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学位論文内容の要旨

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Academic year: 2021

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(1)

     博士(工学)中山 学位論文題名

―rth

    へなolecular Transformations based     on Selective Fragmentation

    of Alkoxyl Radicals as the Key Step

(ア ルコ キシ ルラジ カル の選 択的 フラ グメ ンテ ーシ ョンを基軸とする分子変換)

学位論文内容の要旨

  反応性に富むフリーラジカル強、有機化学反応における重要な中間体であり、基養有機 化学反応の分野のみをらず、有槲匕学工業においてラジカル重合などによる基礎原料の大 規農合成などに重要な役銅を乗たしてきた。

  ラジカル反応はほぼ中性の条件、室温で分子変換を達成し得るなど、合成反応として致 々の利点を有するにもかかわらず、有機合成への応用研究は必ずしも多くなかった。しか し量近の有機化学工藁におけるスペシヤリテイーケミカルズ指向の中で、ラジカル反応を 用いる有機合成の新手法の開発の研究弦次第に活発となり、その有一合成における有用性 が広く認められるようになった。特に、ラジカル反応は、中性、温和訟条件下で追行し、

竇い選択性を有することが次第に明らかになりつっある。

  本諭文は、アルキル次亜ヨウ素Iエステルの光分解により発生させたアルコキシルうジ カルの遍択的p‑一硬反応をキーステップとする、ステロイドから18‑ノルステロイド、

18 ‑官健基I挟ステロイドヘの変換の新しい手法の開発、辱状a,p‑不飽和ケトンと環状 シリルエノールエーテルとの[2十2〕光シクロ付加によって合成したシクロブタノール iIBlc体の位I選択的ラジカル開裂反応によるビシクロ環合成の新手法の開発とセスキテル ペンの一Iであるa‑ヒマチヤレンの合成への応用についての研究に閲するものである。

  本詮文猿4章から一成されている。第1章においては、本研究の目的、意甚を記した。

第2章においては、自然界より単1された初めての18‑ノルステロイドであるフクジュ ソノロンを、天然ステロイドであるプレグネノロンを出発分子とし、アルコキシルラジカ ルの位I選択的p‑閲裂反応をキーステップとして、10段暗の反応により合成した結果を 記した。すなわち著者な、プレグネノロンの3位の水1基と5位の二重結合を保護した6 p‑メ ト キ シ‑3a,5‑シ ク ロ プ レ グ ナ ン ‑20‑オ ン を 、Bouvault‑Blanc還 元 によって6 p‑メトキシ‑3q,5‑シクロプレグナン‑20aーオールに導いた。ついでその 亜 弼Iエ ス テ ル を 光 分 解 す る こ と に より (Barton反応 )、 その13位 のメ チル 基に ヒドロキシイミノ基を導入した。さらにヒドロキシイミノ基を加水分解し、6p‑メトキシ

‑18,20 a‑エ ボキ シ‑3a,5‑シク ロ‑5ば‐ プレ グナ ン 18‑オールに変換した。この 18,20a‑エボ キシ‑18‑オー ルを次亜ヨウ素亀エステルとし、光分解してアルコキシ ルラジカルを発生せしめると、13 ‑18位の炭素‐炭素結合の位I選択的p‑闘裂によりl 8‑ノ ル‑13‑エ ン‑20a‑オー ルギ亀 エス テル が得 られ た。 得られたギ量エステルを加

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(2)

水分解して相当するアルコールとし、PCCによって一t化し、相当するケトンとした後、

A,B環 の 保 護 基 を 除 き12‑デ オ キ ソ フ ク ジ ュ ソ ノ ロ ン の 合 成 に 成 功 し た 。   第3章においては、アルコキシルラジカルのp‑開裂を応用したステロイド骨格における 13 p‑メチル基への官能基導入、ならびにステロイドD環の6員環への環拡大についての 成果を記した。すなわち、プレグネノロンの3 p‑ヒドロキシル基と5位の二重結合を保護 し た6 p‑メ ト キ シ‑3a,5‑シ ク ロ‑5 a‑プ レ グ ナン‑20‑オ ン を 光分解 する と、Nor rishn型 反 応 に よ り18,20‑シ ク ロ プ レ グ ナ ン ー20‑オ ー ル が得 られ た。 この シク ロブタノール誘導体を次亜ヨウ素酸エステルとし、光分解してアルコキシルラジカルを発 生 せし める と、17‑20位の炭素−炭素結合が位置選択的に開裂し、13p‑メチル基にヨ ウ素が導入された18 ‑ヨード‑17 p‑アセトキシステロイド、及び同基にアセチル基が導 入 され た18‑アセ チル‑17P‑ヨ ウ化 ステロ イド が得 られた。一方、相当する亜弼■エ ステルの光分解では、18‑アセチル‑1 7‑オンオキシムを生成した。同オキシムを常法に より加水分解し、保護基を除き 、18位‐官能基置換ステロイドである18 ‑アセチル‑5‑

