変分法・解析力学:演習問題
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有限次元の空間のノルム
(V,∥ · ∥)を有限次元ノルム空間,dimV =nとし,V の基底x1,· · · , xnを固定する。任意のu∈V は定数{cj}j を用いてu=c1x1+· · ·+cnxnと一意的に表わされる。そこでV の新しいノルムを
∥u∥max := max
j=1,···,n|cj| で定義する。
(1) ∥u∥maxがノルムの公理をみたすことを証明せよ。
(2) 定数M >0が存在して,任意のu∈V に対して∥u∥ ≤M∥u∥max となることを証明せよ。
(3) 定数m >0が存在して,任意のu∈V に対してm∥u∥max ≤ ∥u∥となることを証明せよ。(背 理法,Bolzano-Weierstrassの定理を用いて証明する。わからない場合は文献を調べよ*1。)
(注意) ∥ · ∥1, ∥ · ∥2を2つのノルムとするとき,定数M, m >0があってm∥u∥1≤ ∥u∥2≤M∥u∥1
が成り立つとき,これら2つのノルムは同値であるという。上の問題の結果は,有限次元ベクトル空 間上の任意のノルムは∥ · ∥max と同値であることを示している。したがって,有限次元ベクトル空間 上の任意の2つのノルムは同値になる。
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有限次元の有界作用素
V, W をノルム空間とする。線形写像T :V →W のノルムは
∥T∥:= sup
u∈V\{0}
∥T u∥W
∥u∥V
で定義される。これを作用素ノルムという。∥T∥<∞となる線形写像の集合をB(V, W)と記す。
(i) ∥T∥<∞であることの必要十分条件は,定数C >0が存在して,任意のu∈V に対して
∥T u∥ ≤C∥u∥
であることを示せ。
(ii) V が有限次元空間なら,任意の線形写像T : V → W は有界であることを示せ。(ヒント:
u∈V をV の基底e1,· · · , en,n= dimV を用いて表し,三角不等式を使って∥T u∥を評価せ よ。前問の(3)を使って,問(i)の定数Cを定めよ。)
(注意) (ii)の結果は,V が有限次元ならB(V, W)は単にV からW への線形写像の集合であること を意味する。
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線形作用素の基本的性質
(1) V =W =Rnの場合を考える。RnのノルムはEuclidノルム∥u∥= (u21+· · ·+u2n)1/2で定 義されるものとする。ただしu = (u1,· · · , un) ∈ V。線形写像T ∈ B(V, W)は行列要素tij
*1関数解析の教科書にはたいてい書いてある。例えば,関数解析(黒田成俊著,共立出版)
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を用いて(T u)i=∑n
j=1tijuj と表すことができる。このとき,
∥T∥ ≤(∑n
ij=1
t2ij )1/2
を示せ。
(2) V =Rnであるとする。f ∈ B(V,R)に対してh= (h1,· · · , hn)∈V が存在して f(u) =⟨h, u⟩:=
∑n j=1
hjuj, u= (u1,· · ·, un)∈Rn (1)
となることを示せ。
(注意) B(V,R)をV の双対空間といいV′で表すが,(2)はV が有限次元ならV′はV =Rnと同一 視できることを意味している。
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簡単な場合の
Fr´echet微分
a, b, c∈Rとする。V =R2とし,汎関数f :V →Rをf(x, y) =ax2+bxy+cy2で定義する。
(1) 点(X, Y)∈V においてf がFr´echet微分可能であることを示しf′(X, Y)を求めよ。
(ヒント:f′(X, Y)∈ B(V,R) =V′なので,h:= (h1, h2)∈R2に対して,
f′(X, Y)(h) =⟨f′(X, Y), h⟩
を求めればよい。)
(2) f が2階Fr´echet微分可能であることを示し,L := f′′(X, Y)を求めよ。(ヒント:導関数f′ はV から V′への写像なのでその微分は L ∈ B(V, V′)である。すなわち u ∈ V に対して Lu∈ V′であり,h∈V に対して(Lu)(h)∈Rである。したがって,Lを求めるということ はu= (u1, u2)∈V,v= (v1, v2)∈V に対して
⟨Lu, v⟩ ∈R
を求めることと同じである。) (3) ⟨Lu, v⟩=∑2
i,j=1uiLijvj となる対称行列L= (Lij)は何か?
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有限次元の
Fr´echet微分
V =Rnとし,f :V ∋(x1,· · ·, xn)7→f(x1,· · ·, xn)∈Rは2階連続微分可能であるとする。
(1) 点 x = (x1,· · ·, xn) ∈ V に お け る f の Fr´echet 微 分 f′(x) ∈ V′ を 知 り た い 。u = (u1,· · · , un) に対して⟨f′(x), u⟩ を求めよ。答えは,bj(x) = ∂f /∂xj, j = 1,2,· · · を用 いて表わせ。
(2) L=f′′(0)とするとき,⟨Lu, v⟩=∑n
i,j=1uiLijvj となる対称行列L= (Lij)を求めよ。答え はaij = (∂2f /∂xi∂xj)(0)を用いて表わせ。
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