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聾学校での手話を活用した 「よい授業」 に関する日中比較研究 : 研究授業を通した分析

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Academic year: 2021

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学校での手話 を活用 し た 「 よい授業」 に関す る日中比較研究 :

研究授業 を通 し た分析

Comparative research on ' Good Practices' among Chinese and Japanese signing

schools for the deaf through a lesson study.

鳥 越 隆 士*

暁 星**

小 林 由 季***

森 井 結 美***

TORIGOE Takashi

He Xiaoxing

KOBAYASHI Yuki

MORII Yumi

聴覚障害児教育が大き く 変化 し て き てい る。 その変化の 1 つが手話の活用であ ろ う 。 日本や中国の 学校で も , 近年, 欧米の手話バイ リ ンガリ ズ ムの影響 を受け , 手話が活用 さ れる よ う にな っ て き た。 本論文では, 日本 と 中国の 学校の教 室で どのよ う に手話が活用 さ れてい る のか, そ の社会的, 文化的文脈の中で明 ら かにす る。 特に, 教師の 「 よ い授業」 に 関す る デイ ス コ ー スに着目す る。 中国の 学校で, 聴覚障害 を持つ中国人教師およ び日本人教師によ る研究授業が実施 さ れ, その授業内容と 授業検討会で の教師によ る デイ ス コ ー スが仮説構成的 な観点から分析 さ れた。 手話 を活用 し た 「 よ い 授業」 に関 し て, 中国人参加者からは, 授業の計画性, 教師によ る系統的 な言語や教材の使用, 言葉の指導ス ト ラ テ ジー 等が言及 さ れた。 他方, 日本人参加者からは, 子 ども同士の話 し合いや相互交渉, 学びにおけ る子 どもの主体的な役割等 が言及 さ れた。 前者が, 教師主導的, 後者が子 ども中心的観点 を持 っ てい る と 示唆 さ れよ う 。 最後に, 欧米発信のグロ ー バルス タ ン ダー ド な概念が, いかに社会的, 文化的 な文脈の中で拡がり , 変成 し てい く かの視点か ら考察がな さ れた。

The education for the deaf children has been drastically changing. 0 ne of the changes was the implementation of the signed language for deaf children. The present paper investigated how the signed language was dealt with in the signing classrooms of the deaf school, focusing on teachers' ' Good Practices' discourses and their di f ferences between China and Japan. A '1es son study' was performed at a Chinese signing deaf school; First a Chinese deaf teacher gave a lesson to preschool-level pu- pils, second a Japanese deaf teacher did to the same pupils, and third teachers and participants discussed about the lessons per- formed. Chinese participants often referred to the planning of the lesson, systematic uses of languages and materials by teachers, and language instrl.lction strategies, assumingly based on a teacher-centered perspective. Japanese participants often talked about discussion and interaction among pupils, the pupils' active role played in learning, assumingly based on a child- centered perspective. Finally, we discussed about the spreading of global-standard notions of education and their modification in Asian countries in the context of their cultures and societies.

キーワ ー ド : 学校, 日中比較, 手話, 教育におけ る文化的実践

Key words : school for deaf and hard-of-hearing, comparison between Japan and China, sign language, cultural practices in education

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問題の所在

聴覚障害児教育が大き く 変化 し てき た。 一方では, 人 工内耳 , デ ジ タ ル補聴器, 新生児聴覚 ス ク リ ーニ ン グ検 査等, 医用機器や技術の飛躍的な発展によ り 聴覚活用の 可能性が格段増大 し て き たこ と があ る。 ま た他方では, 手話の活用があ ろ う 。 長い間, 多 く の国や地域で, 手話 は, そ れに対 す る偏見か ら , あ るいは音声言語の獲得 を 妨げ る も の と し て, 教室か ら 排除 さ れて き た。 し か し な がら , 近年, 手話の自然言語と し ての社会的認識が進み, 欧米 を中心 と し た国々の 学校では, 手話 を教育言語の 1 つ と す る 取 組 が 進 め ら れ ( 鳥 越 ・ ク リ ス タ ー ソ ン , 2003) , 他の国々に も その取組が拡が り つつ あ る。 本研 究で取 り 上げ る日本, 中国におい て も , 今 なお聴覚口話 法が主流の指導法であ る も のの, 手話に対す る取組も少 し ずつ拡が っ て き た。 欧米発信の 「進 んだ」 取組やそ れに底在す る新 し い概 念 が, どの よ う に日本や中国 な ど, ア ジア諸国の教育実 践の場 に拡が っ てい く のだ ろ う か。 新 し い概念や取組 に は, 「自然言語と し ての手話」 「 文化な ど, に対す る 社会 ・ 文化的視点」 「バイ リ ンガリ ズム」 「手話の活用」 な どが含ま れる だ ろ う 。 手話言語は, 者社会の自然言 語で あ り , マ ジ ョ リ テ ィ の言語で あ る音声言語 と は文法 体系 も 語彙体系 も 異な る , 独立 し た言語で あ る と の認識 が定着 し てき た (例えば, 国連によ る 「障害者権利条約」 * 兵庫教育大学大学院特別支援教育専攻障害科学 コ ース * * 南京大学社会学系 * * * 奈良県立 ろ う 学校 平成26年 4 月30日受理

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(2006) ) 。 児は第一言語 (母語) と し て手話言語を学 び, こ れを も と に第二言語と し て音声言語 ( その書記形 態 を中心 に) を学習 し てい く と の考え のも と , 欧米の 学校で先進的な実践 (一般的に 「手話バイ リ ンガリ ズム」 (注 1 ) と 称す る) が積 み重 ねら れて き た。 そ の よ う な 理念や考え は他の国々や地域に も 導入 さ れつつあ る。 た だ新 し い実践や概念は, そ れがそのま ま取 り 入 れら れる のでは ない だ ろ う 。 そ れぞ れの国や地域の歴史的 , 制度 的, 文化的 な枠組みの中で, そ れぞれの教育実践の積み 重 ねがあ り , そ こ には長い間に培われて き た伝統や価値 観, 理念, 暗黙の合意事項等が底在 し てい る。 新 し い概 念や実践が取 り 入 れら れる と き には, す で にあ る枠組み と の摩擦や衝突, 妥協 な どが有形, 無形に存在す る と 考 え ら れよ う 。 教育の変遷 (あるいは 「進歩」 や 「変革」) を考え る と き , 特に, 先進国から新 しい理念や概念, 取 組が導入 さ れ, 活用 さ れてい く と き , そ れら がその国や 地域に どのよ う に受け 止め ら れ, 取 り 入 れら れてい く の か, その過程の中で どのよ う に変成 し てい く のか を明 ら かにす る こ と は, 教育実践の本質 を よ り 深 く 理解す る上 で, 欠 く こ と がで き ない だ ろ う 。 例え ば, 同 じ よ う に教 室で 「手話の活用」 の実践が行われ, そ れについ て語 ら れてい た と し て も , その内実は大 き く 異な る可能性があ ろ う 。 本研究は, 教育 におけ る手話の導入 を手掛かり に , グロ ーバルス タ ン ダー ド と な っ て い る欧米発 信の障 害児 教育 に関 わ る概念 が, どのよ う に ア ジアの国々に導 入 さ れ, 変質 を受け て き たのか, そ の解明 を試 みたい。 こ のこ と に取組むため, 本研究では, 2 つの視点 を重 視 し たい。 まず 1 つは, 新 し い概念が変成 し ながら受け 入 れら れる場は, ま さ に実践の場, 「授業」 で あ る と い う 点である。 新たな概念や取組が, たと え資料や文献等 で紹介 さ れて も , そ れが実践 を通 し て具体化 さ れて こ そ, そ れが 「導入」 さ れた と 言え る だ ろ う 。 実践の場で教師 に よ り 咀 嚼 さ れ, 試 さ れ, そ の国や地域の実情 に合 っ た 改変が加え ら れて, そこ での実質的 な実践と な るだ ろ う 。 本研究では, 教師の具体的 な授業実践を観察 ・ 分析す る こ と に よ り , その様相 を明 ら かに し たい。 2 つには, 異な る地域の実践者の相互交流 を契機 と し て, その解明の手掛かり を得 たい。 本研究では, 日本 と 中国の 学校を取り 上げる。 両国と も , 教育の黎明期 を除き , 長い間手話 を活用せず, 口話法 ( あ るいは聴覚 口話法) をその中心に据え, 実践 を積み重ねてき た。 近 年, 主と し て欧米から の情報に基づ き , 手話の活用が試 みは じ め ら れた。 欧米 で す で に グロ ーバ ルス タ ン ダー ド と な っ てい る実践 やそ の背景 に あ る考 え が, どのよ う に そ れま での歴史 と 折り 合い を つけ なが ら取 り 入 れら れて き たのか, 日中の教師の教育実践を通 し た相互交流の場 か ら , その違い や共通性 を明 ら かに し たい。 その ツ ール と し て, 「研究授業」 を取り 上げる。 我が国の教育現場 では, 新任教師, 中堅教師 を問わず, 定期的, 組織的に, 研究授業が実践 さ れて き た。 研究授業 と は, 同僚の観察 のも と , 通常の授業 (指導案の作成や教材 ・ 教具の周到 な準備 な ど, 通常の授業よ り も一般に時間 ・ 労力が費や さ れる) が実践 さ れ, その後, 授業実践者や参加者によ り , 実施 さ れた授業実践を素材に, 指導計画や具体的 な 教師の教授行為 , 子 ども たちの学びに関 し て意見交換, 助言等がな さ れる。 い わば 「 よ い授業」 に向け ての協働 的省察的な取組と言え よ う 。 授業者は, 参加者と共に, 「 よ い授業」 につい て深い洞察 を得 る こ と がで き , こ の こ と が教師 と し ての成長に大 き く 寄与す る と 考え ら れて き た。 他国の教育現場では, 管理職によ る授業評価 を除 き , 他の教師の前で授業 を行う こ と は一般的で ないが, 近年, 途上国への教育協力の取組と し て着目 さ れてい る (鳥越 ・ 富山 ・ 松井, 2010 ; 鳥越 ・ 堀谷, 2008) 。 以上のよ う な視点 を踏ま え て, 本研究では, 中国人教 師及び日本人教師によ る研究授業 を実施 し , その実践行 為 と その後の授業検討会に見 ら れた デイ ス コ ー ス を相互 に比較す る こ と によ り , 日本 と 中国の手話 を活用 し た 「 よ い授業」 につい ての理解 を深 めたい。 さ ら に, 欧米 発信の新 し い概念や考えが, どのよ う に日本や中国の教 育現場に取 り 入 れら れ, 変成 し て き たかを検討 し たい。

