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研 究 題 目 気仙大工の労働市場の変容 と技能後継者問題

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Academic year: 2021

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三陸総合研究 第

3 3

平 成 19 年 度 助 成 研 究 実施 報 告 書

研 究 題 目 気仙大工の労働市場の変容 と技能後継者問題

研 ( 所属 .職).佐藤 究 者 異 ( 岩手大学 .准教授) 研 究 代 表 者 電話 : 0 1 9 ‑ 6 2 1 ‑ 6 6 3 9 FAX :

連 絡 先 E メ‑ル : s a t o m@i wa t e

u. a c . j p URL:

研 究 目 的 p

本研究は、独 自の木造軸組の技法 を保持 し、 また出稼 ぎ大工集団 とじ/ て知 られる 「 気仙大工」

の今 日的特質 に関す る実証的研究である○ とくに労働市場 な らびに技能後継者の養成訓練 に焦 点 をあて、その変容過程 と現状、 さらには今後の検討課題 を考察することを目的 としているo 研究結果の概要

1 は じめに ( 研究の背景等)‑

2 1 世紀 に入 り、わが国建設業 はかつてない急激 な構造変動 に直面 しているo̲ 公共事業 をは

転換 を迫 られ、琴設就業者 は減少の一途 をた どっているo民間戸建住宅の供給構造 は、 『 住宅 産業 ビジ ヨン』 ( 旧建設省住宅局監修 、1 9 9 7 年) によれば、「 我が国の住宅供給の相 当部分 を 担 う木造軸組み構法等 による中小住宅生産者か らなる生産体制 を、地域住宅産業 として位置 づ け、その構造改革 を進め、市場競争力の強化 を図ることが、高場全体 の競争性 の向上等 を 図る上で重要 」( p. 3) と緒摘 されているo しか しなが ら、 この 「町場」 とよ喋れる木蓮戸蓮 住宅建築の分野の生産労働者 ‑職人層の状態分析 に関す る研究蓄積 は極 めて少 ない現状 にあ る○ とりわけ、喫緊の課題 として問われているのは、技能労働力の再生産、養成訓練 の実態 解明 と今後のあ り方である○後継者不足 .高齢化が他産業 に比 して著 しく進展 してお り、個 別零細資本の もとでの養成訓練が危機 に瀕 していることを、筆者 は既 に自著で明 らかに‑ した○

本研究 は、 こうした住宅産業の構造変化 のなかで、高度 な技能 と独 自の労働市場 を形成 し て きた地域職人集団 ( 「 気仙大工 」 ) が、如何 なる変容 を遂 げて きたのか、 また、当面す る課 題について、労働市場 と技能労働力の再生産構造に焦点をあて、実証的に分析することにある○

2 調査方法

まず、「 気仙大工」 に関す る基礎 資料、文献 を収集○「 気仙地域」所管の大船渡振興局、同 市役所、ハ ロ丁ワーク、職能開発 セ ンター、気仙高等職業訓練校、 さらに陸前高 田市役所、

ハ ローワーク、気仙大工建築研究事業協 同組合、住 田町産業振興課等 での、聴 き取 り調査 な らびに関連資料収集 をおこなった○

次 に\それ らと併行 して、気仙大工 に聴 き取 り調査 を実施 したo とくに出稼就労 している 大工‑のインタビューを、年始 に帰省地で実施 される出穂労働者の健康診断会場で実施 した○

また、出稼労働者が就 労 している首都 圏事業所 での聴 き取 り調査 のため、岩手県の出稼相 談の東京事務所 を介 して、事業所調査 (1事業所)で、担当者 にイ ㌢夕ピュアな らびに岩手

‑ 6 0‑

(2)

3 結 果

わが国の出稼労働者は 、1 9 7 3 年の第 1次オイルショックを契機 として、激減の一途をたどっ

あー り全国の 9 割 を占める。なかで も、青森、北海道、岩手で全体の 7 5 % を占めている。

出稼労働者の就労先で最 も多いのが建設業である。岩手県では過去 3 0 数年の間に、季節的 出稼 ぎの比重が低下 し、いわゆる通年就労する 「 専業出稼 ぎ」が主流 となった ( 2 0 0 6 年 7 5 %) 。 現時点での気仙地域の建設業出稼労働者の特徴 について概括すると次のようにいえよう。

