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アメリカ憲法における国家承認権限の所在

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(1)

アメリカ憲法における国家承認権限の所在 ︵都法五十 六

一︶   二八九 アメリカ憲法における国家承認権限の所在 ││ ジヴォトフスキー事件を素材として ││

富  井  幸 

一  問題の所在

  外国 を 主権国家 ︵ sover eign ︶ として 承認 する 国家承認 ︵ recognition ︶ は ︑﹁ 国家 が 自 らある 国家 を 組織体 ︵ entity ︶ と し て 扱 う ︑ あ る い は あ る 政 権 ︵ regime ︶ を 国 家 政 府 と し て 扱 う の を 約 す る ︵ commit ︶ 行 為 ﹂ で ︑ ア メ リ カ が そ の 国 と 外交関係 を 結 ぶに はこれが 前提 となる

1

  国家承認 とは ︑ 新国家 の 誕生 に ﹁ 他 の 諸国 がこれを 国際法上 の 国家 ︵ 国際法上 の 主体 ︶ として 認 めること ﹂ であ

るが ︑ 主権 の 確立 を 核 とした 国家 の 要件 を 具備 すれ ば 国家 となるわけで ︑ かかる 承認 は 国家成立 の 事実 を 他国 が 確

認 す る と い っ た 宣 言 的 効 果 と 解 さ れ る

︒ 国 家 承 認 は 国 際 法 に 規 定 は な く

2

︑ 国 家 の 判 断 と な る ︒ 承 認 し な け れ ば そ

3

の 国 との 外交関係 は 持 たれない ︒ 満州国 が 不承認 とされた 一方 で ︑ イタリアの 武力併合 でのエチオピアが ︑ イギリ

スをはじめ 少 なからず 国家承認 にあずかった 事実 をみるとき ︑ 承認不承認 は 国際法 の 原則 や 形式 というよりも 承認

(2)

  二九〇 を 行 う 国家 の 政治的判断 といえる

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  国内法 に 目 を 転 じれ ば ︑ これはどの 政府機関 あるいは 立憲的部門 が 行 うのか ︑ 外国 を 国家 と 承認 する 権能 ︵ 以下

承認権 ︶ は 国家 の 主権 にあるといえども ︑ それは 憲法上 どの 部門 に 認 められるのか ︒ 日本国憲法 に 承認権 の 規定 は

ない ︒﹁ 外国 の 大使及 び 公使 を 接受 すること ﹂ が 天皇 の 国事行為 として 規定 されている ︵ 七条九号 ︶︒ しかし ︑ これ

に は 国 家 の 政 治 的 決 定 と な る 承 認 権 は 含 ま れ て い な い ︒ 天 皇 は ︑ 政 治 的 権 力 を 一 切 否 定 さ れ て お り ︵ 四 条 一 項 ︶︑

大使 の 接受 は 内閣 の 助言 と 承認 に 基 づいて ︑ 形式的儀礼的 になされるにすぎず ︑ 法的効果 のない 事実行為 と 理解 さ

れ る

︒ 日 本 国 憲 法 で は ︑ 七 三 条 で ﹁ 外 交 関 係 を 処 理 す る ﹂ 権 限 は 内 閣 に 認 め て い る の で ︑ 承 認 権 は ︑ 内 閣 ︵ 執 行

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権 ︶ に あ る と し て よ か ろ う

︒ た だ 国 会 は こ れ に 関 与 で き る か ︒ わ が 国 の 議 院 内 閣 制 に あ っ て 内 閣 と 国 会 ︵ 与 党 ︶

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に 齟齬 が 生 じることは 現実的 ではないので ︑ 憲法学 の 議論 の 対象 にされにくい

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  こ れ が 厳 格 な 権 力 分 立 を 取 る ア メ リ カ と な る と ︑ 事 情 は 異 な る ︒ 外 交 政 策 は 政 治 プ ロ セ ス で 形 成 さ れ る と し て

も ︑ どの 機関 が 決定的権限 を 持 つのか ︒ 外交関係 を 形成 し 執行 するのは 執行権 ︵ 大統領 ︶ であるとしても ︑ 柔軟 に

国際関係 に 対応 していく 基本的 な 決定 に ︑ いちいちアメリカ 連邦議会 ︵ 以下議会 ︶ の 承認 や 立法 を 要 するのか ︒ そ

もそも 承認権 は 議会 が 有 するのか ︒ いずれも ︑ アメリカ 合衆国憲法 ︵ 以下憲法 ︶ は ︑ 条文上不明 である ︒ 大統領 の

外 交権 は Cur tiss-W right 判 決 でと なえら れた ︑ 大 統領 は 対外 的関係 で の ﹁ 唯 一 の 機関 ︵ sole or gan ︶﹂ だ とする 理論 で 認 め ら れ よ う

︒ も っ と も ︑ そ の 権 限 の 範 囲 が ど こ ま で か は 争 い が あ る ︒ こ れ は 大 統 領 の 憲 法 上 の 権 限 の 根 拠 と

8

して 援用 され ︑ 外交関係 を 遂行 するのみならず ︑ 外交政策 を 決定 する 権限 も 含 まれると 解 されることもあれ ば ︑ 外

交政策 の 形成 は 含 まれないとの 向 きもある ︒ 一方 で ︑ 大統領 は 大使接受 といった 儀礼的 な 権限 に とどまらず ︑ 外国

政府 を 承認 するかどうかの 決定権 も 認 められることは ︑ もはや 疑問 の 余地 がないとまでもいわれる

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アメリカ憲法における国家承認権限の所在 ︵都法五十 六

一︶   二九一   実 務 は 大 統 領 の 専 権 で 運 用 さ れ て き た ︒ こ れ を 議 会 の 忍 従 ︵ acquiescence ︶ と み る か は 議 論 が あ ろ う ︒ い ず れ に

せよ ︑ 承認権 の 所在 は 憲法上一義的 ではなく ︑ 明確 な 司法判断 はこれまで 存在 しなかった ︒ しかし ︑ 二 〇 一三年 に

ワシントン ・ コロンビア 自治区 ︵ D C ︶ 連邦控訴裁判所 が 下 したジヴォトフスキー 判決 ︵ 本件判決 ︶ は ︑ 承認権 が

大 統 領 の 排 他 的 権 限 ︵ exclusive power ︶ で あ る と 初 め て 判 示 し た

︒ そ こ で 本 稿 は ︑ こ れ を 腑 分 け し て ︑ 憲 法 レ ベ

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ルでの 承認権 の 所在 を 検討 する ︒ まず 本件判決 の 概要 を 素描 する ︒ そのうえで 判決 の 問題点 をに らみながら ︑ 承認

権 の 憲法学上 の 論点 を 考察 する ︒ それは 大統領 と 議会 の 権限 の 争 いといった ︑ オーソドックスな 権力分立論 の 一断

面 であ る ︒ そ の 中 身 を 確 認 す る と と も に ︑ こ の 領 域 に 最 高 裁 が 微 妙 に コ ミ ッ ト す る 姿 勢 を 垣 間 見 る ︒

  アメリカでは 立憲政治 の 実践 として ︑ また 憲法解釈 として ︑ 外交 には 大統領 が 巨大 な 権限 を 持 っていることには 争 い が な い

︒ 一 方 ︑ 大 統 領 は 法 律 を 誠 実 に 執 行 す る 義 務 も あ り ︵ 二 条 三 節 ︶︑ 議 会 の 意 思 を 誠 実 に 履 行 す る 責 務 を

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おっている ︒ 外交 に 関 して 議会 が 立法的制約 を 置 いた 時 ︑ そのことが 大統領 の 外交政策 を 形成 しそれを 履行 する 固

有 の 権限 を 侵 さないかは 憲法問題 となる ︒ これは ︑ 大統領 の 外交権限 を 認 めたうえでどのように 議会 は 干渉 できる

かの 問題 でもある ︒ 承認権 のように 憲法条文 も 制憲意思 も 明確 でない 場合 ︑ 過去 の 実践例 で 大統領 の 専権 とみられ

がちとなるが

︑ これがはたして 立憲的 な 姿 なのかは 議論 する 価値 があろう ︒

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二  ジヴォトフス ー判決 二〇一三年 連邦控訴裁判所

1  事件の概

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  原告 であるジヴォトフスキー ︵ Menachem Binyamin Zivotofsky ︶ は 二 〇〇 二年一 〇 月一七日 ︑ アメリカ 人 を 両親

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  二九二

に ︑ エルサレムで 生 まれた ︒ 同年一二月 ︑ 母親 がテルアビブのアメリカ 領事館 に 代理 で ︑ 出生地 イスラエルと 記 し

て 子 の パ ス ポ ー ト を 申 請 し た と こ ろ ︑ 領 事 か ら ︑ イ ス ラ エ ル は 国 務 省 規 則 で は 出 生 地 の リ ス ト に あ が っ て お ら ず ︑

