<研究報告>電源立地地域における大型貨物車の高速 道路への転換に関する研究
著者 杉田 鉄平, 川本 義海, 本多 義明
雑誌名 福井大学工学部研究報告
巻 51
号 2
ページ 145‑150
発行年 2003‑09‑30
URL http://hdl.handle.net/10098/823
Mem.Fac.Eng.FukuiUniv.,Vol.51,No.2(September2003) 145
電源立地地域 にお ける大型貨物車の高速道路へ の転換 に関す る研究
杉 田 鉄 平*川 本 義 海**本 多 義 明**
Study on Conversion to the Expressway of Large-Sized Freight Cars in Power Supply Area
Teppei SUGITA*, Yoshimi KAWAMOTO** and Yoshiaki HONDA**
(Received August 20, 2003)
In this study, while extracting the factor exerted on highway use of traders, it aims at the relation between charge change and change of the use consciousness of a highway being shown paying attention to the highway charge.
First, the present condition of track shipping freight traffic, and the present condition of. Route 27 and the outline of the MAIZURU WAKASA Expressway, in south area of Fukui Prefecture, were investigated with survey and reference.
Next, the questionnaire was performed about highway use for the cargo, and the actual condition and consciousness of highway use of a large-sized freight car have been grasped. And the relation between charge change and change of the rate of conversion to a highway was shown from use consciousness.
Key Words : Conversion to the Highway, Large-Sized Freight Car,
1.は じ め に
地 方 部 には 高 速 道 路の 整備 が未 だ 進 ん で い な い 地 域 が多 数 存 在 して い る.地 域 に よ って は 幹線 道 路 が 一本 しかな く,し た が っ て その よ うな と ころ で はバ イパ スが な い ため,必 然 的 に唯 一 の幹 線道 路 が そ の 地 域 に直 接 関 係 の な い通 過 交通 を流 す 役割 を担 うこ と とな る.し か しそ の沿 道 には 歩 道 や住 宅 が存 在 し, 住 民 の 日常 生 活 空 間 とな って い る場 合 も 多 く,そ の よ うな地 域 に対 して大 型 貨 物 車 等 の通 過 交通 が 口常 的 に 多 数混 入 す る こ とは,交 通 量 の増 加 に伴 う危 険 性 や 事故 の増 加,騒 音 や 排 ガ ス に よ る大 気 汚 染 な ど
*大 学 院 工 学 研 究 科 建 築 建 設 工 学 専 攻
**建 築 建 設 工 学 科
"A
rchitectureandCivilEngineeringCourse,Graduate SchoolofEngineering
**D ept.ofArchitectureandCivilEngineering
Power Supply Location Area
の 面 か ら地 域 住 民 の 生 活 環 境 に悪 影 響 を及 ぼ し大 き な 問題 とな っ て い る.
道 路 密 度 の 低 い地 方 部 にお いて は 特 に 高 速道 路 が 整 備 され る こ と に よ って 大 型 車 交 通 が 一般 道 か ら高 速 道 路 に転 換 す る とい う こ とが 期 待 で き る.し か し 大 型 車 を扱 う運 送 業 者 の 中に は,長 距 離輸 送 に お い て も経 済 的 な 理 由 な どか ら高速 道 路 を使 わ ず に幹 線 道 路 を走 行 す る こ とが あ り,現 在 高 速 道 路 が 整 備 ざ れ て い る地 方 部 で も あ ま り高速 道 路 が利 用 され て い な い とい う現状 が あ る.し たが って 今 後 整 備 され る 高 速道 路 に お い て は,ど の程 度 の 大 型 車 が 転 換 す る か を 予 測 す る こ とも重 要 で あ る ・ と りわ け,本 研 究 の対 象地 域 で あ る原 子 力 発 電 所 が 集 中す る福 井 県 嶺 南 地 域 では(図1),大 規 模 災害 時 の 緊 急 輸 送 路 の 確 保 とい う視 点 か らも その 必 要性 は 極 め て 高 い.・
そ こ で本 研 究 で は,舞 鶴 若 狭 自動 車 道 を ケー ス ス タ デ ィー に取 り上 げ,現 在 対 象 地 域 の 道 路 を利 用 し て い る と思 われ る運 送 業 者 を対 象 に大 型 貨 物 車 の 高 速 道 路 利 用 の実 態 と意 識 を捉 え,高 速 道 路利 用 に及
146
ぼ す 要 因 の 抽 出 を行 うと と もに,高 速 道 路 が利 用 さ れ な い 大 きな 要 因 と して 考 え られ る料 金 につ い て,
運 送 業 者 の 意 識 か ら見 た 料 金 と舞 鶴若 狭 自動 車 道 へ の 転 換 率 の 関 係 よ り,高 速 道 路 の 料金 と予想 され る 利 用 度 の関 係 を導 出 す る こ とを 目的 とす る.
