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標本調査法について(開學記念)

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Academic year: 2021

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標本調査法について 八四

標本調査法について

、 ρ

.場

は  し  が き  絡職後、わが國の続計界において、最も著るしい攣革は、いわゆる﹁科盤景﹂標本調査法が、全面的に輸入され、實施 されて來たことであろう。わが國の統計調査は、いままで奈部調査を主として黒蝿。しかるに維費の進呈と、集計の迅速 のために、本來の全部訓査の代用として、叉は鋪充として、近年素として米國において磯達した標本調査法︵サンプル調 査法・抽出調査法︶が、新しくわが國に紹介されたのであった。從來も、いわゆる統計類似調査法の名をもつて、典型調 査︵標本詳査︶、推算等が研究され、實施もされていた。しかしこれらは、いわゆる﹁科學的﹂標本調査法の登場により、 その存在が著るしく等閑硯されて來たように思われる。そこで、私は標本調査法の全部調査法に封ずる地位を考察し、次 に標本調査法における二つの型、即ち典型調査法と抽出調査法とを比較し、それぞれのもつ性格と、任務とを明らかにし 九い。そして眞の﹁科學的﹂標本調査法は、如何なる性格をもつべきかにつき、いささか所見を述べたいと思う。       二 標本調査法の基本間願 統計調査は全部調査を本則とする。即ち調査封壌を、その構成輩位につき、あまさす調査するのである。これに織し、

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、 標本調査は調査しようとする心意︵母集團︶から、標本として一部分を取り出し、その一部分についての観察・調査をも つて、全部調査にかえるのである。即ち標本の知識から、緑集團についての知識を推測しようとする。そこで、か、る標 本選定の基準は、いすごに求めらるべきか。從來の一般の見解をたすねると︵蟷川虎一﹃統計學概論、一〇〇頁以下︶ 9  ︵イ︶ 一定の根捺と理由のもとに、特定範園の人位︵構成軍拡︶を選翻する場合︵O霞℃oω凶く①ω900寓。口︶  ︵ロ︶ 何等の選揮基準なく、輩位のどれをとっても同じであるという立場から、全く自由に採る場合︵同p。巳。ヨω四ヨー     9擢︶  右の二つに大別された。この爾匝別は、部分を全体の縮圖内至代表と考える場合、あくまで集團に即して考えた。即ち 具体性をもつているのである。從って祀會科學の領域において、人ロ集團は別として、この第二の方法によることは困難 とされ、そこで從來、標本調査としては、第︸即ち計書選出法、典型調査法が、主として取られたのであった。選揮のた めの一定の根櫨と理由は、就會科學、自然科憂いすれの領域においても、あらかじめ一鷹與えられるのである。い、なを せば、假製するのである。自然科學における等質的研究、殖墨銀學における實熊調査は、まさにこの典型調査の性格をも つものといえよう。一面、その代表軍位の撰揮に、調査者のギ観がはいり、恣意的な瓢も多かった。しかるに新しい﹁科 學的﹂標本調査法は、この問題を、数量的に取りあげたのである。脚ち部分調査を行う際、集圏自体に即しない。集團を 一つの集団的性質︵OO一︷①O叶即くΦ Oず帥﹃鋤OeΦ巴︶、即ち特性においてとらえた。そしてこの特性に算し、母集臨のもつ定数値 ︵繋馬値︶を、部分和團︵標本︶のもつ定数値︵平均値︶から、推定︵①ω自ヨ舞①︶するには、如何にすべきかを考えるの である、即ち二の﹁科寄身﹂とは﹁敏學的﹂なのである。しかも﹁数學的﹂標本調査法は、その選揮の原理を、敏學的確          率論の立場におく。從って今や上記第二の場合が主流となって來る。この量的、筆下的、確率論的立場に立つとき、第一 の場合即ち計豊選出法は退却せざるを得ない。数理派のいう計墨銀掛法は、今求めようとする特性と、相關の度合のたか    標本調査法について  ・      八五

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   標本調査法について   軌      八六 、い他の特性を探し,これをコントロール︵oop嘗。〒−封照・照準等と寄す︶として、全体の底心たるべき部分を選び出そう というのであるが、これは全く無理なのである。  以上、標本調査法は、その質的又は量的見解の何れをとるかにより、典型調査法と抽勘調査法とに大別されることをみ 忙。これは世論調査においても、全く事情は同じである。“体世論とは何か。いま民衆の意見の代表・総合としたどき、 民衆の意見は、如何なる意味において、叉如何なる方法によって、代表的・総合的であり、叉ありうるか。これを量的に みるならば、倉入の意見の雫均︵極端には、算術亭均の如き計算値︶であろう。これを質的にみるならば、もし憲章階級 により、意見が年立すべきものとの見解に立つ限り、各階級の代表たる若干の入達の意見を嘉けばよく、前述の全体の意 見の準均は、無意味と穿るのである。