エルサレムのみ 認 められるとされた ︒ 後 に ︑ これは ﹁ エルサレム ︑ イスラエル ﹂ と 書 き 換 えての 申請 となる ︒

  エルサレムの 地位 は 最 も 政治的 で 複雑 な 争点 である ︒ アメリカは ︑ 一九四八年 ︑ トルーマン 政権 の 時 にアラブ =

イスラエル 戦争 の 解決 のために ︑ 紛争両当事者 を 調整 すべく ︑ いかなる 国家 の 主権 も 認 めずエルサレムとした ︒ 国

務 省 外 事 手 引 ︵ State Depar tment For eign Af fairs Manual ︵ F A M ︶︶ は ︑ パ ス ポ ー ト 事 務 規 則 に 中 立 政 策 を 一 貫 さ

せ ︑ 申請者 の 出生地 の 記載 に 事細 かな 指示 を 与 えている ︒ まず 出生地 の 国 を 記 すこと ︒ ただし ︑ 出生地 に 国家帰属

で 争 いがある 場合 には ︑ 国家名 に 代 えて 当該地名 で 記載 し 得 るとしている ︒ F A M はエルサレムについて 特別 に 定

めており ︑ エルサレム 市 の 境界内 であれ ば エルサレムとだけ 記載 し ︑ イスラエルとかヨル ダ ンとかは 無論 ︑ イスラ

エルがエルサレムを 含 むなんぞ 記載 してはならないとしている ︒

  議会 は 執行府 の 中立政策 を 変 えようとした ︒ 二 〇〇 二年九月三 〇 日 ︑ 議会 は ﹁ イスラエルの 首都 であるエルサレ

ムに 関 するアメリカの 政策 ﹂ と 題 する 二 〇〇 三年会計年度外交授権法二一四条 を 制定 し ︑ イスラエルのアメリカ 大

使館 をテルアビブからエルサレムに 移転 するよう 求 めるとともに ︵ a 項 ︶︑ d 項 で 以下 のように 規定 した ︒﹁ パスポ

ートのための 出生地 イスラエルの 記録 エルサレム 市 で 出生 したアメリカ 市民 のパスポートの 発給 ︑ もしくは 出生

の 登録 ︑ 国籍証明 のために ︑ 国務長官 は 市民若 しくは 法定後見人 の 申請 に 基 づいて ︑ 出生地 をイスラエルと 記 すも

のとする ﹂︒

  この 二一四条 について ︑ ブッシュ 大統領 は 署名 に 際 して 次 のような 声明 を 出 している ︵ s

署名時声明

ignin g statement s ︶︒ ﹁ エ

ルサレムに 関 する 二一四条 は ︑ 外交 を 遂行 し 単一 の 執行府 を 監督 する 大統領 の 憲法上 の 権限 に 干渉 するもので 許 さ

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アメリカ憲法における国家承認権限の所在 ︵都法五十 六

一︶   二九三 れ な い ︵ imper missibly inter fer es ︶︒ な お か つ ︑ 二 一 四 条 の 趣 旨 と し て 指 示 す る と こ ろ が ︑ 訓 示 的 と い う よ り む し

ろ 命令的 と 解 されるなら ︑ アメリカの 地位 を 形成 し ︑ 国家 のために 国際関係 で 発言 し ︑ 承認 で 外国 に 与 えられる 約

定 を 決 定 す る 大 統 領 の 憲 法 上 の 権 限 を 干 渉 す る も の で 許 さ れ な い ︒ ア メ リ カ の エ ル サ レ ム 政 策 は 変 わ っ て い な い ﹂

︵ 傍線筆者 ︶︒

  国務省 は ︑ F A M に 従 って ︑ このパスポートに は 出生地 はエルサレムとだけ 記載 した ︒ 原告 ︵ ジヴォトフスキー の 両 親 と 法 定 後 見 人 ︑ Ari Z. と Naomi Siegman Zivotofsky ︶ は ︑ こ の 二 一 四 条 d 項 に し た が っ て ﹁ エ ル サ レ ム ︑ イ

ス ラ エ ル ﹂ と 記 載 す る よ う 国 務 長 官 に は 法 的 義 務 が あ る と の 宣 言 的 判 決 と ︑ そ う す る た め の 終 局 的 差 止 命 令

︵ per manent injunction ︶ を 求 め て ︑ 二 〇 〇 三 年 九 月 六 日 に 提 訴 し た ︒ 政 府 は ︑ 政 治 的 問 題 ︵ P Q ︶ を 前 面 に 出 し て

司法判断 の 対象 にならないと 反論 した ︒

  その 第一審 は 原告適格 を 否定 した ︒ しかし ︑ D C 連邦控訴裁判所 は 原告適格 を 認 め ︑ 他 の 争点 や 証拠 や 記録 を 十

分審議 するように 差 し 戻 した ︒ 連邦地裁 は 二 〇〇 七年九月 ︑ P Q として 再度却下 した ︒ 政府 の 主張 を 認 め ︑ 本件 は

まさに P Q だとして 司法判断 できない ︒ 管轄権存在 の 立証責任 は 原告 が 負 わなけれ ば ならないところ ︑ P Q の 六 つ

の 要 件 の い ず れ に も 当 た ら な い こ と を ︑ 立 証 し て い な い と し た の で あ る

︒ 承 認 権 は 国 家 承 認 に 関 す る 政 策 決 定 権

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限 を 含 み ︑ 単 に 外国政府 を 承認 するに 止 まらないのであって ︑ 本案解決 にはエルサレムの 政治的地位 を 裁判所 が 判

断 しなけれ ば ならない ︒ それは 外交政策 にかかわり ︑ 裁判所 はこれを 判断 する 基準 を 持 ち 合 わせていない ︒ これに

は 政治部門 の 整合的 な 言質 を 要 し ︑ かつ ︑ そうした 部門 から 多様 な 声明 が 出 される 潜在性 を 秘 めているものなのだ

とした ︒

  こ れ を 控 訴 審 も 支 持 し た

︒ し か し ︑ 最 高 裁 は こ れ を 否 定 し ︵ こ こ ま で を 第 一 次 訴 訟 と す る ︶︑ エ ル サ レ ム で 生 ま

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  二九四

れたアメリカ 市民 はそのパスポートの 出生地 のリストとしてイスラエルと 選択 できるとする 連邦法 が 合憲 であるか

を ︑ 判 断 で き る と し た

︒ 両 当 事 者 は 二 一 四 条 d 項 の 合 憲 性 を 争 っ て お り ︑ ま た ︑ こ れ が 原 告 に 制 定 法 上 の 権 利 を

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与 えたものかが 提起 されているのである ︒ それはまさに 司法 の 領域 であって ︑ エルサレムに 関 する 外交政策 を 争 っ

て い る わ け で は な い と し た

︒﹁ ジ ヴ ォ ト フ ス キ ー の 訴 え の 解 決 は ︑ 制 定 法 の 性 質 と パ ス ポ ー ト と 承 認 権 の 性 質 に 関

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して ︑ 当事者 が 主張 する 条文 と 構造 と 歴史 の 証拠 を 慎重 に 検証 することが 求 められている ︒ これは 裁判所 のやるこ

と で あ る ︒ P Q は 本 件 の 司 法 審 査 に 何 の 障 害 も も た ら さ な い

﹂︒ 司 法 判 断 適 合 性 は あ り ︑ 本 案 を 審 理 さ せ る べ く 差

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し 戻 したのが 本件 である ︵ これ 以降 を 第二次訴訟 とする ︶︒

2  本件判決   第一次訴訟 の 争点 は P Q に 当 たるかであった ︒ これが 最高裁 で 明確 に 否定 された 今 ︑ 第二次訴訟 で 差戻審 である

D C 連邦控訴裁判所 は ︑ 本案 ︵ merits ︶ の 問題 ︑ すなわち ︑ 承認権 の 所在 と 本件立法 が 権力分立 から 違憲 であるか ︑

を 判断 することになる ︒

  本件判決 はまず ︑ この 問題 が Youngstown 事件 で Jackson 判事 が 示 した 三定式 のうちの 第三類型 ︑ すなわち ︑﹁ 大 統 領 が 議 会 の 明 示 ま た は 黙 示 の 意 思 に 矛 盾 す る 措 置 を 取 る 時 ︑ そ の 権 限 は 最 低 網 ︵ lowest web ︶ と な り ︑ そ の 事 項

に 関 する 議会 の 憲法上 の 権限 を 引 いた 自 らの 憲法上 の 権限 のみに 依拠 できる ﹂ ことは ︑ 当事者間 に 争 いがないとし

て ︑ これを 議論 の 前提 としている

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  そして 本案 を 判断 する ︒ 第一 に ︑ 承認権 が 大統領 の 排他的 ︵ exclusive ︶ 権限 であると 判示 する ︒ まず ︑ 憲法 の 条

