• 検索結果がありません。

Clinical and genetic investigation of 136 Japanese patients with congenital hypothyroidism(先天性甲状腺機能低下症の日本人136人における臨床的・遺伝学的研究)<内容の要旨及び審査結果の要旨>

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "Clinical and genetic investigation of 136 Japanese patients with congenital hypothyroidism(先天性甲状腺機能低下症の日本人136人における臨床的・遺伝学的研究)<内容の要旨及び審査結果の要旨>"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

Nagoya City University Academic Repository

学 位 の 種 類 博士 (医学) 報 告 番 号 甲第1778号 学 位 記 番 号 第1257号 氏 名 田中 達之 授 与 年 月 日 令和 2 年 9 月 25 日 学位論文の題名

Clinical and genetic investigation of 136 Japanese patients with congenital hypothyroidism.

(先天性甲状腺機能低下症の日本人 136 人における臨床的・遺伝学的研究) Journal of Pediatric Endocrinology and Metabolism. 2020;33(6):691-701.

論文審査担当者 主査: 片岡 洋望

(2)

論 文 内 容 の 要 旨 【背景】先天性甲状腺機能低下症(以下 CH)は 2000-4000 人に 1 人程度の最も疾患頻度の高い先 天性内分泌疾患であり臨床的には一過性または永続性に分類される。近年一部のCH 患者におけ る原因遺伝子が報告されている。CH 患者の 20%程度に遺伝子異常を同定した報告もあるが多く のCH 患者での病因は不明である。 【目的】日本人CH 患者の遺伝的原因の有病率を解明し、遺伝型と表現型の関係を明らかにする。 【対象と方法】136 症例(124 家系)の CH 日本人患者を選定した。選定は、新生児マススクリー ニング、または乳児期に CH の症状を呈し、精査の結果レボチロキシン(LT4)補充療法をおこな った患者とした。症候群や合併症のある患者、および母親がバセドウ病と診断された患者は除外 し臨床情報を後方視的に解析した。遺伝解析はCH の原因として報告のある遺伝子 19 個 (NKX2-1, FOXE1, NKX2-5, PAX8, TSHR, SLC5A5, SLC26A4, TG, TPO, DUOX2, DUOXA2, DEHAL1, GSTO2, GNAS, ZNF252P, GLIS3, DIO1, DIO2, DIO3) を含んだ Ion Ampliseq カスタムパネルを作成し、Ion PGM システムによりシーケンスをおこなった。これらで得られたシーケンス結果は CLC Genomics Workbench で解析を行い、Ion Reporter software を用いてコピー数変異を検出した。コピー数変異 を同定した症例はアレイCGH 解析をおこない、それ以外の全ての変異はサンガーシーケンスで確 認した。同定された変異は、American College of Medical Genetics and Genomics standards and guidelines for variant classification に則り病原性を評価した。

【結果】136 症例のうち 26 例(19%)に病原性変異を認めた。25 例が常染色体劣性遺伝形式で、19 例にDUOX2変異、5 例にTSHR変異、1 例にTPO変異を同定した。1例のみ常染色体優性遺 伝形式であるNKX2-1 に変異を認めた。 初診時DUOX2変異を持つ10 人の患者の FT4 は 0.7 ng/dL 未満であったが、TSHR変異を持つ すべての患者はFT4 0.7 ng/dL より高値であった。DUOX2変異の19 人の患者とTSHR変異の5 人の患者のTSH 中央値は、181.9 μU/mL および 23.1 μU/mL であり、FT4 中央値は 0.6 ng/dL、 および1.4 ng/dL であった。甲状腺超音波検査では、DUOX2変異の5 人の患者にびまん性甲状 腺腫が確認されたのに対し、TSHR変異の患者1 人のみに甲状腺低形成がみられた。その一方で 研究時点でのDUOX2変異を保有するCH 患者の平均 LT4 内服量は内服を中止した 5 人の患者を 除いて、1.5μg/kg/day で、TSHR変異患者の内服量は3.6μg/kg/day であり、DUOX2変異症例は TSHR変異症例と比較し内服量が下回った。 31 人(23%)の患者は、常染色体劣性遺伝形式であるTSHR、DUOX2、DUOXA2、TG、または TPOに病原性のある片アレル変異をみとめた。 【考察】既報ではCH で同定される遺伝変異のうちDUOX2変異の頻度が多いという報告がある が、本研究でもDUOX2変異(73%)が一番多く、次にTSHR変異(19%)の頻度が高かった。DUOX2 変異は永続的なCH の原因となるという報告もあるが、日本人患者では一過性 CH の原因となる という報告もある。本研究ではDUOX2変異患者19 人のうち 5 人は補充療法を中止することが できたが、症例5、6 は内服の再開が必要であり症例 7 は 50μg/day の LT4 補充療法を必要とし ていた。DUOX2変異の機能分析をした報告ではp.L1160del と p.R1110Q が DUOX2 の H2O2 生成能を著しく減少させることを明らかにしており原因と考えられた。TSHR変異患者のLT4 内 服量は初診時から漸増しており中断できた症例はなかった。

p.R450H などの TSHR 片アレル変異を有する患者が軽度または無症状の甲状腺機能低下症を示 した報告や、オリゴジェニック変異によるCH 報告もある。本研究でも同様であったが病因とし てどの程度関与しているかは今後の課題である。

(3)

【結論】本論文では、日本人CH 患者における原因遺伝子と表現型の関係について検討し、遺伝 的原因の有病率は、既報と類似していた。DUOX2変異患者は、TSHR変異患者よりも乳児期は 重篤な臨床症状を示した。しかし、この傾向は乳児期を超えて逆転し、DUOX2変異患者は内服 を中止することができる、もしくは少量内服でよい可能性が示唆された。

