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2018年度・石垣島における環境教育実践(盛口ゼミ)の記録: 沖縄地域学リポジトリ

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Title

2018年度・石垣島における環境教育実践(盛口ゼミ)の

記録

Author(s)

盛口, 満

Citation

こども文化学科紀要(5): 21-41

Issue Date

2018-10

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12001/23927

Rights

沖縄大学人文学部こども文化学科

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【実践記録】 2018 年度・石垣島における環境教育実践(盛口ゼミ)の記録 盛口 満 はじめに 理科教育を主体とする研究・教育活動を続けている盛口ゼミでは 2011 年度より、石垣島 白保のしらほサンゴ村(後にNPO夏花)と協働して、白保子どもキャンプ(通称やまん ぐぅキャンプ)の活動支援を行ってきた。具体的にはキャンプの運営の手伝いをするとと もに、キャンプの日程の中に、地域の自然や文化・歴史と関わる授業を 2~3 コマ実施する という活動である(盛口ゼミほか 2015)。 そもそも、やまんぐぅキャンプは将来の地域の担い手である地域の子どもたちに、地域 の自然や文化・歴史の特性に気づき直してもらいたいという考えからスタートしている。 これは、石垣島には大学が存在せず、子どもたちは成長するとともに島外に学校や職を求 めて出てしまう傾向が強いという現状を背景としている。一度は島外に出たとしても、い つかは島に戻り、島の自然や文化・歴史を継いでいく者になって欲しい。そのためには子 ども時代に、島の「良さ」を十分に知っておく必要があるという考えである。 ところで、このキャンプに参加を要請された盛口ゼミの学生のほとんどは、同じ県内と いっても、沖縄島出身者が占めている。また、自然や歴史を専門的に研究しているわけで もない。それでも、石垣島ではない場所に生まれ育った者としての目が、地域の自然を照 らし出す場合もあるのではないかという思いと、教育を専門として学んでいる学生ならで はの手法で子どもたちと切り結ぶことが可能ではないかという考えから、キャンプにおい て授業を行うという、一種、特異な取り組みを産み出すこととなった。 結果として、この取り組みは子どもたちからの支持もうけ、2011 年より、この 2018 年ま で継続的な取り組みを続けられた。 2011~15 年度の授業の取り組み内容についてはすでに報告済みである(盛口ゼミほか 2015)が、ここ近年の授業のテーマを紹介すれば、16 年度は「サンゴの形」「海岸の砂をつ かった砂絵づくり」、17 年度は「サンゴの分類」「八重山の歴史」といったものになる。授 業作りに関しては、当初はゼミ担当者である盛口のほうから、テーマに関してもかなり指 導を行っていたのだが、途中からゼミ生自身がテーマ選択・決定を行い、その内容につい て盛口も含めてゼミ活動で、深めていくという手法を採るようになった。これは、ゼミ生 自身がテーマ選択・決定を行った方が、より多様なテーマ設定がなされることがわかった ことと、授業社自身も授業内容を深めていくときのモチベーションが高まりやすいことが わかったことによっている。 2018 年度においても、4 月にゼミが始まったおりに、このような取り組みにゼミを通じ て関わることになるという予告を行い、「石垣島」「海」「サンゴ」などのキーワードに関わ

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る授業テーマをそれぞれ考えるようにと言う指示を行った。学生によっては、「料理体験を 取り入れたい」「理科実験を入れてみたい」といった、子どもたちがどのような体験をする のかという点に焦点をあてたテーマ選択をする場合と、「楽器に興味がある」「海藻をテー マとしたい」といった、自身の興味関心からテーマ選択をする場合があった。 1.2018 年度の取り組み 2018 年度の白保・やまんぐぅキャンプの取り組みについては、前年までNPO夏花でこ の業務を担当していた職員が退職し、その後任がなかなか決まらなかったことがあり、キ ャンプが実際に実施できるか、やや不透明な点があった。6 月に盛口が石垣に出張し、後任 となった職員と打ち合わせを行い、キャンプは例年通り行うこと。また日取りは 9 月 16~17 日とすることを確定した。ただし、この後さらに職員の交代があり、キャンプの内容が最 終的に確定したのは 7 月になってからのこととなった。一方、こうした状況とは別に、「は じめに」で紹介した流れにおいて、学生たちの授業作りをスタートさせた。 また、2018 年度は、あらたに石垣市・登野城にある私立海星小学校での授業実践の機会 をいただくこととなった。もともと海星小学校においては、毎年 3 月に、川井勇沖縄大学 教授(18 年 3 月退職)が授業交流を続けており、その後継として、試しに盛口ゼミで授業 交流を行ってみてはどうかという話が、学科で決定されたのである。 もちろん、海星小学校側で、どのような授業交流を望んでいるのかが授業交流の基盤に なるため、6 月 4 日に海星小学校に出向き、崎山麻希校長と、授業交流について意見交換を 行った。 ・せっかくなので、環境に関わる授業をして欲しい。 ・7 月に海でのフィールドワークを予定しているので、それと連動できないか。 まず示されたのが、この 2 点だった。しかし、すでに 6 月となっていたため、7 月に予定 されているフィールドワークで、学生主体の授業交流を実施するのは難しいであろうとい う判断を下した。代案としては、10 月頃であれば海でのフィールドワークは季節的にまだ 実施可能であろうし、小学校の行事上からも実施可能であるということが示された。ただ、 10 月の場合は、平日に学生が石垣島に出向くことが難しいことが、最大の問題点として考 えられた。結果、9 月に行われる予定の白保・やまんぐぅキャンプの翌日(平日)に海星小 学校との授業交流を行うのが、日程的に一番可能性があるということとなった。また、海 星小学校は子どもたちの縦割りの交流が盛んなので、そのようなグループ分けで授業を行 うことも可能であると言うことが示され、より具体的には、学生の授業実践を、低学年・ 中学年・高学年という 3 つに分けておこなってはどうかという案が示された。 この日程確認を受けて、6 月中旬に、フィールドワークと、それに伴う日程案を作成し、 海星小学校に送付した。その内容は以下のようになる。 ・全体会(あいさつ・諸注意)