・…'高 速 道 路(予 定)
0国 道
望一 冑一IC接 続 道 路
▲ 原子 力発電所
高浜 大飯
至舞鶴
舞 鶴 彙 瞬 灘 甜 禰
美浜 敦 賀
至福 井
巳是臓!6
誰 、諮湊c
〜 ・' 至 関 ヶ原
至大津
図1福 井 県嶺 南 地域 の 電源 立 地 と 道 路 ネ ッ トワー ク
2.ト ラ ッ ク 貨 物 輸 送 の 現 状
日本 の トラ ック貨 物 輸 送 にお い て は,環 境 ・安 全 対 策 に 伴 うコス トア ップが 事 業 経 営 に大 き な影 響 を与 えて い る.ト ラ ック運 送 事 業 に 欠 か せ な いデ ィー ゼ ル 車 は,自 動 車 排 出 ガ ス に起 因 す るNOxの8割,PM
(粒子 状物 質)の ほ とん どす べ て を 占 め てお り;こ の 対 策 と してDPF(デ ィーゼ ル 微 粒 子 除去 装 置)の 装着 が進 め られ て い る.ま た,大 型 貨 物 自動 車 の高 速道 路 にお け る速 度 超 過 に よ る事 故 の防 止 を 図 るた め,平 成15年9月 か ら大 型 貨 物 自動 車 に速 度 を時 速 90kmま で に抑 制 す る装 置(ス ピー ドリ ミ ッター) の 装 着 の義 務 づ け が 予定 され て い る.
そ の よ うな 中,日 本 の高 速 道 路 は先 進 諸 外 国 と比 べ て 道 路料 金 の負 担 の大 き さが 顕 著 で,高 速 道 路料 金 の 負 担 もま た トラ ック運 送 事 業 の経 営 上大 き な コ
ス ト負 担 と な っ て お り,こ の こ と が トラ ッ ク の 高 速 道 路 利 用 の 障 害 と な っ て い る.
3.対 象 地域 の道 路 の概 要
3.1国 道27号
福 井 県嶺 南地 域 は現 在,地 域 の 幹線 道 路 と して 国 道27号 が 唯 一存 在 す る のみ で,あ とに述 べ る舞 鶴 若 狭 自動 車道 が整 備 事 業 中 で あ るが,い ま だ高 速 道 路 が未 整 備 の地 域 で あ る。
国道27号 は敦 賀 市 岡 山町 か ら西 に延 び,福 井 県嶺 南 地 域 を横 断 す る一 般 国 道 で あ る.こ の道 路 は地 域 住 民 の 生 活 道 路 と して 利 用 され て い る反 面,日 常 的 に通 過 交 通 と見 られ る他 県 か らの大 型 貨 物 車 が 多 く 走 行 して い る.特 に,平 成7年 の 阪神 大 震 災 以 降, 名 神 高 速 が 分 断 され た 経 緯 か ら,迂 回 して 国 道27 号 を 走行 す る大 型 トラ ッ クが 急増 した.そ こで現 在 の大 型 車 混 入 状 況 を把 握 す るた め に 交通 調 査 を行 っ た.
この調 査 よ り,国 道27号 の道 路 交 通 セ ンサ ス のデ ー タ とは調 査 時 間 は異 な る もの の 大 き な差 異 は な く, 大 型 車 混 入 率 は 平 日の昼 で30%強 とい う高 い割 合 で あ る こ とが わ か った(表2).
