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山梨県の径2cm以下の肺癌のCT所見の検討-98山梨早期肺癌セミナー報告(特に野口分類との関係について) 利用統計を見る

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       山梨肺癌研究会会誌 12巻1号 1999

山梨県の径2cm以下の肺癌のCT所見の検討

―98山梨早期肺癌セミナー報告(特に野口分類との関係について)

山梨医大放射線科 南部敦史 石亀慶一 荒木力 同第一病理学教室 平島奈緒子 市立甲府病院内科 小澤克良 はじめに  1995年野口らによる径2cm以下の腺癌の組織学的分類が発表されて以来,日本を中心 にサイズの小さな肺癌への注目度が高まりその画像所見の検討も活発に行われている.今 回我々は,山梨県内の径2cm以下の肺癌を集計し,病理所見と画像所見を対比する機会 を得たので病理像との対比も含めた径2cm以下の肺癌のCT所見につき報告する. 1対象と方法  CT画像が集められたのは35症例である.その内訳は腺癌24例,扁平上皮癌7例,大細 胞癌1例,小細胞癌2例,カルチノイド1例である.そのうち病理所見と対比できた症例は 25症例で腺癌22例,扁平上皮癌2例,カルチノイド1例である.そのうち,高分解能CTが 施行されている13例(腺癌11例,扁平上皮癌2例)を検討の対象とした.腺癌については, 野口分類の亜型ごとに検討を行った(表1,表2).検討項目としては,1結節の濃度,2 血管引き込み像の有無,3 結節内気腔構造の有無,4spiculaの有無につき検討を行った. 結節の濃度については,結節内に血管が透見できる位淡い陰影をスリガラス影,結節内に 血管が透見できない位濃度の高い結節を高濃度,及びこの2者の混在している場合を混在 型として3種類に分類して検討した. 2結果  扁平上皮癌の2例ではともに,境界明瞭な高濃度の結節影を示していた(図1).1例 では内部に気腔構造が見られ,病理学的には空洞に対応していた.  腺癌の画像所見については表3にまとめた.野ロtype Aはspicula,血管の引き込みおよび 内部の高濃度域を欠くスリガラス影を示していた(図2).type Bはspiculaを伴う高濃度 結節の所見を呈していた(図3).type Cは線維化の度合いを反映して高濃度もしくはスリ ガラス影と高濃度部の混在の所見を示した(図4).また,7/9(78%)で血管の引き込み 像を8/9(89%)でspiculaをそれぞれ認めた。腺癌全体では結節内気腔構造は6/11 (55%),spiculaは9/11(82%)に見られた. 3考察  近年野ロらは[1]腺癌の組織学的多様性に着目し,径2cm以下の肺腺癌を病理学的に6型 に分類し,それぞれの型と癌の進展度,手術後の予後との関連につき報告した.その報告 によると,typeA,Bでは5年生存率100%であるのに対しtypeCは74.8%であり, typeA,B はリンパ節転移0%であったのに対しtypeCでは28%にリンパ節転移が見られ,また typeA,BではtypeCに比べ胸膜浸潤,血管浸潤,核分裂像が有意に少なかったとしている. typeA,Bではリンパ節転移0%であったことから術中迅速診断でtype A,Bと診断されれば リンパ節隔清が省略できるとしている.しかし,迅速標本は必ずしも病理診断を行うのに       一38一

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ではspiculaを伴う高濃度結節の所見を呈していた。また、 type Cでは高濃度もしくはス  リガラス影と高濃度部の混在した結節であった。高濃度部は線維化の部分に対応し、ス  リガラス影の部分は線維化,虚脱のない肺胞置換型の組織に対応し、いわばtypeAの組織  に対応する部分であった。 均一なスリガラス影はtypeAに特徴的な可能性があるが、結  節全体が高濃度の場合には野口分類の亜型の推定は困難である。また、スリガラス影と  高濃度部の混在した結節では、スリガラス影の部分が線維化虚脱のない肺胞置換型の組 織を示唆し、細気管支肺胞上皮癌、すなわち、type BもしくはCとの判断は可能かもしれ ない。しかし、手術方針に大きく影響する両者の区別は画像上では困難である。従って、  現段階ではtypeAをいかに確実に診断するかが画像診断上の課題と考える。過去の報告に  おいても野口typeAは均一なスリガラス影を示すとされている[2]。しかし、 typeAでも炎  症細胞浸潤や腫瘍に産生された粘液により内部に高濃度部が生じたとする報告もある[3]。  この場合にはtype Cとの鑑別が問題になるが、今回の検討においてtype Cでは高頻度に 血管の引き込み像spiculaが見られ、これらの所見を欠くtypeAとの鑑別に有用な所見かも  しれない。また,type Cのスリガラス影と高濃度部の混在した結節において、高濃度部の 成分が小さい場合にはスライス間にギャップのある撮像法では撮像スライス内に入らず見 落とされる可能性がある。また通常のCT撮像ではスライス間のギャップなしの設定で撮 像しても、各スライスを撮像する際のちょっとした呼吸のずれにより実際撮られる画像は  ギャップを生じている可能性がある。従ってこうしたtype Cとtype Aを区別するにはヘ  リカルCTで一回の息どめで結節全体をギャップなしで撮像する必要があると思われる。 4 結論  現段階では野口のtypeA以外の亜型を区別して画像診断することは困難である.野口の typeAの画像上の特徴はspicula,血管の引き込みを欠く均一なスリガラス影である.野口 のtypeAを確実に診断するためには,スリガラス影と高濃度域をもつ混在型のtype Cもし くはBを除外する必要がある.そのためには,ヘリカルCTで一回の息どめで結節全体を ギャップなしで撮像する必要がある. 参考文献 1 Noguchi M, Morikawa A, Kawasaki M, et al. Small adenocarcinoma of the lung: histologic characteristics and prognosis. Cancer 75:2844−2852,1995 2斉藤友雄.小型腺癌における高分解能CTと病理組織像(Noguchi分類)との比較.日本 医会総誌 58:197−203,1998 3古泉直也,斉藤友雄,酒井邦夫,他.Noguchi分類と高分解能CT像.画像診断Vol18 No11:1194−1202,1998 一39一

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