2 方法

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1 調査対象 本研究は, 中国と日本の 学校 (及び教師) を調査対 象と し た。 中国では, 2004年から 5 年間, ノ ルウェ ーの

NGO 団体と の共同 プロ ジェ ク ト (SigAm Bilingual Deaf

Education Project) に よ り , 江蘇省 の聲学校 を中心に手 話 を活用 し たバイ リ ン ガル教育 が実験的 に導入 さ れた (王, 2011) (注 2 ) 。 本研究で研究授業 を実施 し た聲学 校 A 校は, こ の プロ ジ ェ ク ト 開始当初から の参加校の 1 校で あ る。 幼稚部か ら 高等部 ま で あ り , 在籍児は約 300名であ る。 教師は60名ほ どで, う ち聴覚障害教員は 6 名。 同校校長によ る と , 中国では, 教員 の採用試験に 標準中国語によ る面接試験があ り , 聴覚障害者が教員 に な るのは非常に難 し い, こ の学校の聴覚障害教員の数は, 他の 学校 と 比べ て も多 い, ま た中国では聴覚障害教員 は一般的 に補助的 な役割 を担い, 非主要科目 を担当す る こ と が多 いが, こ の学校では主要科目 (国語や算数 ・ 数 学) も担当 し てい る と のこ と であ っ た。 研究授業は聴覚 障害を持つ教員が担当 し, その他10名程度の教員 (副校 長 を含む) が, 研究授業 と授業検討会に参加 し た。 日本から は, B 聲学校の教員 が加わっ た。 B 校は, 関 西にあ る県立の 学校で, 幼稚部から高等部ま で あり , 在籍児が120名ほ どである。 教員数は70名ほ どで, う ち 聴覚障害教員 は 4 名で あ る。 日本の中で も先進的 に早期 から の手話の導入 ・ 活用に取 り 組んで き た。 同校幼稚部

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教員によ ると , 1970年頃に, 従来の聴覚口話法に加え, キ ユー ド ス ピ ーチ法 が導入 さ れた, 1985年頃に, 幼稚部 の指導方針が 「言語指導」 中心から 「遊 び中心の保育」 へ転換 さ れ, 1990年代 に手話の導入 ・ 活用 を積極的 に行 う よ う にな っ た, 1996年以降, 幼稚部に聴覚障害教員の 配置 も な さ れてい る と のこ と で あ っ た。 本研究授業実施 には同校教員 2 名が派遺さ れた。 1 名は聴者教員 (幼稚 部主事) で, も う 1 名は聴覚障害 を持つ教員 (研究授業 実施担当) であっ た。

2

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2 調査手続き 本調査研究は, 3 年間の聲教育に関する日中共同研究 プロ ジ ェ ク ト の一環と し てな さ れた。 こ の研究期間中に, 日中の教育関係者が相互に 学校等教育関連施設の視察 を行 っ てお り , その際, 授業参観や教員相互の意見交換 も な さ れてい る。 本論文 で取 り 上げ る研究授業は, 本研 究 プロ ジェ ク ト の 2 年目 6 月にな さ れた。 研究授業は A 校で実施 さ れた。 対象児は幼稚部に在 籍する聴覚障害児 5 名 (男児 3 名, 女児 2 名) であった。 まず中国人教師が授業 (45分程度) を行い, 次に日本人 教師が同児に対 し て授業 (50分程度) を行っ た。 その後, 授業者 と 参加者で授業検討会 を開き , 実施 さ れた授業に 関 し て, 協議 を行 っ た。 ま た合 わせて, 参加者には, 授 業の感想等 を自由記述 し て も ら っ た (中国人参加者には その場で, 日本人参加者には帰国後) 。 こ れも分析の対 象 と し た。 授業及 び授業検討会はいず れも ビデオ収録 さ れ, ト ラ ンス ク リ プ ト が作成 さ れた。 授業全体の様子 (使用機材 や配置, 教材 ・ 教具等 も含め) , 教師によ る授業行為, 子 ども たちの反応や活動, 授業検討会での教師のデイ ス コ ー ス (発言や感想文) を質的 に分析 し た。 ま ずデー タ (発言, 文章) を意味のま と ま り のあ る単位に区分 し , 相互に比較 し ながら , 類似 し た も のをま と めカ テ ゴリ ー を生成 ・ 構成 し てい つた。 さ ら に カ テ ゴリ ー間で比較 し , 構造全体の把握 を試みた。

3 研究授業

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1 中国人教師によ る授業 授業 の目標は, ゴ ミ を ゴ ミ 箱 に捨 て る と い う 社会ルー ルの学習 と 言語理解 ・ 表現 (語り ) と い う 2 つがあ る と 考え ら れた (事前に授業計画や授業案等は示 さ れていな かっ た) 。 授業の構成は, (1) 挨拶, (2) 導入, (3) 展開, (4) ま と めの 4 つの部分か ら な っ てい た。 (1) では, 挨拶 と 呼名が実施 さ れた。 (2) では, 夏の話題 と 実物のスイ カ が導入 さ れた。 (3) では, アニ メ 視聴によ る ス ト ーリ ー 内容の理解, 子 ども の手話語り (動作化) , 場面 ご と の 言葉の指導 (手話単語, 中国語単語, 手話によ る語り ) の 3 つから な っ てい た。 (4) では, 社会ルールの確認 と 子 ど も の手話語り の評価がな さ れた。 以下に, 授業の流 れに そ っ て, 教師 に よ る指導 と 子 ど も た ち の反応の様子 を示す (以下, 対話部分は 「」 , T は教師, C は子 ども を示す) 。 (1) 挨拶 子 ども たちは, 横一列 に並 んで座 っ てい る。 ま ず教師 は みんな に起立 さ せ, 挨拶 をす る。 T 「 こ んに ち は」 (声 と 手話 で) と 言い, c 「 こ んにちは」 と 大 き な声 と 手話で言 う 。 子 ども たち を座 ら せ, 教師が, 「 ポ ンポ ン ポ ン」 と 声 を出 し なが ら , 手 を たたき , 両手 を挙げ, ひ ら ひら さ せなが ら降 ろす。 子 ど も たち がそ れを真似す る。 次に教師が一人ひと り の名前を言う 。 名前を呼ばれた子 ど も は立 ち , 教師 と ハイ タ ッ チ を し て座 る。 (2) 導入 教師が, 『夏』 の話題 を導入す る。 以下, 対話 を抜粋 す る。 T 「 こ っ ち見て。 今暑いね。 夏だよ ね。 夏 つて何 があ る ? 」 C 「氷棒」 T 「 そう そう こ んなふう に し て折っ て食べ る よ ね」 子 ど も も 実際に折 る し ぐ さ 。 T 「暑い と き , 服は どう ? 」 C 「半袖」 T 「 そ う , 半袖 だよ ね。 暑 い か ら ね。 他は ? 」 C 「 ノ ース リ ー ブ」 T 「 ノ ース リ ー ブ も あ る ね, そ う 半 ズ ボ ン も」 c 「 ぞ う り ! 」 T 「 そ れ か ら 暑 く て , 汗 を かい た ら どう す る ? 」 c 「 泳 ぐ」 T 「 そう , 泳 ぐね」 c 「海中メ ガネ し て潜 る」 T 「 そう 。 こ んな ふう に息 止め て泳 ぐ よ ね」 c 「魚 がい た ら , そ れを と る よ」 ・ ・ ・ ・ 子 ど も は横一列 に並 んで 座 っ て い る た め, 互いの話 を見 る こ と がで き ないが, 教師が子 ども の 発言 を繰り 返 し , 子 ど も た ちはそ れに触発 さ れて発言す る。 ま た教師は, 子 ども の短い発話 を, 手話で拡張 し て 表現 し てい る。 そ れを見 て子 ど も た ち も ど ん ど ん話 を拡 げてい く 。 子 どもは常に教師に対 し て発言 し , 子 ども同 士 の対話はほ と ん どなか っ た。 あ っ て も , 教師に 「 こ っ ち を向い て」 と 制止 さ れる。 突 然, 教師は手 を膝にお き , 「 黙 つて」 と 言 う 。 男の 子が隣の男の子 に喋 っ てい るが, 制止す る。 T 「 シー ツ, こ っ ち見 て」 。 別 の男の子 も 思い つい て, 何か話そ う と す るが, 教師は 「黙つて」 と言う 。 教師が魔法の杖 を取 り 出 し , 前に置い てあ っ た箱 に魔法 をかけ る し ぐ さ をす る。 T 「何が起こ ると 思う ? 」 c 「 う 一ん, なんだろう ? 」 教師が箱 を あけ る と 実物のスイ カ があ っ た。 T 「 こ れは 何 ? 」 c 「 スイ カ」 教師がスイ カ を た たい て, 耳 を近づ け る (中国手話で 「 スイ カ」 の表現は, たた く し ぐ さ を し て耳 を近づけ る。 た だ し , こ の時は実際にスイ カ を た たい て耳 を近づ け た) 。 T 「 ス イ カ だよ」 教師が 1 人の 子 ど も を誘 う 。 子 ど も に スイ カ を た たい て, 音 を聞 く し ぐ さ を さ せ る。 別 の子 ども に も 「 おいで」 と 誘 う 。 子 ど も がスイ カ を実際に軽 く た た き , 耳 を近づけ る し ぐ さ を す る。 T 「 じ やあ今 か ら ス イ カ が出 て く る ア ニ メ を見 る よ」 と 言 っ て , ア ニ メ を視聴 さ せ る。