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・盛口の前校生徒向け授業(内容:生き物の見方について 30 分ほど) ・学生授業(低学年、中学年、高学年の 3 つに分け、同時に別会場で 30 分) ・その後、海に移動し、ビーチコーミングと、ビーチクリーンを主体としたフィールド ワークを行う ・フィールドワーク後、学校にてふりかえり この提案を小学校側に送ったのち、検討してもらった。8 月になって、フィールドワーク の実施が難しくなったという連絡が入ったため、①今年度は授業交流を中止する②フィー ルドワークは中止し、盛口と学生の授業のみ行うという、そのどちらでもかまわない旨を 再度連絡した。結果、授業のみ実施することが決まり、9 月 10 日に、最終的に、学生の授 業を、2,3,4校時にそれぞれ行うという日程が示された。 2018 年度は、海星小学校での授業交流の企画をいただいたため、盛口ゼミ 3 年を、やま んぐぅキャンプでの授業者と、海星小学校での授業者に分けることとした。両者とも、「は じめに」で示したようなキーワードに沿った授業テーマの選択と、その概要を考えてもら うことを、まず行った。そののち、ゼミで各自、プレゼンを行ってもらった。その内容を みて、白保のやまんぐぅキャンプで実施する授業(3 時間分)と、海星小学校で実施する授 業(3 時間分)をテーマと内容によって、盛口が振り分けた。やまんぐぅキャンプで行う授 業は、より参加型の授業内容とし、海星小学校の授業は、より教室でのやりとりを主体と するものとした。先に書いたように、海星小学校での授業は当初、30 分程度の内容を考え ていたため、9 月になってから 45 分授業へ切り替え(最終的には石垣島に行く前日まで授 業内容を検討していた)という、あわただしい取り組みになってしまった。それでも、2018 年度は例年よりも多くの学生が、授業者として授業を運営することができたのは、大変貴 重だったと考えている。 2.授業記録 2-1・白保やまんぐぅキャンプにおける授業実践記録 (2018 年 9 月 16・17 日) 場所:しらほサンゴ村内 参加した子ども:小学校高学年および中学生あわせて 9 名~13 名 2-1-1・テーマ「台風」 授業者:外間円汰 T:円汰といいます。これから、授業を始めます。昨日もまだ台風の影響があったと思う んだけど、今回のは、台風何号だった? S:21号? 32号? 23号?

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T:23号はおしい。 S:22号 T:そう、22号。この22号といういい方は、日本の言い方なんだけど、それとは別に、 台風委員会というのがあって、それぞれの台風に名前をつけているんだけど、22号には どんな名前がついてたか、わかる? S:ハリケーン? T:ちがう、ちがう。それは別の地域でおきる台風の名前。それで22号についていた名 前のヒントを言おうか?最初はマ。それだけじゃわからないよね。次はン。その次がク。 4番目がッ。それで最後がト。ということは、マンクット。これはねタイ語。ドリアンっ てわかるよね。これは果物の王様でしょ。マンクットは、果物の女王。写真を見せるけど、 見たことあるかな。ゲッチョに聞いたら、おいしいっていっていたけど。 今日は、これから台風の授業をします。 さて、飛行機に乗ったことがある?みんな、あるね。紙芝居を作ってきたので、見てくだ さい。飛行機の中で、ピカチューが、ポテトチップの袋をもっているよね。飛行機の中に ポテチを持って行ったことはあるかな。これ、袋が変化するんだけど……。 S:窒素が袋の中に入っているから、膨らむ。 T:そう、膨らむ。袋が膨らむには理由があって、これは気圧が関係しています。 気圧について話をしていきましょう。気圧は、今、みんながいるところにもかかっていて、 その力は一平方メートルあたり10トンといわれています。アフリカゾウは一頭3トンだ から、ゾウでいうと 3 頭分。でも、そんな大きなものがのっかっている感じはしないよね。 なんでかな? S:いつもかんじてるから? T:そうそう、いつもあるからというのもあるね。もう少し言うと。体の外側から気圧が かかっているけれど、体の内側からも同じ大きなの力が働いているので、釣り合っていて、 体が膨れたりつぶれたりしないってことです。 紙芝居の絵を見てください。ポテチの場合も、ふだんは袋の中の力と、外の力が釣り合っ ているけれど、飛行機にのって上空に行くと、まわりから袋を押す気圧が弱くなって、内 側の力のほうが大きくなるから、それで袋が膨らむわけです。この説明だけだと、わかり にくいかもしれないので、ここで実験をしてみましょう。 蓋つきアルミ缶の中にお湯を入れ、この缶をコンロの火で加熱する。蓋には小さな穴があ いているので、蒸気はここから外にでていく。十分に加熱したところで、この缶を火ばさ みではさんで蓋を下にして水中につけると、缶がぼこっという音をたててつぶれる。 ただ、今回実験をしたところ、蓋つきのものは、つぶれるまでに時間がかかった。そのた め、蓋を外したもので実験をしたところ、こちらのほうが、瞬時に缶がつぶれた。