(4)

論文審査の結果の要旨 【背景】先天性甲状腺機能低下症(以下 CH)は 2,000-4,000 人に 1 人程度の最も疾患頻度の高い 先天性内分泌疾患であり臨床的には一過性または永続性に分類される。近年一部の CH 患者にお ける原因遺伝子が報告され、CH 患者の 20%程度に遺伝子異常を同定した報告もあるが多くの CH 患者での病因は不明である。【対象と方法】136 症例(124 家系)の CH 日本人患者を選定した。選 定は、新生児マススクリーニング(MS)、または乳児期に CH の症状を呈し、精査の結果レボチロ キシン(LT4)補充療法をおこなった患者とし臨床情報を後方視的に解析した。遺伝解析は CH の原 因として報告のある遺伝子 19 個を含んだ Ion Ampliseq カスタムパネルを作成し、Ion PGM シス テムにより解析をおこなった。【結果】136 症例のうち 26 例(19%)に病原性変異を認めた。19 例 にDUOX2変異、5 例にTSHR変異、1 例にTPO変異、1例にNKX2-1 変異を認めた。初診時採血で はDUOX2変異の 19 人の患者とTSHR変異の 5 人の患者の TSH 中央値は、181.9 μU/mL および 23.1 μU/mL であり、FT4 中央値は 0.6 ng/dL、および 1.4 ng/dL であった。その一方で研究時 点での体重あたりの LT4 内服量は内服中止した 5 例を除いて、DUOX2変異症例の方がTSHR変異 症例と比較し内服量が下回った。31 人(23%)の患者は、常染色体劣性遺伝形式であるTSHR、

DUOX2、DUOXA2、TG、またはTPOに病原性のある片アレル変異をみとめた。【考察】既報では CH

で同定される遺伝変異のうちDUOX2変異の頻度が多いという報告があるが、本研究でもDUOX2変

異(73%)が一番多く、次にTSHR変異(19%)の頻度が高かった。DUOX2変異は永続的な CH の原因 となるという報告がある一方、日本人患者では一過性 CH の原因となるという報告もある。本研

究ではDUOX2変異患者 19 人のうち 5 人は補充療法を中止することができたが、2 症例は内服の

再開が必要であった。DUOX2変異の機能分析をした報告では p.L1160del と p.R1110Q が DUOX2 の

H2O2生成能を著しく減少させることを明らかにしておりこれらの変異を有しているためと考えら れた。TSHR変異患者の LT4 内服量は初診時から漸増しており中断できた症例はなかった。 p.R450H などのTSHR片アレル変異を有する患者が軽度または無症状の甲状腺機能低下症を示し た報告や、オリゴジェニック変異による CH 報告もある。本研究でも同様であったが病因として どの程度関与しているかは今後の課題である。【結論】本論文では、日本人 CH 患者における原 因遺伝子と表現型の関係について検討し、遺伝的原因の有病率は既報と類似していた。DUOX2変 異患者は、TSHR変異患者よりも乳児期は重篤な臨床症状を示した。しかし、この傾向は乳児期 を超えて逆転し、DUOX2変異患者は内服を中止することができる、もしくは少量内服でよい可能 性が示唆された。 【審査の内容】約 15 分間のプレゼンテーションの後に、主査の片岡から原因遺伝子が同定でき なかった症例の想定される病因について、DUOX2変異症例における LT4 治療の可否を遺伝子変異 部によって予測できる可能性について、内服中止例の一生涯の経過について、TSHRの p.R450H による残存機能について、中国での研究における変異遺伝子の頻度の差についてなど 11 項目の 質問がなされた。また第一副査の杉浦教授からは成人での甲状腺機能低下症と小児 CH の発症機 序の違い、母体の甲状腺機能との関連、臨床的に遺伝子を調べることの意義について、新生児 MS の方法について等9項目の質問がなされた。第二副査の鈴木教授からは新生児 MS で CH を見 落とす可能性や CH の頻度、ヨード摂取量の違い、ウィルコクソン検定を選択した理由について など 11 項目の質問がなされた。いずれに対しても概ね満足のいく回答が得られ、学位論文の主 旨を十分理解していると判断した。本研究は、日本人 CH の原因遺伝子と臨床像を詳細に検討し た論文であり CH の今後の臨床、研究に意義深い研究と考えられる。よって本論文の筆頭著者は 博士(医学)の学位を授与するに相応しいと判断した。 論文審査担当者 主査 片岡 洋望 副査 杉浦 真弓、鈴木 貞夫

参照

関連したドキュメント

にて優れることが報告された 5, 6) .しかし,同症例の中 でも巨脾症例になると PLS は HALS と比較して有意に

15762例目 10代 男性 下市町 学生 (県内) 軽症 県内感染者と接触 15761例目 10代 男性 天理市 学生 (県内)

混合液について同様の凝固試験を行った.もし患者血

 高齢者の性腺機能低下は,その症状が特異的で

10例中2例(症例7,8)に内胸動脈のstringsignを 認めた.症例7は47歳男性,LMTの75%狭窄に対し

および皮膚性状の変化がみられる患者においては,コ.. 動性クリーゼ補助診断に利用できると述べている。本 症 例 に お け る ChE/Alb 比 は 入 院 時 に 2.4 と 低 値

国内の検査検体を用いた RT-PCR 法との比較に基づく試験成績(n=124 例)は、陰性一致率 100%(100/100 例) 、陽性一致率 66.7%(16/24 例).. 2

の総体と言える。事例の客観的な情報とは、事例に関わる人の感性によって多様な色付けが行われ