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特・中「ゆらぐ幕府の支配」

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Academic year: 2021

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中学部 社会科(歴史的分野)学習指導案 1.単 元 近世から近代へ 2.指導観 ○生徒観 本学級には1名の生徒が在籍している。両耳に聴覚障がいがあり、右耳に補聴器、左耳に人工内耳を 装用している。社会科における実態としては、教研式標準学力検査(CRT)の結果から、学習に対する関 心・意欲・態度が高いこと、知識及び技能や思考力、判断力、表現力等に課題があることが挙げられる。 表に挙げた諸検査の結果から、読解力はあるものの語彙が少ないため、教科書の内容を読み取ることや、 歴史的事象について前後の脈絡を捉えたり、他の歴史的事象と相互のつながりを捉えながら考えたりす ることに困難さがあると推察される。しかし、教師の発問に対し自分なりに一生懸命考えて応答しよう とするなど、歴史的分野の学習は好む傾向にある。また、地図や写真を見て必要な情報を読み取ったり、 探したりすることができる。 学習態度は真面目であり、教師の指示や説明をよく見聞きして学習に取り組むことができている。し かし、学習への苦手意識や障がいの特性などから、受け身になりがちであり、質問や意見を教師が求め ると、声量や手話表現が小さくなったり、発言の途中で「分からない」と言ったりするなど、進んで発 言しようする姿はあまり見られない。 ○単元観 本単元は、社会の変動や欧米諸国の接近、幕府の政治改革などを基に、幕府の政治が次第に行き詰 まりをみせたこと、欧米諸国が近代社会を成立させてアジアへ進出したこと、開国とその影響によっ て人々の生活が大きく変化したことを理解することをねらいとしている。この時代は、江戸幕府によ る封建社会が崩壊し、明治新政府による近代国家成立に向けた様々な改革が始まろうとする重要な転 換期であり、それに伴って人々の生活も大きく変化していく。また、政治や思想、生活様式など現代 の私たちの生活に影響している部分が多い。 中学校学習指導要領解説社会編においては、第2章第2節の2の(2)内容のCの(1)の(イ) 「明治維新と近代国家の形成」に該当する。内容の取扱いにおいて、『(1)のアの(イ)の「開国と その影響」については、(1)のアの(ア)の欧米諸国のアジア進出と関連付けて取り扱うようにする こと。』とされている。また、第1章の2の(2)改訂の要点の③内容の改善・充実において、『同じ く歴史的分野においては、我が国の歴史的事象にも間接的な影響を与えた世界の歴史についても充実 させるとともに、民主政治の来歴や人権思想の広がりなどの動きを取り上げるなどの改善を行う。』 とあることからも、欧米諸国の接近や開国の背景には欧米における市民革命や産業革命による近代国 家の成立があることを踏まえて明治維新の学習につなげていく必要がある。また、日本の近代化に向 け、欧米諸国との結び付きが強くなっていく本単元は、自国の動向と諸外国の動向を横断的・相互的 に捉え、社会的事象の歴史的な見方・考え方を働かせる上でも適している。 ○指導観 本単元の指導に当たっては、思考ツールを段階的に活用し、社会の変動や欧米諸国の接近、幕府の 政治改革などを基に、幕府の政治が行き詰まり、倒幕に至ったことを理解できるようにする。そのた めに、三つの段階を設定し指導を行う。一つの歴史的事象の前後の流れを捉え、音声、手話、指文字で 表現できるようにすることをねらいとする第一段階、一つの歴史的事象の前後の流れから因果関係を捉 え、音声、手話、指文字で表現できるようにすることをねらいとする第二段階、複数の歴史的事象の前 後の流れから因果関係を捉え、音声、手話、指文字で表現できるようにすることをねらいとする第三段 階である。第一、第二段階で活用する思考ツールは、ステップチャートとフィッシュボーン、第三段 階ではフィッシュボーンとイメージマップである。 第一段階では、初めに、リライト教材の短冊とイラストを組み合わせたもの(以下、短冊と表記す る)を用いてステップチャートを作成する場を設定することで、歴史的事象の前後の流れが分かるよ うにする。次に、前後の出来事と歴史的事象との関係の深さについて問い、該当する短冊をステップ チャートから選択してフィッシュボーンに貼るように促すことで、歴史的事象と関係の深い短冊を選