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演示実験のあと、子どもたちに実験をしてもらった。最初はしりごみをしていたが、数名 のグループのうち代表に実験をしてもらううち、積極的に実験をやりたいと手をあげる子 もでてきた。 T:こんな風に、じつは身の回りのものに、気圧という大きな力が加わっているわけです。 台風も、こんな気圧と関係があります。また、紙芝居を見てください。南の海は海水が温 められやすいんです。それで、海水温があがると、海水が蒸発して、その蒸発した水蒸気 を含んだ空気が上昇すると、雲ができます。水蒸気を含んだ空気が上昇するということは、 ここでは、周りよりも空気が薄くなります。つまり、気圧が低くなります。周りよりも気 圧が低くなると、今度は周りから空気が吹き込むようになります。これが低気圧です。こ の低気圧が大型になったものが、台風です。台風というのは、こうしてできるわけですけ れども、この原理を使ったおもちゃを見てもらおうと思います。ここにある、おもちゃは、 何の主人公をかたどったものだかわかりますか? S:クレヨンしんちゃん。 T:このしんちゃん人形をお湯につけます。それから、今度は水に漬けます。これをまた 取り出してからお湯をかけると……。 しんちゃん人形のおちんちんのところから、ぴゅーっと、勢いよく水が飛び出していく。 T:さて、このおもちゃの原理はわかるかな? S:おしっこしている。 T:そうだけど、なんでそうなるのかな?ってこと。最初、お湯をかけたよね。それから 冷たい水につけて、またお湯をかけました……。 S:蒸発している? S:暖かいお湯につけたら人形の体の中もあったかくなって、それを水につけると……? T:空気は温めると膨らみます。しんちゃん人形の体の中は空洞なんです。だから、温め ると、空洞の中の空気が温められて膨らんで、おちんちんの穴から外にでていきます。こ の人形を冷やすと、中の空気も冷えて縮むんだけど、縮んで空いた隙間に、今度は水が入 り込みます。そこにまたお湯をかけると、空気が膨らむから、中に入った水が、おしっこ みたいに押し出されるわけです。 ちょっと難しかったかな。この原理については、このペットボトルでもう一度、みてみま しょう。ペットボトルにちょっと水を入れて、そのペットボトルに小さな穴をあけます。 このペットボトルにお湯をかけると、ほら、さっきみたいに水が飛び出します。これなら みんなもすぐに作れますね。みんなも、今度作って遊んでみてください。 それでは授業を終わります。

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2-1-2・テーマ「サツマイモの歴史」 授業者:伊集海斗 T:今日の朝ごはんは何を食べましたか? S:パン、果物……。 S:パン T:お米を食べた人はいますか? S:はい T:ラーメンを食べた人はいますか?さすがにいないかな。今、みんなはこんな風に、パ ンやお米を食べています。じゃあ、石垣島で、100 年前の人はどんなものを食べていたでし ょう? S:うどん? T:100 年前の人々の主食は、お米やパンじゃなくて、サツマイモでした。サツマイモがご 飯の代わりだったんです。さて、ここに西表島の 400 年前の遺跡から出た人々の食べ痕を もってきたんですが、400 年前って、どんなものを食べていたと思う? S:玄米、味噌? S:木の実 S:マンモス T:400 年前にマンモスいたかな?ちょっと、遺跡から出てきたものを見てみましょう。 これは貝ですね。こっちは何の骨だかわかりますか?これは牛の骨です。この骨は何でし ょう? S:カメ? T:そうそう、ウミガメです。じゃあこの骨は? S:鳥?ヤギ?犬? S:イノシシ? T:そうそう、正解。イノシシです。 じゃあ、これは?ちょっと難しいかな。海の動物なんだけど。 S:イラブチャー?グルクン? T:これはジュゴンの骨です。昔の人はこうしたものも食べていたんですね。ところで 400 年前の人はイモを食べていたんでしょうか?そもそも、サツマイモはいつごろから食べら れていたんでしょう? S:江戸時代? T:説明をしましょう。サツマイモが初めて発見された国がどこだかわかりますか? S:ドイツ?ブラジル?中国?沖縄? T:沖縄じゃありません S:チリ? T:紙芝居を作ってきました。この地図で赤く塗られたところです。どこだかわかります ね。メキシコです。

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ヨーロッパの国々は、西暦 1500 年頃は、船で世界中を冒険してまわっていました。最初は アメリカ大陸があるというのはヨーロッパの人々にはしられていなかったわけです。その 後、コロンブスが新しい大陸を発見することになります。このとき、アメリカで食べられ ていたイモがヨーロッパに伝えられました。サツマイモは、そのヨーロッパから世界中に 広がっていったんです。ヨーロッパから、例えば中国へ……。その中国からどこに伝えら れたかというと。 S:沖縄。 T:そうです。それを広めた人といえば? S:野国総管 T:もう一人、サツマイモを広めるのに役割を果たした人がいますね。 S:儀間……? T:儀間真常です。 野国さんがイモを中国からもってきました。それを儀間さんが広めました。沖縄は豚肉を 食べる文化があったので、サツマイモは豚の餌にもなる……ということもあって、すぐに 広まったんです。ところで、そのころのサツマイモはカライモと呼ばれていました。カラ は唐と書きます。これは中国の昔の名前ですね。唐のついた料理があるというのはわかり ますか? S:唐揚げ T:そうです。唐辛子なんていうのもありますね。ただ、トウガラシの場合は中国から入 ったわけではなくて、この唐……は、「外国」という意味なんです。 さて。サツマイモは沖縄から種子島、鹿児島へと伝わっていきます。鹿児島は火山の影響 で、作物を育てるのにはあまりいい土壌ではないんですが、サツマイモはそうした土壌で もよくできるんで。サツマイモは鹿児島に広まります。ただ、鹿児島から外へはなかなか 広まりませんでした。ところが、天保の飢饉というのがあります。田んぼのイネが枯れて しまって。ところがサツマイモはそういうときでも栽培できる……と、そのあと、全国に 広まります。このとき、本土では薩摩から来たイモだというので、サツマイモという名前 も広まるわけです。 今、みんなはサツマイモを食べていますか?ご飯としはお米を食べるようになっているし、 サツマイモはそんなに食べませんね。ただ、今はちょうど季節なので、サツマイモのお菓 子が店頭にならんでいたりします。今日はサツマイモのお菓子をみんなと創ろうと思いま す S:紅イモタルト? T:もっと昔からあるお菓子です。ウムクジテンプラってわかるかな。 2 グループに分かれて、ふかしたイモとウムクジ(サツマイモのでんぷん)を混ぜてこねて、 油で揚げてウムクジテンプラを作る。こねたり揚げたりを、結構おもしろそうにやってい