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(3) 展開 アニメの視聴 と内容の理解 ア ニ メ を見せ る。 猪八戒 がスイ カ を割 り , よ だ れが出 る場面。 何人かの子 ども が, よ だれをぬ ぐ う 真似 をす る。 教師がその様子 を見 てい る。 猪八戒がむ し やむ し やと 食 べ る様子 を見 て, 1 人の子 ども がその し ぐ さ を真似 て, 教師 に こ んなふう に食べ てい る と 伝 え る。 教師 がそ う だ ねと答 え る。 猪八戒が食べ たスイ カ の皮 を鼻の周 り で回 し てい る場面。 そ れを見 て子 ど も がこ んなふう に鼻の と こ ろで回 し てい る と し ぐ さ を真似 ながら教師に伝え る。 教師は微笑みながら う なず く 。 子 ども たちは アニ メ の個々 の場面で教師 と 個別的に対話 を行 っ てい る。 ただ子 ども 同士 でそれが共有 さ れる こ と はない。 猪八戒が食べ散 ら か し た スイ カ の皮 で滑 っ て転 び, あやう く 崖か ら 落ち そ う に な る。 思い直 し て捨 て た皮 を拾い始 める。 その場面 で , 教師は ビデオ を止め, 子 ど も た ち に 「 どう 思う ? 」 と たずねる。 子 ど も た ち から の反応はなか っ た。 教師は, 自分 で スイ カ を食べ る , 皮 を捨 て る , その皮 を拾 う し ぐ さ をす る。 再度子 ども たち に 「皮 を捨てる ? どう す る ? 」 と たず ねる。 1 人の子 ども が, 教室 にあ っ た ゴ ミ 箱 を指 さ し , 「捨て る」 と答え る。 T 「 そ う ね。 ゴ ミ 箱に捨て るね。 答えは正 しいよ。」

子ども の手話によ る語 り (動作化)

教師 が子 ど も た ち に 「 ビデ オ見 た ね。 じ やあ, 今見 た 話 を手話で表現 し てみて。 う ま く で き るかな ? で き る人 は手 を挙げ て」 と たずねる と , 4 人が手 を挙げ る。 教師 は左端の子 ど も を指名す る。 子 ど も は前に出 て, 手話 と 身振り (動作化) で表現する。 以下, 子 どもの動作化の 様子を示す (動作化の内容を < > で示す。 また動作表 現以外の様子は括弧内に示す) 。< 日が照っ ていて, 暑い。 喉が乾い た。 あ, あそ こ に スイ カ があ る。 手前に引 き寄 せ る。 2 つに割 っ て, 切 っ て, 食べる。 おい し い。 (時々 教師の方 を見 てい る) 1 つ食べ, 皮 を放 り 投げ, ま た別 のスイ カ を食べ る。 お なかがい つぱい に な る。 その場で 寝 る。 ( 1 人の子 ども が手 を挙げ て, 何か話そ う と す る が, 教師がその子 ども に 「手話 を見て」 と促す) 目が覚 め る。 歩 く 。 滑 っ て転ぶ。 (子 ども た ち の方 で な く , 教 師の方 を見て表現 し てい る) 腰 を打つ。 痛い。 ま た歩 く 。 ま た滑 っ て転ぶ。 痛 い。 そ れか ら あ っ ち こ っ ち に投げ捨 て た スイ カ の皮 を拾 い集 め る。 (別 の子 ど も が何か コ メ ン ト す るが, 教師は 「手話 を見て」 と 制止す る) 。 集め た皮 を ゴ ミ 箱 に捨 て る。 自分が悪 か っ た。> 教師が 「 ど う ? よ か っ た ? 」 と みんな に たずねる。 教師が両手 を挙 げ, ひら ひら す る。 子 ど も た ち も みんな両手 を挙げ, ひ ら ひ ら す る。 教師は, 「 じ やあ, 別の人。 前に出 て, 手話 を し て」 と 促す。 別の子 どもが指名 さ れ, 前に出て表現 を始める。 < 日 が照 っ てい て , 暑い。 ( こ の子 ど も も 教師 を見 な が ら動作化 をす る。 教師はみんなの方に向い て と 促す。 少 し子 ど も の方 に体 を向け るが, ま た教師 を見 たま ま , 表 現す る) 歩 く 。 スイ カ を見つけ る。 引 き寄せる。 持 っ て き て割 る。 食べ る (教師はう なずき ながら見てい る) 食 べ る。 捨 て る。 繰 り 返す。 お なかがい つぱい。 (教師が 再 び, 子 ども た ち の方 を見 て表現 し て と 促す。 子 ども た ちの方 を見て表現す る) 寝 る。 起き る ( ま た教師の方 を 見ながら手話) 。 歩 く 。 滑 っ て転ぶ。 腰が痛い。 (見てい た子 ども たち がその場面 を面白 が る。 子 ども 2 人が, 実 際に転ぶ し ぐ さ をす る。 教師は語り 手の子 ども の方 を見 てい る) 滑 っ て崖から 落ち る。 崖 を登 る。 捨て た皮 を拾 う 。 ゴ ミ 箱 に捨 て る (最後の方はほ と んど教師 を見なが ら手話 を し てい る) 終わる。> 教師が 「 どう だ っ た ? 」 と たずね, 両手 を挙げて, ひら ひら す る。 他の子 ど も た ち も両手 を挙げ, ひら ひら す る。

場面ごとのこ とばの指導

教師が 「 みんな よ く 表現で き たね」 と 話す。 ア ニ メ の 中国語の タ イ ト ル (「猪八戒吃西瓜」) を書いた短冊を黒 板 に貼 る。 教師が 1 つ 1 つの単語を指 さ し , 手話で表現 す る。 子 ども た ち も そ れぞ れ真似 を し て (発語 をす る子 ども も い る) , 単語 ご と に手話で表現す る。 教師は 「一 緒 に手話です るよ」 と みんな を立たせ, 手話 と声で 「猪 八戒吃西瓜」 と 斉唱 さ せ る。 子 ども を座 らせ る。 黒板に 1 枚の絵 (猪八戒が歩いている様子を描いた絵 : 第一場面) を貼 る。 T 「 こ れは誰 ? 」 子 ども たちが手 を 挙げ, その場で 「猪八戒」 と答え る。 教師も 「猪八戒」 と 手話 を繰り 返す。 教師が手話の形 を解説す る。 T 「 こ れは耳。 ほ ら見て (絵 を指 さす) 猪八戒は耳が大き いで し よう 。」 子 ど も た ち も い ろ い ろ と 発言す るが, 教師は そ れに直接反応せず, 説明 を続け る。 「 そ れか ら こ の手 話。 こ れは鼻 を表 し てい る。 で, こ う い う 手話にな っ て い る。」 と 「猪八戒」 の手話を ゆっ く り 繰り 返す。 子 ど も たち も そ れを真似す る (声 を出 し てい る表現す る子 ど も も い る) 。 T 「 じ やあ , 猪八戒は何 を し てい る ? ほ ら 見 て (絵 を指 さ す)」 C 「汗 をかい てい る」 と 表現。 T 「 そ う 汗 かい てい る ね。 太陽があ た っ てい る か ら ね。 こ れが 「汗」 の手話 だ よ , さ あ, みんな立 っ て。 一緒 にす るよ」 子 ども たち を立たせ一緒に 「汗」 と 表現す る。 単 語 を一緒 に表現す る時は, 教師 も子 ども も手話 と口話 を 併用 し て表現す る。 子 ども を座 ら せ, T 「暑い, 汗かい た, 喉が渇い た ( と 身振 り 的 に表現) , そ れから どう し た ? 」 c 「 スイ カ があ る ! 」 と日 の前のスイ カ を指 さ す。 教師は , 何か を探す し ぐ さ , そ れか ら , 「 あ, あ っ た」 と身振り 的に表現する。 T 「 そう だね」 教師は, 2 枚目の絵 (猪八戒がスイ カ を割 る様子を描 いた絵 : 第 2 場面) を貼る。 ま た教師が身振り 的に手話 で表現 (動作化) する。 以下, その様子 を示す。< 暑い。 汗 をかい た。 喉が渇い た。 あ, スイ カ を見つけ た。 手前