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択することができるようにする。そして、フィッシュボーンに貼った短冊を用いて表現する場を設定 することで、一つの歴史的事象の前後の流れについて表現することができるようにする。 第二段階では、思考ツールの作成過程は第一段階と同様に行うが、ステップチャートから短冊を選 択してフィッシュボーンに貼る場面では、歴史的事象の原因・結果について問うことで、因果関係を 捉えることができるようにする。 第三段階では、初めに、二つのフィッシュボーンを組み合わせ、歴史的事象の時間、空間的つなが りについて問うことで、複数の歴史的事象の因果関係の根拠を短冊の中から見いだすことができるよ うにする。次に、根拠となる短冊に記入した印や数字及び教師とのやりとりを基に、歴史的事象を記 入した付箋紙を操作させ、相互の因果関係を示す矢印でつなげる場を設定することで、歴史的事象に 関するイメージマップを作成することができるようにする。最後に、イメージマップを用いて複数の 歴史的事象の前後の関係から因果関係を捉え、表現する場を設定することで、自分の言葉で歴史的事 象相互のつながりについて説明することができるようにする。 3.目標 ○ 幕府政治の行き詰まりから倒幕に至った流れについて、思考ツールを活用しながら理解すること ができる。 【知識及び技能】 ○ 幕府政治の行き詰まりから倒幕に至った流れの中から因果関係を見いだし、説明することができ る。 【思考力、判断力、表現力等】 ○ 幕府政治の行き詰まりから倒幕に至った流れやその因果関係について主体的に追求しようとす ることができる。 【主体的に学習に取り組む態度】 4.単元指導計画(計4時間) (1) ゆらぐ幕府の支配・・・1時間(本時) (2) 開国・・・・・・・・・1時間 (3) 江戸幕府の滅亡・・・・1時間 (4) 単元のまとめ・・・・・1時間 5.本時 令和〇年〇月〇日(〇) 〇校時 〇〇:〇〇~〇〇:〇〇 於:中学部〇〇室 6.本時のねらい ○ 国内外の動きと幕府政治の動揺について、思考ツールを活用しながら理解することができる。 【知識及び技能】 ○ 大塩の乱から天保の改革までの流れについて考察し、表現することができる。 【思考力、判断力、表現力等】 ○ 国内外の動きと幕府政治の動揺について興味・関心をもち、主体的に追求しようとすることができ る。 【主体的に学習に取り組む態度】 7.本時指導の考え方 前単元で、産業革命を達成した欧米諸国が、アジアに進出したことについて理解することができて いる。そこで、本時では、国内外での様々な動きから、江戸幕府の支配体制に揺らぎが生じたことを 理解することをねらいとする。 初めに、「ゆらぐ」という言葉に着目させ、長く続いた幕府の支配体制の異変について考えるよう 促すことで、本時の学習に課題意識をもつことができるようにする。 次に、ステップチャートやフィッシュボーンを用いながら、外国船の接近、藩政の改革と雄藩の成 長について説明することで、内容を理解することができるようにする。 そして、生徒にステップチャートやフィッシュボーンを作成させることで、大塩の乱から天保の改 革までの流れを理解することができるようにする。具体的には、まず、飢饉や役人、倹約などについ て説明することで、短冊に記入された語句の意味を理解することができるようにする。次に、リライ トした教科書本文を読みながら、7枚の短冊をステップチャートに並べる場を設定することで、大塩 の乱から天保の改革までの流れを整理することができるようにする。そして、「幕府の支配がゆらい だために、国内ではどのようなことが起こったか。」と問うことで、ステップチャートの中から問い