また 大 型 車 の登 録 地 域 の属 性 を 見 る と,大 型 車 全 体 の4分 の1が 福 井 ナ ンバ ーで あ り,残 りの ほ とん どは 県 外 か らの 緑 ナ ンバ ー の大 型 貨 物 車 で あ った.
白ナ ンバ ー の 自家 用 トラ ックは 福 井 県 周 辺 の 府 県 か ら見 られ た が,ま れ に福 井 県 か ら遠 く離 れ た 地 域 か らの 自家 用 トラ ック も見 られ た.
県 外 か らは特 に 近 畿,九 州,中 国地 方 とい った よ うな 地 域 か らの 大 型貨 物 車 が数 多 く確 認 され た(図 3).
表2国 道27号 の 大 型 車 混 入 率(調 査 日:平成14年ll月13日 調 査 地:福井 県小 浜 市 付 近)
言測 澗 方向 ナンバー色
小計 方向別小計 緑ナンバー小計 白ナンバー小 計 大型車交通量合計
方向別総交通量 総交通量 向別大型車混入,
大型車混入率
0:45N11:1 至舞鶴
59 19一
78
1:2511:5 至福井
5
67 21一
88
126
166 2511284
535 31.1%131.0%
31.0%
至舞鶴 77 12脚89
至福井 2364 87 141 35 176 2641269
533 33.7%132.3%
33.0
3:15〜13:4
至舞鶴
緑 72 15騨87
至福井
3:55^・14:2
至舞鶴 至福井
61
76
21
57
6
36 387896 241531 12
156 2591229
488 33.6%130.1%
32.0%
82
170 2471270
517 352%130.7%
32.9%
4:5515:2 至舞鶴
63
13脚76
5:3016:0 至福井
畢
至舞鶴
41
76
51
98 ー8401
152 zs 180 2841312
596 26.8133.3
30.2
至福井
讐
160
書3
191 2611310
571 31.0%i35.5%
33.5%
6:0516:3 至舞鶴
62 19噛81
至福井
讐
15513
186 2741324
598 29.6%132.4%
31:1
調査地点
の
β
vQ6
警 ゜
。0
(単位:台)
100A一
50^‑99 30^‑49 20^‑29 10‑x19
福井県 福岡県 兵庫県 京都府 広島県 愛知県 長崎県 滋賀県 石 川 県 大阪府
184 120 79 67 58 36 36 34 34 34
山 口県 岡 山 県 佐 賀県 岐阜県 富山県 熊本県 島根県 福島県 鳥取県 新潟県
34 32 31 27 23 23 15 12 10 9
図2国 道27号 で観 測 され た都 道 府 県 別 の 緑 ナ ンバ ー 大 型貨 物 車 数
(表1の 調 査 時 間帯 に よ る)
3.2舞 鶴 若 狭 自動 車道
舞鶴 若 狭 自動 車道(近 畿 自動 車道 敦 賀 線)は,吹 田市 を基 点 と して,中 国 自動 車 道 の吉 川 ジ ャ ン ク シ ョン か ら分 岐 し,京 都府 福 知 山 市 ・舞 鶴 市,福 井 県 小 浜 市 を経 て 敦 賀 市 の 北 陸 自動 車 道 にい た る延 長約 162km(中 国 自動 車 道 の重 複 区 間 を除 く)の 高 速 道 路 で あ る.
舞 鶴若 狭 自動 車 道 の 料 金 にっ い て で あ る が,現 在 高 速 道 路 は 原 則 と して 通 常1㎞ あ た り何 円 とい っ た よ うに 走行 距 離 に比 例 した料 金 設 定(対 距 離 料 金 制)と な っ てお り,車 種 に よっ て も料 金 が 異 なっ て い る(表2).こ の料 金 計 算 基 準 を用 い る と,舞 鶴 東ICか ら敦 賀JCTの 区 間 に お い て 大 型 車 は 約 3,350円 程 度 の利 用 料 金 で あ る と推 測 され る.