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に引 き寄せて, 持ち上げて (実際にスイ カ を持ち上げる) , 食べ たい なあ (絵 を指 さ す) , ス イ カ を割 る。 む し やむ し や食べ る。 (子 ども た ち も 何人かが食べ てい る様子 を 自発的に身振り で示す) 皮 を放 る。 ま た食べる。 皮 を放 る。 ア一落 ち着い た。 手 を なめ る。> T 「 こ の絵 を見 て。 こ れが 「 スイ カ (口話併用) 」 の手話 だよ。 みんな立 っ て」。 子 ども たち と一緒に 「 スイ カ」 (声も一緒) の手話 を表現す る。 T 「 い い よ , 座 り な さ い」 。 教師が左端の 子 ど も を指 名。 子 ど も は立 っ て 「 ス イ カ」 を 表現。 T 「 いい よ」 次々に子 ども を指名 し て, 立 たせて, 「 スイ カ」 の手話 を表現 さ せ る。 ま た教師が動作化 を続け る。 < 食 べ る , お な かがい つぱい。 眠たい。 寝 る。 ( 1 人の子 ど も が寝 る真似 をす る) 起き る。 伸 びをす る。 (何人か も 同 じ よ う に伸 び をす る) 荷物 を持 っ て, 歩 き は じ める。 お なかがい つぱい。> 教師が, 3 枚目の絵 (猪八戒が滑 っ て転ぶ様子 を描い た絵 : 第 3 場面) を貼 る。 子 ども たちが声 をあげ, 自発 的 に滑 っ て転 んだ と 表現す る。 教師が 「 そ う だね」 と 言 い, 歩い て, 滑 っ て転ぶ し ぐ さ をす る。 そ れから手話で 「滑 っ て転ぶ」 を示す。 「滑 っ て転ぶ」 の手話 を何度か繰 り 返す (声 と 一緒に) 。 T 「 さ あ, みんな立 っ て」 と 言 い, 子 ども たち と 一緒 に 「滑 っ て転ぶ」 の手話 を表現す る。 1 人の子 ども がは っ き り と 表現 し てい なか っ た。 教 師 がその子 ども の と こ ろ にい き , 手 を添え て手話 を表現 さ せ る。 次 に教師は一人 ひと り 順番 に立たせて表現 さ せ る。 先ほ どの子 ど も がま た曖昧 に表現 し てい る。 教師 が 再度その子 ど も のと こ ろ に行 き , 手 を添え ながら , 手話 を表現 さ せ る。 教師がま た動作化 を続け る。 < あ れ, な んで転 んだのだ ろ う 。 あ, こ の皮か。 えい と 皮 を蹴 る。 あ, 腰が痛 く な っ た。 歩 き は じ め, ま た滑 っ て転ぶ。 ど う し て だ ろ う ? (子 ど も が 「 スイ カ の皮 を捨 て たから だ よ」 と 自発的 に表現す るが, T は動作化 を続け る) あ, そ う か, さ っ き はスイ カ を食べ て, あ ち こ ち に皮 を放 り 投げた なあ。 自分が悪いのか。 皮 を拾い始 め る。 どこ に 捨てよ う 。> 教師は, 4 枚目の絵 ( スイ カ の皮 を集め, ごみ箱 に捨 てる様子を描いた絵 : 第 4 場面) を貼り付け る。 教師は 動作化 を続け る。< 皮 を拾う 。 皮 を拾う 。> T 「 どこ に捨 て る の ? 」 (子 ど も た ち に たず ねる) 教師が絵 の ゴ ミ 箱 を指 さす。 子 ども たちは答え ら れない。 教師が 「 ゴ ミ 箱」 の手話表現 を繰り 返す (声 も一緒に) 。 T 「 こ れが手話 だ よ」 子 ど も た ち も そ れぞ れ声 と 手話 で真似す る。 T 「 さ あ, みんな立 っ て, 「 ゴ ミ 箱」 だよ」 子 ど も た ちが立 っ て, 一緒に 「 ゴ ミ 箱」 の手話 を表現す る。 ま た左 から 1 人ずつ 「 ゴ ミ 箱」 を表現 さ せ る。 1 人の子 ど も が立 つた ま ま , 表現で き ない。 教師が子 ど も のと こ ろ にい き , 手 を添え て, 「 ゴ ミ 箱」 を表現 さ せる。 全員が表現 し終わ る。 ま た教師が動作化 を続け る。< 皮 を拾 っ て, 捨て る。 皮 を拾 っ て, 捨 て る。 自分は ダメ だ っ た。 反省 す る。 心 を入れ替え る。 も う ゴミ をあ ち こ ちに捨てないよ。 すべ つ て転 んだ ら困 るから。> T 「話 し が分かっ たかな ? 」 教師は, も う 一度 4 枚の絵 を順番に指 さ し ながら , 短 く 動作化 を繰り 返す。 子 ども たちが少 し落ち着きな く な っ てき た。 教師の手話や動作化 を真似す る子 ども も い るが, そ わそ わ し て隣の子 ども に ち よ つかい を出す子 ども も い る。 子 ども たちが教師の動作化 を真似 し たり , あるいは 内容を少 し先取り し た表現を し たり す る と , 「 そう そう」 と 強化す る。 ま た教師の動作化の表現 になか っ たが, ア ニ メ に あ っ た, 崖か ら 転げ落 ち そ う に な っ た様子 を子 ど も が表現す る と , 「 そ う そ う , そ う だ っ た ね」 と 教師が ほめ る。 子 ど も た ち は何 と か教師の動作化 を見 てい る。 (4) ま と め 教師がま と めの話 をす る。 T 「結局, 何が悪か っ たの かなあ ? スイ カ を食べ たのが悪か っ たの ? 」 と 子 ど も た ち に たずねる。 1 人が手 を挙げ 「食べた皮 をあ ち こ ち に 捨 て たのが悪か っ た」 と 答え る。 別の子 ど も が 「あ ち こ ち皮 を捨 て たか ら , そのう え にの っ て滑 っ て転 んだ」 と 答え る。 T 「 そ う , そ う だね」 。 教師は発言 し たこ ども と は別 の子 ども に絵 を指 さ し な が ら 「 こ んな ふう に, あ ち こ ち に捨 て た ら どう ? 」 と たずねる。 子 ども は 「 だめ, ゴミ 箱に捨て る」 と答え る。 教師が 「 そう , あちこ ちに 捨 て ない で , ゴ ミ 箱 に捨 て た ら いい ね」 と 話す。 教師が 「 さ あ, だ れが一番 う ま く 表現で き るかなあ」 と たずねる。 1 人の子 ども が手 を挙げ, 前にで て, 手話 で ス ト ーリ ーを表現す る。 教師 も 子 ど も た ち も し っ かり 見てい る。 仏様が来て, 物 を捨てた ら駄目だよ と付け加 え て話 を す る。 そ れに つ い て , 教師が コ メ ン ト す る。 「 あた ら し い話が加わっ たね。 で も よ く わかっ たね」。 シー ルを 1 枚子 ども に選ばせ, 額に貼 る。 T 「 よ く で き たね」。 別の子 ど も を指名。 前に出 て き て, 表現す る。 T 「 よ く で き た ね」 。 同 じ よ う に シ ール を 選ばせ, 額に貼 る。 教 師は, 小道具 (かき寄せ棒, 猪八戒の面, お も ち やのス イ カ な ど) をい く つか出 し , 「 こ れも 使 っ て表現 し て」 と 別の子 ども を指名す る。 子 ども は表現 をす るが, 小道 具 を使う こ と によ り かえ っ て手話表現から身振り 的な表 現 に な る (例え ば, 「寝 る」 手話で な く , 実際に寝 こ ろ んだ り , 「滑 っ て転ぶ」 手話表現 も , 実際に滑 っ て転ぶ し ぐ さ で表現 し たり す る) 。 教師が 「 よ く で き たよ」 と 言い , 子 ど も に シ ール を貼 る。 教師 が再度, 「 ゴ ミ を あ っ ち こ っ ち捨 て た ら だめだよ。 そう い う こ と を し てい る友達がい たら , ダメ だよ っ て言 っ て あげ て ね」 と 話 をす る。 最後 に実際に スイ カ を切 り , みんなで食べ る。 実際に ゴ ミ 箱 に皮 を捨 て さ せ, 授業が 終了する。