プ レグ ネン‑3 p‑オー ル‑1 7‑オン を合成 した 。一 方、 上に 述べ た18 ‑ヨ ード‑17p‑

アセトキシステロイドを水素化アルミニウムリチウムによって相当するアルコールとし、

さらにPCCで酸化して相当するケトンとした後、アゾビスイソブチロニトリルの存在下 に水素化トリブチルスズにより18位にラジカルを発生させると、竇収率で6量鼻への1 拡大が起こり、ステロイドDgltの6員環化が達成された。

  最後に、第4章では、釁状ロ,p‑不飽和ケトンと環状シリルエノ―ルエーテルの[2十 2]光シクロ付加により得られたシクロブタノール誘導体からアルコキシルラジカルを発 生させ、位置選択的p‑開裂反応によってビシクロアルカン骨格を合成する新手法の開発と そのビシクロ[5.4.0]ウンデカン骨格を有するセスキテルペンであるa‑ヒマチヤレ ン合成への応用についての成乗を記した。すなわち、2‑シクロヘキセン‑1‑オンと2‑メ チル‑1‑トリメチルシロキシ・1‐シクロペンテンの[2十2]光シクロ付加により鷲合シ クロプタノール構造を有する2‑ヒドロキシ‑6‑メチルトリシクロ[5.4.O.02.6〕ウ ンデカン‑8‑オンを合成した。ついで2段階の反応でシクロプタノールぁ導体である8‑

t‑ブチルジメチルシロキシ‑6ーメチルトリシクロ[5.4.O.02 6]ウンデカン‑2‑オ ールに変換し、次亜ヨウ素1エステルの光分解によルアルコキシルラジカルを発生させ、

縮含位の炭素‐炭素結合を位I選択的に開裂せしめ、官能基を有するピシクロ[5.4.O] ウンデカン骨格に導いた。さらにそれを3段曙で6,6‑ジメチルビシクロ匸5.4.O〕ウ ンデカン‑8‑オール‑2‑オンヘ変換し|2位のカルボニル基をウイテイッヒ反応によルエ キソメチレン基とした後3段階の反応により6,6‑ジメチル‑9 ‑エトキシカルボニル‑ 2‑

メチレンビシクロ[5.4.O]‑8‑ウンヂセンを得た。ついで9位のエトキシカ´レボニル 基 を 還 元 し て メ チ ル 基 へ と 変 換 し 、 a‑ヒ マ チ ャ レ ン を 合 成 し た 。   以上のように著者は、アルコキシルラジカルの位置選択的p‑開裂反応をキーステップと して、温和な条件下での分子変換法を開発し、それをセスキテルペン合成に応用するなど、

有機合成におけるラジカル反応の有用性を明らかにした。

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(3)

学位論文審査の要旨

学 位 論 文 題 名

 Molecular Transformations based     on Selective Fragmentation of Alkoxyl Radicals a's the Key Step

(ア ル コキ シ ルラジカ ルの選択 的フラグ メンテーシ ョンを基 軸とする 分子変換 )

  反応性に富むフリーラジカルは、有機化学反応における重要な中間体であり、基礎有機化 学 の 分 野 の み な ら ず 、 有 機 化 学 工 業 に お い て 重 要 な 役 割 を 果 た し て き た 。   ラジカル反応は温和な条件下で分子変換を達成することができ、合成反応として数々の利 点を有し、高い選択性を示すことが次第に明らかになりつっある。最近の有機化学工業にお けるスペシヤリテイーケミカルズ指向の中で、ラジカル反応を用いる有機合成の新手法の開 発の研究は次第に活発となっている。

  本論文は、アルキル次亜ヨウ素酸エステルの光分解により発生させたアルコキシルラジカ ルの選択的開裂反応をキーステップとして、有益な特異的分子変換の手法の開発とそのステ ロイFから18‑ノルステロイド、18 ‑官能基置換ステロイド等への変換、セスキテルペン 合成への応用についての研究成果をまとめたものである。