また 舞鶴 若 狭 自動 車 道 の 時 間短 縮 効 果 にっ い て は, 舞鶴 東ICか ら敦 賀JCTの 区間 に お い て近 畿 自動 車 道 敦賀 線 を利 用 した場 合 の所 要 時 間は56分,国 道 27号 を利 用 した場 合 は104分 とな り(国 道27号 は 道 路 時 刻 表 よ り敦 賀 市 起 点 〜舞 鶴 市 問 を抽 出,ま た
舞鶴 若 狭 自動 車道 は80㎞ ノhの設 計 速 度 よ り算 出), 近 畿 自動 車道 敦 賀 線 を利 用 す る こ とで約50分,時 間 短縮 す る こ とがで き る と考 え られ る.
表2高 速 道 路 料 金 の算 出基 準 田
驚種 軽自動潔
難鐡 蓑 索型禦 鍍型糞 鵜醸 禦
(対距 離 料 金+タ ー ミナ ル チ ャー ジ)
×消 費 税 率
(19.68円/km十150円)x1.05 (24.60円/km十150円)x1.05
(29.52円/km十150円 〉 ×1.05 (40.59円/km十150円)x1.05
(67.65円/km十150円)x1.05
・上式 で算 出 され た もの を24捨25入 に よ り端 数 処 理
4.意 識 調 査 の 目的 と方 法
高 速 道 路 利 用 にっ い て の 実 態 と意 識 を把 握 す る 目 的 で,大 型 貨物 車 が現 在 国道27号 を利 用 して い る と' 思 わ れ る運 送 業者 を対 象 に ア ンケ ー ト調 査 を行 うこ と と した.
な お ア ンケ ー トは舞 鶴 若 狭 自動 車 道 の 利 用 に 関 し て 質 問す る形 で あ り,現 在 国 道27号 を走 行 して い る 大 型貨 物 車 を保 有 す る運 送 事 業者 に 対 して 調 査 を 行 う必 要 が あ った.そ こで 先 に お こな っ た 国 道27号 に お け る大 型 車 交 通 調 査 の なか で 多 く観 測 され た都 道 府 県 の トラ ック協 会 に 協 力 を依 頼 し,福 井 県 に対 し て 運 送 の 出入 りが あ る運 送 事 業 者 を抽 出 して い た だ い た.そ の 抽 出 され た運 送 事 業者 に 対 して ア ン ケー ト調 査 表 を 郵 送 し,返 信 して い た だ く こ とで 回収 を 行 っ た.
そ の結 果,福 井 県 を含 む15都 道 府 県 の 運 送 業者 348社 に 対 して ア ンケ ー ト調 査 票 を郵 送,84票 を 回 収 し,回 収 率 は24.1%で あ っ た.
5.高 速 道 路利 用 の 実態 と意識
5.1高 速 道 路利 用 の実 態
大 型 貨物 車 の 高速 道 路 利 用 の 実 態 を 把 握 す るた め に,ま ず 現 状 の 一般 幹 線 道 路 に お け る大 型 貨 物 車 の 通 過 交通 を把 握 す る必 要 が あ る.
現 在,長 距 離 で あ っ て も高 速 道 路 を 利 用せ ず に 一 般 道 のみ を走 行す る大型 車 の 有 無 を運 送 事 業者 に 対
して 調 査 した と ころ,「 あ る」 とい う事 業者 が54%
を 占 めた(図3).回 収 され た ア ンケ ー トの な か で, 現 在 国 道27号 を経 由す る 大型 貨 物 車 を保 有 して い る事 業者 は41%で あ り,残 りの55%は 現 在 国道27 号 を 経 由す る運 送 は行 っ てお らず,直 接 的 な舞 鶴 若
148
狭 自動 車道 へ の転 換 は 考 え られ な い と思 われ る.
ま た 国 道27号 を経 由 して い る 事 業者 の な か で も 嶺 南 地 域 内 に 運 送 の 目的 地 を持 っ て い る事 業者 は 34%で あ っ た.こ れ 以 外 の事 業 者 は嶺 南地 域 に対 し て通 過 交 通 で あ る こ とが 分 か る.