三典型調査法の性格

 そこで、質的標本調査一典型調査は、どうあるべきかについて考える。例えば、、農家の経螢調査、勢働者の家計調査を 實量的に行わうとする。この場合、もしその一夏位が、全体の代表たり得ることが、問題の性質から、或いは當面の必要 限度から、保諦せられるならば、その輩位を代表としで、調査・研究すればよい。典型調査の最もよい例は、既に述べた ように、自然科學の研究において、みられるであろう。そこでは集團的研究のかわりに、個別的研究が代行する。これは 融前科學の領域では、型の研究、實態調杏において問題となる。前例,農家の経螢調査をとるに、その獲展的傾向、地域 差、等の比較の際に重要となる。しかも、か、る調査でば、出て來た調査結果が、一その敷量的結果が一そのま、、       軸      − 意味をもつのではない。その解繹、それに含まれる一般性・特殊性が問題となるのである。そこで典型を一つに限らす、 同種のもの若干個について、調査する場合は如何。この場合、これらの軍偉は同種性をもつている。しかも各々特殊性を 、 ’

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} 、 もっている。そこでこれらの中から、一般性を抽象する。或いは見方をかえれば、各々の特殊性を見出そうとするのであ る。その根面・方法は、先行する科學の理論・見方か、乃至は研究者の主槻講話繹の問題であって、あらかじめ問題にし ている集團についての知識を必要とする。これには、無作爲抽出調査が役立つ場合が多いであろう。  そこで肚會的集,團につき、同種類とみられる範園が、いくつかに画賢しうると假定する場合を考える。例えば家計調査 で、世帯を地域的、⋮三夏階級的、年齢的、職業的、等々にわけるような場合である。このとき、先ずこれにより匠蓋した とき、その匿分︵階層︶内においては、もはやその構成所管は、全くどれを選んでも,質的には差違なく、量的にのみ差 違あるものとする。そうすると、その階層における代表は、各階暦からの若干個を無差別的に、無作爲に︵鉾B口血。ヨ︶、 抽出するのが滋藤となるであろう。即ち選出要素から一般性を抽出するのに、確率論的に、各々の特殊性を打消しあうよ うにしょうというのである。このようにして典型調査は、本來は質的標水調査であるが、量的見解、確率論的慮用が、加 味される窯があるのである。  從來、経濟統計で取扱われたものには、典型調査式のものが多かった。例えば、ある職業に飯事する勢働者の雫均給料 とか、ある商品の平均卸費債格といっても、決して全部調査して雫均したものではない。調査者の恣意的報告によるもの も多かった。そこに更に改善・進歩させる飴地も多かった次第である。

四抽出調査法の性格

前に述べたように、標本調査法を数學的・確率論的立場から、考察するとき、無作爲抽出法︵確率抽出法︶が問題とな る。そこで緑集團の求めんとする特性値を、抽出標本における特性値から、数學的に推定︵面立︶しょうとする。母集團 の特性は、大別して量的のものと質的のものとになる。前者ではその度敏分布・雫均が問題となり、後者では比率が問題    標本調査法について      八七

