Isotonictrainingの効果の考察
木 戸 喜 一 幸 山 彰 一
trainingの効果については,次のようなことが考えられる。
1 . 神 経 と 筋 の 協 調
2.同一仕事量における酸素消費量 3.最大酸素摂取量
4.心臓拍出量,心拍数,血圧 5 . 換 気 量
6 . 血 中 乳 酸 量 7 . 回 復 時 間 8 . 熱 放 散 9 . そ の 他
本実験では,酸素消費量を主とし,効率を考察する補助手段として,筋電図を併用して
みた。
HettingerとMiiller(Arbeitphysiol.5:111‑126.1953)MiillerとRohmert(Int.Z.
angew・physiol.arbeitphysiol.19:403‑419,1963)は,筋力トレーニングに関する研究 で新生面を開いた。
1日,6秒の最大筋力の2/3のisometricmusclecontractionが筋力を増大させうる ということである。これは,臨床医学の分野に大きな刺激を与えた。これは,興味をもっ て討議され,更には,体育生理学の分野で,スポーツマンのトレーニングに強い影響を及
ぼした。
Clarke,DaviidH.は,isometricの仕事量と酸素必要量との間に一定関係を見出して いる。
しかし,一般的に身体トレーニングを重ねる時,中程度の負荷の仕事遂行では,効率が よくなることが報告されている。
本実験においては,3週間(日曜を除く)のトレーニングであり,その間に筋繊維の著 明な肥大や毛細血管の発達は考えられない。従って,筋持久力の明確な改善はないものと 思れる。
しかし,もし,酸素摂取量の点で同一仕事量に対して差が現れてくるならば,それは効 率の向上という点でとらえられるであろう。これは,また,筋電図の上で何らかの形で現 れるものであろうと考えて行なった。
方 法
実験に用いた負荷は,25 のバーベルを15回,肩の高さから上挙する,いわゆる,Stand Pressである。これは,サーキット,ウエイト・トレーニングの基本的な種目である。
この負荷率は,被験者各個人の最大筋力の40%から90%に相当した。
酸素消費量の決定のための呼気採集はDouglasbagを使用した。筋電図は上腕二頭筋 を中心として三角筋・大胸筋・広背筋・僧帽筋上部を記録した。
これらの測定と記録は,日本光電Multipurposepolygraphを使用したが,心拍数は,
StandPress終了と同時にNEC日本電気Heartratetelemeterのrecorderへ切換え 記録させた。
gassumpleはSc加landergasanalyzerを使用し,酸素摂取量を求めた。
本実験の被験者は,金沢大学教養部の健康な男子バレーボール部員8名であり,トレー ニングを積んだ者(以下,鍛練者と呼ぶ)6名と,トレーニング未経験者(以下,非鍛練 者と呼ぶ)2名である。
被験者の体格は表Iに示した。
表 I 被 験 者 体 格 表
被験者|年令|身長(m)│体重(",)│体表面積(㎡)│負荷率(%)
12345678 8899990311111122
62 63 66 60 57 60 71 70
1.69 1.76 1.69 1.74 1.62 1.70 1.94 1.79
5000005079686674
1.65
1.73 1.73 1.74 1.63 1.68 1.83 1.65
1,2は非鍛練者,3−8は鍛練者
バ ー ベ ル 上 挙 は , メ ト ロ ノ ー ム を 使 用 し , 2 秒 に 1 回 の 割 合 い で 行 な っ た 。 し か し , 結 果としては,37秒から25秒までの拡りをみた。
回復期採気は,5分間とした。これは,数回の予備実験の結果,例外なく5分以内で安 静 時 状 態 に 戻 る こ と を 確 め た 上 に 定 め た も の で あ る 。 な お , 本 実 験 に お い て も , 心 拍 数 が 安静時に戻っていることを確めた上,採気を打ち切った。
結 果 と 考 察
表 I 酸 素 消 費 量 変 化
' ○ 。. 。 ( ⑲ i
BodySurfacearea(l)O2con R . M . RI
始 時 週 末 週 末 週 末
開第第第
1.206 1.223 1.086 1.105
0.709 0.708 0.647 0.663
13.23 11.78 10.18 10.25
123
表N酸素消費量の鍛練・非鍛練グループ別変化
開 始 時 非 鍛 鍛 第 1 週 末 非 殿 殿 第 2 週 末 非 鍛 鍛 第 3 週 末 非 鍛 鍛
' 。 。" ( 。
1.259 1.185 1.237 1.217 1.315 1.010 1.319 1.034
O2con BodySunfacearea(1)
0.728 0.886 0.712 0.737 0.791 0.599 0.762 0.590
R 、 M . R .