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る。少し水の量が多くなり柔らかいタネを揚げることになったのだが、できあがったウム クジテンプラも好評だった。 T:今日はサツマイモの歴史を見てきました。こんな風に、食べ物にも歴史があります。 そうした歴史を知ることで、もっと食べ物に興味を持つようになるし、食べ物を大事にす る心もうまれるんじゃないでしょうか。これで授業を終わります。 2-1-3・テーマ「漂着物から楽器を作る」 授業者:外間こはる トロンボーンで「島人の宝」を演奏しながら登場 T:おはようございます。この楽器をみたことがありますか?吹奏楽で使う楽器ですね。 甲子園のテレビとかで見たことがある人もいますね。今日は、楽器をテーマに、授業をし てみたいと思います。みんなは、どんな楽器を知っていますか? S:カスタネット、リコーダー、ピアノ、ギター T:三線をひいたことがある人もいますね。 ここに、ちょっと変わったものがあります。これは何だと思いますか?じつはこれも楽器 です。どうやったら音がでるでしょう?誰かやってみたい人はいますか? S:やってみたい 子どもの一人が手をあげ、うなり木を振り回し、音を出す T:これはうなり木という楽器です。祖先と交信する神聖な楽器として使われていたそう です。では、次の楽器は、何からできているかわかりますか? S:貝? S:何かの歯? 爪? T:これはヤギの蹄を集めて作ったガラガラです。カスタネットのように降ると音が出る ので、ダンスのときに使われるものです。 見た目は、それぞれ全然違いますが、みんな楽器です。こうした単純な楽器が、進化して、 さっきのトロンボーンのような楽器になったわけです。 楽器というのは、音が出るということが共通点です。音が出るというのは、「共鳴」と「振 動」という現象がおこっています。トロンボーンで説明をしてみます。トロンボーンには、 マウスピースがあります。これで、唇を振動させて、その振動を楽器全体で共鳴させて大 きくしています。 トロンボーンのように、吹く楽器にも、いろいろな種類があります。吹奏楽で使われる楽 器についてみてみましょう。トランペット、トロンボーン、サックス、クラリネットとあ

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りますが、こうした吹く楽器は大きく2種類に分けられます。 サックスの吹く部分も持ってきました。吹くところには、リードという、薄い木の板が入 っていて、これを振動させて音をだしています。 つまり、吹く楽器には、マウスピースのある楽器とリードのある楽器に分けることができ ます。マウスピース楽器は金属でできていて、太陽にあてても大丈夫ですし、水にぬらし ても……場合によっては一緒にお風呂に入っても大丈夫です。それに対して、リード楽器 は木でできていて、太陽にあてると劣化してしまうし、水にも濡らせません。 今日は身近なものを使って、このうちのリード楽器を作ってみようと思います。 材料は海に落ちていた竹です。白保の海岸でも竹を拾うことはできると思いますが、今日 は沖縄から拾った竹を持ってきました。好きな竹を選んで、のこぎりで切ります。リード の代わりには、写真のフィルムを使います。 では、2グループに分かれて、それぞれ楽器を作ってみましょう。 個人個人で太さの違う竹を選び、好きな長さに切る。切口は斜めにする。この切口に切り 込みを入れ、そこにハサミで吹き口にあわせた形にしたフィルムを差し込み笛を作る。 フィルムがリードとなり、ブーブーといった音を出す笛ができる。 それぞれの音が違うことに気づいた子どもたちは、2本目にチャレンジし、その際、竹を 思いっきり短くしてみたり、太い竹を選んでみたりという試行錯誤を行っていた。 T:みんな楽器を作りましたね。鳴らしたときに違いがあったのがわかりましたか? S:音の高さが違った。 T:どう違った? S:竹の長さや太さで音が違った。 T:トロンボーンも、じつは楽器の長さを操作して出る音に変化をつけるようになってい ますね。竹の場合、太いものと細いものではどんなふうに音が違いましたか? S:細いほうが高い音が出る。 T:では、みんな一斉に音を出して違いを聞きあってみましょう。 みんなで一斉に笛を吹く T:フィルムの具合によって、音が出たりでなかったりもしましたね。フィルムと竹の間 に間が空きすぎていてもだめだし、ぴったりくっつきすぎても音がでません。ほかの楽器 はどうでしょう。三線は、どこが振動して、どこが共鳴していますか? S:弦が振動して、胴が共鳴している。 T:トロンボーンを今日は吹きましたが、机をたたいても、やはり振動と共鳴で音がでま す。声も楽器のようなものですね。声の場合はどこが振動していますか?