さ ら に,車 両 数 で 見 る と国道27号 を 走行 して い る 大 型 貨 物 車 通 過 交 通 の74%が 通 過 交 通 で あ る こ と が分 か る(図4).
こ の 場 合 の 料 金 と 時 間 短 縮 に つ い て 評 価 し た と こ ろ,料 金 に つ い て は 「非 常 に 高 い 」,「 や や 高 い 」 と い う,高 い と感 じ た 事 業 者 が78%を 占 め た.時 間 短 縮 に つ い て は 「大 き い 」 「普 通 」 「小 さ い 」 と い う評 価 に ば ら つ き が 見 られ,輸 送 距 離 に よ っ て 様 々 で あ る と い う こ と が うか が え る(図6)(図7).
無 回答 やや 安 い5
し4な4 79障答回3無 通3普1
非常 に 高 い 28
oxloxaoxsoxaoxioox
図3長 距離 で あ っ て も 一般 道 の み を走 行 す る 大 型 貨 物 車 の 有 無
や や 高 し 30
図6舞 鶴 若 狭 自動 車 道 の料 金 評 価
嶺南 地域を目的地と していない大型車
嶺南 地域を目的地と している大型車
102 N=390
20% 40% so% 80% ioox
無 回 答 非常 に 小さい5
4
や や4、さし、
15 ox
図4嶺 南 地域 に 対す る通 過 交通 の割 合 高 速 道 路 の利 用理 由 と して は,「 運搬 物 を 出 来 る だ け早 く運 ば な くて は な らな い か ら」 と 「運送 距 離 が 長 い か ら」 が 大 き く 占め て い る.こ の こ と よ り大 型 貨 物 輸 送 にお い て は,ど うして も高速 道 路 を使 わ な けれ ば な らな い よ うな,必 然 的 な場 合 に 高速 道 路
を利 用 して い る とい うこ とが 確 認 で き る(図5).
運搬物 を出来るだけ早 く運ばなくてはな らないか ら
運 送距離 が長 いから 一般 道よりも荷痛 みが 少ないから 安全 性が 一般道 よりも富 いから 遵路の快 適性 がよいから その他
通1普3
0102030405060
19%
5%
非 常 に大 きい 15
40%
や や大 きい 11%9
図7舞 鶴 若 狭 自動 車 道 の時 間短 縮 評 価
舞 鶴 若 狭 自動 車 道 を利 用 す るか ど うか につ い て は, 現 在 国 道27号 を 経 由 して お り主 に他 の高 速 道 路 を 利 用 して 運 送 を行 っ て い る貨物 車 の場 合 で も,舞 鶴 若 狭 自動 車 道 の利 用 を考 え る もの は半 数 しか お らず,
また 主 に一 般 道 を走 行 し国 道27号 を経 由 して いな い貨 物 車 の 場 合 に お いて は,利 用 を考 え る とい う回 答 は20%に 満 た な か っ た(図8).
図5高 速 道路 の利 用 理 由
5.2高 速 道 路 利 用 に つ い て の 意 識
舞 鶴 若 狭 自 動 車 道 に つ い て,舞 鶴 東ICか ら敦 賀 JCTの 区 間 に お い て は,大 型 車 の 利 用 料 金 が 現 行 の 料 金 水 準 で3,350円 と算 出 され,道 路 の 設 計 速 度 か ら は 国 道27号 を 利 用 す る 場 合 よ り も50分 時 間 短 縮 され る と推 測 され る.
1主 に高 速 道 路 を利 用1 27号を経 由している 27号 を経 由していない i主 に一 般 道 を利 用1
27号 を経 由している 27号 を経 由していな い
N=24
N=26
N=29
N=33
o%20%ao%so%ao%ioa%
h.L利 用を考 える 日 特 に利用 す る見 込み は ない
図8舞 鶴 若 狭 自動 車 道 の利 用意 向
この よ うに舞 鶴若 狭 自動 車道 を利 用 す る意識 が 低 い 理 由は,国 道27号 を経 由 して い な い 事 業者 に つ い て は,も と も と福 井 県嶺 南 地域 を通過 して い な い か ら とい う理 由が ほ とん どで あ るの は 明 らか で あ る が, そ れ に対 して 国 道27号 を経 由 して い る事 業者 は料 金 が 高 い か ら とい う回答 が 多 くを 占め て い る.