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の答えに該当する短冊を3枚選択し、大塩の乱から天保の改革までの流れを捉えることができるよう にする。最後に、選択した短冊をフィッシュボーンに貼り、それを用いて大塩の乱から天保の改革ま で流れについて表現する場を設定することで、自分の考えを表現することができるようにする。 8.準備 ①電子黒板、②教科書(データ)、③学習プリント、④ステップチャート(イラストと短冊)、 ⑤リライトした教科書本文、⑥フィッシュボーン(二つ)、⑦前時までに作成した思考ツール 9.学習過程 配時 学習活動・内容 〇指導上及び◎自立活動上の留意点 教材・教具 導入 5分 展開 35分 (3) (10) (5) (17) 1 前時の学習を振り返る。 ・欧米で産業革命が進展したことにより アジアの植民地化が進んだことが分か ること 2 本時の学習に課題意識をもつ。 ・江戸幕府の支配に異変が生じたことに 気付くこと 3 外国船の接近、藩政の改革と雄藩の成 長について説明を聞く。 (1) リライトされた教科書本文を読む。 ・語句の読み方や意味を理解すること (2) 教師の説明を聞く。 ・複数の国が通商を求めたことに対 し、幕府が強硬な姿勢で対応したこ とが分かること ・薩摩藩や長州藩が力をつけたことが 分かること 4 大塩の乱から天保の改革までの流れに ついて考える。 (1) リライトされた教科書本文を読み、 ステップチャートを作成する。 ・大塩の乱から天保の改革までの流れ が分かること (2) ステップチャートから、「大塩の乱 と天保の改革」と関係が深い短冊を3 枚選択し、フィッシュボーンに貼る。 ・幕府側の役人であった大塩平八郎が 反乱を起こしたことが分かること ・水野忠邦により、天保の改革が行わ れたことが分かること ・改革に対し、反発が生じたことが分 〇 前単元で作成した思考ツールを掲示し、確 認を促すことで、学習内容を想起することが できるようにする。 〇 「ゆらぐ幕府の支配」という言葉に着目さ せ、教科書の地図と絵を提示することで、国 内外で発生した出来事が幕府に影響を与え たことに気付くことができるようにする。 ◎ 誤読の際は適宜訂正し、正しく読むことが できるようにする。 〇 ステップチャートやフィッシュボーンを 用いながら説明することで、外国船の接近、 藩政の改革と雄藩の成長の流れを理解する ことができるようにする。 〇 外国船の接近に対する幕府の対応、雄藩に 成長した二藩について尋ねることで、学習内 容を確認することができるようにする。 ◎ 誤読の際は適宜訂正し、正しく読むことが できるようにする。 〇 7枚の短冊のうち2枚を事前にステップ チャートに貼っておくことで、その短冊をヒ ントに前後の流れを考え、5枚の短冊を正し い順序で貼ることができるようにする。 〇 「大塩の乱から天保の改革の中でも、幕府 のゆらぎにつながったものはどれか」という 視点を文字提示することで、短冊を選択する 基準をもつことができるようにする。 〇 武家諸法度や参勤交代を例に挙げること で、幕府と家臣の関係に変化が生じているこ とに気付くことができるようにする。 ⑦ ①② ③ ⑤ ④⑥ ④⑤ ④⑥ 国内外のようすが変わる中で、幕府や藩 はどのような対応をしたのだろう。 幕府は接近する外国船に対し、異国船打払令を出し、国内では幕府を批判した人々を処罰した。 藩は財政が厳しくなり、政治改革を進めた。改革に成功した薩摩藩や長州藩が力をつけた。

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まとめ 10分 かること 5 本時の学習内容をまとめる。 (1) 大塩の乱から天保の改革までの流れ についてフィッシュボーンを用いて説 明する。 (2) 本時のまとめを学習プリントに記入 する。 6 次時の学習内容について知る。 ・日本の開国について学習することが分 かること ◎ 初めに音声のみでの表現を促し、次に手 話・指文字のみでの表現を促すことで、語句 の意味を考えながら本時の学習内容をまと めることができるようにする。 〇 手話表現に誤りがある場合は、適宜正しい 表現を提示することで、語句の正しい意味を 理解することができるようにする。 ◎ 教師が板書した内容をプリントに記入さ せることで、正しい表現を理解することがで きるようにする。 〇 思考ツールを活用し自分の考えを表現で きたことを称賛することで、達成感を味わ わせ、学習意欲を高めることができるよう にする。 ⑥ ③⑥ ①② 10.評価 目 標 評 価 の 観 点 評価 ○ 国内外の動きと幕府政治の動揺について、 思考ツールを活用しながら理解することがで きる。 【知識及び技能】 教師の質問に対し、外国船に対する幕府の対応 や、藩政の改革と雄藩の成長について適切に答え ることができる。 フィッシュボーンに貼った短冊を用いて、大塩 の乱から天保の改革までの流れについて説明する ことができる。 ○ 大塩の乱から天保の改革までの流れについ て考察し、表現することができる。 【思考力、判断力、表現力等】 ○ 国内外の動きと幕府政治の動揺について興 味・関心をもち、主体的に追求しようとする ことができる。 【主体的に学習に取り組む態度】 国内外の動きと幕府政治の動揺について、思考 ツールを用いて考える活動や表現する活動に積極 的に取り組むことができる。 11.座席表 教卓 生徒 電子黒板 教 師 用机 幕府は、大塩の乱や一揆、打ちこわしに危機感 をもった。政治を立て直すため、水野忠邦が天 保の改革を行ったが、大名たちからの反発が強 く、改革は失敗に終わった。

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