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   標本調査法について       八入 となる。さて標本値から、か、る諸統計値を推定するには、問題は限定されて、総和ないし雫均︵算術平均︶の推定に止 まるのである。即ち度数分布ならば、これをいくつかの階級にわかち、各階級にわけてその縮和・平均の推定の問題に館       の せしめられる。叉比率の問題ならば、その特性を有すれば一、有しなければ0なる数値を與えれば、算衛李均の推定に齢 するのである。  以下、無作爲抽出法の敷學的公式を、ネイマンにより蓮べ、その所論の特徴をとらえよう。        り  先ず最も簡軍な例をとる。 ﹁ある都市の人口を調査する目的で、この都市をN個の匠域にわけ、このN慨の中からn擁 を、無作爲的に選び出し、この選び出されたn匿について、正確に人口を調査し、その調査の結果、得らるべきn個の値 をX−、X2、−・㌔とす・。今その算筆均﹁三孕︶にNをかけて、・れを・の都市の人・の直話とす・、﹂とし よう。この推定の仕方は、常識的・直観的には、最も確からしい方法であろう。この場合N匠の實入口をa−、a2、⋮ anとし、その総和をAとする。これは一定である、しかし吾々には未知である。これをxiから推定して極︵Xとおく︶ を用いるのである。この場合XはAと如何ほどの開きをもつだろうか。即ち抽出に伴う誤差はどうだろうか。  今身心的に、n匠の取り方の可能なすべてを老える。そうすると、上のAの推定値Xは、抽出の都度相異るべく、これ らは全体相集って、︸の言言的な分布をなす。これは理論的に、叉實際的に、いわゆるガウスの正規分布型をなすと考え られ、その分布の型の常数︵O餌﹁国コP⑦叶①﹃︶として、その標準偏差σが登場する。本辺誤差といえば、漏電値の眞實値から の差、或いはその比をさすものであるが、抽出調査の揚合には、部分調査と前後して、全部調杢を行うことは、︸般に考 えられない。そこで右のσを、その抽出方式から直接に数學的に算出して、抽掛の誤差の算定、換言すれば抽餌の精度を 云帰するのである。その理由は周知の如く、もし無量としてみた推計値︵X︶の集合が、正規分布をなす場合には、Xは その建値Aのまわりに集り、Aの前後冷の闇にXのおちる確率は、○・九五四五〇となる。立酒後跡の開をとれば、○・

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九九七三〇となって來る。即ちAの推定値としてXをとれば、高々助かあの誤差をみこして置けば、立際には支障をおこ さないといえるのである。從ってσが小さいほど、抽出の精留がよいといえる。それ故σを抽出誤差という。  そこで右の例において、σの形はどうか。      ・    ・・。一嘱・竃己、団︵︸”望琶詞謡㊦購糠罰嚇︶ この公式において、もしN匠の分割が適當になし得るならば、いわゆる﹁粒をそろえて﹂♂を出來るだけ小さくすれば、 N、nが一定のとき、σは小さくなって、抽出の精度はよくなる。次に實際の抽出に際して、その抽掛誤差は如何にして 求められるか。〆は實際にN匿の間の標準偏差︵露を厘間分散という臥である。從って常敷であるが、吾々には勿論未知 である。そこで今抽出したn覆をかりに全匠の縮圖とみて、その間の標準偏差をもつて、♂の代用とする。或いは豫備調 査により、少数の匠を抽幽して、その分散をもつて代用する。  次に翻心叢竹︵のけ﹃鋤博一剛一〇畠 ω国5PO一圃口ぴq︶にうつろう。無作爲抽出法の原理は、右の如く土星論的見地に立つが、その抽出 の精度をもつと高める意圖から、ボーレーば暦別︵階暦別け︶法を翻案した。即ち常識的にみても、一の集團がA・B、 Cの三部分集團からなり、それらは今考えている特性について、各々の内部では分散が小さく、相互には開きがある場合 には、全休から当直に確率抽出するよりも、先ずA・B・Cに暦別して、次にA・B・C各層から夫々確率手風を行った 方がよいと意えられよう。いま全体の抽出個数が一定であるとするとき、各贋に抽出個数をどう割曾てるか。ボーレーは 各暦の抽掛盤位敏に比例割當する方式をとった。﹂・ネイマンは更に一歩を進めた。即ちA・B・C各暦をみたとき、各 居内の分散歌態は同じでない。例えばA贋では、その抽出軍畑の粒が揃っていて、暦内分散が非常に小さいとする。叉B 暦では軍位が大小不揃で、その衝重分散がかなり大きいとすると、比例抽出ではAは過大標本︵o<⑦房9ヨ風①︶、Bは過小 標本︵舞α①弓のP目P斗酒Φ︶となる。即ちか、る場合Aでは抽出敏をもつと少く、Bではもっと多くする方がよかろう。J・ネ    標本調査法についで      八九         ・ ’

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   標本調査法について       九〇 イマンは数學的確率論を用いて、層別無作爲抽出法の公式を篤い忙。    ・・。一︼蝿・ソ舘理.馬︵一目だb9蟻:・口一口Oぐ’一︹暑=画函︶ 母集團はn個の層にわかれている。各居における︵抽出︶軍位敏を蜥、實際抽出する箪位数を.㎜とする。又瀞はいわゆる

