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JAIST Repository: 大転換期における科学技術・イノベーション政策の推進強化

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Academic year: 2021

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JAIST Repository

https://dspace.jaist.ac.jp/ Title 大転換期における科学技術・イノベーション政策の推 進強化 Author(s) 旭岡, 勝義 Citation 年次学術大会講演要旨集, 25: 207-210 Issue Date 2010-10-09

Type Conference Paper

Text version publisher

URL http://hdl.handle.net/10119/9278

Rights

本著作物は研究・技術計画学会の許可のもとに掲載す るものです。This material is posted here with permission of the Japan Society for Science Policy and Research Management.

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1G01

大転換期における科学技術・イノベーション政策の推進強化

〇旭岡勝義((株)社会インフラ研究センター) はじめに 1.科学技術・イノベーション政策の構造 2.我が国の現状課題 3.総合政策としての展開 4.今後の強化戦略 最後に はじめに 科学技術・イノベーション政策は、国家新成長戦略の実現や第4期科学技術基本計画の 重要な方針でもあり、これまでも制度設計、策定方法、配分方法、推進体制、国際比較に おける政策の相違等が議論されてきた。しかし、近年さらに我が国の科学技術政策の国際 的な地位の低下や科学技術のイノベーション政策との結合の脆弱性が重要論点でもある。 こうした議論の所在やイノベーション政策との結合の問題点を明確にするとともに、今 後の政策の策定や実現の方向を探り、新たな推進強化を提言する。 1.科学技術・イノベーション政策の構造 図1.科学技術・イノベーション政策の構造 ○科学技術・イノベーション政策の構造は、単なる積み上げ方式ではなく、狙うべき社会イメージや システムコンセプトは先行されなければ達成できない。これらの体系的な策定と推進が不可欠である。 科学技術 政策 国家目標 将来社会イメージ (具体的な試行) 国家目標 イノベー ション政策 社会インフラ/制度変 革 実現構造政策 実現すべき技術 必要科学・技術 将来課題解決 の科学技術 新たな科学技術 時系列プロセス 国民的合意 政策立案プロセス 政策立案プロセス 科学技術政策の基本構造とイノベーション政策の基本構造は異なる。したがって、個別の 戦略としてそれぞれを策定し、調整するべき内容と実現する日程等を明確にすることが重 要になる。

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2.我が国の現状課題

図2.我が国の現状課題

-科学技術政策の課題 ○政策を取り巻く環境は、我が国の将来にとって、不利な条件になりつつある。しかし資源小国である 我が国の生命線である比重はますます高い。 科学技術 優位性 財政危機 日本の課題 資源小国 (国家戦略) 成長戦略 社会インフラ 事業構築 社会負担/高 齢化 教育/科学技術 /イノベーション 人材 内需拡大/雇用 国際戦略遂行 戦略情報 戦略人材育成 ・エネルギー/資源・ /自給率課題 ・基礎研究/技術者質・ 数/融合能力課題 ・価値実現人材課題 ・一体化課題 ・研究開発等先行 投資能力課題 高齢化知識活用の制度・ 仕組み ・重点分野の 国際競争力課題 トータルエンジニアリ ング力/運営力課題 ・産業構造転換課題 ・地域産業課題 メタナショナル 資源活用課題 戦略情報分析課題 我が国の科学技術政策の現状は、今後策定を完成する第4期科学技術基本計画を含めて、 ますます多くの課題を含むことになり、政策を取り巻く環境は、我が国の将来にとって、 不利な条件になりつつある。しかし資源小国である我が国の生命線である比重はますます 高い。 さらに、科学技術者の量的な不足や海外流出、新産業の受け皿、基礎能力の低下、産業 及び人材集積のマネジメントの脆弱性、ファンドの能力、新たな専門分野の創生、付加価 値の形成弱体化、産業モデルの既存業界に閉じられた狭隘さ等の課題を多く抱えているの である。 3.総合政策としての展開 そこで、今後の必要な政策は総合政策である。そのためには、目標先行の政策であり、課 題解決の重点志向であり、一貫した開発の実現である。そのためには、 1.開発と実現のマネジメント(New R&D ユニットとNew Busines s ユニットの展開)2.社会の将来像の先行的なイメージ作成(将来像の狙いの明確さ と連動) 3.世界発信と連携(人材や資金を集積するための魅力ある発信)、4.イノベ ーション政策(社会インフラや制度仕組みの変革) 5.知の拠点(知の拠点構築や 産学連携のカリキュラム編成) 6.産業モデル(新たな産業の構築と受け皿強化) 7.政策実現の仕組み(関係組織の組み換えや連携組織の強化)等を総合政策の策定を含 めて実現する必要がある。 我が国は、政策の策定の基本や実現のための仕組みを作るという当然の国家経営の要素

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基盤を整備しないまま、単なる積み上げ方式を繰り返しているのである。

