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<シンポジウム>20世紀アメリカ外交と科学

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Academic year: 2021

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全文

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<シンポジウム>20世紀アメリカ外交と科学

著者

田中 きく代

雑誌名

関学西洋史論集

40

ページ

1-2

発行年

2017-03-31

URL

http://hdl.handle.net/10236/00027650

(2)

〔シンポジウム〕

20 世紀アメリカ外交と科学

田 中 きく代

2016 年 11 月 20 日、「20 世紀アメリカ外交と科学」と題して、シンポジウム を開催した。 人類は有史以来「科学」を発展させ、利用し、その恩恵を受けてきた。しか し、その「科学」による技術革新が文明に破壊をもたらす際には、人類の知力 は常にそれを制御してきた。人類と「科学」の関係は、ある意味でこうした革 新と制御の繰り返しであったが、20 世紀になると様相を異にする。巨大化し た科学技術がグローバルな影響を及ぼすようになった現在、はたして我々の知 力はそれを制御できるのか。 ことに、20 世紀には、二度の世界大戦、ヴェトナム戦争を挙げるまでもな く、多くの国々や地域を巻き込む戦争が繰り返され、そこでは軍事の技術革新 が決定的な役割を果たした。 シンポジウムでは、20 世紀の世界を指導することになったアメリカ合衆国 の外交に見る知力と、原爆や枯葉剤といった軍事に見られた科学技術との関係 を問いただすことにした。パネラーは、藤岡真樹、高橋博子、藤本博の諸氏 で、それぞれ「科学研究の移り変わりと米国外交−1920 年代から 1950 年代ま で−」、「マンハッタン計画と米原子力委員会の放射線人体影響研究」、「ヴェト ナムに終える「アメリカの戦争」と枯れ葉剤散布−戦争時における科学者の批 判と米政府の対応−」と題して、報告された。司会は田中きく代が務め、関西 学院大学大学院の院生である内輪雅史がコメントした。 以後、報告者の報告概要と、コメンテイターのコメント概要を記している。 それらから分かるように、科学技術が 20 世紀を通してなした破壊の実態、そ ― 1 ―

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れへの政治の加担といった史実を再確認し、我々の知力の限界を痛感した。し かし、それぞれの報告で指摘された科学者の批判の中に、人類の英知による希 望の灯も窺えた。2016 年 5 月に広島を訪れたオバマ前大統領が演説の中で、 “But the memory of the morning of August 6, 1945 must never fade. That memory

allows us to fight complacency. It fuels our moral imagination, it allows us to change.”と述べたように、破壊的科学技術と戦う想像力を培わなければなら ないが、その礎はこうした科学者の批判的行動の理解にあると。

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