第 1に型枠大工が圧倒的多数であるとい うこと。住宅建築分野の木造大工や、土工の割合 はきわめて低い。すなわち、かつて気仙大工の出稼 ぎといえば、木造住宅建築 に従事する大 工であったが、今 日、出稼 ぎの主流はマ ンシ ョン ・ビル建設に従事する型枠大工であること。

第 2 に職安経由での就労は少 な く、同一事業所への長期就労が多 く認め られること。 した がって、雇用保険の 「 特例一時金」の受給者は少数になったことである。ただ し、長期間 ( 2 0

年以上に及ぶケースもある)にわたる同一事業所への就労 も、宿舎 ・食事が完備 された 「 常用」

雇用形態であっても、日給月給あるいは出来高給 ( 「 手間請け 」 ) の日雇である。社会保険、ボー ナス ・退職金等 もない という、雇用 ・収入は極めて不安定である。

第 3 に中高年層の型枠大工の一定数は、木造大工の修行 を経た ものの、住宅需要の低迷で、

型枠大工‑職種換 え してお り、型枠大工 としての技能形成 に関 しては現場作業 を通 しての OJ T が主であ り、現在で も同様であること。

第 4 に岩手の出稼労働者が就労す る首都 圏のゼネコンの下請け事業所では、かつての労働 力の調達 ・労働者管理の機能を有 していた 「 世話役」に対 し、会社組織 ・法人化 を後押 しし、

出穂請負集団の責任者たる世話役 を下請会社の社長 として、組織化 しつつあること。

以上が概要である。いまだインタビュー調査の資料等、整理未了の部分があるが、添付報 告書 を加筆する形でまとめる予定である

4 考 察

気仙大工の労働市場 に関す る調査 を進めてい く過程で、気仙大工建築研究事業協同組合理 事、歴史研究者の平 山憲治氏、大船渡市役所都市計画課等、い くつかのルー トを通 じ、大工 とのコンタク トを試みた。 しか し大手住宅メーカーが進出 し、地域で狭隆化する住宅市場の もとで、大工 といえば、多 くが型枠大工 として、出稼 ぎしてお り、地元に不在のケースが多かっ た。

木造家屋建築 に従事する気仙大工 について、技術的側面か らその独特の規矩術 の継承 に関 するい くつかの貴重 な取組みが存在す ることがわかった。 しか し同時に、その出稼 ぎを特徴 とする気仙大工の労働市場 に関 し、歴史研究はあるものの現状分析 は皆無 に近い とい うこと も明 らかになった。

そこで、出稼 ぎ就労者の大半が型枠大工である現状 を考えるなら、かれ らの就労の特徴 と、

就労先での雇用、労働諸条件、労働福祉の実態 をより性格 に実態把握する必要性 を痛感 した。

地域振興への展開

調査対象地域 における建設業就業者、 とりわけ出稼 ぎ就労する大工が地域経済に占める位置 は、今 日で も重要であろう。出稼 ぎ就労で得 られる収入の多 くが地域 に還流す るか らである。

調査 を通 じて、地域の住宅需要の市場の回復が当面見込めない状況下で、その多 くが型枠大工 としての出稼 ぎを余儀 な くされている現状では、出稼 ぎ就労先の労働 と生活の最低限保障を確 保すべ く、 これまで実施 して きた事業所訪問等 をより恒常的に実施すべ きであろうと考 える。

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また、住宅建築部門に比重 を置いた地元訓練機関の教育課程 に型枠大工の訓練課程 を設け、建 築需要の変動に対応で きる、出稼 ぎ大工の養成 を検討する必要があるように思われるo

備 考

本研究の詳細 は、『 岩手大学生涯学習論集』第 4 号 ( 9‑1 5 頁)、 岩手大学地域連携推進セ ンター、

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参照

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