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アメリカ憲法における国家承認権限の所在 ︵都法五十 六

一︶   二九五 文 や 制 憲 者 意 思 に は 承 認 権 の 所 在 の 決 定 的 な 根 拠 や 証 拠 は な い と し た う え で ︑ 憲 法 解 釈 の 根 拠 と な る の は 制 憲 後

︵ post-ratification ︶ の 歴 史 だ と し て ︑ 運 用 の 現 実 を 検 討 す る

︒ 初 代 大 統 領 ワ シ ン ト ン を は じ め ︑ モ ン ロ ー ︑ ウ イ ル

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ソン ︑ リンカーン ︑ ジャクソンは ︑ それが 大統領 の 排他的権限 であると 解 して 実践 してきたとする ︒

  次 に 最 高 裁 の 先 例 を み る ︒﹁ 外 交 領 域 で は ︑ 大 統 領 は ︑ 国 内 事 象 の み か か わ る と こ ろ で は 許 さ れ な い よ う な ︑ 制

定 法 の 制 約 か ら 自 由 な 裁 量 を 有 ﹂ し ︑﹁ 外 事 関 係 で は 国 家 唯 一 の 機 関 で 外 国 に 対 す る 唯 一 の 代 表 ﹂ と の 判 例 法 理 を

確 認 す る ︒ そ し て 一 度 に か ぎ ら ず ︑ 承 認 権 が 大 統 領 に 排 他 的 に 存 す る と 述 べ て い る と す る

︒﹁ 確 か に ︑ 最 高 裁 は 大

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統領 が 排他的 にこの 権限 を 有 すると 判示 したことはない ︒ しかし ︑ われわれ 下級審 にとって ︑ たとえテクニカルに

は 傍 論 だ と し て も ︑ 最 高 裁 の 慎 重 に 考 慮 さ れ た 言 葉 は ︑ 一 般 に 権 威 あ る も の と し て 扱 わ れ な け れ ば な ら な い

﹂︒ 排

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他的権限 とした 最高裁 の 意見 が ︑ 判例 として 法的拘束力 を 持 つようになったのである ︒

  か く し て ︑﹁ 憲 法 の 条 文 と 構 造 ︑ 最 高 裁 判 例 ︑ 制 憲 後 の 長 い 歴 史 を 見 れ ば ︑ 大 統 領 は 外 国 の 主 権 を 承 認 す る か ど うかを 決定 する 権限 を 排他的 に 保持 していると 結論 する

﹂︒

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  第二 に ︑ 二一四条 d 項 の 制定 の 根拠 となるパスポート 権 が 議会 の 権限 の 有効 な 行使 なのか ︑ それとも 大統領権限

を 侵 しているのかを 判断 する ︒ なるほどパスポートは 出生地 を 記載 するだけで ︑ 承認権 を 直接行使 するものではな

いし ︑ パスポートの 規制 は 議会 の 立法管轄権 に 入 る ︒ ただ ︑ ここでの 問題 はパスポートに 関 する 権限全 てをどこが

排他的 に 有 するかではない ︒ 執行権 は 長 きにわたり ︑ とりわけ 外交政策 に 絡 むときは ︑ パスポート 権 の 行使 に 関与

してきた ︒ 一八五六年 に 初 めてパスポートに 関 する 立法 がなされ ︑ そこでは 安全保障 や 外交政策 のためにパスポー

ト の 発 給 権 を 統 制 す る 権 限 を 大 統 領 や 国 務 長 官 に 認 め て い る ︒ 一 九 二 六 年 に パ ス ポ ー ト 法 ︵ Passpor t Act ︶ が 制 定

されても ︵ 後述四 1 参照 ︶︑ この 原則 は 変 わっていない ︒

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  二九六   原 告 は ︑ 議 会 の 制 定 法 が な け れ ば 執 行 権 に パ ス ポ ー ト に 関 す る 権 限 は 認 め ら れ な い と す る の が 判 例 だ と 主 張 す

る ︒ し か し ︑ 裁 判 所 は 議 会 に そ の 排 他 的 権 限 が あ る と 述 べ た こ と は な い ︒﹁ な る ほ ど 議 会 は パ ス ポ ー ト に 関 す る 立

法権 を 有 するけれども ︑ そのパスポート 権 は 排他的 ではない ︒ そして 議会 が 執行権 の 権限 を 侵奪 するように ︑ 排他

的 で な い パ ス ポ ー ト 権 に 基 づ い て 立 法 す る よ う な ら ば ︑ そ の 立 法 は 憲 法 上 の 権 力 分 立 の 問 題 を 惹 起 す る

﹂︒ ゆ え に

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二 一 四 条 d 項 は そ う し た 立 法 な の か を 検 討 し な け れ ば な ら な い ︒ そ れ は 単 に パ ス ポ ー ト に つ い て の み 語 っ た の か ︑

そ れ と も 大 統 領 の 排 他 的 権 限 た る 承 認 権 に 干 渉 す る も の な の か ︒ 前 者 で あ る と 解 す る こ と は 到 底 で き な い と す る ︒

執行権 ︵ 政府 ︶ は ︑ エルサレムには ︑ 一九四八年来 ︑ 中立 を 取 っているところ ︑ 二一四条 は 表題 や 内容 をみれ ば 明

らかにこれを 変更 しようとするものであって ︑ それは 外交政策 を 議会 が 立法 で 変更 することに ほかならないからで

ある

Tatel ︒ なお ︑ パスポート 権 については 判事 の 補足意見 が 付 されている ︵ 後述四 1 ︶︒

25

  かくして 本件判決 は ︑ 二一四条 d 項 が 執行権 の 排他的権限 である 承認権 を 侵害 する 違憲 な 法律 と 判断 した ︒ これ に 対 す る 上 告 で 最 高 裁 は ︑ 二 〇 一 四 年 四 月 二 一 日 ︑ サ ー シ オ レ イ ラ イ を 認 め

︑ 同 年 一 一 月 四 日 に 口 頭 弁 論 を 行 っ

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ている ︵ 後述四

3 ︶︒ 承認権 が 大統領 の 排他的権限 かは 最高裁 で 決着 をつけることとなる ︵ 二 〇 一五年 ︶︒

三  承認権の所在

1  本判決の問題点

  本件判決 は 初 めて ︑ 承認権 が 執行権 ︵ 大統領 ︶ の 排他的 ︵ exclusive ︶ 権利 だとした ︒ これまで 判例 では ︑ そうし

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アメリカ憲法における国家承認権限の所在 ︵都法五十 六

一︶   二九七 た 判 断 が 傍 論 と し て は 存 在 し た が

︑ こ れ が 先 例 と し て 意 義 を 持 つ こ と と な る ︵ も っ と も ︑ 最 高 裁 で 覆 る 可 能 性 は

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あ る ︶︒ 問 題 は こ の 判 断 が 憲 法 解 釈 と し て 妥 当 か の 一 点 に あ る ︒ そ れ ま で 少 な か ら ず 権 力 分 立 の 解 釈 で 争 い が あ っ

たことを 考 えると ︑ 法的 に 決着 をつけた 意義 はあるものの ︑ 憲法解釈 としてしっくりこない 点 が 残 っているのも 事

実 である ︒

  本 件 判 決 は ︑ 承 認 権 は 国 家 の 主 権 性 を 認 め る 法 的 行 為 ︵ de jur e ︶ で あ り ︑ 大 統 領 の 裁 量 的 決 定 に 基 づ く 権 限

︵ power ︶ で あ っ て ︑ 機 械 的 事 務 的 な 事 実 行 為 ︵ de facto ︶ で は な い と し た ︒ そ こ に は ︑ 承 認 権 が 立 法 作 用 ︵ law making ︶ で は な く 執 行 作 用 ︵ law executing ︶ だ と の 認 識 が あ る ︒ あ る 区 域 に 及 ん で い る 主 権 が ど の 国 家 に 属 す る