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3

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2 日本人教師によ る授業 授業の目標は, 動物 を テ ーマ に し た表現遊 びと 折り 紙 制作 を通 し た話 し合い活動が挙げ ら れてい た (指導案, 巻末資料) 。 授業は大き く 5 つの部分から 構成 さ れてい た。 (1) 挨拶 と自己紹介, (2) 手遊び, (3) 表現遊び, (4) 折り 紙制作 (話 し合い活動) , (5) ま と め, であっ た。 お よ そ50分間の授業 で あ っ た。 以下に, 授業の流 れにそ っ て, 教師によ る指導 と子 ども たちの様子 を示す。 (1) 挨拶と自己紹介 手 を振 っ て, 視線 を合わせ る。 教師はまず, 自己紹介 を行 う 。 ス ケ ッ チ ブ ッ ク に絵 が描 か れて い て , そ れを示 す。 日本 と 中国の地図が示 さ れてい て, そ れに飛行機の 絵があ る。 教師が, 日本から中国に飛行機に乗 っ て き た こ と を手話で示す。 子 ども の一人が飛行機の手話 を真似 し てい る。 子 ども が上 を指 さ す。 T 「 そ う , 上だよ。 上 の方で飛行機に乗 っ て, 下 を見てい た よ。」 (子 ど も のつ ぶや き に反応 し て , 対 話 を拡げ る) C 「時間は ? 」 T 「 (考えながら) 3 時間く らい (中国手話で 「 3」 も示す)」 T 「 何時間 も じ やな く て , す ぐ に つい た よ」 C 「飛行機 が上下 し た ? 」 T 「飛行機, ひっ く り 返 ら ない よ」 子 ど も た ち に, 飛行機がひっ く り 返 る様子の し ぐ さ に笑いが 起こ る。 T 「 (写真 を見せ) わた し は 0 0 (名前) 」 c 「 あ な たが ? 」 T 「 わか っ た ? 」 子 ども た ち がう なず く 。 い ろ んな手がかり (地図, 写真, 身振り , 日本の手話, 中国の手話) を用い ながら , 伝え よ う と し てい た。 ま た 子 ど も か ら の反応 を手 がかり に, 対話 を拡げよ う と し て い た。 次の絵は, 教師の好き な物, 嫌い な物が示 さ れて い る ( イ チ ゴ, 犬 な ど) 。 単語 レベルで, 中国手話 (好 き , イ チ ゴ, 犬) を使用 し , 身振り ( ダメ , 逃げる) で も表現 し てい た。 (2) 手遊び 手遊 びの導入。 教師が両手 を頭にあげ る。 子 ど も たち に真似 を さ せ る。 T 「一緒, 同 じ , そ う そ う 」 な どの手 話を使う 。 次に両手 を肩に置 く 。 子 ども たち も真似 をす る。 手 を膝に置き , 次に, 手 を合わせる。 ま た膝に置 く 。 目, 耳, 鼻, 口 を手で触れる。 次に, 教師が動作 を早 く す る。 子 ども た ち も す ばや く 真似 をす る。 T 「 も っ と 早 く す るよ」 。 すばや く 動作 を行い, 子 ども た ち も真似 を す る。 T 「次は ゆっ く り す るよ」 ゆっ く り 動作 を行い, 子 ども たち も真似 をす る。 T 「 よ く で き たね」 と 言 っ て, 一人ずつ握手 をす る。 (3) 表現遊 び 絵 カ ー f・、、

によ る表現の導入

動物の絵 カ ー ド を何枚か示 し , 中国手話の表現 を確認 す る。 まず ブ タ の絵。 絵 を見せ ら れる と , みんな手話で 表現す る。 教師 も そ れを真似す る。 一人の子 ども が身振 り 的 に ブ タ を表現す る と , 教師がそれを笑 っ て面白がる。 他 の子 ど も も , ブ タ の し ぐ さ を示す。 競 っ て , ブ タ のい ろ んな表現 を付け加え る。 子 ど も た ち側か ら の自由 な表 現の拡張 があ る。 次 に キ リ ンの絵。 子 ど も た ち がキ リ ン を手話で示す。 T 「 な るほ ど」 と 言い, その手話 を真似 る。 子 ども が教師 の役割 にな っ てい る。 次 にサルの絵 を 示 し, 子 ども が教師に手話 を教え る。 教師がサルのし ぐ さ を し , 子 ども たち も い ろい ろ と 手話 を身振り 的 に拡げ る。 その動物の手話単語 を表現す るだけ で な く , その動 物 にま つわる話 も付け加え る (体 を掻いたり , 木に登 っ た り , 木にぶ ら 下が っ た り な ど) 。 ゾ ウの絵。 子 ど も が 手話単語 を表現す る。 T 「 ゾウは大 き い よ (身振 り で示 す ) 怖い ね。」 と 言い , 子 ど も た ち も い ろ い ろ ゾウに ま つわる話題で対話 をす る。 ネ コの絵。 手話単語だけ で な く , 声 (鳴き声) や し ぐ さ で表す子 ども も い る。 ト ラ の 絵。 同様に手話だけ で な く , 教師がいかつい姿勢で歩 く し ぐ さ を身振り 的 に示す。 子 ども たち も こ んな体の形 だ よ と身振り で示す。 別の c 「決闘す るよ」 T 「 ワ一怖い な あ」 c 「獲物 を こ んな ふう に と っ た り す る よ」 次々に 子 ども たちが ト ラ に関 し て教師に話 し かけ よ う と す る。 ト ラ で知 つてい る こ と を表現す る。 C 「強い のはサイ も い る よ」 教師は子 ども の表現 を真似 し な が ら , そ れを他 の子 ども に も伝え よ う と す る。 カエ ルの絵。 教師が カエ ルの跳ぶ様子やの どを膨 ら ませ る様子 を身振 り で示す。 子 ども 2 人が, その場で実際に カ エ ルのよ う に跳 びはね る。 他の子 ども た ちが笑 う 。

身体によ る表現遊 び

教師は, 椅子を脇に移動 し, 広い空間 を確保す る。 カ エ ルの絵 を示 し , T 「 みんな と 私で カ エ ルに な る よ」 と 話す。 T 「 ぐ る つと 跳 ねなが ら周 る よ」 教師 と 子 ど も た ち が一緒 に カ エ ルに な っ て跳ねなが ら 教室 を 1 周す る。 子 ど も た ち が楽 し みなが ら 跳ねてい る。 一人の子 ど も が 「舌 が ない」 と い う 。 T 「 そ う , カ エ ルは舌 で こ んなふ う に獲物 を取 るね」 と し ぐ さ で応答。 T 「 も う 1 度す る よ。 何か獲物がないかなあ」 喉 を膨 ら ませ る し ぐ さ をす る。 子 ど も た ち も 真似 をす る。 T 「獲物 を と り なが ら周 る よ」 跳ねなが ら獲物 を舌で取 る し ぐ さ を入 れる。 一緒 に動作化す る。 T 「 た く さ ん食べ てお なかがい つぱい」 その場で寝転ぶ。 みんな も 笑い なが ら寝転ぶが, 子 ども たちは背後で参観 し てい る中国人教師たち を ち ら ち ら と 見てい る。 教師が寝転 びながら , 喉 を膨ら ませる し ぐ さ。 子 ども たち も真似 をす る。 T 「日 が覚める」 みんな起き 上がり , 椅子のと こ ろに戻 る。 子 ども たち を座 ら せ, 動物の絵 カ ー ド を示 し て, 「 じ や あ , 次 は ど れにす る ? 」 と 子 ど も た ち に カ ー ド を 選ばせ る。 「 こ れがい い」 と , 一人 ひ と り 絵 カ ー ド を 選 び, そ れを持 つ。 1 人の女児が座 っ たま ま で, カ ー ド を と っ て いない。 教師がこ っ ちへ来て一緒に選ぼう と誘う 。 女児 の絵 カ ー ド (ネ コ) を教師が指 さ し , 「 ネ コ は ど んな ふ う にす るのかな ? 」 と , 彼女 を呼び, 動作化 させる。 女

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の子は少 し戸惑い なが ら も , ネ コ にな っ て, 歩 き ま わる。 教師は, みんな に 「いい ね, ネ コ みたい だ ね」 と 話す。 T 「 みんな おい で。 ネ コ に な っ て歩 く よ」 と 一緒にネ コ に な っ て歩 き 回 る。 ニ ヤー と 声 を出 し な が ら歩 く 子 ども も い る。 「 爪が こ んな ふ う に な っ て い る よ」 と 話 す子 ど も 。 子 ども た ち はそ れぞれ少 し ず つ工夫 し な が ら動作化 し て 1 周 し て席 に も ど る。 T 「 どう だ っ た ? ネ コ は どう だ っ た ? こ んな手 だ っ たね。 こ の手は何 ? 」 c 「爪が出 てい る」 T 「 そ う だね。」 動作化 し たこ と を言葉に し て 話 し, 共有化す る。 T 「ネ コはどんなふう に餌 を食べる ? 」 c 「 こ んな ふう に」 子 ど も を呼 び, 一緒に動作化す る。 教師は, 次 の子 ど も の絵 カ ー ド ( ト ラ ) を と り , みん な に見せ る。 子 ど も た ち は, こ んなふう に牙 が出 てい る と か, こ んなふう に歩 く と か, ト ラ の様子 を話す。 そ れ に触発 さ れ, 手はこ んなふう に爪が出 てい る , 体にはこ んな模様 と いう 子 ども も い る。 お互いに意見 を言い合 う 。 子 ど も た ち の意見 を他 の子 ど も た ち も 見 る よ う に な っ て い る。 子 ども同士の相互作用 を教師が促 し てい る。 子 ど も が前に出 て ト ラ の真似 を し て歩 く 。 教師 も 他の子 ども たち も一緒 に ト ラ の真似 を し なが ら の し歩 く 。 T 「顔 も 虎 に な っ て ね」 と 言 い な が ら , 「 ガオ ー」 と 吼え る真似 をす る。 みんな も真似す る。 1 周 し て席に戻 る。 T 「 次 は , サル だ ね。 手話 は こ う だ ね。 サルは ど ん な ふ う に し てい る ? 」 c 「 こ んなふう に踊 る よ」 そ れを他 の子 ども も真似す る。 胸 を たた く 子。 T 「 そ う だね。 胸 を こ ん な ふ う に た た く ね」 c 「 こ んな ふう に木 と 木の間 を 移動す る よ」 T 「 そ う だ ね」 と 言い なが ら 子 ど も の し ぐ さ を真似す る。 教師が 「 こ んなふう にぶ ら 下が る ね」 と あま り 発言を し ない女児にも話 しかけ る。 女児が 「 こ んなふう に木登 り す る」 と 言 う 。 みんなが意見 を言え る よ う に配慮 し てい る。 T 「 そ う だね。 じ やあ, 一緒にす る よ。」 そ れぞれサルの真似 を し て歩 く (木 を登 っ た り , バナナ を食べ たり , ・ ・ ・ い ろ んな動作が付け加わる) 。 T 「 キ リ ン。 キ リ ンの手話は こ う だ っ た ね」 子 ど も た ち か ら , こ んな ふ う に草 を食べ る , 足 は こ んな形 ・ ・ ・ い ろい ろ と 意見 が出 る。 T 「歩 き方は ? 」 C 「 こ んなふ う に歩 く 」 T 「 そ う , こ んな に首が長いね」 みんなで キ リ ンの真似 を し なが ら , 歩 く 。 歩 き なが ら 教師は, 「 こ んなふう に草 を食べ る よ」 と 子 ども た ち に動作 を促す。 み ん な が席 に戻 る。 T 「 最後 は ゾ ウ。 じ やあ , ゾ ウに な る よ 。 長い鼻は ど う す る ( ど んな ふう に表現す る ? )」 と 問いかけ る。 教師が片腕 を動か し なが ら歩 く 。 そ れを 見 て子 ど も たち も真似 をす る。 T 「鼻で水 を飲むよ」 水 を飲 んでおい しい と 子 ども が表現。 鼻で水 を振り ま く よ と , い ろ い ろ な表現が子 ど も た ち か ら 生ま れる。 T 「 は い , 座 っ て。 か ら だが温か く な っ たね。」 (4) 折り 紙制作