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S:喉が振動してる。おなかも震えている。 T:喉が振動して、体が共鳴していますね。さらに空気に振動が伝わって、みんなの耳ま で届いています。 ここにあるのはなんだかわかりますか?昨日、ゲッチョが白保の海岸でみつけたものです。 海を流れてきた大きなヒョウタンの実です。これも叩くと楽器になりますね。ほかにも漂 着物で楽器を作ることは、あれこれできそうです。 こんなふうに、海での拾い物など、身近なものからも楽器を作ることはできます。 今日はこれで授業を終えます。 2-2・海星小学校における交流授業の実践記録 (2018 年 9 月 18 日) 2-2-1・テーマ「サンゴは誰の仲間なの?」 授業者:知念零央 対象:低学年 T:おはようございます。これから授業を始めます S:よろしくおねがいします。 T:最初にゲームをしようと思います S:よっしゃー。 T:組み合わせゲームというのをします。カードを2種類用意しました。特徴カードを読 んで、写真カードと組み合わせるというゲームです。7つのペアを作ってください。それ では、例題を出します。 ・この生物はポケモンです ・この生物は黄色い色をしています ・この生物は雷タイプです この特徴を持っているのは? S:はい、はーい S:ピカチューです。 T:正解です。こうした問題を海の生き物で考えます。それではカードを配るので、グル ープで考えてみてください。 海の生き物を取り上げた7種類のカードを6つのグループに配布する。カードはそれぞれ、 特徴をあげているものと、写真を紹介しているものがあり、それを対応させる。写真カー ドの裏面には種類名が書かれている。子どもたちはグループごとに、かなり活発なやり取 りをしながら、カードを対応させる作業に集中していた。

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T:みなさん、できましたか? 答えを教えてください。 グループごとに予想を発表させる。すべてのグループが、①ブダイ②ネムリブカ③オニヒ トデ④ホラガイ⑤コブシメ⑥タイマイ⑦メガネモチノウオという予想をたてた。 S:全員、同じ答えだ。 T:では、答えはどうでしょうか?①は「硬いアゴでサンゴをがりがり食べる」といった 特徴が書かれていますね。こうした特徴があるのは? S:ブダイ! T:そう、ブダイでした。特徴カードに、硬いくちでサンゴを食べると書かれていました ね。そのブダイのアゴをもってきました。 S:化石? S:見てみたい。 S:鳥みたい。 T:先生は海が大好きで、ダイビングをしているんです。それで、ダイビングをすると、 いつも見る魚がブダイです。サンゴをがりがりする音が海の中で聞こえたりもしますよ。 ②の特徴は「サメの仲間です。昼は洞窟やサンゴのすきまで休んでいる……」とあります ね。こんな特徴があるのは? S:ネムリブカ T:そうです。 S:ネムリブカの骨はないの? T:ネムリブカじゃないけど、サメの骨をもってきました。 S:うわーっ、すごい。 T:ネムリブカは比較的おとなしいサメです。みているだけだと、何もしません。 S:乗ったら? T:乗ったら怒ります。 ③は「サンゴを食べる。サンゴの敵……」とありますね。 S:オニヒトデ! T:そうです。 S:オニヒトデに骨はあるの? T:あると思う。たぶん。でも、オニヒトデの骨はもってきていません。オニヒトデは一 時、大発生しましたが、今は少なくなっています。先生は、この前初めて見ました。これ は、先生がそのとき撮った写真です。棘に毒を持っています。だから、触っていい? S:ダメ。 T:そうですね。さて④は「サンゴの敵、オニヒトデを食べる」と特徴に書いてあります

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ね。貝殻は楽器にするともあります。これはホラガイですね。ホラガイをブーブーって鳴 らすのを見たことがあるかもしれません。 ⑤は「サンゴのすきまにひとつ、ひとつ、ていねいに卵を産む……」と書いてあります。 S:コブシメ S:コブシメの骨ありますか? T:コブシメの骨はもっていません。 ⑥:「柔らかいサンゴを食べます。甲羅はサンゴと同じ色でサンゴ礁にかくれることができ る」とあります。 S:タイマイ。 S:タイマイ S:ウミガメだ。 S:タイマイの骨、ある? T:あったかなあ……。あった、あった。タイマイはないけれど、アオウミガメの頭を持 ってきました。ダイビングをしていると、ウミガメとはよく合います。人慣れして、触ら れると喜ぶカメもいます。これはダイビングをしたときに見つけた、食事中のカメの写真 です。 S:かわいい。 T:最後、7番。「ナポレオンフィッシュと呼ばれています。サンゴ礁にすむ、ウニやカニ それに小魚を食べます」と書かれています。 S:メガネモチウノウオ。 S:全問正解だ。 S:骨は? T:骨はもっていません。メガネモチノウオ、この前、宮古島で見てきました。おでこが とっても大きかったですよ。 さて、この7種類のカード、全部に共通するのはなんでしょう。 S:サンゴ! T:そう、サンゴです。みんなサンゴとかかわっている生き物たちです。つまり、サンゴ があるから、こうした生き物たちがみんな生きていけるんです。ここで、サンゴについて、 もう少し詳しくみていきましょう。これから名前をあげる生き物の中で、サンゴの仲間は どれになるでしょう。 ① イソギンチャク②ウニ③クラゲ④ナマコ⑤貝⑥ヒトデ S:ヒトデ? S:イソギンチャク? T:じゃあ、正解を考えていきましょう。例えばウニ。ここに持ってきたのは、ウニの骨 です。ウニの仲間で、骨がなくなって、体が細長くなった生き物を何というか知っていま すか?それはナマコです。