12.47 12.02 11.42 11.90 14.38 8.77 14.24 8.92
実験開始時の最大筋力(上挙回数)と実験終了時の最大筋力との間に明瞭な差は見出せ なかった。筋持久力の増大については,3週間のトレーニングでは差違がなかったといえ よう。
もし,数10回の上挙をしうる低い負荷率で実験を行なっていたら,あるいは,その間に トレーニングの結果による差が見出せたかもしれない。
上挙技術面から,トレーニング効果をみるならば,次のようなことがいえよう。
筋電図からは,
1.トレーニング初期においては,負荷率の高い被験者の間に,15回プレスの10回目頃か ら波形に乱れがみられる。(図I参照)
2.これに比して,負荷率の小であった被験者8(40%)では,その波形には殆んど変化 がみられなかった。(図Ⅳ,V,W,参照)
3.トレーニングの結果として,漸次,波形にまとまりがみられた。(図I,H,m,) 4.特に負荷率の高い被験者程,この変化は著明にみられた。
以上のことを,酸素消費量の変化と併せ考える時,このEMGの波形変化は次のことを 意味するものと思われる。
1.実験開始時,負荷率の高い被験者のシャフトの軌跡は,ジグザクであったと思われる。
2.トレーニングの結果,最短距離を通る上下運動に近付き,物理的仕事量も小さくなっ たと考えられる。
3.この結果,酸素消費量も減少の傾向を示したものであろう。
4.多くの筋群のEMGを記録していたら,他の使用筋の使用群の減少とか,筋群間の発 電順位等も併せ考えることが出来たであろう。
酸素消費量については,
1.3週間のトレーニングの結果,減少の傾向がみられた。
2.第1週末と第2週末との間に,特に大きな減少傾向がみられた。
3.鍛練グループでは,特に,この傾向は強かった。
4.非鍛練グループでは,トレーニング開始時と終了時の間に差はみられなかった。
効率については,表Ⅳを参照
仕事量という点では,前述の如く,実験開始時と第3週末では,厳密な意味で差がある ことは想像に難くない。
本実験では,15回の上挙であるから,10回目以後のシャフトのジグザクも,かなりの仕 事量の増と考えられる。
表Ⅵは,床上15c"(プレートの中央,シャフトの床上高)から鎖骨までの距離と,上腕 長を実測して,仕事量を算出して,効率を計算したものである。
表 Ⅳ 効 率 の 変 化 ( % )
' & # ¥ .非 霊 練 グ ル 量
鍛 練 グ ル ー プ 平 均始 時
!
週 末 週 末 週 末
開第第第 18.70
18.66 23.69 24.66 18.27
19.79 17.81 17.44 18.59
18.94 22.22 22.85
123
1.実験開始後,10日前後で効率の面からも大きな変化がみられた。
2.非鍛練者グループでは,差がみられなかった。
3.鍛練者グループでは,第1週末から第2週末にかけて,大きく効率上昇傾向がみられ た。
4.当然のことではあるが,体表面積当酸素消費量,R.M.R.共に同様傾向がみられた。
本実験にあっては,負荷は中程度か,それ以下と考えてよい。この程度の負荷の場合,
前述したように,トレーニングは,効率を上昇させる結果をみるが,この負荷が大きくな った時,どのような傾向をみせるものであろうか。
これは,サーキット・トレーニングの結果が,他種目,特殊競技種目への転移をもたら すものであるかという疑問解決への一端となるように思われる。
どの程度の負荷が許容限界であろうか。個人差が大きくあるものだろうか。
結 論
諸般の事情のため予定していた実験のすべては完了していない。中間報告という形で一 部を報告した。
l.酸素消費量非鍛練グループでは,約3週間の上腕isotonicmusclecontractionで は影響はみられなかった。
鍛練グループでは,減少傾向が著明にみられた。当然のこととして,R.M、R.も減 少傾向をし示た。
2 . 筋 電 図 ト レ ー ニ ン グ の 結 果 , 波 形 に ま と ま り が み ら れ , 開 始 時 と 終 了 時 の 波 形 の 異 りは減少した。
3.効率鍛練グループ。は上昇し,効率がよくなっているが,非鍛練グループ。では変化が らみれなかった。
今後8 映写機等を使うことによって,仕事量を再検討したい。
また,EMGを併用し,多くの筋群を測定し,その変動によって.効率上昇傾向の理由 解明の手掛りとしたいと考えている。
図 1 被 験 7 開 始 時 負 荷 率 7 5 %
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… …
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ナニ
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̲上より僧帽筋,大胸筋,上腕二頭筋,以下筋電図順は同じ
図 I 被 験 者 7 第 2 週 末
#│鍵燕議箪蕊蕊蕊蕊蕊驚蕊 露I乳騒,
矛』
、4
I
乱 遥 , 謹 翰 … 韓 裟 …………
1
図 Ⅲ 被 験 者 7 第 3 週 末
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図 Ⅳ 被 験 8 ︑心1鉢舜・・一即岬如斗Ⅱ︲如・・鞆ⅡⅡ.︸・即諦戦. 国型慰霊溌霧蕊 末婆鍵識 ︾蕊
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図 V 被 験 8 第 3 週 末
函・1判判.j軸
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図 Ⅵ 被 験 8 第 3 週 末
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Ⅱ︲・︲︲︲︲︲︲︲H1鼎先︲H命亘
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