かは ︑ 国家 の 領域 を 決 めることである ︒ それが 承認権 であり ︑ 政府 の 外交政策上 の 有権的 な 裁量的決定 だとみるの

である ︒ 承認権 がいかなる 性質 のものか ︑ 大統領 がなすにしてもそれは 儀礼的 な 機能 しか 果 たさないものか ︑ それ

とも 法的効果 のある 裁量的決定 なのかは ︑ 承認権 の 論点 である ︒

  これらの 論点 を 考 える 時 ︑ 共有 される 前提 は ︑ 憲法 の 条文 も 制憲者意思 もこの 点 に 関 して 明確 ではないことであ

る ︒ もっとも ︑ これら 二 つの 要素 は 憲法解釈 では 必須 なので ︑ 言及 されないわけではない ︒ 議会 に 承認権 を 認 める

説 ︵ Pr oCon ︶ で は ︑ 憲 法 一 条 八 節 で 議 会 の 権 限 と さ れ る も の の う ち ︑ 外 交 通 商 規 制 権 ︵ 三 号 ︶︑ 帰 化 ︵ 四 号 ︶︑ 宣 戦権 ︵ 一一号 ︶︑ 必要適切立法権 ︵ 一八号 ︶ が ︑ 大統領 に 認 める 説 ︵ Pr oExe ︶ では ︑ 大統領 を 規定 する 二条 のうち ︑ 執行権付与 ︵ vesting ︶︵ 一節一号 ︶︑ 大使公使任命権 ︵ 二節二号 ︶︑ 法誠実執行配慮義務 ︵ 三節 ︶ が ︑ 言及 されるが ︑ いずれにせよ ︑ 条文 もそれぞれの 立法趣旨 も 決定的 な 論拠 になっていない

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  そこで 重要 になるのは 実務 や 歴史 の 積 み 重 ねである ︒ 制憲趣旨 が 不明確 であるから ︑ 制憲後 の 解釈 の 積 み 重 ねが

憲 法 規 範 を 形 成 す る ︒ 大 統 領 は 議 会 に 諮 る こ と な く ︑ 一 九 七 九 年 以 前 に 中 華 人 民 共 和 国 ︵ P R C ︶︑ そ し て カ ス ト

(10)

  二九八

ロのキューバを 承認 するかどうかを 決定 しているし ︑ 第二次世界大戦前 にさかのぼれ ば ︑ 一九三二年 に 満州国 ︑ 一

九 四 〇 年 に バ ル チ ッ ク 共 和 国 ︑ ス ペ イ ン 市 民 戦 争 で の 中 立 と ︑ ア メ リ カ の 承 認 権 行 使 の 実 例 は 枚 挙 に い と ま が な

い ︒ 本件判決 は ︑ 憲政 の 実践 が 承認権 の 憲法解釈 を 形成 したと 重視 する ︒ そして ︑ こうした 立憲的展開 をどう 解釈

するかは 議論 となる ︒

2 憲法の条文 制憲者意思   大統領権限 とする 条文上 の 根拠 として ︑ もとより 明文 の 根拠 はないけれども ︑ 憲法二条三節 の ﹁ 大統領 は 大使 そ

の 他外交使節 を 接受 する ﹂ が 挙 げられる ︒ この 条項 の 前提 に は 大統領 がその 外交官 の 国 の 主権 を 認 めていることが

あ る か ら で ︑ こ れ に は 承 認 権 が 内 包 さ れ て い る と み る ︒ さ ら に 敷 衍 し て ︑ 外 交 官 派 遣 受 け 入 れ 条 項 ︑ 大 使 接 受 条

項 ︑ 二条一項 の 執行権付与条項 ︵ Executive V esting Clause ︵ E V C ︶︶ が 言及 される ︒   そもそも ︑ 大統領 を 規定 する 憲法条項 が 具体的 な 権限 を 付与 したのかに は 争 いがある ︒ 憲法二条 は ︑ 大統領 に 二 つ の 地 位 ︑ つ ま り 執 行 権 の 長 と 最 高 司 令 官 を 与 え ︑ そ の 具 体 的 権 限 が 何 た る か は 明 記 し て い な い

︒ た だ ︑ 大 使 接

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受条項 など 個別 の 規定 があり ︑ さらに 包括的 に 法誠実執行義務条項 があり ︑ こうした 個別的 な 規定 を 義務 とみるの

か 権 利 と み る の か ︑ は た ま た 事 務 的 ︵ ministerial ︶ と み る の か ︑ あ る い は 地 位 を 規 定 す る こ と は 包 括 的 権 限 を 前 提

としているのか ︑ 憲法解釈 の 議論 となる ︒ 憲法上大統領 に 固有 の 法的権限 が 与 えられているとすれ ば ︑ これを 立法

で 規制 することは 権力分立 の 問題 を 惹起 する ︒

  さて 承認権 の 根拠 とされる 三 つの 条文 について ︑ 本件判決 も 含 め ︑ 大統領 の 排他的権限 とする 一義的 な 根拠 には

(11)

アメリカ憲法における国家承認権限の所在 ︵都法五十 六

一︶   二九九 なりえないとみるのが 通説 であろう ︒ レンスティンは ︑ これらの 条項 の 意味 を 制憲 プロセスでの 考 え 方 と 当時 のア

メリカの 安全保障環境 を 重視 しながら 検討 する ︒ そして ︑ 承認権 は 単 に 外国政府 を 認 めるに 止 まらず ︑ 戦争 を 始 め

る 果実 をもたらし ︑ 外交安全保障政策 に 大 きく 影響 したことを 知 っていたとし ︑ 大使接受条項 は 執行権限 を 賦与 し

た も の で は な く 事 務 的 な も の と さ れ た と 結 論 付 け る と と も に ︑ E V C が 独 立 し た 大 統 領 権 限 を 賦 与 し た と す る 証 拠 も

な い と す る

︒ で は な ぜ こ う し た 重 要 な 承 認 権 を 明 確 に し な か っ た の か ︑ 憲 法 の 沈 黙 の 疑 問 が 生 じ る ︒ こ れ は

30

mysterious ︵ 不 可 思 議 ︶ だ と し な が ら も ︑ 憲 法 の 起 草 お よ び 批 准 の 過 程 で 承 認 権 は 議 論 さ れ な か っ た の で あ り ︑ そ れは 当時 ︑ できたてのアメリカにあって 特 に 関係 があるとは 考 えられなかったからではないかとする

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  アドラーは 大統領 の 承認権 は 事務的 であるとして ︑ 本判決 を 批判 する ︒ 彼 の 持論 は 次 の 如 くである ︒ 承認権 ﹁ は 国 際 法 の 前 提 に よ っ て 確 定 さ れ て ︑ 基 本 的 に 事 務 的 ︵ ministerial ︶ な 性 質 の も の で あ っ て ︑ ほ と ん ど 自 由 裁 量 の 余

地 がなく ︑ 承認行為 を 支配 する 政策 を 決定 する 権限 を 含 まない ︒ 大統領 の 承認権 は 外国 の 政府又 は 国家 に 対 して 承

認 を 与 え る 憲 法 上 さ ま ざ ま な 手 法 の 一 つ で し か な い の で あ っ て ︑ し た が っ て 排 他 的 権 限 と は な ら な い

﹂︒ 条 文 や 制

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憲者意思 は 承認権 を 大統領 に 認 めたとしていないのは 明 らかだとする

33

  大使接受条項 は 承認権 を 前提 とする 根拠 として 説得的 なように みえるけれども ︑ 同条項 にそうした 意図 はなかっ た こ と は ︑ ハ ミ ル ト ン の フ ェ デ ラ リ ス ト ・ ペ ー パ ー ズ で の 言 で 証 明 さ れ よ う ︒ い わ く

︑﹁ 大 統 領 は ま た ︑ 大 使 そ の

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他公的使節 を 接受 する 権限 がある ︒ これは ︑ なるほど 多 くの 争論 を 呼 んでいるけれども ︑ 権威 に 関 するというより

も 尊厳 のことがらなのである ︒ それは 政府 の 運営 に 何 ら 帰結 をもたらさない 情況的 なことなのであって ︑ そうする

ほうが ︑ 離任 する 前任者 に 単 に 取 って 代 わるものにすぎずとも ︑ 外国使節 が 赴任 するたびにいつでも ︑ 議会 あるい

は そ の 一 院 を 召 集 す る 必 要 性 を 持 つ よ り は る か に 便 宜 な の で あ る ﹂︒ ち な み に 一 七 八 一 年 の 連 合 規 約 ︵ Ar ticles of

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  三〇〇 Confederation ︶ は 承 認 権 に 言 及 は な く ︑ 大 使 の 派 遣 接 受 は ︑ 宣 戦 講 和 の 決 定 や 条 約 や 同 盟 の 締 結 と と も に ︑ 連 合 会議 の 権限 とされていた

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  J ・ ストーリは 議会 と 大統領 ︑ どちらの 排他的権利 かについて ︑ はっきりしていない ︒ いわく ︑ 大使接受 はデリ

ケ ー ト な 作 用 で 戦 争 や 中 立 と い っ た 国 際 状 況 が 絡 む と し ︑﹁ 新 た な 国 家 あ る い は 大 臣 を 認 め る と い う こ の 特 権 の 行

使 は ︑ 大 き な デ リ カ シ ー の あ る 執 行 権 の 作 用 で あ り ︑ 最 高 の 慎 重 さ と 注 意 を 要 す る ︒﹇ 大 使 接 受 は 新 国 家 の 事 実 上