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S:ナマコにも棘みたいなのがあるやつがいるよ。 T:ウニのナマコで、まだ骨っぽいものが残っている状態のもいます。それがヒトデです。 ここにヒトデをもってきました。硬いですよね。 S:それって生きていますか? T:標本です。さて、貝が進化して、別の生き物のようにみえるようになったものもいま す。貝殻が無くなってしまった貝の仲間は何でしょう。 S:タコ? T:そうです。そして、タコの中には、まだ殻があるタコの仲間もいます。それがこれな んですが……。 S:オウムガイ! T:オウムガイは、タコの仲間で殻をもっているものです。こんな風に、生き物は進化し て体を変化させます。サンゴも骨を持っていますね。でも骨のないサンゴの仲間もいます。 それがイソギンチャクです。ここにサンゴを拡大した写真があります。どうですか。イソ ギンチャクに似ていますよ。このサンゴやイソギンチャクの仲間で動けるようになったの がクラゲです。イソギンチャクをひっくり返したらクラゲになるでしょう……。 そろそろ時間なので、最後の質問です。サンゴにも種類があります。では、どのくらい種 類があるでしょうか。 100種、200種、360種、800種……の中で、答えはどれだと思いますか?ここ だと思うところで手を挙げてみてください。 じつは、世界には800種のサンゴがいるといわれています。そして八重山には360種 もサンゴがいるといわれています。みんなが暮らしているこの石垣には、そんなにたくさ んのサンゴの種類がいるんです。 石垣の海はとてもすばらしい海です。多くの生き物がサンゴとかかわって生きています。 今度海に行ったらいろんな生き物を見ると思います。その生き物たちが、どんなふうにサ ンゴとかかわっているか考えてみてください。 これで授業を終わります。 2-2-2・テーマ「魚のれきしとくらし」 授業者:津波元規 対象:中学年 T:これから授業を始めます。先生は沖縄の南城市の出身で、海の近くです。だから、先 生は魚が大好きなので、今日は魚についての授業をします。ところで、みんなの中で、水 の中のペットを飼っている人はいますか? S:ミーバイ T:ミーバイ?? S:いけすにいるよ。あと、グッピー。

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S:アロワナ T:すごい。 S:ミズカマキリ S:金魚とグッピー T:結構、グッピーを飼っている子がいるね。さて、これから紙を配るので、何もみない で、魚の絵を描いてくれるかな。 白紙を配り、自由に子どもたちに魚の絵をかいてもらう。さまざまな魚の絵が描かれる。 T:何枚かの絵を紹介しましょう。一枚目は、ニモを描いてくれています。二枚目は、し っぽの模様からすると、グルクンかな。三枚目の絵はリアルですね。こんな風に、ニモと かグルクンとかいろいろな魚を描いてくれたけれど、先生は子どものころにピラニアを飼 っていました。ピラニアって、どんな魚か知っているかな。 S:顎が大きい。 S:アマゾン。 T:この写真の魚がピラニアです。飼っている時は金魚を餌にしていました。今日はピラ ニアの骨はないんですけど、代わりにいろいろな魚の骨を持ってきました。この頭の骨は なんだかわかるかな。 S:人間の顔みたい。 S:チョウチンアンコウ? T:アンコウです。こうして底のほうに隠れていて、餌が近づくと、下から大きな口で飲 み込みます。 じゃあ、この骨はなんだかわかるかな? S:コブダイ? S:恐竜? T:これはシイラです。 次はなんだろう。 S:ハモ S:ダツ S:タチウオ T:正解です。 S:ウツボみたい。 T:最後のものを見せます。 S:フグ? S:コイ T:正解。顎に歯がなくて、ぱくっと餌を食べる魚です。

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いろんな魚の骨を見せました。今度はある魚のクイズをします。ヒントをだすので、どん な魚かあててください。 まず、世界地図を描きます。ピラニアがいるのはアマゾン川です。クイズの魚がいるのは、 アフリカとマダガスカルの間の海と、インドネシアの周りの海です。 これだけだとわかりませんね。次のヒントです。体長は1~2メートル。棲んでいる深さ は数十メートルから数百メートルです。 次のヒント。生まれたのは3億8000万年前です。 S:アンモナイト? S:シーラカンス? T:正解です。今日はシーラカンスの魚拓をもってきました。 S:でかい。 T:クラスで一番大きい子、前にでてきてくれるかな。シーラカンスのほうが大きいね。 体長177センチ、体重82キロって、書いてある。 シーラカンスのひれの付け根は太くなっているのがわかるかな。人間のうでの手首みたい だね。これでひれを動かすんだけど、およぐのは下手で、だから行動範囲が狭い。 ところで、シーラカンスは、人間と比べるとある骨とある骨がないんだけど、それはどこ だろう。 S:脚の骨? S:ベロ S:尾てい骨 S:肋骨 T:肋骨って、どこの骨?アバラのところの骨だね。 S:背骨? T:じゃあ、見てみましょう。シーラカンスにX線をあてると……肋骨がないですね。そ れと背骨がありません。背骨の代わりには、油のような液体の入ってるチューブがありま す。 S:なんで肋骨がないの? T:んー?シーラカンスは古代魚ですけど、ちょっとおもしろい体をしていますね。シー ラカンスと比べて、今の魚はいろいろな形をしています。では、いろいろな魚を、古い順 番に並べてみることができるでしょうか。正解したところには賞品として珍味をあげます。 S:みんな、あてよう! T:この魚は何ですか? S:サンマ T:この魚は何ですか? S:ミーバイ T:これはシーラカンスです。では、この魚は?

