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偶然的真理としての〈 物理主義・エピフェノメナ リズム 〉

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偶然的真理としての〈 物理主義・エピフェノメナ リズム 〉

著者 柴田 正良

著者別表示 Shibata Masayoshi

雑誌名 名古屋大学哲学会第31回大会 発表資料

ページ 33p.1p.

発行年 2015‑04‑11

URL http://hdl.handle.net/2297/43217

Creative Commons : 表示 ‑ 非営利 ‑ 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by‑nc‑nd/3.0/deed.ja

(2)

偶然的真理としての<物理主義・エピフェノメナリズム>

平成 27 年 4 月 11 日 柴田正良(金沢大学教育担当理事・副学長)

本発表で私が述べたいことは2つである。1つは、(1)心の諸現象に関しておおむね妥 当と思われる存在論的な立場は物理主義(physicalism)であろうが、しかしそれはあら ゆる可能世界で成立する主張であるわけではない、という意味で必然的真理ではなく、現 実世界を含んだローカルな可能世界群における偶然的真理にすぎないということである。

さらにこのことは、個体及び性質に関する同一性の必然性を前提する限り、現実世界にお ける心的性質と物的性質の関係は、一方から他方への還元による同一性関係ではなく、た かだか一方の他方に対するスーパーヴィーニエンス(supervenience)関係でしかないと いうことである。したがって、私の主張の2つ目はこうなる。(2)心的因果(mental causation)の問題において受け入れざるをえない真理は、現実世界でわれわれが経験する 心身の性質に関する限り、いわゆるエピフェノメナリズムであろう。心的性質に因果的効 力を確保しようとするいかなる試みにもかかわらず、心的性質と物的性質が非還元的関係 である限り、心的性質に、物的性質とは異なる独自の因果的効力を与えることはできな い。

(1)に関しても(2)に関しても、問題領域と議論の性質上、残念ながら決定的な論証を与 えることはできない。もっとも、これらの問題に限らず多くの領域において哲学がなしう ることは、これまでの科学の成果をできるだけ多く取り入れ、なおかつ可能な限り経験と 常識を尊重しながら、論理的に整合的な説明を与えることであろう。そして哲学がなしう る最大限のことは、それらの個々の整合的な説明の上に立ち、この現実世界が結局のとこ ろいかなるタイプの可能世界であるかについて、最も広範囲で最も整合的なストーリーを 組み立てることであろう。とはいえ、今回の話の進み方があまりに独断的にならないよう に、議論の展開が(2)から(1)へと遡るようになることを心がける。その際、「エピフェノ メナリズムなんて怖くない」、しかし「自由と責任と倫理に関する新たな概念を提案する のがこれからの哲学者の使命だ」ということも訴えておきたい。

参照

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