折 リ紙の導入

椅子 を元の位置に戻す。 横 1 列 にな っ て座 る。 教師は 1 枚 の カ ー ド を示す。 カ ー ド には 「 ゾ ウ」 の漢字が書い て あ る。 T 「 こ れゾ ウ だね」 教師が カ ー ド を裏返す と ゾ ウの折 り 紙が貼 っ て あ る。 T 「 紙で折 つた んだ よ」 と 言 い, 実際に別の折り 紙で ゾウ を折 っ て みせ る。 子 ども た ちはそれを見てい る。 次のカ ー ド を示す。 T 「 こ れは何 ? 」 c 「 ウ サ ギ」 T 「 そ う だ ね, ウ サ ギ だ ね」 カ ー ド を 裏 返 す と ウサギの折り 紙があ る。 子 ども たちが 「 そ れいい ね」 と 言 う 。 次々に動物の漢字 カ ー ド と その裏の折り 紙 を示 す。

話し合い

T 「 じ やあ , みんな で一緒 に折 り 紙 を 折 る よ 。 ど れを 折 る ? みんな で相談 し て 1 つ を決めて。」 子 ど も た ちは そ れぞ れ指 さ し を し て自分 が折 り た い も の を ア ピ ールす る。 T 「 1 つ だけ , みんな で話 し合 っ て」 こ れがなかな か通 じ ない様子。 みんなが折り 紙の方に近寄 っ て く る。 みんな そ れぞ れが 1 つ を選ぶ と 勘違い し てい る様子。 子 ど も た ち が 「 僕が ト ラ だか ら ね」 「 僕は ゾ ウ だ よ」 と 話 し てい る。 教師は, (横 1 列 に並 んだ位置から ) 互い に 向かい合 う よ う に椅子の配置 を変え て, 話 し合い を促そ う と す るが, 子 ども たちは教師に一方的に話そう と す る。 教師 が 4 枚 の カ ー ド を示すが, そ れぞれが カ ー ド を と ろ う と す る。 みんな教師 に向 か っ て話 そ う と し て, なかな か子 ど も 同士 の話 し合 い に な ら ない。 結局教師は折り たい も のを, 一人ずつ順番に聞 く 。 ウ サ ギ と イ ヌ に分 か れる。 T 「 じ やあ, ど っ ち にす る か話 し合 っ て決めて」 と 言 う が, そ れも 通 じ ない。 「 じ やあ, 僕は ゾウにす る」 と 別 の動物 を 選ぶ子 ど も も い る。 教師 は子 ど も た ち を円 に な っ て座 ら せ, 自分はやや背後に移 動する (子 ども同士の話 し合い をやり やす く するため) 。 少 し ずつ子 ど も同士対面 で, どう す るか話がで き る よ う に な る。 子 ど も の 1 人が 「 こ れがいい よ」 , 別の子 ど も が 「私はいや, こ っ ちがいい」 と 主張 し あ う が, 解決の ための話 し合い にな ら ない。 教師が も う 一度言 う 。 「時 間がないから , みんなで作 るのは 1 つだけ, どれにす る ? 」 男児同士が少し言い合いになる。 結局教師は 1 枚 1 枚カー ド を見せ, 多数決を と る。 2 つに絞ら れ, 2 対 3 にな る。 T 「 どう す る ? 」 結局不満そ う な顔 をす るが, 1 人多 い ウ サ ギ に 決 ま る。

折 リ紙の制作

椅子 を も と に戻 し , 「 じ やあ, ウサギ を一緒 に作 る ね」 と 確認す る。 机 を持 っ て き て, 輪に な っ て座 る。 紙 を 1 枚 ずつ配 る。 「 や っ ぱり 別 の を作 り たい」 と 主張す る子 ど も も い る が, 一緒に折 り 始め る。 c 「僕下手 だか ら」 T 「 そ んな こ と ない よ。 う ま く 折 っ てい る よ」 対話 し なが ら 折り 進め る。 子 ど も同士 , で き たのを見せ合 っ たり コ

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メ ン ト し た り す る。 ゆっ く り 作業 を し てい る子 ど も も , 教師のサポー ト を受け なが ら自分 で折 っ てい く 。 他の子 ども はそ れを待 っ てい る。 最後 にマ ジ ッ ク で目 を描い て, 出来上がる。 男児が どう し て も も う 1 つ (イ ヌ ) 作 り たい と 主張す る。 時間 が迫 っ てい るが, も う 1 つ作 る こ と に な る。 男 児は, う れし く て全身で喜ぶ。 みんな教師の折 る様子を 真似 し て集中 し て折 っ てい る。 男児が 「 で き ないよ」 と 教師に折り 紙を渡す。 教師が手伝う 。 別の子ども が 「 こ ん な ふ う にす る ん だ よ」 と 自分 の折 っ た の を見 せ る。 T 「 こ こ が耳 に な る んだ よ」 と 対話 を し なが ら 折 っ てい く 。 教師に 「 そ う だよ , う ま いね」 と 言われる と 得意げな顔 に な る。 折 り 終 わ っ て, 顔 を マ ジ ッ ク で描 く 。 い ろ んな 色のマ ジ ッ ク か ら 1 つ選んで と る。 順番 に取 るが, 女児 がと っ た紫のマ ジ ッ ク を男児 も欲 し い と 言 う 。 どう し て も 欲 し い , 「服が同 じ だから」 と 言い張 る。 教師が 「 ど う し よ う 。 話 し合 っ て決めて」 と 言う が, 結局女の子が 譲り , 別の色のマ ジ ッ ク を と る。 最後にマ ジ ッ ク で折 っ た紙に顔 を描い て終了 す る。 (5) ま と め 机 を片付け , 初めの椅子の位置 に座 る。 T 「 ウサギ と イ ヌ の折 り 紙 を作 っ た よ。 こ れで終 わる よ」 男児 が 「 も う 1 つ作 り たい」 と 言 う が, T 「 も う 時間がないから , も う こ れで お し ま い だ よ」 と 言い, みんな で手 を ひら ひ らす る。 教師が子 ども と 1 人ずつ握手 を し て授業が終了 す る。