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S:フグ T:ハリセンボンですね。じゃあこの魚は? S:えーっ? T:これはアランダスピスです。みたことはあるかな? さて、これらの魚を古い順に並べてみて、その理由も考えてみてください。 5種類の魚の絵をグループに配布して、順番に並べてもらう。しばらくしたら、グループ ごとに予想を発表してもらう。例えば以下のような順番の予想があがった。 アランダスピス→シーラカンス→ミーバイ→ハリセンボン→サンマ シーラカンス→アランダスピス→ミーバイ→サンマ→ハリセンボン アランダスピス→シーラカンス→ミーバイ→サンマ→ハリセンボン T:答えあわせをしてみましょう。一番古い魚は、アランダスピスとシーラカンスのどっ ちかな?アランダスピスのほうです。その次がシーラカンス。 では、その次は?これは、サンマです。 S:わーっ、間違えた。全滅。 T:残念。正解チームはありませんでした。でも、この先も答えあわせをしてみましょう。 次はミーバイ、最後がハリセンボンです。一番新型なのがハリセンボンなんですね。 これを説明しておきましょう。 アランダスピスは顎のない魚です。動きもへたくそです。それで、敵のオウムガイから逃 げ回っていました。4億6000万年前にいた魚です。このアランダスピスには胸鰭も何 もありませんね。 アランダスピスの次のシーラカンスには鰭があります。このシーラカンスが陸にあがって、 鰭が手や脚になり、陸上動物へと進化しました。一方、陸にあがらなかったほかの魚が、 海の中でずっと進化していったのが、今の魚です。 今の魚のどこをみたら、進化の順番がわかると思いますか? 実は腹鰭です。胸鰭と腹鰭が離れているのが古いタイプの魚です。サンマは二つの鰭の間 が離れていますね。ミーバイは胸鰭のすぐ下に腹鰭がついていますね。そしてハリセンボ ンになると、腹鰭がなくなっています。海の中でくらしているうちに、腹鰭はいらないも のになっちゃったんです。ハリセンボンは、だから新型の魚です。 今回は、クイズに正解したグループはいませんでした。残念ながら珍味は大学生が食べよ うね。今回は、体のつくりに、進化のれきしのなごりを見ることができるという話でした。 魚にもれきしがあります。これからお店で魚をみるときにも、こうしたことに注目してみ てみてください。 じゃあ、これで授業を終わります。

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2-2-3・「カイソウってどんなもの?」 授業者:名嘉愛和 対象:高学年 T:さっそくですが、みんなのご先祖様は? S:人間。 T:人間より前のご先祖様は? S:サル、ゴリラ、チンパンジー T:私にもおじいやおばあがいます。そのおじいやおばあをさかのぼっていくと、サルに なります。では、サルにはご先祖様がいるかな。何になるかな。 S:微生物? S:タンパク質? T:まだあるかな?今日は、サルのご先祖様の絵をもってきたから見てみてください。 S:わーっ、気持ち悪い。 T:さらにそのご先祖様は……。 S:わーっ。 T:さらにさらにご先祖様は? S:魚みたい。 T:最後はどうなる? S:魚になる。 T:陸の生物は、最初、魚だったと言われています。じゃあ、今度はこれは何の写真? S:ヒマワリ T:植物にもご先祖様がいます。では何だったでしょう? S:土、微生物、タネ、魚……。 T:陸の動物は最初、海の動物でしたね。じゃあ、植物も……? S:ワカメ? T:そう、カイソウだったんです。じゃあ、カイソウって、どんなのを知っている? S:ワカメ、モズク、アーサー、メカブ、ノリ T:ウミブドウとかあるよね。 S:あーっ T:ヒジキもある。ヒジキは食べる? S:あんまり食べない。 T:これから紙を配ります。これを半分におって、半分に、土の上に生えている植物の絵 を描いてもらえるかな? T:みんな、手を停めてね。だいたい、同じような感じで描いてくれているね。土があっ て、根っこがあって、茎があって、葉っぱがあって、花が咲いている……そうした特徴を

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描いてくれているね。 じゃあ、植物の先祖は何だっけ? S:カイソウ T:じゃあ、さっきの紙の半分に、カイソウの絵を描いてみて。 S:えーっ、見たことない。 T:どこに生えているかな? T:描いてくれたカイソウの絵を見てみようか。 岩があって、ワカメみたいなカイソウが生えている絵だね。根っこも描いてくれているね。 カイソウは植物の先祖といったけど、実はカイソウには根っこがないんです。根っこみた いなのがちょっとだけあって、体を支えているけれど。 そんなちょっとした根っこみたいなので、体を支えているカイソウ、最大でどのくらいの 大きさになると思う? S:先生ぐらい。 T:2メートルぐらいってことかな。 S:30センチ? S:80センチオーバー。 T:実は最大で50メートルにもなります。 S:見たことある。ラッコとかいるところの。 T:そうそう。ラッコがいるところのカイソウで、ジャイアントケルプといいます。これ がその写真です。ジャイアントケルプは寒いところに生えています。これがラッコの棲み かになっているんですが、ラッコはどのくらい、海に浮かんでる? S:24時間? T:そう、だから流されてしまわないように、長いカイソウを体に巻き付けています。今 日はラッコのある部分を持ってきました。 S:心臓? T:ラッコの毛皮です。触ってみる? S:めっちゃ、ふわふわしている。 S:布団みたい。 S:なんかにおいがする。 T:もう一度、カイソウの話に戻ります。カイソウの色といったら? S:黒、茶色、緑。 T:実はカイソウは3つにわけることができます。茶色、緑、紅です。さっき、みんなが 知っているカイソウの名前をあげてもらったけれど、これを、この3つに分けることがで きますか?だれかできる人はいるかな?