  本論文は4章から構成されている。第1章においては、本研究の目的、意義が記されてい る。第2章においては、自然界より単離された初めての18 ‑ノルステロイドであるフクジ ユソノロンのデオキソ体を、プレグネノロンから10段階の反応により合成した結果が記さ れている。すなわち著者は、プレグネノロンから誘導された20‑アルコールの亜硝酸エス テルを光分解することにより、その13位のメチル基にヒドロキシイミノ基を導入した。さ らにヒドロキシイミノ基を加水分解し、18,20a‑エボキシプレグナン‑18´オールに変 換した。この18‑オールを次亜ヨウ素酸エステルとし、光分解してアルコキシルラジカル を発 生せしめ 、位置選 択的p‑開裂 により18‑ノ ル‑13‑エン‑2○a‐オールギ 酸エステ ルを得た。ギ酸エステルからさらに3段階の反応により、12‑デオキソフクジュソノロン

   

   

(4)

の合成に成功した。

  第3章 にお いて は、 アル コキシルラジカルのp‑開裂を 応用したステ匸ユイド骨格における 13 p‑メ チ ル 基 へ の 官 能 基 導 入 、 な ら び に ス テロ イドD環 の6員 環へ の環 拡大 につ いて の 成果が記されている。すなわち、プレグネノ口ンのヒド ロキシル基と二重結合を保護したプ レ グ ナ ン‑20‑オ ン 誘 導 体 を 光 分 解 す る と 、 分子 内水 素引 き抜 き反 応に よ り18,20‑シ ク ロプ レグ ナン‑2○ ‐オ ール が得 られ た。 この シク ロブ タノール誘導体を次亜ヨウ素酸エス テルとし、光分解してアルコキシルラジカルを発生せしめると、位置選択的開裂反応により、

18 ‑ヨ ー ド‑17 p‑ア セ ト キ シ ス テ ロ イ ド 及 び18‑ア セ チ ル‑17 p‑ヨ ウ 化 ス テ ロ イ ド が 得 ら れ た 。 一 方、 相当 する 亜硝 酸エ ステ ル の光 分解 では 、18 ‑ア セチ ル‑17‑オ ンオ キ シム を生 成し た。 同オ キシ ムか ら2段 階で 、18位・ 官能 基置 換ス テロ イド を合 成した。ー 方、 上に 述べ た18 ‑ヨ ード‑17 p‑ア セト キシ ステ ロイ ドを相当するアルコールとし、さら に 酸 化 し て 相 当 する ケト ンと した 後、 ・AIBNの存 在下 に水 素化 トリ ブチ ルス ズに より18 位に ラジ カル を発 生さ せる と、 高収 率で6員環 への 環拡 大が 起こ り、 ステ ロイ ドD環の6員 環化が達成された。

  最 後に 、第4章 では 、環 状a,p‑不飽和ケトンと環状シリルエノールここーテルの [2十2]

光シ クロ 付加 によ り得 られ たシ クロ ブタ ノー ル誘 導体 からアルコキシルラジカルを発生さ せ、 位置 選択 的p‑開裂 反応 によ って ビシ クロ アル カン 骨格を合成する新手法の開発とその ビ シ ク ロE5.4.OJウ ン デ カ ン 骨 格 を 有 す る セ ス キ テ ル ペ ン で あ るa‑ヒ マ チ ヤ レ ン 合 成 への 応用 につ いて の成 果が 記さ れて いる 。す なわ ち、 著者は該手法により、まず[2十2] 光シ ク口 付加 によ り縮 合シ クロ ブタ ノー ル構 造を 有す る2゜ヒドロキシ‑6‑メチルトリシク ロ ウ ン デ カ ン‑8‑オン を合 成し た。 つい で2段 階の 反応 でシ クロ プタ ノー ル誘 導体 に変 換 し、アルコキシルラジカルを発生させ、縮合位の炭素‐炭素結合を位置選択的に開裂せしめ、

官 能 基 を 有 す る ビ シ ク ロL5.4.0]ウ ン デ カ ン 骨 格 に 導 き 、 さ ら に8段 階 の反 応を 経て 、 a‑ヒマチヤレンを合成した。

  iれを 要す るに 著者 は、 アルコキシルラジカルを用い る新しい分子変換法により複雑な天 然物の全合成を行うなど有機合成化学における優れた新 知見を得ており、有機合成化学の進 歩に貢献するところ大なるものがある。よって著者は、北海道大学博士(工学)の学位を授与 される資格あるものと認める。

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