平成17年度鳴門教育大学修士・卒業論文発表会(技術)
ネットワークを活用した教師の自己研修と協働の支援
デジタルコンテンツの作成を中心に
教 科 ・ 領 域 教 育 専 攻 生活・健康系コース(技術) 中 原 隆 彰
1 問題の背景と概要
現在,教育を取り巻く環境は日に日に厳しさ を増してきでいる。子どもたちの発造品程にお いて様々な問題が生じ 学校教育にも課題が山 積している。
いじめや不登校の問題をはじめとする現在の 学校を取り巻く問題の複雑さ・困難さの中では,
学校と家庭や地均支社会との協力,専門家との連 携・協働がいっそう重要なものとなっている。
2 研究の目的
研究の目的は,以下の3点である。
①教師の協働性を高める校内研修にするため に,ワークショップを取り入れた研修について 研究を行う。
②教師の協働性を高めるための自己研修教材 (デ、ジタルコンテンツ)の開発を行う。
③ネットワークを活用した耕市の自己研修と 協働を支援するシステムの要求仕様を提案するD
3 研究の方法
教員研修の位置づ、けや研修の種類等にっし、て 調査・分類し,自己研修と校内研修との関係を 明らかにする。そして,耕市の協働性を高める ワークショップ型朝彦に参加し,企画し,実践 を行う。また,実際に参加したワークショッフ。
型明彦をデ、ジタルコンテンツ化し,親市の自己 研修に活用することで協働の支援に役立てる。
さらに,教員明彦センターや,教育用デジタ
指導教員 吉 田 肇
ルコンテンツをうまく活用している Webペー ジについて調査し,その結果をもとに,ネット ワークを活用した教師の自己明彦と協働を支援 するシステムの要求仕様を提案する。
4 自己研修と協働性を高める校内 石 刑 彦
1997年の教育職員養成審議会答申「新たな時 代に向けた教員養成の改善方策について J (第 1次答申)では,子どもたちの発道畠程におい て様々な問題が生じ 学校教育にも課題が山積 している状況から 1987年に引き続き「教師に 求められる資質能力」について論じられ,親市 としての資質能力は生まれ持った資質能力で、
はなく,後天的に備えられるものであり,生涯 にわたって資質能力の向上を図るべきで、あり,
個性豊かな教師が連携・協働し,さらに,家庭 やi也域社会と協力し,専門機関等と連携・協働 することで,学校の教育力を高めることができ ると提言している。また, 2005年 10月に中央 教育審議会から出された答申「新しし市新
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の義 務教育を創造する」でも, iあるべき教師像Jとして,
(1)教職に対する強しv情熱
(2)教育の専門家としての確かな力量 (3)総合的な人間力
の3つの要素が重要と示されている。職場の同 僚同士のチームワークを童拐し全員のレベル を向上させる視点と 個々の朝市の能力を新面
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平成17年度鳴門教育大学修士・卒業論文発表会(技術)
し,向上を図っていく視点の両方を適切に組み は,他校に訪問した教師が「これはjと思った 合わせることが重要である。 ものを写真撮影し,それを自校の学習環境に活
かせなし、かを全員で考える。
5 ワークショッフ。型研修とデ、ジタ ルコンテンツ作成の具体例
これからの学校教育においては,近年ニーズ の高い課題を解決するためにも,高い専門性を 有した教師が系H織的に協働することが求められ ている。「親市の自己研修と協働の支援」とし、う 本研究の主題自を実現する一つの有力な方策と してワークショッフ。型明彦Jを取り上げる。
5 . 1 特別な支援を要する子ども理解ワ ークショッフ。
「特別な支援を要する子ども瑚卒Jワークシ ョッフ。で、は,ひとりの子どもに焦点を当て,全 教職員の目で見た子どもの姿を出し合い,子ど もを深く理解しようとした。また,本ワークシ ョッフ。を疑似体験で、きるようなデ、ジタノレコンテ ンツを作成し,
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子どもを複数の目で見る」校内 体制が大事であることを伝えようとした。ワー クショップ型校内側彦のよさや具体的なイメー ジを持ってもらえなし1かとも考えた。また,デ ジタルコンテンツ (DVD)を作成するに当たっ ての工夫や注意点等についても触れている。5 . 2 自校の学習環境再構築ワークショ ツ フ 。
学習環境といっても人的な学習環境もあれば 物的な学習環境もある。今回は物的な学習環境 に焦点を当てる。
教師は他校へ訪問する機会が多い。他校での 研究授業等で,教室の壁面掲示や特別教室,ち ょっとした工夫等に触れるが,その学びを同僚 に広めるワークショップを考案した口
「自校の学習環境再構成ワークショップJで
本ワークショッブロは,デジタルカメラで撮影 した写真があれば気軽にでき, これを系断亮する ことで協働性の高まりを期待できる。また,学 習環境整備を通して,実際に協働↑生が高まった K 小学校の事例も紹介する。
6 ネットワークで教師の自己研修 と協働を支援する
ここでは教員制修センターのWebページや,
「徳島県中学校教育研究会技術・菊窪科部会j
が作成した生徒用 Webページを参考に,ネッ トワークを活用した教師の自己研修と協働を支 援するシステムの要求仕様を考えた。
7 研究のまとめと課題
特別支援教育ワークショップで、は,ワークシ ョッフ。型の事例検討会に参加しピデオ撮影を 行ったD そして,特別支援教育ワークショップ に参加しなかった人たちが,研修の疑似体験を することができる自己研修用デ、ジタルコンテン ツを開発した。また,学習環境再稽築ワークシ ョッフ。で、は,特別教室の学習環境開蕎築をする ことで,教師の協働性が高まったとしづ徳島県 のK小学校の事例を挙げ,実際に学習環境開蕎 成ワークショップを企画・実施した。
最後に,ネットワークを活用した教師の自己 研修と協働を支援するシステムの要求仕様につ いて考えた。
今後は,デジタルコンテンツの改良や新たな コンテンツ開発を行いつつ,これらのデジタル コンテンツを持ち寄り,教員同士がネットワー ク上で学び合いができるようなシステムを実際 にデザイン・開発したい。
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