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2人の子どもが手をあげて、グループ分けに挑戦してくれる。ほかの子どもたちも、席か ら、自分の考えを発言している。 S:モズクは茶色。 S:ヒジキは茶色。 S:ワカメは緑。 S:コンブは茶色。 S:ノリは黒?緑? T:紅いカイソウは見たことある?あんまりないかな。 正解はどうかな。ウミブドウは緑。ワカメは緑っていうイメージだけど、本当は茶色。ノ リも、実は紅。重なっているから黒く見えているだけ。今度すかしてみてみてね。アーサ ーは緑だね。 ここにいろいろなカイソウの写真をもってきたけれど、いろいろな色のカイソウがあるよ ね。紅っぽいカイソウがあるのもわかるよね。今度、海に行くことがあったら、探してみ てね。 ところで、カイソウって、漢字で書けるかな。 S:海の草で海草 T:ほかのみんなはどう思う? S:あっている。 S:モって書く。 S:サンズイに草カンムリ書いて……。 T:書けるかな。 S:海藻。 T:海草は、本当はカイソウって読むんじゃなくて、ウミクサって読むわけ。海藻は、ワ カメやコンブのこと。じゃあ、海草はどんなもの? S:海の近くに生えている草? T:カイソウが進化して陸の植物になったんだけど、それがまた海に戻ったのが海草です。 だから海草には根も茎もあるし、花もあります。その海草を食べる動物がいるんだけど。 S:カメ S:ジュゴン? S:ジュゴンってみたことない……。 T:写真をもってきました。ジュゴンが海草を食べている写真です。このジュゴンに似た 姿の動物がいるんだけど。 S:マナティー。 S:キャベツを食べているのを見たことがある。 T:美ら海水族館にはマナティーが飼われているね。今日はジュゴンのある部分を持って

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きました。 S:うわーっ。 S:それ、皮? S:骨? T:そう骨です。肩甲骨です。もうひとつ、クジラの肩甲骨ももってきました。ところで ジュゴンの肩甲骨とクジラの肩甲骨、どっちが重いかな?持ってみたい人はいるかな。 S:はーい S:ジュゴンのほうが、重い。 T:クジラのほうが軽いよね。ジュゴンは海草を食べるに潜らなきゃいけないから、骨が 重くなっているんです。 では、ジュゴンとマナティ、どっちが人魚のモデルかな。この二つの動物、どこが違うか わかるかな。 S:しっぽ? T:しっぽをみると、ほら、ジュゴンのほうが人魚に似ているでしょう。 今日は、いろいろな話をしたけれど、沖縄ではカイソウは採れるかな。 S:アーサーやモズク T:アーサーやモズクは採れるね。じゃあ、コンブやワカメは? S:ない。 T:コンブやワカメはどういうところに生えている? S:北。 T:沖縄ではカイソウをあまり見ません。でも、海の生物の暮らしにカイソウは重要です。 最後、この写真の中にカイソウが隠れています。 部屋の中を写した写真。テーブルの上には料理が並んでいる。背後には、消火器や、化粧 品も写されている。 T:写真にはソフトクリームも写っているけど、ソフトクリームにはカイソウが入ってい るかな? S:コーンのところに入っている? S:写真に写っている全部に使われているんじゃないの? T:逆にカイソウが入っていなそうなのは? S:消火器? T:実は写っている全部にカイソウが使われています。ソフトクリームとかにも入ってい ます。カイソウのねばねばが使われているんですね。こんなふうに、カイソウは私たちの 日常生活の中でも使われています。植物がないと、陸の動物は生きていけないよね。カイ ソウも動物にとっても、人間にとっても暮らしを支えるものになっています。それが伝わ

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ったらうれしいです。どうですか。 S:はい。 T:これで授業を終わります。 おわりに 海星小学校では、授業実践だけでなく、授業後、校長・教頭両先生を交えて、授業反省 会の時間まで設けていただいた。その場では、日頃実際に子どもたちを前に教育実践を続 けておられる両先生から、授業内容の細かなやりとりまで、時に厳しい指摘も含めて、広 範な指導をいただくことができた。中でも、「教員は、感覚・感性を日頃から磨く必要があ る。そうしないと、子どもたちのとまどいやひっかかりに気づかない」という話と、「子ど もたちにたずねられたときに、多分といったあやふやな答えを返さない。わからなかった ら、今はわからないときちんと答える」という話は、強い印象を与えるものだった。 今回の取り組みでは、先にも少し触れたが、ゼミ生の多くが授業者となり、授業実践に のぞむことができた。そのことで、個々の学生が、より自分のこととして学びを習得する ことができたのではないかと思う。また、環境教育をテーマとした授業実践を行う際、学 生たちにテーマ選択を行わせることで、より多様なテーマ設定ができうることが、今回の 実践で、またあらたに確認できたように思う。そのような多様なテーマ設定の中から、よ り、子どもたちに届く環境教育とは何かということを、考えていけたらと考えている。 謝辞 今回の授業実践においては、吉岡和弘さんをはじめ、赤嶺真さん、新里昌央さんら、N PO夏花の方々、およびWWFしらほサンゴ村所長小林俊介さんには大変なご助力をいた だいた。また、海星小学校での授業実践においては、崎山麻希校長を始め諸先生方に貴重 な機会を作っていただいた。記して感謝したい。 引用文献 盛口ゼミ・沖縄大学地域研究所(石垣島白保における環境保全および地域社会維持に関す る協同研究班) 2015 『石垣島白保における環境学習の実践・暮らしと文化の調査につ いての 5 年間のとりくみ(2011 年度―2015 年度)』.沖縄大学地域研究所

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