支援シートを活用した特別支援教育支援員への効果的サポートについて～通級指導担当者の立場から～

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(1)支援シートを活用した特別支援教育支援員への効果的サポートについて ∼通級指導担当者の立場から∼ キーワード：特別支援教育支援員通級指導担当者支援シート 0JT. M08115A大内典子. I 問題と目的. 援員の書き込んだものに対し、フィードバック. 通常学級における特別支援教育については、平. をするという方法で特別支援教育支援員にOJT. 成18年の学校教育法改正以後、多くの研究がなさ. を行う。これによって特別支援教育支援員の気. れて・きた。また、近年は通常学級に在籍する特別. づきの高まりが児童へのかかわり方に変化を及. な配慮を要する児童生徒を支援する『特別支援教. ぼすのか、さらにOJTで特別支援教育支援員に. 育支援員』についての研究も多く、特別支援教育. 専門一性が獲得されたかを検討する。. 支援員の活用方法について注目が集まっている。. I 方法. 様々な先行研究から、学校が特別教育支援員を. （1）対象. 効果的に活用し、児童生徒に充実した支援を行う. 大学生A 3回生女性. ためには、打ち合わせなどの「連携」と、児童理. ・支援活動は初めてのスクールサポータ. 解を含めた発達障害についての知識などr専門1性」. 大学生B 4回生女性. が、必要不可欠であることが明らかになっている。. ・前年度もスクールサポーターとして対象校. 現在、特別支援教育支援員への研修は、法的に. での支援を行っていた。. 義務化されておらず、都道府県や市町村教育委員. ・来年度より教員。. 会の裁量で行われているのが現状であり、専門的. 対象学級. 知識を持たない支援員が学校で支援を行うことは. 2年X組担任：男性講師経験2年. 少なくない。研修の機会を持てない特別支援教育. ・軽度知的障害女児 1名. 支援員のために、発達障害にについての知識・指. ・高機能自閉症傾向男児 1名. 導技能をもつ通級指導担当者が0n the Job. ・特別支援学級（知的）在籍男児 1名. 冊aining（0JT）を行うことが期待できる。. （国語・算数以外）. また、r連携」に関しても、支援員の立場が学生・. 3年Y組担任：女性教職経験20年. 社会人、教員資格保持の有無に関わらず、担任と. ・不注意優勢型ADHD傾向男児 1名. 支援者が相談したり共通理解する時間が取れない. （2）実施期間. という共通課題がある（文部科学省，2007 吉池，. 大学生A：200X年6月∼7月，10月∼11月. 2008）。コストをかけずに担任と特別支援教育支. 大学生B：200X年9月∼11月. 援員が連携をはかるために、支援シートが活用さ. （3）介入方法. れることが多くある。支援者は、支援シートを連. 支援シートの改善、支援シートヘのコメン. 携のツールとして学校・担任とつながることによ. ト記入. り、孤立感も少なくなり、支援の悩みを一人で抱. 皿研究の概要. え込まず担任らと共有できるという利点がある。. （1）支援シートについて. そこで、本研究では、ツールとして支援シート. 対象校にも支援シートがあったが、感想が多か. を活用し、通級指導担当者などが特別支援教育支. ったり、支援内容が未記入であったりと、自己の. 一228一.

(2) 支援内容を振り返る支援シートにはなっていなか. 記録が残せる、特性からくる特徴的な行動が分. った。そこで、研究先行をもとに児童の行動・結. かるという長所がインタビューから明らかにな. 果に焦点をあて観察を行うという支援シートヘと. った。. 改善を行った。支援シートは、子どもの様子に対. （2）0JTによる支援員の気づきと児童への関わ. する具体的な手立てを記入し、その手立てに児童. り方の変化. がどのように反応したかを記入するものとした。. 支援当初、不安や困惑を訴える支援員に、. 支援のあとには、支援内容や児童の様子等につい. 支援内容を「褒める」というフィードバック. て気付いたことを記述し、自身の支援を振りかえ. を行った結果、具体的な質問へと気づきの記. ることができるような書式とした。. 述が変化し、関わりも自分なりの方法で子どもに寄り添ったものに変化した。. 宰月口｛】籠間日一時間8. 午・臼 o｝日日. 児資囎・内審. 子ども。響子. 具俸的右手立て. 気づき. 1できごと・反醐. 伎円内審〕. 園。た＝と. 便固の記録の調合. （3）0JTによる専門性の向上アドバイス内容が支援内容に反映されたり、. ・二ω詰問⑦支振を. 1年1目. 2｝間目. 日量吉ノーH＝写L蒔■証. ＾さん. 鼻敷. 損，胃鵬螂かす立幼批. 10主でO数. ｛た．. そ岨1二行音、rがんばイやる棚」と. 服州性．. 録えて．最づいた二と. 継続的に児童の特性を説明していくことで、児. き書いてく姓い．どラしたらいい。かな. 童の特性についてすぐには理解できない支援者. ど．田。た二と蛇ん聞＝えていもIいか刎｛1＝、蛛. r日麗書旧さます」ヒ邑う．庇．戸吉. 逮測所へ行1た．. か1柁．. どん’軌、て㍑きい. でも他者が行った支援を見て、児童の特性に応. 包. じた支援方法がどんなものかを自身の言葉で簡. ・ご自分か行，た重量で、記量｝どωよ肋反. 舵しセ以子ど柵植子・峨・標影どれくらいで挫か，を中心1＝書. い†1＝産イ円雌舳帖■. 伺書サるかを＾倖伽：. た。繰露の半分音サる：ヒがで. 指示するヒ項層Lて｛. 批。. 柵よ竹L止、. 潔に記述することができるなど、専門性の深さや身に付くスピードは支援者で異なるが、専門. い1＝く娃い．. 性は向上した。. Fig．1支援シート記入例. V 考察支援員が記録した支援シートが学校保管の個. （2）記録の範囲の限定. 学校が必要とする情報を得て、対象児に対し継. 人ファイルに保存されたことを考えると、支援. 続した支援をするために、通級指導対象児に対す. シートの記録は学校教育の中で役立つものであ. るr個別記録」と通級指導対象児以外に特に支援. り、支援員の役割の一つとなりえたと言えるの. を必要とした児童について記録する「クラス記録」. ではないかと考える。. という記録の範囲の限定を行った。. 学校側が支援者の支援内容を褒めるという肯定的フィードバックを行うことによって、支援. （3）支援シートの流れ. 支援員が記入した支援シートは特別支援教育コ. 内容に差はあるかもしれないが、どちらも木村. ーディネーターに提出される。特別支援教育コー. （2008）がいうようにパフォーマンスを高めた. ディネーターから担任・通級指導担当者・院生へ. と言えるのではないだろうか。また、OJTを行. 回覧してもらった。そのなかで、それぞれが必要. う学校側は、支援者の児童に対する感受性を伸. に応じてコメントを記入することで、支援員との. ばし、支援者自身が児童の立場にたって行動を. 連携をはかった。. 予測・推測する力を引き出し、のばすトレーニ. シグを行うことも、学校で支援員をOJTする際の一つのポイントとなるであろう。. IV結果（1）支援シートについて. 効果的な支援方法が精選できる、児童の個別. 一229一. 主任指導教員宇野宏幸.

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