Title
伊是名島における休耕田の雑草群落に関する研究(2)
―ヒメガマ群落の分類―
Author(s)
仲田, 栄二
Citation
沖縄農業, 17(1・2): 21-23
Issue Date
1981-12
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12001/1203
Rights
沖縄農業研究会
伊是名藝島における休耕田の雑-草群落に関する研究(H)
一ヒメガマ群落の分類一
※I中田栄二二
EijiNAKADA:Studiesonweedcommunitiesofno-cultivationpaddyfieldin
lzenalsland,Okinawa,Japan(Ⅱ).C1assificatinofTyPAado〃"ge"sjscommunity 1) 対しては全推定法に従って被度と群度の測度を与えた。被度は,調査面積内で,個々の種がどの程度の面積を
被覆していろかの測定で,個体数も加味し,以下の階級
で区分されている. 5:被度が調査面積の3/4以上を占めるもの. 4:被度が調査面積の1/2~3/4を占めろもの6 3:被度が調査面積の翅~兇を占めるもの. 2:個体数がきわめて多いか、または少なくとも被度 が調査面積の1/10~1/4を占めるもの. 1:個体数は多いが、被度は1/20以下,または被度が 1/10以下で個体数が少ないもの. +:個体数も少なく被度も少ないもの. 群度は,調査面積内に個々の種がどのように配分され ているかを調べるときに広く用いられ,被度の多少とは 関係なく,個体の配分状態のみが対象とされ,次の階級 で区分されている. 5:ある植物が調査地内にカーペット状に一面に生育 しているもの. 4:大きな班紋状、カーペットのあちらこちらに穴が あいている様うな状態のもの. 3:小群の班紋状のもの. 2:小群状のもの. 1:単生のもの. その他隣接群落,人為や家畜の影響,微地形,水深 (1980年11月16日雨天,調査の前日が雨天だったので、 水深は概して意味がないかもしれない)など現地で判定 しうる節囲内で,できるだけ多くの環境要因について記 録された. はじめに 伊是名島における休耕田の雑草群落に関する研究(1), クサネム群落の分類のつづきとして今回は高茎のヒメガ マ(方言名・ハマ)が草本第一層を優占する休耕田の雑 草群落の分類と遷移について調査をおこなった. 調査方法 現地調査 植生調査は1980年11月17日に,伊是名島(図1)の休 耕田に生育する相観上ヒメガマ優占群落を対象にしてお こなわれた.燐=
図1.調査地の地理的位置 調査対象とされた具体的な個々の植分は,均質な相観 をなし,均質と判定される最小面積以上の拡がりをもつ ものがえらばれた. 植生調査にさいしては,調査面積内の全出現種につい て完全な種のリストを作成した.草本群落の階層は,個 々の植分の葉群層が明瞭に独立をしている場合には,第 1層と第2層に区分した.調査面積内に出現する全種に 群落区分 野外で得られた植生調査資料は、群落形態や生活形態 を考慮に入れて,ほぼ同質の植分ごとに種組成表にまと 3) められだ.組成表は次に示される組成表作業過程によっ ておこなわれた. 1:植生調査資料の素表への記入. 2:常在度の高いものから並べた常在度表への書きか ※沖縄国際大学南島文化研究所研究員沖縄農業=第17巻第1.2併号(1981年) 22 )た. 3:部分表}こよる区分種の発見. 4:局地的に有効な区分種群の有無による区分表への 組みかえ. 5:区分種表から群落表への組みかえ. 2) なお出現種の和名は初島に従った. /| と 調査結果および考察 今回、伊是名島の休耕田から14個の植生調査資料が収 集された(図2).これらの植生調査資料はチューリッ 3) 上・モンペリエ学派のテーブル処理法によって、テーブ ルの組み換え操作を行った結果、以下の植生単位が明ら かにされた. I
図2.調査地の概観