醤霰である。今抽出簸が憂の零蟄嚢・を最小にするには㎡を噸・。凶・ロ転慧・︶に比例・せれば・

い.﹂とが、・﹂の公式から導かれた。.﹂∼醤はほ冨配管いとみてよい。從って、.皿を聖比例・せればよいといえ. る。そこで退際の抽禺において、この方式をどう適用したらよいだろうか。.副は推定するよりほかに仕方がない。そこで 前述のように、豫備調査によって.孤の概略の大いさをきめるか、或いは句眼のみの問題ならば、。01と相關度の高い、計算        の しやすい他の数値を探して、代用とする。從って抽出誤差も大略の目安をとるに止まるとい、うるであろう。    ’  さて層別の甘露・基準如何の問題である。もともと一別は、その抽出の精度を高めようという量的見解から考案せられ た。しかし調査の便利や調査結果の吟味からいって、たとえ抽出の精度は問題にしないとしても、暦別にする必要を痛感 するのである。前にも典型調査法のところでふれたが、母集團一算静的集團一は、無憂異質の構威軍位からなっている。 從ってこれから、標本を選ぶとき、無作爲的に抽出することは、構成箪位を等質と見なすことになって、本來不可のこと である。上蓮の如く、母集義を質的面から、いくつかに暦便せざるを得ない。大凡の日安から、経瞼から、叉理論上の根 面から、與えられた母集團を大きく数個に分割するのである。しかも實は各部分集團内部は、依然としてその構成藤下は 異質といえる。しかしこれをもはや同質とみて、無作爲抽出するわけである。上落の皇別無作爲抽出.のは、まさにこうし た見地に立つ。しかも母集團の構成勲位を、ある特性においてとらえ、か、る統計値の集合を母集團と考えているのであ る。標本についても同様である。  かくの如く、確率抽出法は、本構長丘的な量的な標本調査法であるが、實はその根本に、質的な見解を必要とし、この

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         .      . ㊦ 的重要性は、贋別抽出の段階に到って、制辞とする。即ち典型調査法の性格をあらわすのである。 五 む す び  私は以上において、標本調査法の性格を論じた。それは部分調査法である。從って本來の調査、即ち全部調査を前提と し、母胎とする。從ってそれは、続計の理論として、叉實際として、從來の統計調査法の上にのみ考察されるものと考え る。次に標本の、母集團からの抽出の仕方により、二つにわかたれる。即ち質・量の一﹁向から、典型調査と抽出調査とに 大別される。しかも爾者は相騨翻し、一体となっている。即ち爾者は互いに他を豫補し、前提として行われるのである。 この黙を重如し、届書設計に南無を期するところに、はじめて﹁科學的﹂標本調査法の進歩焚展がみられると老える。        ︵昭和二十四年九月十五日︶ ︵註︶ ω標本調査法の管長についてはb聞話奮且爵弊ロDけ琶︸旨季調馬。曙oh誓⑦三盛oh蜜。︻州の聾三二島蔭憩噌き$倉弓。。。℃鞠3二巴亀ひ。   卜葺①ユO薗昌ロ慶け簿討翫O舘卜器O︹山費島Oロ噂7︻鴛Oず”一9︵cQ.鴫℃●一N∼ω電を見よ。    励q●荒畠巨葺圃O目げ密旨類。b薬霞gけ詮で⑦︵討9け冨切⑦青。の窪冨け一く①蜜。9。3q昆亀鑑9け一器切ξ三ω欝け一註§[ωo缶。ぐ”   <o一●Oポ一8♪℃℃.累co∼ひ潔・      臼蜜賢轟ら9。。言二L。触二§ぎ^︷。・ぎ砿2宣・員︵;§戸。三。口馨・目。﹃ピ案ξ①蚕呈。。拭①居。窪2レ目碁・嘉け言の§・   一答⋮塗℃6ωN●鴫Hu●co℃∼δgo.    ⑧拙稿、抽出調査の基本問題b︵誤差法則と抽出理論b第ご編第一章︶、一〇三頁。    ㈲佐膝良一郎・敷理統計學︵増補版︶五六四頁。    ㈲坂本弔八、標本調査方法による金融機關主要勘定の提計について、農林省銃計調査局資料第一〇集、昭和二十四年。    個拙稿、潰費者車井調査における調査世事の抽出方法についτ︵誤差法則と抽出理論、第二編第二童・︶一四五頁。  ︵追記︶ 從來、統計學に二つの大きな流れ1濁幡豆會統計學派と英米方法論涯、推測統計學派iがある。私はこの爾學派の見解に從い、     標本調査法の盤格を考察した。 ︵昭和二+四年十一月置日本統計奪回第十七回総画にて報告、その要旨は近く刊行の同學會年報     に揚玉される豫定。︶      ︵昭和二十四年十二月末日︶ 標本調査法について 九一 、

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