の 主 権 を 認 め る こ と で あ る ﹈︒ こ う し た 承 認 が な さ れ れ ば ︑ そ れ を 否 認 す る 議 会 の 行 為 に よ っ て 覆 さ れ な い 限 り ︑

国家 に あっては 完結 する ︒ 他方 ︑ そうした 承認 が 執行権 によって 否認 されれ ば ︑ 議会 はそれにもかかわらず ︑ この

国 家 の 主 権 を 厳 粛 に 認 め る こ と が で き る と い わ れ て い る ︒﹇ し か し こ れ は 正 し い と い う わ け で は な く ︑ い ま な お 開

か れ た 議 論 ︵ open discussion ︶ で あ る ︒ た だ ︑﹈ 憲 法 は 執 行 権 に 大 使 接 受 の 権 限 を 明 文 で 与 え た ︒ 明 文 上 は ︑ 議 会 にはそれらを 認 めたり 否認 したりする 権限 を 賦与 していない

﹂︒

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  外国 からの 大使 や 公使 の 接受 は ︑ 外交関係 の 構築 という 法的効果 をもたらすようにみえるけれども ︑ 現代 の 国際 法 で は そ れ ぞ れ 別 個 で あ っ て ︑ ま た ﹁ 国 家 承 認 と 外 交 関 係 の 開 設 も 制 度 的 に は そ れ ぞ れ 別 の 行 為 で あ る

﹂︒ 一 九 六

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一 年 採 択 の ﹁ 外 交 関 係 に 関 す る ウ ィ ー ン 条 約 ﹂ は ︑﹁ 諸 国 間 の 外 交 関 係 の 開 設 及 び 常 駐 の 使 節 団 の 設 置 は ︑ 相 互 の

合意 によ ﹂ るとしている ︵ 二条 ︶︒

  いずれにせよ ︑ 条文 や 制憲者意思 で 承認権 が 大統領 の 権限 である ︑ さらに 排他的権限 であると 読 む 解釈 は ︑ 導 き 出 せない ︒ それをサポートするような 証拠 も 見出 されないのである

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(13)

アメリカ憲法における国家承認権限の所在 ︵都法五十 六

一︶   三〇一   3  制憲後の運用の歴史   本件判決 は 条文 も 制憲者意思 も ︑ いずれも 決定的 ではないとしたうえで ︑ 制憲後 の 運用解釈 の 実務的積 み 重 ねを

根 拠 と し て ︑ 大 統 領 の 排 他 的 権 限 が 憲 法 だ と 解 す る ︒ こ れ は 歴 史 を ど う 解 釈 す る か の 要 素 も あ る ︒ レ ン ス テ ィ ン

は ︑ 本 件 判 決 の 理 解 が 妥 当 で な い と 批 判 す る

︒ 本 件 判 決 は な る ほ ど 大 統 領 が 承 認 権 を 行 使 し て き た が ︑ 議 会 が こ

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れに 忍従 してきたし ︑ また 四回 は 議会 が 承認権 を 専権的 に 行使 したとする ︒ その 第一回目 が ︑ 一八 〇〇 年 ︑ フラン

スとの Quasi-W ar ︵ 擬似戦争 ︶ の 時 に ︑ スペインとフランスの 間 で 争 いがあった S

サント

anto D omingo にフランスの 主権

を 認 めた 立法 を 制定 したことである ︒ 第二回目 が ︑ ハイチの 独立 の 主張 を 否定 してフランスの 植民地 だと 明白 に 示

し た ハ イ チ 通 商 禁 止 法 ︵ Haitian non-inter course law ︶ の 制 定 で あ る ︒ 三 回 目 が リ ン カ ー ン 大 統 領 時 の ハ イ チ 承 認 ︑

四回目 が 一八九八年 のキューバがスペインから 独立 したとする 合同決議 の 採択 であるとしている ︒

  本 件 判 決 は 大 統 領 の 排 他 的 承 認 権 行 使 の 先 例 と し て ︑ 一 七 九 二 年 か ら 九 三 年 の 中 立 危 機 ︵ neutrality crisis ︶ で の

ワシントン 大統領 のケースを 第一 に 挙 げる ︒ 彼 は 合衆国 の 代表者 としてフランス 大使 ゲネを 接受 した ︒ 革命 でルイ

一六世 を 処刑 し ︑ 新 たに 国民議会 を 創設 していた 革命政府 は ︑ イギリスが 率 いる 連合軍 と 戦争 を 始 めており ︑ 承認

は 外交問題 になるが ︑ 議会 のメンバー 等 とも 相談 の 上 ︑ ワシントンはゲネを 接受 した ︒ この 時 ワシントンは ︑ 革命

政府 を 承認 するのに 大使接受条項 を 根拠 としない 一方 で ︑ 国際法 を 援用 し ︑ 国際法 は 自力執行力 のある 国内法 だと

し た う え で

︑ 大 統 領 に は 法 を 誠 実 に 履 行 す る 義 務 が あ る と し た ︒ し か る に ︑ こ の 事 例 は 大 統 領 が 裁 量 的 に 承 認 権

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を 行使 したのではなく ︑ 国際法 ︵ 法 ︶ を 履行 したのであって ︑ 排他的 に 承認権 を 行使 したものではないし ︑ 何 より

(14)

  三〇二 もワシントンが 中立宣言 を 出 した 時 ︑ 議会 は 開会 されていなかった

41

  一 八 〇 〇 年 ︑ Quasi-W ar の 時 ︑ 議 会 は そ の 戦 争 権 限 と 外 国 通 商 権 を 行 使 し て ︑ サ ン ト ・ ド ミ ン ゴ が フ ラ ン ス の 植

民地 であると 宣言 するとともに ︑ フランス 及 びその 植民地 との 通商 を 禁止 する 立法 をなした ︒ 一八 〇〇 年法 はサン

ト ・ ド ミ ン ゴ に フ ラ ン ス の 主 権 が 及 ぶ と し た ︑ ま さ に 議 会 の 承 認 権 の 初 の 行 使 例 で あ り ︑ そ の 後 ︑ 二 回 ︑ す な わ

ち ︑ 一八 〇 六年 にハイチがフランスから 独立 したのを 否定 する 法 と ︑ 一八六二年 にハイチを 独立国家 として 認 める

法 を 制定 して ︑ 承認権 を 行使 したとする

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  本件判決 は 第二 の 承認権 の 排他的行使 の 例 として ︑ 一八一七年 のモンロー 大統領 を 挙 げる ︒ ラテンアメリカがス ペ イ ン か ら 独 立 す る と の 下 院 議 長 H

enr y Clay の 立 法 案 が モ ン ロ ー に よ っ て 潰 さ れ た の は ︑ 大 統 領 の 排 他 的 承 認 権 を 議 会 が 認 め て い た か ら だ と す る

︒ し か し ︑ モ ン ロ ー は 排 他 的 権 利 と 公 言 し た こ と は な く ︑ む し ろ 議 会 と の 協 働

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を 志向 したのであって ︑ クレイも ︑ 承認権 が 大統領 の 排他的権利 と 認識 したから ︑ 議会 が 破 れたというわけではな

い と し て い る

︒ 本 件 判 決 は ︑ ジ ャ ク ソ ン 大 統 領 の テ キ サ ス 併 合 も 排 他 的 権 利 と し て 行 使 し た 例 だ と す る

44

︒ し か し ︑

45

メキシコ 軍 を 負 かしてテキサスがメキシコから 独立 したとの 承認 は ︑ 彼 が 承認 の 決定 で 議会 に 折 れたのであり ︑ 排

他的権利 だとの 憲法解釈 は 持 ち 合 わせておらず ︑ また ︑ 議会 に 戦争権限 を 認 めていて ︑ 承認権 はこの 戦争権限 に 結

びついたものだから ︑ 承認権 は 議会 にあるとまで 述 べている

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  さ ら に 本 件 判 決 は ︑ リ ン カ ー ン の 一 八 六 一 年 の リ ベ リ ア と タ ヒ チ の 承 認 の 例 を 挙 げ る ︒ い わ く ︑﹁ リ ン カ ー ン 大

統領 は ︑ 議会 がその 歳出権 をリベリアとハイチについて 自分 がした 承認 をエンドースするように 行使 するよう 要求

す る こ と で ︑ 議 会 と の 調 和 ︵ coor dinate ︶ の 望 み を 表 明 し た

﹂︒ こ れ は 議 会 と の 協 調 を 示 し ︑ 議 会 の 指 示 を 不 可 欠

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と 考 えており ︑ 憲法 というよりも 政治的配慮 に 動機 づけられているとしている

