旦虚血状態とした後に,大腿骨頭 の骨内圧と血流量を経時的に測定し,各群の血行回復能力を検討した。A群では股関節の肢位を大腿骨頭 が虚血状態になっている内旋位から中間位に戻すことにより大腿骨頭の血行は回復した。これに対し,ス テロイドの投与を行ったB群とC群では,大腿骨頭の血行は有意に回復せず,ステロイドによる大腿骨頭 の血行回復能力の低下を認めた。

以上の結果からステロイド投与は,大腿骨頭の静脈系を障害することにより血流量を減少させ,また虚 血状態からの血行回復能力をも低下させていることが判明した。すなわちステロイドは大腿骨頭壊死症が 発症しやすい状態を形成する-つの環境因子となっていると結論した。以上,本研究はステロイド性大腿 骨頭壊死症の成因を解明するうえでの重要な糸口を与えてくれた労作と考えられた。

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