1.典型亜群落(表1.図3.) ヒメガマ群落は,2~3年目からの休耕田に生育し 表1. ヒメガマ群落(1~14) 典型亜群落(2~2) チゴザサ亜群落(3~14) 典型変群落(3~6) クマノギク変群落(7~9) シマツユクサ変群落(10~14) 14 通し番号 一 調査地番号 13 12 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 IZIZIZIZIZIZIZIZIZIZIZIZIZIZ 228230234233231226235225232237227224336229 1111111111ullllllllllllllll l717171717171717171717171717 3×46×65×55×56×65×66×74×65×53×75×55×55×54×6 45365333744634 180240205210185220200185180210235230250180 9595658065757070656575858070 308075907511070708580958011065 110100100100100100100100100100100100100 26334445767566 調査年月日(1980年) 調査面積(腕×”) 水深(ciUv) 草本第一層の高さ(”) 草本第1層の植被率(%) 草本第2層の高さ(”) 草木第2層の植被率(%) 出現種数 群落区分種 ヒメガマ 亜群落区分種 チゴザサ ハイキビ 変群落区分種 クマノギク タイヮンカモノハシ 変群落区分種 キダチキンバイ シマツユクサ 随伴種 ヤナギタデ ッルノノゲイトウ 5.55.54.4 122 |l HHH 5.5 4.4 4.4 4.44.44.4 4.4 4.4 5.5 5.5 5.5 ・’5.55.55.5 ・’3.31.1+・2 4.43.3 5.55.55.52.2・1.1 5.52.2 5.5● 5.55.511.1+、21 5.5 1.1 ●●● -2一 ●● 一●一●● 』●一 一十一 ++ +1.1 H-2 H-2 +・ ●● ●●●● 。+一十十一・・ ●● ●● ●● ● ● ● H-2 H-2 ++o2+. + 1.1 ++. ● ● ● ●8 1.11 ●● ●● ●● +、2 ● 2.2 ● H-2 H-2 +● + ● +・ .+・2 ●●● ●●● ●● ● + ● + 出現1回の種:IZ-230・コウキヤガラ(H-2,+・2)、カンガレイ(H-2,1.1)、ミジンコウキクサ (H-2,+),ヒルムシロ(H-2,+2),IZ-232・シマスズメノヒエ(H-2,+),IZ-229 ・ナンゴクデンジソウ(H-2,+) 調査地:IZ-237:字仲田,IZ-234,235,236:字勢理客、IZ-224.225,226:字伊是名.IZ-227、 228,229,230,231,232,233:字諸見 調査者:仲田栄二仲田:伊是名島における休耕田の雑草群落に関する研究(1) 23 群落の持続期間は相対的に短い伊是名島の休耕田、に 生育するヒメガマ群落は,現在、衰退期に位置していろ と考えられろ. ヒメガマ群落の遷移はアゼ植生の構成種であるチゴザ サ、ハイキビ,クマノギク、タイワンカモノハシ,ツポ クサ,ギタチキンバイ,チガヤ、シマツユクサなどによ って限定されていろと考えられろ.これらの種群は、主 に栄養器官によってアゼから休耕田の中央に向かって侵 入してくる.侵入速度は休耕田の水分条件やアゼ植生の 形態などにより差異がある.ヒメガマ群落の構成種は2 ~6種で貧弱である. 休耕田の雑草植生の管理手法は、アゼ植生の管理を前 提としなければならないものと考えろ. ヒメガマ群落は,ヒメガマ1種によって識別される. この群落は,ヨシ群目、ヨシ群綱に上級単位がまとめら 5)刷 れろ.群団は未決定である. のと考えられろ. この変群落は,クマノギク,タイワンカモノハシを持 つことにより識別されろ. (3).典型変群落 典型変群落は、3つの下位単位のうちで、水分条件の最 も良好な湿田的な立地に生育していろ.遷移の進行は比 較的遅いものと考えられろ. おわりに 1.本研究は、ヒメガマが草木第1層を優占する休耕田 雑草群落の分類と遷移系列を明らかにする目的でおこな われた. 2.ヒメガマ草木第1層を優占する休耕田の雑草群落 は,次の2群落3変群落に区分された.ヒメガマ典型亜 群落,チゴザサー亜群落、典型亜群落,クマノギク変群 落,キダチキンバイ変群落. 3.典型亜群落は、水分条件の良好な立地に生育し,遷 移の進行は遅い.チゴザサ亜群落は,典型亜群落から移 行したものである.典型亜群落は土壌水分のよい湿田的 な立地に生育している.クマノギク変群落は、乾田的な 立地に生育し,遷移は速い.キダチキンバイ変群落は, クマノギク変群落と典型変群落の中間の立地に生育して いろ. 4.休耕田の雑草群落の種組成と遷移は接続するアゼ植 生の構成種によって限定されるものと考えられる.