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3 2 つの授業の比較 授業 はと も によ く 計画 さ れてお り , ま た ほぼ計画通り に進行 し ていた。 と も に様々な教具 ・ 教材 (中国人教師 : ス イ カ の実物 , お も ち やのス イ カ , ビデ オ, 魔法 の杖 , 場面 ご と の絵 な ど ; 日本人教師 : スケ ッ チ ブ ッ ク , 動物 絵 カ ー ド , 文字 カ ー ド , 折 り 紙 な ど) を使用 し て い た。 ま た手 話 に よ る コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を重視 し , 子 ど も と の対話 を中心に授業 を展開 さ せてい たこ と も 共通 し てい た。 中国人教師の授業では導入部分で, 夏の話題に関 し て , 子 ど も た ち の発言 を契機 と し て対 話 を深 め て い た (例え ば, 夏の服装や水 を浴 びる こ と な ど) 。 日本人教師 の授業 にお い て も , 表現遊 びで子 ども た ち の創発的 な発 話 を促 し , そ れを契機に動作化 を多様に展開 させていた。 ま た手話のみで な く , 音声や身振り も多用 さ れてい た。 特に, 中国人教師の授業では, 教師が発音や声 (中国語 の口 型) を使 う 場面 が多 々あ っ た。 た だ し 発音 をす る ( あ るい は手話 と 声 を併用す る) 場面 と 手話 をす る場面 を明確 に区別 し よ う と す る意図が見 ら れ, 例え ば, 手話 と と も に発音す る と き は, 子 ど も を立たせ る な ど, 通常 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン場面 と 明確 に区 別 し てい た。 日本 人教師の授業におい ては, 中国語の発音は用い ら れなかっ たが, 身振り や動作, 中国語の文字な ども多用 し, コ ミ ュ ニケ ーシ ョ ンの確実性 (例えば, 自己紹介) を確保 し , ま たその拡がり (表現遊 びな ど) を試みてい た。 中国人教師 と日本人教師の授業でい く つかの違いが見 出 さ れた。 1 つは動作 (身振り ) の取り 扱いであ る。 中 国人教師の授業 では, 展開部で ま ずアニ メ を見せ, そ れ を動作化 さ せ, さ ら にそ れら に基づいて言葉の指導 (手 話の語り や中国語の指導) を展開 し てい る。 動作はいわ ば, 言葉の前段階 と し て位置付け てい る と 言え よ う 。 こ れに対 し て, 日本人教師は, 動物 カ ー ド で, 子 ども たち と 中国手話の確認 をす る も のの, そ こ から様々な動作化 を喚起 さ せ てい る。 例え ば, ネ コ の絵 カ ー ド を子 ど も た ち に見せ, ネ コの手話を一緒に表現 し た後, ネ コの様子 (歩 き方, 体の特徴, 鳴 き声 な ど) を身振 り で表現 し た り , 子 ども たち に表現 を促 し たり し てい る。 言葉 (手話 単語) を契機と し て, 多様な発想や想像, 創発的 な表現 を め ざ し てい る。 動作が単に言葉への橋渡 し と し て用い るので な く , 言葉から動作へ と の指導の流れと な っ てい る o 2 つには, 子 ど も の発言の取扱い で あ る。 と も に子 ど も の発言 を重視 し , 教師 も そ れを再現 し 子 ども たちの間 で共有化す る試みが多 く な さ れてい た。 ただ中国人教師 の授業での情報の流れは, 子 ども と 教師の間が主で あり , 子 ども 同士 の対話は重視 さ れてい なか っ た。 子 ども 同士 の対 話 に発展す る と , し ば し ば教師が制止 を し て い た (例え ば, 夏の話題での子 ども の発言の制止) 。 ま た子 ど も の発言 も教師 に向け て な さ れる こ と が多 く , 前に出て の動作化や手話によ る語り も教師に対 し て (教師を見て) 行 われる こ と が多 々あ っ た ( そ れに対 し て教師は, 子 ど も た ち の方 を見 て演 ず る よ う に促 し て い たが) 。 そ れに 対 し て, 日本人教師は, 同様に子 ども の発言 を繰り 返 し てい たが, そ れは子 ど も同士 の発言ややり 取 り を促進す る ために用 い てい た。 ま た指導項日 と し て, 子 ど も同士 の話 し合い を挙げてい る こ と も特徴的 であ っ た。 3 つには, 教師 と 子 ども と の関係で あ る。 中国人教師 は, 授業では, 一貫 し て 「指導」 の役割 を担 っ てい る。 子 ども に発問 し たり , 子 ども の発言を評価 し たり , 手話 の語り のモ デルと な っ たり , 情報の流れを統制 し たり し てい た。 日本人教師 も 「指導」 の役割 (情報の流れの統 制, 発問 な ど) を担 う こ と はあ っ たが, 役割はよ り 柔軟 で あ っ た。 一緒に笑 っ たり (友達同士の役割) , 子 ども か ら教え て も ら っ たり (指導 を受け る役割) , 子 ども同 士 の話 し合い を促す ために, 背後に位置 し たり (触媒の 役割) , 多 様 な役割 を担 っ てい た。 そ れは椅子の配置や 教室の レイ ア ウ ト に も現 れてい た。 中国人教師の授業 で の子 ど も の椅子の配置は横一列 で あ っ た。 ま た基本的 に は座 る こ と が求 め ら れてい た。 中国人教師は, 多 く の時 間, 子 ども の前に立 っ てい た。 日本人教師の授業では,

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様々 な配置があ っ た。 子 ど も が横一列 に座 る場面 も あ っ たが, 教師 も 座 っ た り , 子 ど も た ち の座 る椅子 を扇形 に し たり , 円形に し たり , ま た折り 紙作業では机の周り に 座らせてい る。 椅子 を取り 払い, 教室内 を動き回 っ たり , 寝転 んだ り す る こ と も あ っ た。 こ れら によ り , 子 ども 同 士の関わり を生 じ やす く し てい た。 以上, 2 つの授業の共通点 と 違い を示 し た。 も ち ろ ん そ れぞれ45分程度の 1 回き り の授業であり , ま た教師自 身 の言語的 なバ ッ ク グラ ン ド や子 ど も と の関係性 も 異 な る ため, そ れら を中国的, 日本的 と 一般化す る こ と はで き ない だ ろ う 。 た だ こ のよ う な共通点 や違いが どのよ う に教師によ っ て意味づけ ら れてい るか を探 る こ と によ り , 日本人 と 中国人の授業 に対す る認識の違い を理解す る手 掛かり が得 ら れる だ ろ う 。 そのよ う な観点 か ら , 次 に教 師 の デ イ ス コ ー ス の分析 を行 う 。 4 授業検討会に お け る デ イ ス コ ー ス分析 授業検討会での教師や参加者のデイ ス コ ー スは, 内容 から大き く 3 つに分け るこ と がで き た。 1 つは言語やコ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ンに関わ る こ と , 2 つが授業の進行 に関 す るこ と , 3 つが指導内容に関す るこ と であ っ た。 以下, そ れぞ れを詳述す る。 (1) 言語 と コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン に関す る デ イ ス コ ース まず日本人授業者から 「最初の自己紹介から 5 人の子 ども たち が私の話 に注目 し , 一つ一つの事柄に反応 し て く れたこ と が一番嬉 し か っ た。 言語が違 っ て も手話は世 界共通なのだ, と研究授業中ながら も感動 し た」 と あり , ま たその後の授業 で も 「表現遊 びで, 互い に心 をふれあ わせ, 一緒に表現す る こ と が達成で き た。 通 じ ない時, い ろい ろ と 工夫 し て子 ど も た ち が返 し て く れた。」 と 述 べ てい る。 中国人参加者 も , 「中国の手話の分から ない 先生が, 日本の手話 をわから ない子 ど も に授業 をす る と い う こ と で, 授業が成り 立つか どう かと て も心配 し た。 で も , 言葉の壁はあ っ たにせよ , 授業が成 り 立 つてい た のはす ごい と 思 っ た。 健聴の先生が, 健聴の子 ども に授 業 を行 う 場合は, そう はいかない。」 「日本手話 と 中国手 話が異な るか ら , 交流は難 し い と 思 っ た。 し か し , 教師 は自分で作 っ た絵 を通 し て子 ども たち に自己紹介 を行い, 子 ども たち も 理解で き て, う ま く 交流で き ていた。」 「日 本の 教師は手話 と 表情が非常 に豊かで あ っ た。 特 に自 己紹介 と動物 カ ー ドのゲームのと き , 先生が ジェ スチ ヤー でい ろ んな動物 を表す こ と がで き ていた。 こ のこ と を通 し て 児の注意力 を引 き寄せ, 教師 と 子 ど も と の交流 も 順調 に な っ た。 子 ど も も ジ ェ ス チ ヤー で動物 を生 き 生 き と 描き だ し てい た。」 と 感想 を述べてい る。 た だ難 し さ も あり , 日本人教師は 「い ろ んな発想 を し て く れたが, そ れら を き ち んと 受け 止めら れなか っ た。 ま た折り 紙制作 の時, 子 ど も同士 で話 し合 っ て欲 し い と 考え たが, そ れが難 し かっ た。 伝え たい こ と が子 ども に 伝 わら なか っ た。」 と 述べ, 結局, 「 1 つ だけ 選んで一緒 に作 る と 私か ら 強引 に提案 し て そ れを行 っ て し ま っ た。」 と コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ンの質 が十分 で な か っ た こ と も 述べ て い る o 手話 に関す る発言や記述も多 く 見 ら れた。 日本人授業 者は 「中国手話 の テキ ス ト に掲載 さ れてい るイ ラ ス ト を 引用 し た絵カ ー ド, 折り 紙の見本を貼り 付けた中国語カ ー ド を作 成 し て授業 に臨 んだ。 ま た テ キ ス ト に掲載 さ れて い る簡単 な手話 を覚え て行 っ た」 と 中国の手話に関 し て 事前準備 を行 っ てい る。 中国人参加者から 「日本の先生 の手話 を見 て い て , そ んな に違 わな い と 思 っ た。 日本の 手話 も その意味が想像で き た。」 「先生の表情が豊かで, 子 ど も の交流 も う ま か っ た。 雰囲気が非常に良か っ た。」 「 ゾ ウが水 を ま き 散 ら す動作 を行 っ たが, 中国の手話で は 「太陽」 と い う 手話単語 と 似 てい る。 子 ども が間違 っ て と ら え る可能性があ る。」 と あ っ た。 いず れにせよ , 手話が共通の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ンの手段 と し て, 重要で あ る こ と が認識 さ れてい る。 (2) 授業 の進行 に関す る デ イ ス コ ース 授業 の進行 に関 し ては, と も によ く 計画 さ れた授業で あ る こ と , ま た教材や教具な ども よ く 準備 さ れてい る こ と が述べ ら れた。 中国人参加者か ら は, 日本人教師の授 業 に関 し て, 「 よ く 準備 さ れた授業 だ っ た。 先生が動物 の動 き を表 し , そ れを子 ど も に真似 さ せ る , そ う い う や り 方が印象深かっ た。 折り 紙の指導で も , 言葉 と 関連付 け を し てい るのがよ か っ た。 折 り 紙に子 ど も たち は非常 に興味 を持 っ て参加 で き てい た。」 と 述べ ら れて い た。 日本人参加者からは 「中国の先生の授業は し っかり と 教 え てい る なあ と 感 じ る。 日本の先生の授業は子 ども た ち の自由 な発想 をいかに引 き出すか と 言 う こ と を中心に据 え ていた。 日本で も多 く の 学校が教え る こ と に一生懸 命 に な り がち。 本 学校では, あ そ びを中心に据え て, そ こ か ら指導 を展開 し てい る点 に特徴があ る。」 と 展開 の違いの指摘があ っ た。 ま た教具に関 し ては, 中国人参加者から 「 1 人 1 人の 子 ども た ち にき ち んと対応 し てい た。 日本の授業は人 と 人の関わり , コ ミ ュ ニケ ー シ ョ ン を非常 に大切 に考え る。 現代 の中国では, 人 と 人の間に機械 を入 れて, 指導の効 果 を高めよ う と す る, そ こ に大き な違いがあ る。 中国で は必ず, 例え ば, パワ ーポイ ン ト を使 う と か, ビデオ を 使う (いいかどう かは別に し て) 。 今日の日本の先生の 授業では, 折り 紙だけ でいい授業 を し ていた。 非常に感 心 し た。 中国では機械がない と だめだ と い う 考え があ る が。」 と い う 教師 と 子 ど も と の関わり 方 の違い に関 し て の感想 も 示 さ れて い る。 (3) 指導内容に関す る デイ ス コ ース こ こ では, 表現遊 びの意味, 折紙活動の意味, 語 る力 ,

