予備軍を含めて2210 万人の国民病、糖尿病の真実 〜糖尿病なんてカンケイない!と思っているあなたへ〜 糖尿病は年々増加の一途を示し、2007 年の厚生労働省の国民健康・栄養調査では、患者 数は890 万人、予備軍を含めると 2210 万人で、40 歳以上の 3 人に 1 人が糖尿病か、その 予備軍となっています。糖尿病による合併症も深刻で、糖尿病腎症が原因で新たに透析医 療が必要となる人は、年間 1 万 6000 人に達し、糖尿病網膜症が原因で失明する人は年間 3000 人、足壊疽のために年間 3000 人以上が足を切断しています。また糖尿病は心筋梗塞 や脳梗塞の最も重要な原因です。 糖尿病の治療薬の進歩はここ数年でめざましく、治療は進歩しているにもかかわらず、 糖尿病患者の平均寿命は国民全体の平均寿命に比べて、男性で約10 歳、女性で約 13 年短 いと報告されています。 国民病とも言われる糖尿病ですが、2007 年の同じ調査で、治療を受けているのは半数程 度であると報告されています。糖尿病であることに気付かないでいる人や、気付いていて も治療をしないでいる人が、いかに多いかがわかります。 糖尿病は自覚症状が少ないためにこのような状況になっていますが、治療をしないでい ると、やがて全身に様々な障害を起こすのがこの病気の特徴であり、恐ろしい病気と言わ れる由縁です。 ○どんな人が糖尿病になりやすいか 遺伝的要因と環境要因があります。まず近親者に糖尿病になっている人がいれば、遺伝 的要因があると考えますが、そうでない人でも注意が必要です。 膵臓から分泌される、血糖値を下げる働きをするホルモン「インスリン」が、でにくい 体質かどうか、インスリンの効きを悪くするような過食や運動不足、肥満といった状態に なってないかです。 ○インスリンの作用が不足して血糖値が上がります インスリンは膵臓で作り出されるホルモンで、細胞が血液の中からブドウ糖を取り込ん でエネルギーとして利用するのを助ける働きをしています。このインスリンの作用が不足 すると、ブドウ糖を利用できなくなり、血液中のブドウ糖濃度「血糖値」が高くなります。 これを高血糖といい、高血糖が継続するのが糖尿病です。インスリンの作用不足には、膵 臓のインスリンを作り出す(インスリン分泌)能力の低下と、インスリンに対する細胞の感 受性低下の二つの原因があります。 ○糖尿病になるとなにがこまるのか 糖尿病の症状は、気付きにくく、多少血糖値が高いくらいでは全く症状のない人がほと
んどですので、この時期に日常生活で困ったことを自覚することは少ないです。しかし、 多少の血糖値が高いだけでも、合併症は着実に発症・進行していきますので、症状がない から大丈夫ということはありません。 自覚症状がないからと糖尿病を放置していると、全身に様々な合併症を起こしてきます。 合併症は、糖尿病に特有な神経障害・網膜症・腎症の他に、他の疾患と重なって太い血管 に障害を及ぼす心筋梗塞や脳梗塞があり、心筋梗塞などはほかの動脈硬化リスク因子と重 なり、例えば血圧やコレステロール値が少し高め程度でも高血糖が加わることで、一気に 発症の危険度が増します。 ○どんな治療をするか 治療は、合併症の発症・進行を予防するために高血糖を是正することで、血糖をコント ロールすることが基本です。血糖コントロールの手段は、食事療法・運動療法・薬物療法 が基本となります。 ○早期の血糖管理の重要性について 最近の研究で、糖尿病と診断されたら、早期に薬や徹底した生活習慣の改善によって血 糖値をかなり低く抑える努力をした人は、後々の死亡率や心筋梗塞などの発症する確率が 低くなるとの報告や、生活習慣を強力に改善すると、改善しなかった人に比べて糖尿病に 移行する率が低く、その効果が長年にわたって続く、という成果が報告されました。これ らのことは、「最初の頑張り」が後々まで生かされることから「遺産効果」と呼ばれており、 糖尿病では早期に診断し、早期から徹底した血糖管理を行うことが重要とされます。 ○ このような人は糖尿病に気をつけて 1.運動不足である。 2.朝食を抜く、間食が多い、夕食が遅い、早食いである。 3.きのこ類・海草・野菜・果物の摂取が少ない。 4.喫煙者である、禁煙して体重が増えた。 5.アルコール日本酒換算で平均1日2合以上呑んでいる。 6.最近体重が増えた。 7.血圧が高い。 8.親兄弟(姉妹)が糖尿病だ。 9.最近おなかがすきやすい。 10.最近のどが乾く。 11.尿が近い、夜間にトイレに起きる。 12.急激に体重が減った。