先 述 した とお り,舞 鶴東ICか ら敦 賀JCTの 区 間 料 金 は3,350円 と推測 され るが,運 送 事 業者 が舞 鶴 若 狭 自動 車 道 の 日常 的 な利 用 を考 える料 金 は 平均 で 約1,400円 で あ っ た.
割 引 が あ る とよい 状 況 にっ い て は,運 送 事 業 者 が 望 む の は 特 に夜 間や 高 速 道 路 が混 雑 してい る ときで あ る こ とが 分 か る(表3).夜 間 につ いて は,荷 物 の搬入 先 が 業 務 開 始前 に納 品 しな くて は な らない た めに,高 速 道 路 の 利用 が 不 可欠 で あ る とい う運 送 事 業者 の 事情 が ひ とつ の 要 因 と して考 え られ る.高 速 道 路 が 混雑 して い る場 合 の割 引 につ い て は,次 回 高 速 道 路 を利 用 す る とき に割 引 され る と よい とい う意 見 もみ られ た.
表3最 も料金 割 引 を望 む状 況 夜間
高 速 道 路 が 混 雑 して いるとき 平 日
一 般 道 が混 雑 しているとき 災害などの緊急時 昼
タ方 朝 休 日 その 他
無 回 答,複 数 回答
計
27 13 6 6 3 z z 1 1 z 16 79
6.舞 鶴 若 狭 自動 車 道 へ の転 換 率
これ ま で に示 した よ うに現在 の料 金 水 準 で 算 出 し た 舞鶴 東ICか ら敦 賀JCTの 区 間 で,大 型 車3,350 円 とい う料 金 で は舞 鶴若 狭 自動 車 道 は 利 用 しな い と い う回答 が 多 く見 られ た.し か しも しこの料 金 が安
くな る ことが あれ ば,そ れ ま で利 用 しな か っ た事 業 者 も利 用 す る よ うに な る こ とが 予 想 され る.図9は ア ン ケー トの 中で 現在 国道27号 を経 由 して い る事 業 者 にっ い て,こ の料 金 な ら舞鶴 若 狭 自動 車 道 を利 用 す る とい う回答 の分 布 で あ る、 これ よ り,料 金 が 安 くな るに つれ て 舞 鶴若 狭 自動 車道 の 利 用 度 が 増加 して い く こ と,つ ま り図10の よ うに国 道27号 か ら 舞鶴 若 狭 自動 車 道 へ の 転 換 率 が増 加 す る こ とが わ か る.一 般 国 道 か ら高 速道 路 へ の大 型 車 転 換 を 図 るた
め に は,こ の よ うに感 度 分 析 を行 い,料 金 を うま く 設 定す る こ とが 重 要 とな る こ とが 伺 え る.
雪5
10
5
11
33
5 4
2 0
0
鷺 鴫δゲ 〃
4
図9国 道27号 を経 由 す る運 送 事 業者 が
舞 鶴 若 狭 自動 車道 を利 用 す る と考 え る料 金 (舞鶴 東IC〜 敦 賀JCTの 区 間)
転 換 率 1
o.s
0.6
0.4
0.2
0 3350300025002000150010005000
(円) 舞 鶴 東
IC〜 敦 賀JCT間 の 料 金
図10国 道27号 か ら舞 鶴 若 狭 自動 車道 へ の転 換 率
高 速 道 路 へ の転 換 には 料 金 は もち ろん 輸 送 距 離 も 大 き く作 用 して い る と考 え られ る.そ こで以 下 では, 国 道27号 か ら舞鶴 若 狭 自動 車 道 へ の 転 換 率 の 中で も,中 国 地 方 〜 北 陸 地 方 間 の輸 送 を行 って い る事 業 者 と,関 西 地 方 〜 北 陸 地 方 間 の輸 送 を 行 って い る事
業者 の場 合 を考 え る(図11).