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話 し合 う 力 , 文化的差異に関 し ての発言や記述を取り 上 げ る。

表現遊 び (動作と表情の意味)

指導内容に関 し てい く つかの議論があ っ た。 1 つは動 物の表現遊 びで あ る。 (1) に, 日本人授業者か ら動物の 表現遊 びの指導目標につい て語 ら れてい るが, 中国人参 加 者 か ら , 「 動物 に関 し て の指 導 に つ い て は , 例 え ば 「 ネ コ」 を取 り 上げ る の で あ れば, ネ コ に関 し て のい ろ んな言葉 を指導で き ればも っ と 良か っ た。 例え ば, ネ コ は魚 を食べ るけ ど, 草は食べない と か, そ う い う 知識 を 指導で き ればよ かっ た。」 「 で き るだけ各種類の動物の写 真 と 名前 を一緒に黒板 に貼 っ て, 子 ど も に動物の手話 も 教え ては どう か。 そ う す れば, 子 ど も たちは動物の名前 を し っ か り 覚え ら れる。」 等 の ア ド バイ ス が見 ら れた。 こ れは, 中国人参加者に と っ て, 動物表現遊 びは, 動物 に関す る名前や知識 を指導す る と 誤 っ て捉え ら れてい る こ と に よ るのだ ろ う 。 ま た こ れに関連 し て, 他の中国人 参加者から 「日本の授業の特徴は, 遊 びを通 し て, 指導 を行 っ てい く と い う こ と が理解で き た。」 「 こ の授業は, た だ教師 と 子 ども た ち と 特 に目的 も ない よ う に遊 んでい たが, 実は様々な活動 に目標があ り , そ れに従 っ て実行 し てい た。」 と , 遊 びが 「指導」 と な る日本の授業 に対 し て戸惑 い も 感想 と し て述べ ら れてい る。 表現遊 びにおけ る動作 (身振り ) の意味付け について も議論があ っ た。 中国人参加者は, 「教育はその対象が あ り , その対象の発達レ ベルに応 じ て, 指導の内容が決 ま る。 今日の子 ど も たちは, 年長。 あ る程度の言葉の知 識があり , 中国人教師の授業では, 物語を再現 し たり , 長い文 を表現 させたり し ていた。 日本人教師の授業では, 子 ど も に求めてい るのは, 単語レベルで あ り , 中国では, 年少 レ ベルの授業内容に な っ てい た。 言葉は単語から ス ト ーリ ーへと発達す るが, 彼らの年齢にな る と ス ト ーリ ー レベルの指導が必要だ。 今日の題材は, 子 ども たちにと っ ては簡単 す ぎたか も し れない。」 と 述べ, 動作化 を手話 (単 語) の指導 に繋げ る も の と し て捉え て い る。 こ れに 対 し て, 日本人参加者は, 「 ま ずは心 を通 じ合 わせ る こ と 。 か ら だの表現 を通 し て, 心 を開放す る こ と が最初の 狙い。 動物の身振り は, 手話ではな く 身体表現遊びであ る。 子 ども た ち と の関係は, 言葉の壁 を越え て, う ま く で き た と 思 う 。」 と 動作 を教師 と 子 ども の関係性 を促進 す る も のと 捉え, ま た日本人授業者は 「授業 を進めてい く 中で も , 子 ども たち が楽 し そ う に表現遊 びに取 り 組ん で く れ, 色々 な アイ デ ア を出 し て話 を ふ く ら ま せ て く れ た こ と で, 授業 を楽 し く 展開す る こ と がで き た。」 と 述 べ, 動作は単に言葉への橋渡 し に留 ま るので な く , 言葉 か ら あ ふ れ出 て来 る も の, 心 を開放す る も の と 捉 え てい る o こ のこ と に関連 し て表情の取扱い につい て も同様の議 論があ っ た。 中国人参加者か ら , 「共通 し てい る と こ ろ は, と も に表情 を非常に大切に し てい る。 表情 を強調 し て指導 し てい る。 表情は手話の文法の側面 も あ るので, そ れは非常 に大切 な こ と だ と 思 う 。 た だ強調の仕方が少 し違う 。 中国人教師の授業は, 物語の展開の中で, 具体 的 な場面 で, どのよ う な表情が出て来 るか, 表情の意味 を教え たり , 学習 させたり し ていた。 具体的な場面 を切 り 離 し て表情は考え ら れない。 日本人教師の授業では, 言葉 (単語) そのも のだけ か ら , ど んな表情がで て く る か子 ども たち に意識 さ せ, 考え さ せてい る。 具体的 な場 面がな く て も , その言葉で表情につい て勉強で き る。 どっ ち がいいか悪 いかで な く , そ こ に違いが感 じ ら れた。 自 然手話では, 表情の違いによ っ て, 登場人物の表現 を使 いわけ る。 日本手話で も ある と 思う が, 今日の日本人教 師の授業 では, そ れは見 ら れなかっ た。」 と 発言があり , 表情に関 し て も , 手話の語り の中で, その文法的, 談話 的機能 を担 う も の と し て捉え よ う と し てい る。 ク 動の, 折り 紙活動 の捉え方 につい て も 違いが見 ら れた。 中国 人参加者か ら は 「折 り 紙 ゲ ームは, 子 ども の手の巧緻性 を鍛え, 目測力 と操作力 を発達 さ せ, ま た模倣能力 と 注 意力 を育成す る こ と も で き る。」 と 称賛 し てい るのに対 し て, 日本人授業者は, 「大事 な目標は, 折り 紙 を折 る こ と だけ では ない。 子 ども た ち は, 何 を折 り たいか, 相 談 し て決め る よ う に と い う 課題 を出 さ れて戸惑 っ てい る よ う だ っ た。 相談す る と い う のは, ま さ に言語力 を使 っ て, 友達と 交渉す る と か, 妥協点 を見出す と か, 非常に 大事 なスキルである と 思う 。 友達 と 言葉 を使 っ て交渉す る と い う 課題は 5 歳児の目標と し て も低 く はない し , 中 国 で も日本 で も 必要 な学習課題 だ と 思 う 。」 と あ く ま で も言語活動の一環 と し ての教材で あ る と 語 っ てい る。

語 る

幼児期に指導すべき言語活動, 語る力 に関 し て言及が あ っ た。 中国人参加者は, 折に触れ, 手話で語 る力 を育 て る こ と が重 要な教育日 標 に な る と 主張 し てい る。 日本 人参加者は, 中国人教師 に授業に対 し て 「 アニ メ ー シ ョ ンを見た後, 子 ども たちは今見た物語の内容を手話で語 る よ う 求め ら れ, 順 に前に出て物語 を再現 し た。 驚い た こ と に どの子 も , 印象 に残 っ た一部分 だけ を話すのでは な く , 順 を追 っ て全場面 を語るこ と がで き , し かも 起承 転結 を と ら え て物語 を再現 し てい た。 ま た, 手話の文法 的 な指 さ し や表情, 手の動 き やリ ズム, 文の構成 な ど, “言語” と し て整 っ た形 で手話が表現 さ れてい た。」 「子 ど も た ち が語 る力 を持 っ てい る こ と に驚か さ れた。 こ の 先生に よ る毎日 の授業 の積み重 ねが功 を な し てい る のだ ろ う 。 ス ト ーリ ー ビデオの視聴か ら の振 り 返 り , 子 ど も の発表 を生か し た先生の動作化, 先生の動作化 を アレ ン ジ し た児童の動作化。 こ の流 れに よ る積み重ねがあ っ て

参照

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