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Title
高脂肪環境下にLPS 刺激が加わった際の歯髄細胞の反応
Author(s)
髙田, 佳奈; 田宮, 資己; 杉内, 亜紀奈; 村松, 敬; 古
澤, 成博
Journal
歯科学報, 116(5): 386-386
URL
http://hdl.handle.net/10130/4111
Right
Description
386 学 会 講 演 抄 録
№7:高脂肪環境下に LPS 刺激が加わった際の歯髄細胞の反応
髙田佳奈,田宮資己,杉内亜紀奈,村松 敬,古澤成博(東歯大・保存)
目的:生活習慣病のひとつである脂質異常症は,血
中の脂質量が過剰な状態を示し,後に心筋梗塞や脳
梗塞などの起因となりうる。近年,脂肪が過剰な状
態では細菌受容体である TLR2や TLR4が高発現
となり,この状態に細菌感染が加わると NF-κB 経
路を介した炎症性サイトカインの著明な上昇が認め
られ,炎症が増悪することが報告されている。しか
しながら,脂肪が歯髄細胞に対してどのような影響
を与えているかは明らかにされていない。本実験で
は,培 養 歯 髄 細 胞 を 高 脂 肪 環 境 下 で リ ポ 多 糖
(LPS)刺激をした際の炎症性サイトカインの発現
を検索した。
方法:研究にはヒト歯髄細胞(HDP,広島大学・
高田隆教授より供与)を Dulbecco ’s MEM(10%
FBS,100U/mL penicillin-streptomycin 添加)で培
養したものを用いた。高脂肪環境は Wobser(2009)
の方法にしたがい,培養液中にパルミチン酸を最終
濃度が100µM になるように添加することで作製し
た。HDP を35mm ディッシュに5×104
個/mL の密
度で播種し,24時間後にパルミチン酸を添加した群
(Pal 群),LPS(1µg/mL)を添加した群(LPS 群),
パルミチン酸と LPS の両方を添加した群(Pal+
LPS 群)を作製した。刺激24時間後に細胞形態を
位相差顕微鏡で観察した後,total RNA を抽出し,
TNF-α,IL-1β,IL-6の発現を RT-PCR 法で検索
した。
結果および考察:細胞形態に関し て は,Pal 群,
LPS 群,Pal+LPS 群のいずれにおいても変化は認
められなかった。RNA の発現については,すべて
の群において
TNF-α ,IL-1β ,IL-6 の発現が認め
られた。Pal 群と LPS 群では発現に差は認められな
かったが,Pal+LPS 群においては強発現が認めら
れ,特に
IL-1β についてはこの傾向が強く認めら
れた。以上の結果から,歯髄細胞は高脂肪環境にお
いて炎症性サイトカインの発現が上昇し,細菌感染
によってその発現が増強されることが示唆された。
現在,パルミチン酸の濃度ならびに時間依存性変
化,炎症性サイトカインの定量化も検索していると
ころである。
№8:Interleukin-6刺激に対するブタ由来 Malassez 上皮遺残細胞の反応
佐古 亮,小林史枝,村松 敬,古澤成博(東歯大・保存)
目的:Malassez 上皮遺残は歯根膜中に存在する歯
原性上皮で,細菌感染などの刺激がない環境では静
止状態を維持し続ける。しかしながら,感染根管か
ら細菌の刺激をうけると増殖し,歯根嚢胞の形成に
関与すると言われている。根尖病変からは炎症性サ
イトカインの一種である interleukin-6(IL-6)が
検出されており,骨吸収に関与すると考えられてい
る。一方,上皮細胞においては IL-6が増殖能や運動
能を調節することが報告されているが,Malassez
上皮遺残にどのような影響を及ぼすかについては明
らかとなっていない。そこで本研究では,Malassez
上皮遺残に対する IL-6の影響を検索する目的で,
Malassez 上皮遺残細胞を IL-6で刺激した際の細胞
活性,運動能,細胞接着因子の発現について検討を
行った。
方法:実験に は ブ タ 由 来 Malassez 上 皮 遺 残 細 胞
(北海道医療大学・安彦善裕教授より供与)を
D-MEM(10%FBS,100 U/mL penicillin-streptomycin
添加)で培養したものを 用 い た。刺 激 は ヒ ト
re-combinant IL-6(100pg/mL)を培養液中に添加し
て行った。なお,対照群としては IL-6非添加の培
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養液を用いた。細胞活性は,96-well plate に1×10
cells/well の密度で播種し,IL-6を添加し,12時間
後に WST-1 assay を行い検討した。細胞運動能の
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検索は,5×10cells/dish の濃度で播種した後,ス
クラッチを加えて IL-6を添加し,12時間後に創部
の面積変化を測定した。また同時に integrin α3に対
する免疫蛍光染色を行い,細胞接着因子の局在を観
察した。
結果および考察:細胞活性については,IL-6を添
加してから12時間以内では低下傾向を認めたもの
の,明らかな差は認められなかった。運動能に関し
ては,IL-6添加群では対象群に比較して創部の閉
鎖傾向が認められた。また integrin α3は創部に近い
側の細胞辺縁に局在が認められた。これらの結果よ
り,Malassez 上皮遺残は免疫応答により生じた
IL-6により integrin α3を発現し,細胞運動能が亢進す
ることが示唆された。
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