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Glycoside hydrolase family 97 subfamily 97cに属する酵素の機能解析 生物資源科学専攻

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Academic year: 2021

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北海道大学 大学院農学院 修士論文発表会,201828

Glycoside hydrolase family 97 subfamily 97c

に属する酵素の機能解析

生物資源科学専攻 応用分子生物学講座 分子酵素学 菊池 麻子

1.背景と目的

Glycoside hydrolase family 97 (GH97) に属する酵素はアミノ酸配列が多様であり,系統解析に基づ き,さらに5つのサブファミリー (subfamily 97ae) に分類されている。これまでにsubfamily 97a には反転型α-glucoside hydrolaseが,subfamily 97bには保持型α-galactosidaseが含まれていることが 報告されている。Glycoside hydrolase familyではファミリー内で触媒機構が保存されているのが一般 である。しかし,触媒機構が異なる反転型・保持型酵素が混在している点でGH97はユニークなフ ァミリーであるといえる。本研究ではsubfamily 97cに属する酵素の機能を明らかにすることを目的 とした。subfamily 97c に分類される Bacteroides thetaiotaomicron VPI-5482 由来 BT_3661 および BT_3664の遺伝子産物,BT3661およびBT3664の解析を行った。

2.方法と結果

大腸菌を用いて組換えBT3661およびBT3664を生産し,Ni-アフィニティークロマトグラフィー に より精 製した 。こ れら タンパ ク質に ついて基 質特異 性を評 価した。BT3661 pNP β-L-arabinopyranoside (pNP Ara) pNP α-D-galactopyranoside (pNP Gal) に対する加水分解速度定数 (kcat/Km) は,それぞれ0.41 s−1mM−10.14 s−1mM−1であり,pNP ArapNP Galに対して同程度の特 異性を示した。一方,BT3664pNP ArapNP Galに対するkcat/Kmはそれぞれ1.9 s−1mM−10.076 s−1mM−1であり,pNP Galの方がpNP Araよりも25倍大きかった。これらより,BT3661bifunctional β-L-arabinopyranosidase/α-galactosidase,BT3664α-galactosidase と同定した。

これまでにGH97で報告のないユニークな基質特異性を有するBT3661の天然基質の候補として アカシア由来gum arabic,カラマツ由来arabinogalactanが考えられた。これら多糖は,その非還元 末端にβ-L-arabinopyranoside,α-galactosideを有していることが知られている。BT3661gum arabic およびarabinogalactanと反応させ,生成物をTLCおよびHPAEC-PADを用い解析した。生成物とし arabinoseまたはgalactoseが観察され,BT3661がこれら多糖の代謝に関与することが示唆された。

BT3661のユニークな基質特異性の構造-機能相関を明らかにする目的でX線結晶構造解析を行っ

た。得られた構造を,既知のsubfamily 97b 保持型 α-galactosidaseと比較した。両酵素の活性中心を 構成するアミノ酸残基はよく保存されていた。しかし,基質であるα-galactoside6位水酸基に対 する認識に差異があることが分かった。subfamily 97b α-galactosidaseではGlu3516位水酸基と水 素結合を形成しα-galactosideを安定化しているが,BT3661の相当する箇所にGluは存在せず,Asn338 が位置していた。そこで,Asnを他のGH97酵素に見られるGlu,AlaおよびAspに置換した変異 酵素 N338E,N338AおよびN338Dを作製し,基質特異性を評価した。また,Asn338に近接する

Gln378が基質特異性にどのような影響を及ぼすか調べるためGlnをAlaに置換した変異酵素Q378A

ならびに二重置換変異酵素N338E/Q378AおよびN338D/Q378Aを作製した。変異酵素N338Eでは β-L-arabinopyranosidase活性が野生型の1.3倍に上昇し,α-galactosidase活性が5.8倍に減少した。一 方,N338Aではα-galactosidase活性が野生型の7.9倍に上昇し,β-L-arabinopyranosidase活性が27 に減少した。また,N338DQ378Aに顕著な基質特異性の変化は見られなかった。N338E/Q378A

N338D/Q378AはそれぞれN338E,N338Dと同様の基質特異性を示した。

参照

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