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アメリカ憲法における国家承認権限の所在 ︵都法五十 六

一︶   三〇三   一 八 六 四 年 と 一 八 九 六 年 に 議 会 が 承 認 権 を 行 使 す る の を 執 行 権 が 自 ら の 承 認 権 を 侵 す と し て 楯 突 い た 事 例 を 挙

げる

Achduke Fer dinand Maximilian von Habsbur g ︒ 一八六四年 ︑ 議会下院 が をメキシコ 皇帝 とは 認 めないと 決議

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したのに 対 して ︑ 承認権 は 執行権 の 専権 だからこれを 侵 すものだとし ︑ 上院 では 可決 されなかった ︒ その 時 の 国務

長 官 W

illia m Sewar d は フ ラ ン ス 担 当 長 官 W

illia m Dayton に ︑ こ の 議 会 の 決 議 は 承 認 権 が 大 統 領 に 専 属 す る 以 上 ︑ ア メ リ カ の 外 交 政 策 に 何 ら 変 更 を 及 ぼ す も の で は な い と フ ラ ン ス 政 府 に 説 明 す る よ う 訓 令 し て い る

︒ 一 八 九 六 年

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に キューバを 承認 する 合同決議 についても ︑ 同様 に 執行権 の 承認権 を 侵 すとし ︑ かかる 決議 は 助言的意味 しか 持 た

な い と し た ︒ 一 八 六 四 年 の 事 例 で は ︑ 議 会 が 自 ら に 権 限 が な い か ら 廃 案 に し た と の 証 拠 は な い し ︑ 外 交 委 員 会 で

は ︑﹁ 議 会 は 新 政 府 承 認 を 含 む 外 交 政 策 に 権 威 あ る 声 を な す 憲 法 上 の 権 利 を 持 っ て い る ﹂ と 述 べ て い る

︒ キ ュ ー バ

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承認 は ︑ 上院内 での 対立 や 上院多数派 と 大統領 や 下院 との 争 いの 複雑 な 議会 での 審議 の 結果 であるが ︑ 上院 で 採択

されることはなかった ︒ しかし ︑ 下院 との 妥協 でキューバがスペインの 植民地支配 から 脱 したとする 議会 の 承認権

行使 の 第四 の 事例 で ︑ しかも 大統領 に 対峙 した 最初 の 事例 である

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  レンステインは Pr oCon を 志向 しているけれども ︑ 大統領 の 承認権 も 否定 しておらず ︑ いわ ば 競合的領域 として ︑ ヤ ン グ ス タ ウ ン の ジ ャ ク ソ ン 判 事 の 分 類 で い え ば ︑ 第 二 分 類 の twilight zone ︵ 曖 昧 領 域 ︶ と 理 解 し て い る よ う に み

える ︒ したがって ︑ その 領域 にあっては ︑ 制定法 の 明示 に 意思 があれ ば ︑ 大統領 はこれに 服 することになる ︒ 外交

︵ for eign af fairs ︶ と す れ ば 大 統 領 に 残 余 的 に 絶 対 的 権 限 が 認 め ら れ ︑ 憲 法 で 明 示 さ れ た 制 約 に の み 服 す る こ と に

なる

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  外交 が 国内 にも 少 なからず 影響 する 現実 をみるとき ︑ 抑制 と 均衡 の 権力分立 のシステムにあって ︑ 二院制 と 議会

提 示 ︵ pr esentment ︶ の 高 い ハ ー ド ル が ︑ 制 憲 以 来 そ う さ れ て い る よ う に ︑ 大 統 領 の 自 ら の 固 有 の 権 限 の 行 使 に も

(16)

  三〇四 途 切 れ の な い 議 会 関 与 を 十 分 に 保 護 し て い る こ と に 思 い を は せ る べ き と し て ︑ 本 件 判 決 を 疑 問 視 す る も の も あ る

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  イギリスの 憲法 では ︑ 国王 が 議会 の 関与 なしに 国防 や 外交 の 権限 を 行使 できる 伝統 がある ︒ 現在 はそうした 大権 と い え ど も ︑ 議 会 の 立 法 に 服 す る こ と に な っ て い る

︒ し か し ︑ ア メ リ カ 憲 法 制 定 時 ︑ 制 憲 者 が 解 釈 し て い た イ ギ

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リス 国王 の 権限 は 相当 に 広範 であり ︑ 議会 の 関与 は 受 けないものと 認識 されていた ︒ 強力 な 執行権 を 説 くハミルト

ンでさえ ︑ 大統領 は 少 なからず 議会 の 制約 を 受 けたり ︑ 協働 で 権限 を 行使 したりする 構造 に なっており ︑ イギリス

国王 と 同一視 することはできないと 断言 している

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  条 約 締 結 や 高 級 幹 部 の 人 事 は 上 院 の 承 認 を 要 す る ︵ 憲 法 二 条 二 節 二 項 ︶︒ 一 方 で ︑ 最 高 司 令 官 や 行 政 権 の 長 に つ

いては 議会 が 関与 する 規定 はないので ︑ これらは 固有 の 権限 だとの 解釈 が 成 り 立 ちうる ︒ これが 大統領権限 と 権力

分 立 の 問 題 の 要 諦 と も い え る ︒ た だ 大 使 使 節 接 受 条 項 ︵ 二 条 三 節 ︶ に も ︑ 議 会 の 関 与 は 求 め ら れ て い な い け れ ど

も ︑ 権限 というよりは 威厳 の 問題 とするのが 制憲者意思 といってよかろう

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  Pr oExe の 本 件 判 決 は ︑ 二 〇 世 紀 以 降 の 外 交 や 国 際 関 係 の 領 域 で は 執 行 権 の 専 権 と な る と の 憲 法 解 釈 に 依 拠 す る ︒ 憲 法 史 研 究 の ホ ワ イ ト に よ れ ば ︑ 外 交 権 に 関 す る 一 九 世 紀 の オ ー ソ ド ッ ク ス な 憲 法 解 釈 は ︑ 三 つ の 要 素 か ら な る

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第一 に ︑ 外交権 の 行使 は 立憲的行為 であって ︑ 憲法条文 に 列挙 され 包含 された 留保権限 に 基 づく ︒ 第二 に ︑ 国際関

係 の 構築 は 基本的 に 条約締結権 の 行使 として 認識 される ︒ 第三 に ︑ 条約締結権 はなるほど 連邦 に 留保 された 権限 で

あるけれども ︑ 連邦政府 の 外交権 の 行使 は ︑ 憲法 が 創設 した 主権構造 にあって 州 に 留保 された 権限 を 尊重 しなけれ

ば ならない ︒ これが 二 〇 世紀 になって 第一次世界大戦 を 経過 したころから 徐々 に 崩 れ 始 め ︑ 二 〇 世紀 のオーソドッ

ク ス を 形 成 し た と い う ︒ そ れ は ︑ 憲 法 条 文 の 列 記 し た 事 項 よ り も ︑ 固 有 性 ︵ inher ent ︶ に こ だ わ る よ う に な っ た こ と で あ る

︒ 条 約 締 結 権 は 憲 法 条 文 以 前 か ら 主 権 国 家 と し て 当 然 存 在 す る ︒ 国 際 関 係 が 憲 法 的 と か 法 的 と か い う よ

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アメリカ憲法における国家承認権限の所在 ︵都法五十 六

一︶   三〇五 り ︑ 政治的 であることが 強 く 認識 され ︑ アメリカの 国際関係 の 形成力 や 処理能力 の 重要性 が 国際社会 で 断然増大 し

た 変 化 が あ る ︒ 外 交 権 に は 国 際 次 元 と 憲 法 次 元 の 二 つ が あ り ︑ 憲 法 上 の 権 限 と 憲 法 理 解 ︵ constitutional

understandings ︶ は 区 別 さ れ ︑ 後 者 が 実 務 を 支 配 す る よ う に な る ︒ 条 約 で は な く 行 政 協 定 ︵ ex ec uti ve ag re em en t ︶ で 国 際 関 係 が 多 く 処 理 さ れ る よ う に な り

︑ 憲 法 上 は ︑ 行 政 権 の 長 と か 最 高 司 令 官 と い っ た 憲 法 二 条 の 包 括 的 規 定 で そ

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れ が 正 当 化 さ れ る よ う に な る ︒ こ れ が Cur tiss-W right の サ ザ ー ラ ン ド 判 事 の ﹁ 唯 一 の 機 関 ﹂ に つ な が り ︑ 外 交 に 関 する 執行権専権 へと 展開 されていくことになるとする

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  ハミルトンは 大統領 の 徳 や 誘惑 にかられることを 懸念 して ︑ 大統領 ﹁ 一人 の 掌中 に ︑ 世界各国 との 交渉 といった

