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Academic year: 2021

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はじめに

本報告書は、平成23年度に岡山大学文学部プロジェクト研究経費を得て実施した共同研 究「災害・戦争・疫病の表象観念と文化」の研究成果の一部である。 具体的な研究成果の提示に先立ち、研究メンパー、研究目的と成果の概要について述べ て置くことにしたい。 [研究メンバー】 鐸木道剛:哲学・芸術学専修コース 渡遁佳成:歴史文化学専修コース 遊佐徹:言語文化学専修コース(研究代表) [研究目的と成果の概要】 ちょうど3年前の春、私達は、第2次大戦以降最大規模との修飾辞を冠しても余りあるよ うなダメージを被ることとなった。傷痕はいまもなお生々しく、現在もそこからの復旧、 復興のあり方が様々に議論されている。福島第一原発の現状だけとっても復旧、復興の実 現、達成にはかなりの時間と労力が必要であることはあきらかである。そうした復旧、復 興が直接的、短期的には経済的、技術的、さらには政治的な側面に偏らざるを得ないもの であることはいたしかたない。しかし、巨大なダメージからの真の復旧・復興とはハード 面や金銭面だけではなく、ソフト面を含みこんだトータルなものでなければならないこと も事実である。このことに考え至るとき、人文学もまた少なからぬ役割を果たさなければ ならない/果たす可能性を有することが理解できることになるだろう。 本プロジェクトは、歴史的に人類文化、民族文化がどのように災害・戦争・疫病に立ち 向かい、文化的にそれを克服してきたのかを解明することを通じて、私達が必要とする復 旧・復興のごく一部なりとも担えればと考え企画されたものである。 こうした研究目的を見据えて、各研究メンバーは、それぞれ美術史、歴史学、思想文化 史の専門研究分野から研究を進め、本報告書に掲載した成果を挙げることとなったが、加 えて、平成24年度に韓国から3名の研究者をお招きして「岡山大学文学部人文学フロンティ ア2012シンポジウム 物質文化 韓国からみた日本」と題する国際シンポジウムを開催し 、研究の深化をはかった。本報告書には、その折、韓国、高麗大学の諸先生方から報告し ていただいた内容も掲載している(掲載はシンポジウムでの報告順)。

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