6
く 〆〜v
図11中 国 〜 北 陸 間,関 西 〜 北 陸 間 輸 送
1
150
それ ぞれ の 場合 に お い て ア ンケ ー トの 回答 よ り転 換 率 を グラ フ に表 す と,中 国 〜 北 陸 間 の 輸送 を して い る事 業 者 の ほ うが,関 西 〜 北 陸 間 の 輸 送 を して い る事 業 者 よ りも,国 道27号 か ら舞鶴 若 狭 自動 車 道 に 転 換 す る意識 が あ る こ とが 分 か る(図12).よ って 運 送 距 離 が長 い場 合 に,よ り舞 鶴 若 狭 自動 車 道 へ の.
転 換 率 が 高 くな る こ とが 予 想 され る.特 に中 国 〜 北 陸 問 に つ い て は1,000円 程 度 で す べ て の 大 型 車 が 高 速 道 路 に転換 す るで あ ろ うこ とが うか が え る.
ア ンケー ト回 答全 一 一 ・ ・中国 ・北 陸 間 輸 送 一 一 関 西 ・北陸 闇 輸 送
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謝辞
本 研 究 を 進 め る に あ た り,近 畿 ・中 国 ・九 州 の ト ラ ッ ク 協 会 な らび に 運 送 業 者 の 方 々 に は,ア ン ケ ー
ト等 で 多 大 な ご協 力 を 頂 き ま した.こ こ に 記 して 感 謝 しま す.
参考文献
̲̲̲̲ノ
0 300025002000150010005000
ヨヨ
(円)舞 鶴 東1C〜 敦 賀JCT間 の 料 金
[IJ全 国 高 速 道 路 建 設 協 議 会:高 速 道 路 便 覧2001年 版,全 国 高 速 道 路 建 設 協 議 会,202(2001).
【2]道 路 時 刻 表 研 究 会:道 路 時 刻 表2000‑2001,道 路 整 備 促 進 期 成 同 盟 会 全 国 協 議 会
【31清 水 草 一:こ の 高 速 は い ら な い.一 高 速 道 路 構 造 改 革 私 案,三 推 社,(2002).
【4】竹 内 伝 史,本 多 義 明,青 島 縮 次 郎,磯 部 友 彦:
交 通 工 学,鹿 島 出 版 会,(2000).
図12中 国〜 北 陸 間 の輸 送 と
関 西 〜 北 陸 問 の輸 送 の場 合 の転 換 率
7.ま と め
本研 究 で は,運 送 業 者 を対 象 に 大型 貨 物 車 の 高 速 道 路利 用 の 実 態 と意識 を捉 え,高 速 道 路 が利 用 され な い 要 因 と して 考 え られ る料 金 に つ い て,利 用者 の 意 識 か ら見 た 料 傘 と舞 鶴 若 狭 自動 車道 へ の転 換 率 の 関係 を示 した.以 下 に,こ れ らの 結 果 を ま と め る.
トラ ック運 送 業者 の高 速 道 路利 用 に及 ぼ す 要 因 の 抽 出 か ら,高 速 道 路料 金 は 非 常 に高 く感 じ られ て い る こ と,ま た 時 間 の都 合 上,一 般 道 を 走 行 す るの で は 間 に合 わ な い とい うよ うな 必 然 的 な 場 合 で な けれ ば高 速 道 路 は利 用 され に くい.
料 金 変 化 に よ る高 速 道 路 へ の 転 換 の 関 係 につ いて, 大型 貨物 車 に お け る高 速 道 路 へ の転 換 と料 金 の 関係 を 示 し,こ れ よ り輸 送 距 離 や 利 用 時 間 帯 に よ っ て高 速 道 路 の利 用 度 が異 な る こ とが分 か っ た.
以 上 の こ とか ら,大 型 貨 物 車 を高 速道 路 へ 転換 さ せ るた めに は,輸 送 距 離 や 利 用 時 間 帯 な どに応 じて 高 速 道 路 料 金 を弾 力 的 に変 化 させ る よ うな施 策 が 重 要 だ と い え る.