図3.総合政策としての展開

総合政策 目標先行の政策 課題解決の重点 一貫した開発の実現 開発と実現 化へのマネ ジメント NR&DU とNBUの マネジメント 社会将来 像の先行 将来の狙いの 明確さと連動 政策実現 の仕組み 関係組織組み換え 及び連携組織 世界発信 と連携 人材集積・拠点 連携強化 産業モデル 受け皿 新たな産業構造や 産業再編 イノベー ション政策 の基盤 知の拠点 再構築 社会インフラの見直し 制度仕組みの将来像 産学連携でのカリキュラムの展開 4.今後の強化戦略 今後の科学技術政策の強化は、我が国の国家目標を達成するための科学技術や基礎科 学・技術への投資強化とそれに伴う人材育成強化となる。しかし、世界は自国のみでは達 成ができず、世界的に知を集積し、目的をスピーディーに達成する展開は当然のこととな っている。

図4.今後の強化戦略(1)

科学技術 強化政策案 科学技術人 材能力強化 高付加 価値産業 育成 社会の多様 化 地域への 技術移転 知識社会 教育・科学 技術・イノ ベーション 国際戦略 産学連携 再構築 科学技術戦 略本部強化 低エネル ギー社会の 実現 ・資源限界の突破 ・社会シナリオ連携 ・戦略資源獲得 ・イノベーション政策 との連動 ・社会価値実現技術 の強化 ・技術者の数及び 質的確保 ・理系教育の強化 ・課題と知の連動 と集積 ・重点分野の分担 強化 ・産業転換 ・優位性産業/融合 産業/インフラ産業 ・教育による人材育 成の一体化 ・創造人材流動化 ・知識資産強化 ・知識資源持続的 強化 ・新たなモノづくり ・ネットワーク連携 ・ICT技術強化 ・高付加価値 創造技術の移転 ・高齢者技術の 再活用 ・アジア技術圏強化 ・国際標準化強化 ・メタナショナル資源 獲得 ・国際連携 ・国際優位性科学技 術戦略の策定 ・成果の評価 ・調整能力強化

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また、イノベーション政策においても、新たな社会インフラの構築や制度や仕組みの再編 成等先を見据えての布石を、既得権を超越する形で実現することが重要になる。 いわば、転換マネジメントである。 そこでは、コア科学・技術やコアとなる制度整備等を有効に行うプロセスが必要となる。 また、それぞれの事業モデルを構築し、実現するためには、展開のための人材育成や人材 強化も不可欠である。基本政策には、こうした政策の策定や実現展開の人材育成が不足で あり、世界的な競争や市場浸透のためのグローバル人材の育成は脆弱性を増している。

図5.今後の強化戦略(2)

イノベーション強 化政策案 イノベーショ ンの実行の 司令塔 高付加 価値産業 育成 新たな人材 開発 既存インフ ラの見直し 知識社会 イノベーショ ン教育 転換マネジ メント 産学連携 政策 国際連携 低エネル ギー社会の 実現等国家 目標 ・資源限界の突破 ・社会シナリオ連携 ・戦略資源獲得 ・イノベーション政策 の確立 ・社会価値実現技術 の強化 ・政策実現と規制緩 和等 ・実現ステップ ・社会課題と知の連 動と集積 ・重点分野の分担 強化 ・産業転換 ・優位性産業/融合 産業/インフラ産業 ・教育による人材育 成の一体化 ・創造人材流動化 ・知識資産強化 ・知識資源持続的 強化 ・業務連携 ・プラットフォームの 形成強化 ・新たな社会インフ ラの創造 ・高齢者技術の 再活用 ・社会インフラの構造 転換コンセプト ・政策の優先 ・イノベーション実施 の連携強化 ・調整能力強化 イノベーション政策の構造は、我が国の将来イメージの明確な形成とそのための実現要素 の抽出及び実行政策へのブレークダウンである。またこれらの政策は従来の政策の緩和や 相互関係の新たな関係づけや調整等を必要とするのであり、既存組織や既得権益の枠では 当然実現することはできない。このような転換マネジメントや相互調整能力の強化が不可 欠な政策なのである。 最後に 科学技術・イノベーション政策は、産学官一体化された展開の強化である。 しかし、政策と現状の事業環境との乖離(国家資源戦略、システム事業パッケージ強化、 グローバル人材集積、課題の解決の方向づけ等)が大きく、世界での位置は低下傾向にあ る。さらに積み上げ方式の策定や省庁の壁からの脱却が遅れている現状を打破し、新たな 日本の姿や日本の課題解決の方向づけを先行した政策策定と実現を強化する重要な時期で ある。 国家戦略として、産官学が一体化した取り組み強化施策と仕組み(実現フォロー^ の仕組み)を国民の目に見える形で行い。産業育成や知の新たな編成を確実に実現する責 任体制を明確にしておくことが重要となる。

参照

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