微妙 で 重要 な 利益 をまかせるのが 国民 にとり 賢明 なことだとするほど ︑ 人間 の 徳性 を 高 く 評価 する 意見 は ︑ 現実 の

人 間 行 為 に つ い て の 歴 史 に 照 ら し た 場 合 ︑ 正 し い と は 言 え な い ﹂ と し て い る

︒ こ れ は 条 約 締 結 権 に つ い て 述 べ た

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もので ︑ 憲法 がこれに 上院 の 承認 という 法律要件 を 置 いていることの 意義 を 説 いている ︒ もとより 外交権 がすべて

大統領 の 専権 で 排他的 な 権利 なのではない ︒ 憲法 はこの 条約締結権 のように 上院 の 承認 を 必要 としていることがあ

り ︑ その 意味 では 議会 もこれを 有 するし ︑ 協働 といえる ︒ ただ ︑ 承認権 は 憲法 に 規定 がなく ︑ 上院 をかかわらせる

規定 もない ︒ アドラーはハミルトンのこの 言 を 引 いて ︑ 制憲者 は 外交 を 大統領一人 の 排他的権限 とするのを 否定 し

た と 説 く

︒ し か し ︑ 承 認 権 は 憲 法 に 規 定 が な く ︑ 裁 量 的 決 定 を 要 し な い 事 実 行 為 と み れ ば ︑ 議 会 の 関 与 を 特 に 主

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張 する 法的意義 はないように 思 われる ︒ 本件判決 は 法的行為 とみて ︑ それは 対外的 にアメリカを 代表 する 唯一 の 機

関 である 大統領 の 排他的権限 ︵ power ︶ とみなした ︒ これも 一 つの 論理 である ︒

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  三〇六   4  承認権 司法権 政治 コモンロー

  承認権 は 議会 にせよ 大統領 にせよ ︑ 政治部門 の 判断 であって ︑ 司法権 の 権限 ではない ︒ しかし ︑ コモンローの 訴

訟 で 外 国 法 の 適 用 が 問 題 と な っ た 時 ︑ 当 該 外 国 が 主 権 国 家 ︵ 政 府 ︶ と し て ア メ リ カ が 承 認 し た の か が 論 点 と な り ︑

そうでない 時 ︑ その 法 を 適用 できるかは 訴訟 の 前提 として 重要 となる ︒ 本件判決 は 言及 していないが ︑ 少 なからず

判 例 が あ る ︒ 一 九 世 紀 ︑ Alagon 侯 爵 の 称 号 が ス ペ イ ン 王 の 命 令 に 基 づ く の か が 争 い と な っ た ︒ 最 高 裁 は ︑ 条 約 を

締結 した 者 が 主権 を 行使 する 政治体制 にあったかは 政治的判断 であって ︑ 裁判所 のなすところではなく ︑ 条約 を 無

効 に す る こ と は で き な い と し た う え で ︑ 大 統 領 と 上 院 が 条 約 を 正 式 に 締 結 で き る 国 家 で あ る か を 判 断 す る の だ と

し ︑ 裁 判 所 は そ の 判 断 を 前 提 に 訴 訟 を 処 理 す る と し た

︒ ア メ リ カ の 船 が サ ン フ ラ ン シ ス コ 港 で ナ ポ レ オ ン 三 世 の

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所有 するフランス 輸送船 と 衝突 し ︑ 後者 に 過失 があるとして 損害賠償責任 が 認 められたのに 対 して ︑ ナポレオン 三

世 が ア メ リ カ の 裁 判 所 に 提 訴 し た 事 件 で は ︑ 彼 自 身 は 退 位 し た が ︑ 統 治 権 ︵ reigning sover eign ︶ は 国 家 主 権 で あ

り ︑ それは 継続 し 永久 であって 継承 されるものであるから ︑ 本船 の 所有者 はフランスの 主権者 としてのナポレオン

三世 だとし ︑ 所有権 はフランス 国家 に 帰属 するとした

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  ロシア 革命 で 樹立 された 新興 のソビエト 連邦 ︵ ソ 連 ︶ を ︑ 暫時 ︑ アメリカは 非合法暴力 で 政府 を 倒 したとして 認

めなかったときに ︑ 国家承認 が 連邦制 との 絡 みで 問題 となった ︒ 一九三三年 ︑ ローズベルト 大統領 はソ 連 を 承認 し

た と き ︑ 政 府 間 で L

協定

itvino v Agr eement ︵ L A ︶ を 締 結 し ︑ ソ 連 の ア メ リ カ に お け る 資 産 ︵ 銀 行 口 座 な ど ︶ の 回 収 を

アメリカが 行 うことが 約束 された ︒ しかし ︑ ニューヨーク 州 は 州 の 政策 としてこれを 認 めないとしていた ︒ 最高裁

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アメリカ憲法における国家承認権限の所在 ︵都法五十 六

一︶   三〇七 は 国際的 な 行政協定 は 州憲法 の 損失補償規定 に 勝 るとし ︑ 州内 の 財産権 に 関 する 債務者 の 請求 に 関 する 州 の 政策 は 国 際 協 定 に よ っ て 影 響 を 受 け る の で あ っ て ︑ 無 関 係 だ と し た

︒ 外 交 関 係 で の 権 限 行 使 は 司 法 に よ る 精 察 に は 開 か

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れておらず ︑ 外国 の 主権 の 承認 は 完結的 で 裁判所 を 拘束 する ︒ L A は 執行権 が 唯一 の 機関 として 語 れる 権限 をもつ

仕業 である ︒ 国際協定 は 全 て 条約 と 同 じように 扱 われる 最高法 であり ︑ 国際関係 の 全権 は 国家政府 にあるのであっ

て ︑ 何 ら 州 の 干渉 を 受 けない

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  こ れ は 同 様 な ケ ー ス で も 踏 襲 さ れ る

︒﹁ 外 交 関 係 の 行 為 で の 大 統 領 の 権 力 は ︑ 上 院 の 承 認 な く ︑ ロ シ ア の 国 有 化

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命 令 に 関 す る ア メ リ カ の 公 政 策 を 決 定 す る 権 限 を 含 ﹂ み ︑﹁ 承 認 の 問 題 を 支 配 す る 政 策 を 決 定 す る 権 限 を 含 む ︒ ⁝

L A と 承 認 は 相 互 に 依 存 し あ っ た も の で あ る ︵ inter dependent ︶︒ ︵ 本 法 廷 が ︶ こ の 決 定 は 最 終 的 で は な く 裁 判 所 で 完結 すると 判示 しようものなら ︑ 執行権 を 簒奪 することになろう

﹂︒

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  承 認 権 が か ら む こ と に は ︑ 裁 判 所 は ︑ 二 〇 世 紀 ︑ 特 に Cur tiss-W right 事 件 以 降 ︑ 大 統 領 の 決 定 を 完 結 と し て 扱

い ︑ その 是非 は 論 じないとしているようだ ︒ 承認権 は 政治部門 ︑ とりわけ 大統領 の 権限行使 として ︑ それに 基 づく

決 定 は 裁 判 所 を 拘 束 す る

︒ た だ ︑ コ モ ン ロ ー の 訴 訟 で は ︑ 政 権 が 替 わ っ て ︑ た と え ア メ リ カ が そ の 政 府 を 承 認 し

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ていない 段階 でも ︑ 当該国家 の 当事者能力 を 認 めているようである

71

  承認権 の 所在 がどこにあるかの 判断 は P Q であり ︑ 裁判所 が 判断 し 得 ないものなのか ︒ 第一次訴訟 で ︑ 第一審 と

第二審 はここでわかれた ︒ 思 うに ︑ それぞれが 本件 の 本質 を 異 なって 理解 している ︒ 第一審 は ︑ エルサレムがイス

ラエルなのかを 判断 しなけれ ば ︑ 本件 の 終局的解決 はないとみた ︒ 第二審 は ︑ 外国政府承認権 は 憲法上 どこが 有 す

る か の 問 題 と み た ︒ 最 高 裁 は 第 二 審 を 根 本 的 に 支 持 し ︑ 承 認 権 の 帰 属 は ど こ な の か が 訴 訟 物 だ と し て 差 し 戻 し た ︒

これは 権力分立 の 憲法解釈 の 問題 である ︒ 第二次訴訟 で ︑ 司法権 が 外交政策 にかかわりかねない 事件 でどのような

(20)

  三〇八

態度 をとるのかも ︑ 興味深 い ︒

  本 件 で は ︑ エ ル サ レ ム の 主 権 は イ ス ラ エ ル な の か の 判 断 が 求 め ら れ て い る の で は な い ︒ そ れ は 事 実 ︵ de facto ︶

の 問題 であって ︑ また 国際法上 の 政治的判断 であって ︑ 憲法上 それは 司法 のなすところではないとされよう ︒ エル

サ レ ム の 地 位 は ︑﹁ こ の 国 が 何 十 年 も の 間 直 面 し て き た ︑ 隔 靴 掻 痒 の ︵ vexing ︶ 最 も 爆 発 し や す い 困 難 な 外 交 問 題 なのである ﹂︵ Donald B. V er rilli Jr . 訟務長官

︶︒

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  エルサレムは 約三千年前 ︑ ダ ビデ 王 によってユ ダ ヤ 人 の 首都 として 建設 され ︑ その 後二千年 ほど 前 にローマ 帝国 が 奪 取 し て か ら ︑ 多 く の 国 家 や 帝 国 に よ っ て 支 配 さ れ ︑ 主 権 が 確 定 し て 安 定 し た た め し が な か っ た

︒ ユ ダ ヤ 人 が

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多 く 暮 らしており ︑ 一九五 〇 年 にユ ダ ヤ 人国家 の 首都 となる ︒ アメリカは ︑ トルーマン 大統領 が 一九四八年 にイギ

リ ス に な ら っ て イ ス ラ エ ル を 国 家 と し て 承 認 し ︑ エ ル サ レ ム が イ ス ラ エ ル の 占 領 下 に あ る こ と を 認 め て い る

︒ し

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かし ︑ 同時 にエルサレムが 国際化 されるべきとした

75

  議会 は 一九九五年 にエルサレム 大使館法 を 制定 し ︑ 事実上 イスラエルがエルサレムに 主権 を 有 することを 承認 す る 法 を ︑ 下 院 で 三 七 四 対 三 七 ︑ 上 院 で 九 三 対 五 で 可 決 し て い る

︒ 同 法 は ﹁ ア メ リ カ の 政 策 声 明 ﹂ と し て ︑︵

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1 ︶ エ ル サ レ ム は す べ て の 民 族 宗 教 集 団 の 権 利 が 保 護 さ れ る 不 分 割 ︵ undivided ︶ の 市 で あ り 続 け る も の と す る ︵

2 ︶ エ

ルサレムはイスラエル 国 の 首都 として 承認 される ︵

3 ︶ イスラエルのアメリカ 大使館 は 一九九九年五月三一日 まで

に エ ル サ レ ム に 建 設 さ れ る も の と す る ︑ と し た ︵ 三 条 ︶︒ そ し て ﹁ 海 外 建 築 物 の 取 得 及 び 維 持 ﹂ の 予 算 か ら エ ル サ

レ ム 移 転 建 設 の 費 用 と し て ︑ 九 六 年 度 は 二 千 五 百 万 ド ル ︑ 九 七 年 度 は 七 千 五 百 万 ド ル が ︑ 充 て ら れ る と し た ︵ 四

条 ︶︒ た だ 当 時 の 大 統 領 ク リ ン ト ン は ︑ 大 統 領 の 外 交 遂 行 権 を 侵 害 し ︑ 違 憲 な 条 件 の 議 会 の 歳 出 権 の 行 使 だ と し て お

︑ そ の 後 の 大 統 領 の ブ ッ シ ュ も オ バ マ も ︑ 同 法 の 執 行 を サ ス ペ ン ド し て い る ︒ 同 法 七 条 a は ︑ ア メ リ カ の 安 全

77

(21)

アメリカ憲法における国家承認権限の所在 ︵都法五十 六

一︶   三〇九 保障 の 利益 を 保護 するのに 必要 な 限 りで ︑ 大統領 に 六 カ 月 を 期限 とするサスペンドの 権限 を 認 めており ︑ これを 行 使 しているのである

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  同 法 の 履 行 を 求 め る 法 案 が ︑ 本 件 判 決 前 後 に も 下 院 に ﹁ エ ル サ レ ム 大 使 館 承 認 法 案 ﹂ と し て 出 さ れ て い る

︒ そ

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の 憲 法 上 の 根 拠 と し て ︑ 議 会 の 権 限 と 定 め て い る ︑ 共 通 の 防 衛 と 一 般 福 祉 の た め の 課 税 権 ︵ 憲 法 一 条 八 節 一 号 ︶︑

必 要 か つ 適 切 な す べ て の 法 律 を 制 定 す る 権 限 ︵ 一 八 号 ︶︑ 国 庫 か ら の 支 出 は 歳 出 予 算 法 に 従 う こ と ︵ 九 節 七 号 ︶ の

条項 を 挙 げている ︒

  本件判決 は ︑ エルサレム 大使館法 の 論点 には 直接関係 せず ︑ 大統領 の 承認権 が 議会 の 歳出権 で 規制 されうるかは

判断 していない ︒ ただ 必要適切条項 ︵ 憲法一条八節一八号 ︶ から 議会 に 承認権 があることや ︑ 大統領 が 有 するとし

たうえでその 承認権 を 規制 しうる 権限 があることは ︑ 否定 したと 解 することができるであろう ︒

四  パスポート規制権 の関係

1  Tatel 判事の本件判決での補足意

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  本 件 判 決 で Tatel 判 事 は Pr oExe の 解 釈 に 賛 成 す る も ︑ 議 会 の パ ス ポ ー ト 権 の 考 察 が 必 要 だ と の 補 足 意 見 を 述 べ

ている ︒ 以下 これをみることにする ︒

  たしかに ︑ 憲法上 ︑ 議会 の 移民 や 外国通商 ︑ 帰化 の 権限 はパスポート 規制権 の 授権 を 内包 する ︒ しかし ︑ その 行

使 の 仕方 は 憲法 に 反 してはならない ︒ 議会 にパスポート 規制権 があるとの 主張 は 二一四条 d 項 の 合憲性 を 解決 しな

(22)

  三一〇

い ︒ 問題 は ︑ 二一四条 d 項 での 議会 のかかる 権限 の 行使 の 仕方 が 執行権 の 承認権 を 侵害 していないかである ︒

  まず ︑ 承認権 の 所在 について ︑ 判例 は 明確 ではないけれども ︑ 下級審 の 判例 も 含 めて 広 く 外交 の 専権 を 示唆 する

積 み 重 ねから ︑ 多数意見 に 賛成 する ︒ 問題 は 二一四条 d 項 がこの 大統領 の 排他的権利 である 承認権 を 侵害 していな

いか ︑ である ︒ F A M は 明 らかに ︑ エルサレムは 主権国家 に 属 するものではないとする 執行権 の 決定 を 履行 するも

のである ︒ 他方 ︑ ジヴォトフスキー ︵ 原告 ︶ は ︑ 大統領 の 承認権 が 排他的 であったとしても ︑ ある 領域 が 特定 の 主

権国家 に 属 するかを 決定 する 権限 まで 含 まず ︑ 外国 の 組織 を 主権 と 認 める 権限 であって ︑ 主権国家 の 国境 を 決定 す

る 権限 は 含 まれないと 主張 している ︒ だが ︑ これは 詭弁 であって ︑ 国家 を 承認 するということはその 国境 を 認 める

ことが 前提 となる ︒ むしろ ︑ 補助参加人 がいうように ︑ エルサレム 生 まれの 個人 に 出生地 をイスラエルと 選択 させ

ても ︑ エルサレムにイスラエルが 主権 を 有 しているのを 認 めたことにはならないから ︑ 大統領 の 承認権 も 侵 さない

との 主張 は ︑ まともなようにみえる ︒ パスポートの 出生地 の 欄 は 個人 を 特定 するためのものである ︒ しかし ︑ この

ことが 承認権 と 無関係 とはいえない ︒ いかなる 状況 であっても ︑ 個人 はアメリカの 承認政策 に 反 する 出生地 の 指定

を 選択 することはできない ︒

  原告 は ︑ 台湾 が 認 められているのは 一貫 していないと 言 う ︒ しかし ︑ 政府 は 台湾 を 中国内 の 区域 と 認 めているか

ら 出 生 地 の リ ス ト に 挙 げ て い る の で あ り ︑ し か も そ れ は 政 府 の 承 認 政 策 に 合 致 す る ︒﹁ 国 務 長 官 の 政 策 は 個 人 の 識

別 と 承 認 ︵ identification and recognition ︶ に か か わ る の だ か ら ︑ 議 会 は 承 認 権 に 干 渉 し な い 出 生 地 欄 に つ い て 何 ら か の 立 法 を な す こ と は で き る だ ろ う

﹂︒ 二 一 四 条 d 項 は こ の 承 認 権 を 侵 し て し ま っ た の だ ︒ こ の 制 定 法 は 政 府 ︵ 執

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行権 ︶ の 長期 の 政策実務 を 逸脱 するもので ︑ 大統領 の 中立政策 に 影響 をもたらすと 述 べている

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  テ イ テ ル の 補 足 意 見 は ︑ パ ス ポ ー ト の 法 的 意 義 に 着 目 し て い る ︒ パ ス ポ ー ト と は ︑﹁ 個 人 が 外 国 に 出 入 す る 旅 行

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